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2006年11月18日
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カテゴリ: Movie(邦画)

ザ・有頂天ホテルです。
母音の「ウ」なので ジ・有頂天ホテル になりそうですが、実は英語表記では「THE WOW-CHOTEN HOTEL」と書くらしいので「ザ」のままでいいようです・・・
って、どうでもいいようなことなのですが・・・(笑)
この映画はいわゆる「群像劇」というやつで、ホテル内で様々な登場人物が、互いに影響を(本人は無意識で)及ぼしあい、物語が進行します。
その偶然性(あるいは必然なのか?)があたかも「奇蹟」を起こしてるように見えるわけです。
こういったストーリー展開は1930年代の映画「グランドホテル」にちなんで「グランドホテル形式」とも呼ばれ、業界ではスタンダードな設定なのです。
ちなみに「グランドホテル」について、役所宏司の台詞の中で説明があります。
三谷監督もセットの大階段はこの映画に似せて作ったと言っています。
要は日本版「グランドホテル」なんですね・・・この映画・・・
それにフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが主演した「有頂天時代」というミュージカルのテイストをを加えているようです。
オープニングやエンディングの雰囲気など結構似ています。
・・・・というわけでこの映画は「有頂天ホテル」というネーミングなんだそうです・・・

さてストーリーですが、総勢23名の出演者ということですが、実際はもっと多いと思います。
その人々が複数の事件で絡み合っていくわけですが、そう複雑ではありません。
これは、やはりストーリーボードがしっかりしているからで、その辺が三谷監督の才能なのでしょう。
結局のところ「いろいろあったけど大晦日で昨日までの自分が終わって、今日から新しい自分になった。」ということにつきるわけで、全ての登場人物がそれを感じ、(一部そうでない人もいますが・・・)新年を迎えるということ 「だけ」 なんです。
YOUが歌う「If My Friends Could See Me Now!」の訳がエンディングでみれますが、まぁ上記のようなことなんですね・・・
だから、殺人が起こるわけでもなく、あくまでもコメディタッチなので、ノリが「軽い」です。
出演者も役所宏司の他に佐藤浩市、唐沢寿明、津川雅彦、西田敏行など、重厚な演技もできるけど、コメディもこなす俳優陣で固めています。
そんななか、一応ヒロインは松たか子と篠原凉子なんですが、三谷監督が絶大な信頼を置いているのは戸田恵子だと思いました。
彼女と三谷監督は、かなり「はまった」組み合わせだと思います。よって三谷監督と一緒の仕事も少なくないです。
最近では「新撰組」の旅館の女将が印象に残っていますが、その他、映画では「ラヂオの時間」、「みんなのいえ」、テレビでは古畑のゲスト(VS SMAPの時)、「総理と呼ばないで」のレギュラーなどがあります。
今回の彼女の役はホテル全体のマネージメントを取り仕切っています。
一応、副支配人の役所宏司のアシスタントということにはなっていますが、彼女の仕事ぶりはかなりのもので、途中とっちらかってしまう役所宏司に変わって映画そのものをしっかり「仕切って」いるように見えました。
思えば、彼女の演技は三谷作品のイメージにぴったりのような気がします。
私は「総理と呼ばないで」のクライマックスでの彼女の台詞を今でも覚えています。
戸田恵子の役は秘書かなんかだったと思います。
入れ替わり立ち替わり総理に使える仕事です。
物語では暴力団との関与を現役の総理(田村正和)が認めるという大スキャンダルが起きます。
総理自ら記者会見した後、(実際は首相は関係してなかったのだが側近をかばうためにあえて自分が犠牲になった)官邸を去っていく総理に対しての言葉です。
彼女は涙ながらに、でも笑顔で総理にこういいました。
「ご立派!」
途中、どうしようもないダメ総理で、世間からは最後まで暴力団との関わりのあるろくでもない総理と認識されたが、総理の周りの人々だけは彼が人間味のある素晴らしい総理であったことを認めた瞬間でした。
なんだか、彼女の一言がこの作品全てをまとめたような気がしていました。
つまりは彼女が脚本家三谷幸喜の 代弁者 だったのかも知れません・・・
ちなみに今回の映画でも戸田恵子は全編を通して登場します。
物語のメインは役所宏司ですし、ヒロインは別にいますが、全ての中心にいるのは戸田恵子であったように思いました。
それほど彼女のウェイトは大きいです。
元々、ガンダムで声優デビューした彼女はアンパンマンや銀河鉄道999の鉄郎などの役を経て、いつの間にか女優になっていました。
声優は劇団で活動しているので舞台では役者として活躍していますが、声優出身でこれほどTVや映画に出演している俳優を他に私は知りません。
女優となると唯一無二の存在かも知れません。
まして、今をときめくヒットメイカー三谷幸喜から 絶大な信頼 をおかれているなんて、本当に希有な存在ではないでしょうか?
ひょっとしたら、23人の出演陣に埋もれているものの、彼女が真の主役であったのかもしれません。
そういう風にみてみるとまた違った映画に見えてくるかもしれませんね・・・・

それにしても汚職の疑惑をかけられた国会議員(佐藤浩市)とホテルの客室係(松たか子)が昔、不倫関係であったという設定がかなり無理があったような・・・(笑)
しかも、かなり重要な役なのに2人のからみは2分くらいなんです。
「自分の好きなように生きよう!」みたいな、映画でもっとも重要なテーマを語る2人のエピソードがたった絡み2分なんて!
この辺を「さらっ」とやってのけることが三谷幸喜が天才たる所以なんでしょうか?
こうもあっさり見せられると設定がおかしいことも忘れてしまいそうです。

それともう一つ・・・・
おそらく香取慎吾、松たか子、麻生久美子、オダギリジョーあたりがこの映画の中で一番若い世代だと思います。
30前というところでしょうか?
ということはこれより若い世代の俳優はほぼ出演していません。(エキストラは別ですが・・・)
なんて偏っているんでしょう!
今でこそ20代後半はまだ「若い」とされていますが、ちょっと前なら完全に「おっさん、おばさん」です。
映画の中で、「若さ」を担う役の登場人物が若干高年齢であるということ・・・・
これはこの映画のかなり核心をついているのではないかと思いました・・・
つまり、大人になれない年齢がかなり昔に比べて上がったことを表現しているのではないでしょうか?
明日を夢見たりすることは・・・それすなわち、現実から逃避していることでもあり・・・でもやはり理想を追いかける・・・・
そんなことを深く考えたり、気づいたりする年齢が30前になっているような気がします。
もちろんいい年こいて未だにそんなことに気づいていないいわゆる世間的にはダメな「大人」もたくさんいます。
この映画は理想と現実の狭間に揺れる大人になり切れていないくせに、世間的には「大人」と認められている人々の群像劇といえるのではないでしょうか?
興味本位で白塗り を顔にしてしまって、ホテル中を隠れて逃げる総支配人なんて・・・・まともな「大人」のすることじゃありません(笑)
以下全ての登場人物がそうなんです・・・「大人」になれない人たち・・・・
でも素敵な人たちなんですね・・・
そんな中唯一「大人」らしく振る舞っていたのが戸田恵子であったことも併せてみていただたい!
彼女の存在は本当に重要なんです・・・・
私には映画における 「母」なる存在 に思えました・・・果たして三谷監督の真意はどうなんでしょうね・・・

最後にもう一つ・・・
アヒルの声は・・・あの山寺宏一です。
そういえば声優出身で現在もっとも戸田恵子に近い存在は・・・彼かもしれませんね・・・

THE 有頂天ホテル
2006/1/14公開 136分
監督 三谷幸喜
製作 亀山千広 島谷能成
出演 役所広司 松たか子 佐藤浩市 香取慎吾 篠原涼子 戸田恵子 生瀬勝久 麻生久美子 YOU オダギリジョー 角野卓造 寺島進 浅野和之 近藤芳正 川平慈英 堀内敬子 梶原善 石井正則 榎木兵衛 奈良崎まどか 田中直樹 八木亜希子 原田美枝子 唐沢寿明 津川雅彦 伊東四朗 西田敏行
声の出演: 山寺宏一 ダブダブ

おまけ・・・これだけの出演陣にどうして 西村雅彦 が入っていないのか私は不思議です・・・(笑)





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最終更新日  2007年05月04日 09時32分51秒
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あ~んぱ~んま~ん  
cocori0422  さん
うちのちびたちは、これを見てるときに、
指差してあんぱんまん!!!

いや笑った・・・。

そういえば、宣伝活動、三谷、戸田恵子だけ連れて歩いてたような・・・。 (2006年11月18日 22時54分46秒)

Re:あ~んぱ~んま~ん(11/18)  
Diamond-Life  さん
>うちのちびたちは、これを見てるときに、
>指差してあんぱんまん!!!
いい耳をしていますね!
っていうか刷り込まれているのか?

>そういえば、宣伝活動、三谷、戸田恵子だけ連れて歩いてたような・・・。
そうなんですか?
やっぱりこの映画の「軸」のような存在だったんじゃないでしょうか? (2006年11月18日 23時02分43秒)

多分・・・  
cocori0422  さん
東海テレビの映画の夜中の宣伝番組には戸田恵子だけ連れてたよ。
あれ、名古屋の試写会のときに多分録画してるんだよね・・・。
踊るのとき、そうだったから。

なんかそんなようなこといってたようなきがする。

忘れちゃったけど・・・。 (2006年11月18日 23時18分03秒)

Re:多分・・・(11/18)  
Diamond-Life  さん
>東海テレビの映画の夜中の宣伝番組には戸田恵子だけ連れてたよ。
>あれ、名古屋の試写会のときに多分録画してるんだよね・・・。
>踊るのとき、そうだったから。
>なんかそんなようなこといってたようなきがする。
>忘れちゃったけど・・・。

なんとなく三谷幸喜が好きそうな役者なんですよね・・・戸田恵子って・・・
物語の「軸」に彼女を据えたのが意図的だったとしたら正解だったと思います。
ともすればぐだぐだになりそうですもんね・・・(笑) (2006年11月18日 23時26分57秒)

Diamond-Lifeさん   
cocori0422  さん
よくわからん話になりそうだよね~


戸田恵子・・・舞台にもしょっちゅうでてるよね・・・三谷作品。 (2006年11月18日 23時30分01秒)

Re:Diamond-Lifeさん(11/18)  
Diamond-Life  さん
>よくわからん話になりそうだよね~
確かに・・・
戸田恵子が「はきはき」喋ることでメリハリが出てると思いました。しかも彼女の台詞はいちいち説明的なんですよね・・・(笑)ナレーションのように・・・

>戸田恵子・・・舞台にもしょっちゅうでてるよね・・・三谷作品。
さすがにそこまでは知らない!
勉強不足です(笑) (2006年11月18日 23時40分23秒)

相当でてるとおもう・・  
cocori0422  さん
オケピ!とか・・・。 (2006年11月19日 08時50分28秒)

Re:相当でてるとおもう・・(11/18)  
Diamond-Life  さん
>オケピ!とか・・・。
川平慈英はこの繋がりだったのか! (2006年11月19日 23時57分43秒)

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