昨日からの続き
平戸浜づたいから唐土船の段
鄭芝龍は明の先帝の臣下であり、先帝は暗君でなんども諫言していた。そして先帝の怒りを買い明を追放され 日本にやってきて、老一官と名前を変え日本人の妻をめとり和藤内(わとうない=和(にほん)でも唐(中国)でもないという洒落)という息子をもうけて、漁師をして暮らしていた。もちろん鄭芝龍は、政治情勢が変われば中国へ帰参しようという希望をもっていたので、息子には自分の持っている武人としての知識を教え込んでいた。
和藤内と妻こむつが、浜辺で貝を採っていると船が近づいてくる。よく見ると立派な衣装の女性が乗っている。
こむつが「あなたも、世が世であれば中国であのような立派な女性を妻にしていただろうにね。」
「いやいやあんな立派な人と暮らすと肩がこってかなわない。」などと言っていると、女性が船から降りてきて、二人を招く。
中国の言葉で話すので話が通じないこむつはとまどうが、和藤内は親から中国語を学んでいたのでその女性と話をし「明が李蹈天の裏切りにより韃靼国に攻め込まれて、帝はなくなり私は忠臣に助けられやっとの思いで、ここまでのがれてきた。私は皇帝の妹栴檀皇女である。」ことがわかる。
それを聞いて和藤内は驚いて、父親を呼びにやる。
入れ違いに父親と母親が現れて事情きいて驚き、これは一大事だ中国本土に渡り、韃靼を追い払い明の再興をせばと男たちは考えた。
老一官夫婦と和藤内は中国に渡り、こむつは栴檀皇女を守り日本で知らせを待つという手筈を決めて家族は別れ別れになるのだった。
大ぜいが動くと目に立つということで、老一官は和藤内と妻とは別々のルートをたどることにし、中国千里が竹というところで落ち合う約束をした。
千里が竹虎狩りの段
約束の竹林でみんなが落ち合うと、老一官は「国は全て韃靼国の支配下にあり、信頼できる者がいるとすれば、私が日本に渡る時こちらに残してきた娘 錦祥女しかいない。娘は五常将軍甘輝の妻となっているらしい。娘にあって、われらの思いを話し味方を募ろうと思う。」と錦祥女が住んでいる獅子ヶ城を目指すことになったが、再び別行動をすることになる。
和藤内と母が竹林を進んでいくと虎(人間が入った着ぐるみ)が登場する(文楽は人形なので本当に大きく感じられる。舞台から身を乗り出したり、浄瑠璃をかたる太夫のそばまでやってきたりとお客サービスもする)
ここで虎と和藤内は戦うが、母親が「こんなところで虎と戦っても仕方がない」と伊勢神宮の御札を和藤内に持たせると、お札の霊験で虎はたちまち大人しくなる。
そこへ、李蹈天の家来安大人がやってきて「韃靼への献上物として虎を狩っていたのだ、そのとらをこちらへよこせ。しかも日本風の衣装をきているなど怪しい奴」と手下たちと襲い掛かってくるところを、和藤内がやっつけ、「命が惜しくば、我が家来になれ。」と迫りついに和藤内の手下にしてしまう。
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