Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/06/05
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 我が家では、ビール、ウイスキー、ワイン、日本酒、焼酎、紹興酒、カクテル等々、おおよそアルコールと名の付くものは何でも飲む(連れ合いも結構飲める方だ)。その中でも最近、我が家で若干、出番が減ってきたのは日本酒である。別に嗜好が変わった訳ではなく、焼酎、泡盛の出番が増えて、相対的に機会が少なくなっただけである。

 もともと日本酒の銘柄にそうこだわりはない。その昔、「越の寒梅ブーム」があった時もほとんど興味は起きなかった。家で飲む日本酒は、いつもは信用できる馴染みの酒屋さんに、予算を言って(一升瓶で、2500円前後のもの)、お任せして届けてもらっていた。しかし、その頼りにしていた酒屋さんが1年半ほど前、交通事故に遭い、後遺症で体調を崩され、配達できなくなった。奥の松

 日本酒を選んでくれる人がなくなり、我が家は独自で探さざるを得なくなった。基本的には、僕も連れ合いも辛口の酒が好き。試飲できる時はできるだけ味わってみるが、試飲できない時は、ラベルのデザインがおしゃれな方を買う。

 ラベルのデザインがおしゃれ→蔵元にこだわりがある→酒の造り方にもきっとこだわっている、と言う単純な見方からだが、案外当たっていることもあるんじゃないかと思う。現在家で飲んでるのは、福島県の蔵元がつくった「奥の松」という銘柄( 写真右上 =ラベルのデザインや文字がなかなかおしゃれ)。かなりさらっと、すっきりした味わいで、喉越しも良いうえ、澗でも冷やでも楽しめるのがいい。太陽酒造

 焼酎に押されて、最近はあまり元気のない日本酒メーカーだが、やはり灘五郷の酒どころに住む者としては、地酒の作り手を応援したくなる。同じ関西でも、伏見ではなく、やはり灘五郷である。

 灘五郷とは、西宮郷、今津郷、御影郷、魚崎郷、西郷の総称だが、僕が今一番応援しているのが、いわゆる灘五郷には入っていないが、俗に「西の灘」と言われるエリア、兵庫県明石市の江井ヶ島というところにある太陽酒造( 写真左上 )という、わずか百石の小さな造り酒屋である。

 太陽酒造は、江戸時代末期の創業(写真の母屋は明治25年の建築)だが、規模を拡大する戦略はとらず、家族経営で、こだわりの酒造りを続けてきた。月産約800本というから、大手メーカーなら1日で生産してしまうような量である。でも、小さいことは、味や品質になんら関係ない。

 実際、太陽酒造は、昔ながらの甑(こしき)で米を蒸し、酒糟絞りも手作業。今どきの蔵元にしては、機械化というものにはほとんど無縁な造り方である。その結果として、実に素晴らしい、フルーティで、豊潤な辛口系の酒が産み出されている。

 僕はここ10年近く、この酒蔵が好きな友人に誘われて、毎年正月の第2日曜にある「蔵開き」にお邪魔している。この蔵開きでは、出来たての新酒などがほぼ飲み放題なのに加えて、酒屋さん手作りのアテや粕汁なんかもいろいろ出てきたりして嬉しい。参加費は1人2500円という涙もののお値段なので、満足度は高い。

 我が家からは当初僕1人だけだったが、3年くらい前からは、連れ合いも一緒に参加するようになった。蔵開きの際の宴会は、その酒蔵の前の屋外で催される。1月の上旬ということで、防寒の装いで行っても、年によってはかなり寒いが、昼間から美味しい新酒を飲んでいると、そのうちお酒で体がぽっかぽっかと暖かくなってくる。

 太陽酒造の主な銘柄は「赤石」( 写真右下 =赤石は、明石という地名の古称)や「太陽」「たれくち」「江井ヶ島」などだが、僕は「おり酒」( 写真左下 )という名で造られている、にごり酒も好きだ。普通、にごり酒は甘いタイプが多いが、この「おり酒」は珍しいすっきり辛口系である。

 残念なのは、太陽酒造のお酒は生産能力が限られているので、大阪や阪神間の酒屋さんでは、ほとんど売っていないことだ。ただし、ネットで検索すると、大阪、神戸でも取り扱っている酒屋さんもあるようだ。皆さんも機会があれば、ぜひ一度味わってみてほしい。

【太陽酒造】兵庫県明石市江井ヶ島789 電話078-946-1153 山陽電鉄・江井ヶ島駅下車、海の方へ歩いて10分ほど。





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Last updated  2005/06/05 11:57:24 AM
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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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