Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2011/04/26
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カテゴリ: カクテルブック
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125. メトロポールコクテール【注151】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ブランデー   二分の一オンス   フレンチベルモット  二分の一オンス
 オレンジビタ  二振り       アンゴスチュラビタ  二振り
 ガムシロップ  二振り

 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、パインアップルの小片とマラスチノー・チェリーを加えてすすめる。

【注151】 「メトロポール(Metropole)コクテール」は、禁酒法施行前の1910年代、米ニューヨークで誕生したといわれる古典的カクテルだが、欧米のカクテルブックではなぜかあまり紹介されていない。日本でも現時点では前田氏の本も含め、数点の文献でしか見られない。前田氏のレシピは、ガムシロップを加える以外は、欧米のオリジナル・レシピとほぼ同じ。

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126. ミカドコクテール(ジャパニスコクテール)【注152】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ブランデー  一オンス     キュラソー  一振り
 オルゲット  一振り      ノワイヨー  一振り
 アンゴスチュラビタ  一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注152】 「ミカドコクテール」は、サヴォイ・ホテルのバーが、1885年にロンドンのサヴォイ劇場で上演されたコミック・オペラ「Mikado」に捧げたカクテルとされ、サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場するが、制作年代ははっきりしない。「ミカド」は日本の「帝(みかど)」、すなわち当時の明治天皇をイメージしたカクテルと言われる。前田氏のレシピもサヴォイとまったく同じである。

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127. ミリオンネールコクテール【注153】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ウイスキー  三分の二オンス    グレナデン  三分の一オンス
 キュラソー  一振り        玉子の白味  一個
 ガムシロップ 二振り

 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、アブサンの少量を加えてすすめる。

【注153】 「ミリオンネール(Millionaire)コクテール」は、「ミリオネア・カクテル」のことで、ハリー・マッケルホーンの本(1919年刊)やサヴォイ・カクテルブックにも登場する代表的な古典的カクテルの一つ。
 前田氏のレシピがマッケルホーンの本と同じウイスキー・ベースであるのに対し、サヴォイ・カクテルブックでは、「ラム4分の1、スロー・ジン4分の1、アプリコット・ブランデー4分の1、ライムジュース4分の1、グレナディン・シロップ1dash」(No.1)と、「ジン3分の2、アブサン3分の1、卵白1個分、アニゼット1dash」(No.2)という2種類の「ミリオネア」を紹介している。
 なお、マッケルホーンの本は「このカクテルはパリのリッツホテルのバーで考案された」と伝えている。

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128. シカゴコクテール【注154】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 プリマウス・ジン  二分の一オンス   フレンチベルモット  二分の一オンス
 アンゴスチュラビタ 一振り       シャンペン      少量

 を加え、バースプーンにて静かに混ぜ、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注154】 「シカゴコクテール」は、米国の禁酒法時代(1920~1933年)以前のシカゴで生まれたと伝わる。サヴォイ・カクテルブックにも同名のカクテルが紹介されているが、ベースはブランデーで、その他の材料も前田氏のレシピとはかなり異なっている。

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129. シルバーコクテール【注155】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ジン     二分の一オンス   フレンチベルモット  二分の一オンス
 マラスチノー 二振り       オレンジビタ     一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注155】 「シルバーコクテール」は、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックにも登場する古典的カクテルの一つだが、そのレシピは、ジン3分の2、ドライベルモット3分の1、オルゲート・シロップ、マラスキーノ、オレンジ・ビターズ各2dash、卵白1個分と前田氏のとかなり異なっている。

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130. シルバーストレーキコクテール【注156】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ドライジン  二分の一オンス    クンメル  二分の一オンス

 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。

【注156】 「シルバーストレーキコクテール」は、ハリー・マッケルホーンの本にも「シルバー・ストリーク」の名前で登場する古典的カクテルの一つ。前田氏のレシピはマッケルホーンの本とまったく同じである。

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131. シャンパンコクテール【注157】
 シャンパングラスに氷の小塊を入れ之に

 アンゴスチュラビタ  二振り、砂糖テースプーン  一杯

 を加え、之によく冷やしたるシャンパンを注ぎ、バースプーンにて静かに混ぜ、レモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注157】 「シャンパン(Champagne)コクテール」は、現代のバーでも人気のカクテルの一つ。前田氏のレシピも、氷を入れる以外は現代の標準的なレシピをほぼ踏襲している。冷蔵庫の発達した現代では冷えたシャンパンが使えるため通常、氷は入れないが、ボトルを十分に冷やすことが難しかったこの当時は、グラスに氷を少し入れるスタイルが一般的だったのだろう。
 なお、ジェリー・トーマスのカクテルブック(How to mix drink、1862年刊)にもまったく同名のカクテルが登場するが、そのレシピは白ワイン+ビターズ+砂糖+レモンピールのシェイク・スタイルと現代の標準的なレシピとはほど遠いものとなっている。ちなみに、ハリー・マッケルホーンの本では、「角砂糖(アンゴスチュラ・ビターズで濡らしたもの)1個、コニャック5dash、シャンパン、レモンピール、氷(1個を浮かべる)」となっている。

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132. シャムロックコクテール【注158】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ウイスキー 一オンス   ジンジャエール 少量   キュラソー 三振り

 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注158】 「シャムロック(Shamrock)コクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的カクテルの一つだが、前田氏のレシピは、サヴォイでも紹介されている標準的なレシピ(アイリッシュ・ウイスキー2分の1、ドライベルモット2分の1、シャルトリューズ・グリーン3dash、ミント・リキュール3dash)とは大きく異なっている。

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133. ジブソンコクテール【注159】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ゴルドン・ドライジン      三分の二オンス
 マアテニー・ロシー・ベルモット 三分の一オンス
 オレンジビタ  一振り    玉葱小きざみ  少量

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注159】 「ジブソンコクテール」は、現代の表記なら「ギブソン(Gibson)」。ハリー・マッケルホーンの本にも登場する代表的な古典的カクテルの一つ。現代の標準的レシピなら、ドライベルモットを使うが、前田氏はスイートベルモットを使っている。もっとも、これは当時(1930年以前)、マティーニ自体もスイートベルモットを使うケースが多かったことが背景にあろう。
 なお、現代ではパール・オニオンを入れるが、1920年代の日本ではまだパール・オニオンなどは簡単には手に入らなかったためか、「玉葱の小きざみ」で代用しているのが面白い。

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134. ジャックロスコクテール【注160】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 アップルジャック・ブランデー  三分の二オンス
 ライムジュース  三分の一オンス    ラーズベリー・シロップ  少量

 を加え、最もよくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。

【注160】 「ジャックロスコクテール」は、現代の表記では「ジャック・ローズ(Jack Rose)」。ハリー・マッケルホーンのカクテルブックでも紹介されているが、1900年~1910年代にニューヨークのバーテンダー、ジェイコブ・ロゼンヴァイヒが考案したと伝わる。今日のバーでも、とても人気があるカクテルの一つである。
 前田氏のレシピは、今日の標準的なレシピ(アップルジャック30ml、ライムジュース15ml、グレナディン・シロップ15ml)とは分量比が違い、シロップもグレナディンではなく、ラズベリーを用いているのが異色だ。



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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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