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2013/10/04
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 さて、建国門駅近くのホテルにチェックインした僕らは、早速友人らの案内で、北京市内観光へ。とりあえず向かったのは、北京の北西に広がる、市民の憩いの場「前海」「后海」というエリア。
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 「海」という名だが、ここは中国の王朝が人工的に造った池である。今では、市民がそこでボート乗りを楽しむ。池の周辺には、古い胡同(フートン) 【注1】 を生かして再開発したショッピングエリアもある。


 付近には、明の時代の鐘楼= 写真左 、元の時代の鼓楼という歴史的建造物も残り、観光名所にもなっている。日曜日ということもあって、家族連れやカップルなど人出が凄い。西洋人の外国人観光客も目立つ。


 しかし、なぜか日本人らしき観光客はほとんど見かけない。上海や香港には日本人はそこそこ訪れているが、首都の北京には今なお少ない。
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 友人の話によれば、昨年端を発した尖閣問題、靖国参拝問題での政府間対立以来、日本からの観光旅行が激減しているのだという( 写真右 =ボート遊びが好きなのは世界中どこでも同じ)。


 表面的には友好的だった北京市民だが、確かにひと頃は、買い物の際、日本人というだけで白い目で見られたり、無視されたりということもあったという。


 現在は、反日デモもほとんど見られず、いちおう平穏な日常を取り戻している。ショッピングエリアをそぞろ歩く我々が、白い目で見られることは皆無で、居心地の悪さを感じることはまったくない。
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 現地の人々は、「(僕らを)明らかに中国人ではない。たぶん日本人か韓国人だろう」という程度の認識だろうが、買い物をしても、普通の観光客として接してくれる。


 いったん広がった風評はなかなか消えない。日本で「現地は安全だ、観光もOKだ」とPRしても、なかなか客足は戻らない。


 北京は首都であり、今や国際的な近代都市だ。インフラ(都市機能)はまだまだ不十分だが、決して危ない戦場でもない( 写真左 =「前海」「后海」エリアのそばにある「胡同」は賑やかなショッピング・ストリートに)。


 大気汚染もあるけれど、ずっとここに住むわけではない。旅行で短期間滞在する健康的リスクなど、ヘビー・スモーカーが肺がんになる愚に比べればどうってことはない。
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 僕はむしろ、どこの国であれ、行ってみたいと思うなら、現地にやって来て自分の足と目で確かめることが今は必要ではないかとも思う。


 国家や政治家は何かと問題を起こして、対立することもある。過去の歴史は、もちろん正しく認識しないといけない。加害も被害も忘れてはいかない。


 しかし、よく言われることだが飛行機に乗って、空から見る地球には国境線などない。領土をめぐり国家同士が武力で争うことなど、実にバカバカしいことに思えてくる。


 僕には中国人の友達も多い。いつも信じているのは、国同士がどうこうというより、一個人同士の友好とか、友情とか、信頼とかいうものの方がはるかに大事だということだ。国の方針とか価値観と個人が同じである必要はない。
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 国家がいがみ合っても、人間同士がケンカする必要はないと思っている。逆に、国家がケンカしている時ほど、僕はかえって仲良くしたいと思う。さて、「前海」「后海」エリアを後にした僕らは、今度は天安門広場から真南へ1kmの辺りへ移動する= 写真右上

 ここには、北京・故宮の最も南にある「前門(正式名称は「正陽門」)」という歴史的建造物がある。北京城の遺構でも、十五世紀の明代の城門は北京市内でもあまり残っていないが、この城門は貴重な建造物である。


 そして、その「前門」の南側に広がるエリア「前門大街」が、ここも見事なテーマパークなような、おしゃれな繁華街に生まれ変わっている。ここも家族連れやカップルであふれんばかりの人だ( 写真左 =「前門大街」の街並み)。
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 二階、三階建ての石造りのレトロなビルが目立つが、おそらくは1920年代前後に造られた建物を再利用したものだろう。おしゃれなエリアを創るにしても、いちおう歴史と伝統は大切にする姿勢は評価したい。


 SWATCH、ユニクロ、ハーゲンダッツなどのお店もそうしたレトロま面構えで迎えてくれる。中には、老舗の北京ダックの専門店やシルクの専門店も。


 シルクの老舗は、「1949年、中国人民共和国建国宣言時の五星紅旗(国旗)はうちの店で作ったもの」とPRして、レプリカを店頭に展示している= 写真右 。他にも、西大后が愛したというカモ肉料理の店とか由緒ある店も。


 この「前門大街」に代表されるように、古い時代の北京の街並みは、急速に姿を変えてゆく。それが良いことかどうかは、部外者が言うべきことではない。しかし、昔の面影を残す北京もまだまだ数多く残る。月並みな言葉だが、古さと新しさが同居しているのが、今の北京だろう。


<次回へ続く>


【注1】胡同: 北京市の旧城内を中心に点在する伝統的家屋が集まるエリア。細い路地に面して、「四合院」という名の共有の中庭を持つ四軒長屋が一つの単位となった家屋が多い。古き良き時代の中国の面影をしのばせているが、近代化に伴う開発で次々と姿を消しつつある。現在では観光名所として保存されている地区もある。



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Last updated  2013/10/09 09:28:40 AM
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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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