Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2016/11/19
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  7.バカルディ・カクテル(Bacardi Cocktail)

【現代の標準的なレシピ】 【スタイル】 シェイク

 国内外のカクテルブックでは、「1933年、禁酒法が廃止となった米国で、キューバのバカルディ社が自社のラム拡販のために、キャンペーン用に考案した」と紹介されていることが多いカクテルですが、これは後世の作り話で、明らかな間違いです。

 すでに1917年、米国で出版された「173 Pre-Prohibition Cocktails」(Tom Bullock著)の中で、「Bacardi Cocktail, country club style」という名で収録されていることからも、1910年代には登場していたことは確実です。他にも、1922年に英国で出版されたカクテルブック「Cocktails: How To Mix Them」では、「米国内で(現在)最も人気のあるカクテル(In the USA it is undoubtedly more popular than any other cocktail)」と紹介しています。

 レシピは冒頭にもあるようにかなりシンプルなものです。もしバカルディ社が拡販のために考案したのであったとしても、それは1910年代であったでしょうし、後述するレシピの“揺れ”からも想像できるように、街場のバーなどで自然発生的に誕生・流行し、広がっていったと考えるのが自然でしょう。

 「173 Pre-Prohibition Cocktails」でのレシピは、ラム1ジガー(jigger=約45ml)、ライム・ジュース半個分、グレナディン・シロップ2dashとなっていて、現代の標準的なレシピとは大きく違うものではありませんが、レシピが固まるまでには、かなり”揺れ”が見られます。ご参考までに、1910~30年代のカクテルブックでの「バカルディ・カクテル」のレシピを紹介しましょう。

 ・「ABC of Mixing Cocktails」(1919年刊、ハリー・マッケルホーン著)英 ホワイト・ラム(40)、ジン(10)、ライム(またはレモン・ジュース(10)、グレナディン・シロップ2dash(※ジンを加えるレシピが異色です)
 ・「Cocktails: How To Mix Them」(1922年刊、”Robert”著)英 ラム50ml、ライム・ジュース25ml、シュガー・シロップ少々
 ・「The Savoy Cocktail Book」(1930年刊、ハリー・クラドック著)英 ホワイト・ラム3分の2、ジン3分の1、ライム・ジュース半個分、グレナディン・シロップ1tsp
 ・「The Artistry of Mixing Drinks; Ritz Bar, Paris」(1934年刊、フランク・マイヤー著)仏 ラム4分の1、レモン・ジュース4分の1個分、グレナディン・シロップ4分の1、ドライ・ベルモット1tsp(※ベルモットを使う珍しいレシピです)
 ・「World Drinks and How To Mix Them」(1934年刊、William Boothby著)米 ラム30ml、ライム・ジュース1tsp、シュガー・シロップ1tsp
 ・「Mr Boston Bartender's Guide」(1935年刊)米 ラム45ml、ライム・ジュース半個分、グレナディン・シロップ0.5tsp
 ・「The Waldolf-Astoria Bar Book」(1935年刊、A.S. Crockett著)米 ラム2jiggers、ライム・ジュース2個分、シュガー・シロップ少々、グレナディン・シロップ少々(※一人分の量としては多すぎる?)

 石垣憲一氏の著書「カクテル ホントのうんちく話」(2008年刊)によれば、誕生当初は、シュガー・シロップ、ガム・シロップを使用した場合でも「バカルディ・カクテル」と呼んでいたとのことですが、後年、このレシピのカクテルに「ダイキリ(Daiquiri)」という新たな名が定着するとともに、グレナディン・シロップ使用の場合だけを「バカルディ」として呼び、区別することになったそうです。

 日本には1920年代に伝わり、当時出版された本でも紹介されています。しかし、1950年代のカクテルブック「洋酒-ストレートからコクテールまで」(1957年刊、佐藤紅霞著)では、(グレナディン・シロップではなく)パウダー・シュガーを使う「バカルディ・カクテル」を紹介しながらも、「甘口のバカルディをつくりたい時は、グレナディン・シロップを使えばよい」とも記していることからも、同じく20年代に伝わっていた「ダイキリ」とのレシピの区別はまだ曖昧だったようです。

 ちなみに、米国では「バカルディ以外のラムをベースにしたカクテルは、『バカルディ』と名乗ることはできない」というニューヨーク州高裁判決(1936年4月28日)が出ていることは有名なので、日本でもバー業界で働くなら一応知っておいた方がいい話です。

【確認できる日本初出資料】 コクテール(前田米吉著、1924年刊)。レシピは、バカルディ・ラム1オンス、ライム・ジュース3~4dash、シュガー・シロップ少々、レモン・ピール



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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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