Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2020/02/16
XML
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
【カクテル・ヒストリア第9回】
「マティ-二」だけじゃなかったボンド

 「マティーニ」好きな有名人は数多いが、映画や小説の主人公・ジェームズ・ボンドは、なかでもナンバー1かもしれない。

 ボンドのマティーニと言えば、シェイクスタイルの「ウオッカ・マティーニ」と、ウオッカ、ジン、キナ・リレ(フランス産のヴェルモット)を使う「ヴェスパー(Vesper)」という名のマティーニが有名だ。かのお決まりのセリフ「Shaken, not stirred(ステアでなく、シェイクしてくれ)」は通常、ボンドが前者のマティーニを注文する際、口にするものだ。

 「ヴェスパー」( 写真左 )は、1953年に出版されたボンド・シリーズの処女作「カジノ・ロワイヤル」の中で初登場。その名はボンドの恋人役、ヴェスパー・リンド(Vesper Lynd)に由来する。原作者のイアン・フレミングが考案したとよく紹介されるが、実際に具体的なアイデアを提供したのはフレミングの友人でもあるバーテンダーだったという。

 意外かもしれないが、スクリーン上でのヴェスパー初お目見えは、通常のボンド・シリーズではなく、1967年、ピーター・セラーズ主演で制作されたコメディ版のボンド映画だった。このセラーズ版ボンド映画は“色物”的な扱いを受けたので、当初、ヴェスパー自体もあまり話題にならなかった。

 しかし2006年、ダニエル・クレイグ主演で再度映画化された「カジノ・ロワイヤル」にヴェスパーが再登場したことで、大ブレイクする。カジノでのシーン。ボンドはレシピを細かく指示する。

 「メジャーカップでゴードン(ジン)を3杯、ウオッカを1杯、キナ・リレを半杯。キンキンに冷えるまでシェイクして、薄くスライスした大きめのレモンピールも添えてくれ」(なお、「ヴェスパー」に欠かせないキナ・リレだが、残念ながら現在は製造中止で、昨今バーの現場では、復刻版として商品化された「リレ・ブラン」が代用されることが多い)。

 この映画の中の別シーンで、バーテンダーから「シェイクしますか?それともステア?」と尋ねられたボンドの答えも面白い。「そんなこと、私がこだわるように見えるかい?(Do I look like I give a damn?)」。

 ちなみに、映画でのボンドはウオッカ・ベースのマティーニしか飲まないが、小説の中では、合計19杯もジン・マティーニを飲んでいるという事実を調べあげた奇特な方もいるから、ボンド・マティーニの話題は尽きることはない(出典:「the Spruce Eats」という専門サイト)。

 なお、2015年に出版された『BOND COCKTAILS』という洋書( 写真右上 )には、ボンドお気に入りのマティーニを始め、フレミングの原作やボンド映画に登場したカクテルが20種類以上(サゼラック、ネグローニ、スティンガー、サイドカー、モスコー・ミュール、モヒート、ミント・ジュレップ、アメリカーノ、キューバ・リブレ、シンガポール・スリング、オールド・ファッションド、ブラック・ベルベット、ピンク・ジン等々)が紹介されており、見ているだけでも楽しい。ボンド好きの方には超お勧めの本です。

◆ご参考 → 雑誌「リカル(LIQUL)」での連載(9) です。






PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

おことわり。 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: