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2020/12/29
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カテゴリ: ITTETSU GALLERY
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 ITTETSU GALLERY:もう一つの成田一徹(61)~(80)

 バー・シーンを描いた切り絵で有名な成田一徹(1949~2012)ですが、実は、バー以外をテーマにした幅広いジャンルの切り絵も、数多く手掛けています。花、鳥、動物、職人の仕事、街の風景、庶民の暮らし、歴史、時代物(江戸情緒など)、歴史上の人物、伝統行事・習俗、生まれ故郷の神戸、小説やエッセイの挿絵、切り絵教則本のためのお手本等々。

 今回、バー・シーンとは一味違った「一徹アート」の魅力を、一人でも多くの皆さんに知ってもらいたいと願って、膨大な作品群のなかから、厳選した逸品を1点ずつ紹介していこうと思います(※一部、バー関係をテーマにした作品も含まれますが、ご了承ください)。
※絵の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします。


(61)黒 豹 (1990年代後半)


(62)To The Theater (1992年)


(63)風 鈴 (1990年代前半)


(64)女性像スケッチ (1985年) ※サインペンと黒鉛筆(デッサン用)に手彩色


(65)マリリン・モンロー (1999年)


(66)椿 (1990年代後半)


(67)ムーン・シャイン (2000年頃)


(68)デス・バレー(死の谷)<B> (1980年代前半)  ※エッチング版画


(69)切り絵入門テキストのための作例(花) (1990年代前半)


(70)ムーラン・ルージュ (1990年代後半)

(71)囲炉裏(いろり) (1993年)
 ※色使いを極力抑えたカラー作品。鉄瓶から立ちのぼる湯気や炭火は、絵具を金網と歯ブラシで霧吹きする手法で見事に表現している。


(72)オードリーに捧ぐ (2012年)
 ※一徹氏の「遺作」と言える作品は、何点かある。帝国ホテル(大阪)のオールドインペリアル・バー、富山のBar白馬館、連載「新・神戸の残り香」「技を切り出す」の最後に手掛けた回の作品…。そして、亡くなる直前、神戸のあるジュエリー会社のパンフレット用に依頼されたこの作品もその一つ。
 映画「ティファニーで朝食を」での有名なオードリー・ヘップバーンのポーズ、そしてとカクテル(マンハッタン)とバラというモチーフ(制作意図は何だったのか、聞いておくべきだった…)。残念ながら、一徹氏は完成したパンフを見ることなく、天上の人となった。



(73)月 見 (2011年)
 ※2011年11月、一徹氏は母校である大阪経済大学創立80周年記念の個展を、同大学構内のギャラリーで開いた。母校での開催は初めてで、言わば「母校への凱旋」。この作品は個展での”目玉作品”の一つで、その告知はがきにも使われた。




(74)踊り子(連作) (1980年代前半) ※デッサン用黒鉛筆
 ※一徹氏は美大や美術系学校で専門教育は受けず(大阪経済大学大学院終了という"お堅い"学歴)、ほぼ独学で「切り絵」というジャンルにたどり着き、職業アーチストとなった。
 しかし基礎的なデッサン力、配色力や絵の構想力(モチーフの配置)などの不足を自覚していた本人は、プロデビュー前の80年代前半、後に自らも講師となる講談社フェーマススクールズ(絵画系アーチスト養成講座)に通い、基礎的な画力アップにつとめた。これはその頃の作品だが、後の画才の片鱗が見られるとともに、作者の優しい眼差しがとてもよく伝わってくる。



(75)ドリス・デイ(Doris Day) (2002年)
 ※2000年代の前半、一徹氏は「MEMO 男の部屋」と言う月刊誌で「男と酒の風景」というバーの切り絵とエッセイの連載を持っていた。これはそのうちの1回、バー・フラミンゴ(東京・西浅草)が登場した回=2003年1月号=に添えられた小作品。店で流れていたドリス・デイのレコードジャケット「Day In Hollywood」を描いた。
 ドリス・デイ(1922~2019)は米国の女優、歌手。主に1950~60年代、多くの映画に出演したが、ヒッチコック監督の「知りすぎていた男(The Man Who Knew Too Much)」=1956年=に出演した際、劇中で歌った「ケセラセラ」はアカデミー歌曲賞を受賞した。



(76)阿倍野・明治屋 (2002年)
 ※2002年から03年にかけて、一徹氏は朝日新聞夕刊(大阪本社版)で「どこへ一徹 切り絵旅」という連載(切り絵&エッセイ)を約1年間つづけた。新聞1頁のほぼ3分の2という破格のスペースに、当時の新聞にしては珍しいオールカラーの連載で、一徹氏も楽しみながら、毎回意欲的に取り組んだ。
 この作品は、その連載の第17回目。言わずと知れた、大阪ではおそらく一番有名な、阿倍野(大阪では「天王寺」と言う方が通りがいいエリア)にある老舗居酒屋、明治屋(1938年<昭和13年>創業)である。先般、地区の再開発のため近くに移転したが、元の店の部材をほぼそのまま使って移築して再開、昭和の雰囲気を今も大切に伝えて、連日賑わっている。



(77)ツグミ (1993年)
 ※鳥、蝶、花など動植物は一徹氏の大切なモチーフの一つで、生涯にわたって数多くの作品を制作している。題材を選ぶにあたっては季節感を重視した。これは、切り絵入門テキストのために制作したものだが、晩秋の熟柿の枝と、二羽の鳥の配置が実に見事。プロデビューから6年。シンプルな絵の構成力にも秀でてきた証(あかし)とも言える傑作。


(78)バーにおける様々な情景 (1980年代前半) ※デッサン用黒鉛筆に手彩色
 ※これもバー空間の表現手法を模索していた時期の実験的作品。バー空間で見られるであろう情景を、様々な視点(方向)から描き、それを一つの画面に集めたユニークな一作。



(79)パブロ・ピカソ(Pablo Picasso) (1990年代後半)
 ※1881~1973 言わずと知れた、20世紀では最も著名なスペインの画家。生涯に約15万点もの油絵、素描、版画、彫刻、陶器などを制作し、「歴史上、最も多作な美術家」とギネスブックにも認定されているという。


(80)京和傘職人 (2011年) =大阪経済大学「成田一徹記念ギャラリー」所蔵。
 ※2010年11月から、一徹氏は京都新聞朝刊で、京都を拠点に働く職人たちに焦点を当てた連載「技を切り出す」をスタートさせた。これはその5回目、京和傘職人・の西堀耕太郎さん(「日吉屋」店主)を取り上げた時の作品(2011年1月7日付)。連載は、残念ながら一徹氏の急逝(2012年10月)で44回で終わったが、この作品は連載中でも、美術関係者の間で「最高傑作」との評価もあって、没後いち早く「永久保存」と決まった。


※絵の制作時期については正確に分からないものも多く、一部は「推定」であることをお含みおきください。


【Office Ittetsuからのお願い】成田一徹が残したバー以外のジャンルの切り絵について、近い将来「作品集」の刊行を計画しております。もしこの企画に乗ってくださる出版社がございましたら、arkwez@gmail.com までご連絡ください。


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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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