ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 2, 2012
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カテゴリ: 映画、テレビ
「わたしが一番、あんたは二番」(評:★★★☆☆ 三つ星)


 こちら米国の音楽愛好家のあいだでは一年も前から密かに話題になってた映画がやっと公開。日本公開は未定。 http://www.alatequartet.com/

 結成25年を迎える弦楽四重奏団がじわじわと崩壊していくさまを描く。
 題名のA Late Quartetというのは、「(ベートーベンの)後期の四重奏曲」作品131を指してるのだけれど、老舗の四重奏団の末期というのもほのめかしており。

 第二バイオリン男とビオラ女が夫婦。男が不倫し、夫婦間に亀裂。
 そして、彼らの一人娘(音楽家の卵)が第一バイオリン氏と禁断の恋に落ちる。夫妻は発狂。
 一方、チェロ奏者は病気により今季での引退を決意。
 さらには、どさくさに紛れて、第二バイオリン奏者が「これからはオレにファースト弾かせろ」と言い出す。←カルテット継続させるためには絶対に言っちゃいけない一言なのに(笑)


<感想>

 楽器の弾ける役者を起用してるわけではなく、よって弾き真似の場面とかは見てて辛かったものの、音楽的なことはブレンターノ四重奏団が監修したらしく、サントラで流れる音楽は完ペキ。
 なるほど、お題の作品131は確かにネタとしては見事な選曲。全七楽章アタッカで弾きっぱなしの曲なので、調弦しなおす暇はなく、終盤では弦が狂ったまま弾かざるを得ない。これは、長いあいだ四人で活動してきた彼らの現状を表す上手い伏線となっている。しかも、ただでさえ難曲なのに「暗譜で弾こう」とかいう案まで出るし。

 話の展開とか、突如飛び出す非現実的な台詞とか、いろいろケチつけたくなるとこはあったけれども、ニューヨークを舞台にプロの弦楽四重奏団の不協和音を題材にした映画なんて、それだけで親近感持てる。感謝。


追記: 小ネタとしては、映画内で投影される字句、あるいは公式ウェブ内の文章が、格調高い書体を使ってるのが気に入った。これって、ドイツの高級出版社ヘンレ版の譜面を髣髴とさせる。日本語でいうところの教科書体?







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最終更新日  Dec 8, 2012 01:18:43 PM
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