ピカルディの三度。～T.H.の音楽日誌/映画日誌（米国発）

< 新しい記事

新着記事一覧(全2143件)

過去の記事 >

Dec 23, 2022

映画：グラスオニオン、ナイブズ・アウト Glass Onion: A Knives Out Mistery（2022年アメリカ）

カテゴリ：映画、テレビ

「大きな玉ねぎの下で」（評価 ★★★★★ 満点五つ星）

　前作「ナイブズアウト名探偵と刃の館の秘密」がとてもよろしかったので本作も期待して鑑賞。監督はライアン・ジョンソン。

　ギリシャの孤島にそびえたつ富豪の邸宅で殺人事件が発生、居合わせた名探偵（ダニエル・クレイグ演）が事件の真相を推理していく。

　ぼくら視聴者が到底知ることのできない脇ネタも多く、探偵と一緒に実際に推理してみようとすることは不可能だけど、娯楽大作として素直に楽しみたい作品。

　この邸宅、文字通り「ガラスの玉ねぎ」みたいな建築物で、そういえば以前にベルリンで似たような建物を見たことがある。
　ビートルズの楽曲「グラスアニオン」もちゃんと映画の最後に聴ける。じっくり聴いてると気づくのだけど、いろんなネタが歌詞のなかに隠されていて、その謎解きを楽しむのもまた一興。映画の題名がどうして Glass Onion なのか、そのへんに注目する必要があるよーなないよーな。

　台詞のなかにも、バッハだのフィリップグラスだの登場するので嬉しい。　
　今後も連作としてこの探偵が推理していく映画が作られていくことを望む次第。　

　本筋と直接関係のない細かいところでも楽しめた。名探偵の私生活も少し明かされる。彼のしゃべりかた/訛りからアメリカ南部の出身かと推測できるし、今回は同居人の存在も明らかになる。
　てか、チョイ役でご出演の人々には驚く。ヒューグラント、イーサンホークらホンモノの役者のみならず、ヨーヨーマ様、スティーブンソンドハイム様、アンジェラランズベリー様とか、ぼくの尊敬する芸術家ばかり。

　つまりネットフリックス社さんの実力を見せつけられる大作。
　映画製作にはきちんとお金をかけ、有名人らを惜しまず配役し、公開するのは年末商戦時を狙う。音声も字幕も既にかなりの言語で対応している。すんごい会社だと思う。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう