教授のおすすめ!セレクトショップ

教授のおすすめ!セレクトショップ

PR

Profile

釈迦楽

釈迦楽

Keyword Search

▼キーワード検索

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
January 17, 2006
XML
カテゴリ: 思わず納得!



オックスフォード英和辞典のような大型の辞書より、自分はこれを圧縮したオックスフォード小辞典を愛用しており、この小さな英語辞典に載ってない言葉は、もう自分には縁がないんだと思っている、というような話からエッセイは始まります。大切なのは語彙の数ではなく、その使い方だということを、歳をとってからますます痛感する、と鶴見さんはおっしゃるんですね。

で、ここで時代は遡り、1973年、朴正煕政権を批判したために死刑判決を受けて軟禁されていた詩人・金芝河氏のことに話題は飛び、その金氏に会うため、鶴見さんが女子中学生を含めた3人で韓国に行った時の思い出が語られます。

ま、鶴見さんが女子中学生らと共に軟禁状態にある金芝河氏に会いに行く、というシュールなシチュエーションが私にはいま一つよく分かりませんが、とにかく軟禁先の病院で金氏に会った鶴見さんは、現在、金氏の助命のために活動していること、多くの国の詩人や学者からそのための署名を集めたことなどを彼に英語で伝えた、というのです。金氏とコミュニケーションをとるためには、英語を使うしかなかったので、ね。

で、そういう鶴見さん達のメッセージに対し、金氏は「Your movement cannot help me. But I will add my name to it to help your movement.」(あなた方の運動が私を助けることはできない。しかし、あなた方の運動を助けるために、私の名をそこに加えよう)と言ったというのですね。

私は、金芝河氏のお名前だけはかねてから聞いていますが、残念なことに、実際にどういう詩を書かれた方なのか、また彼の政治的信条が奈辺にあるのか、といったことまでは知りません。しかし、この状況でのこの一言は、品格があって、なかなかいいですなあ! さすが詩人、というべきか・・・。こんなこと、なかなか言えませんよ。

で、鶴見さんはこのエピソードについて、「中学生も知っている英語の言葉をつなぎ合わせて、自分をおとしめることなく、自分の答えを彼は述べた」とおっしゃっていますが、まさにその通りですね。だからこそ、大事なのは(語彙の数ではなく)、言葉の使い方だ、というわけでしょう。

人間、窮地に陥った時こそ、その本性が試される時だ、と私は思っていますし、そのように行動しているつもりですけれど、このコラムを読んで、もっともっと褌の緒を引き締めなければいかんなと思ったワタクシなのでした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 17, 2006 02:34:21 AM
コメント(1) | コメントを書く
[思わず納得!] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: