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いやあ、今日、大学で専門の授業をやってきたんですけど、ちょっとビックリすることがありまして。 自己啓発本の発祥地はアメリカだっていう話をして、何故そうなるかっていう説明をしていたんですけど、その際、アメリカってのは、ピューリタンが作った国なんよ、っていう話になった。 でもそれは別に説明するほどのことではなくて、常識を確認するつもりで話したわけ。 だけど、学生たちの顔を見ていたら、あまりにもポカーーンとしているので、ちょっと不安になり、「ピューリタンって、もとはどこにいたか、知っているよね?」と質問してみた。 そしたら、受講生の誰一人として知らなかったの。 で、まさかと思いつつ、「でも、アメリカって、どこから独立したかは知っているよね?」と聞いてみたんですけど、これについても誰一人として知りませんでした。 なるほど。最近の若い連中というのは、アメリカがイギリスの植民地で、そこから独立したということ自体を知らないんだと。 もうね、この大学で私が何を話そうと、何を説明しようと、何も通じないんだということがよく分かりました。 引退しまーーす。
October 31, 2024
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ゼミが再開され、長い夏休みを終えたゼミ生たちと再び顔を合わせることになったのですが、彼ら/彼女らはそれぞれ、なかなか面白い休みを体験してきたようで、その報告も面白かった。 4年生のゼミ生たちの中に、タイに行ってきたという連中がおりまして。彼女たちは向こうでシュノーケリングをやってきたと。 ところが当日はあいにくの荒天で、1時間ばかり船を飛ばしてシュノーケリングに適したポイントまでは行ったものの、波が荒すぎて泳ぐことは難しいと。 ところが、波間を船でかっ飛ばしている時はいいのですが、止まると途端に船酔いが始まり、4人のうち一人がゲーロゲロ。 で、さらに場所を移動して、かろうじて少し泳げるところがあったらしいのですが、泳いだ後、船に上った途端激しい船酔いに襲われ、4人のうち3人がゲロゲロと。 行きはバカンス気分でキャーキャー言っていたのに、帰りは一言も発せず、ぐったりとしたまま港に戻ったのだとか。でも、そんなゲロゲロしていたのは日本人(アジア人)だけで、同じツアーに参加していた欧米人は一人も酔っていなかったんですと。不思議ですね。アジア人は三半規管が弱いのかな? それから3年生のゼミ生の話も面白かったのですが、3年生ゼミ生の中で女子学生二人が仲良くてですね、そのうちの一人が誕生日を迎えたので、もう一人が他の友達も含めてある企画をして祝ったと。 その企画というのがふるっていて、みんなで競馬をしに行ったというのですな。誕生日を迎えた子が、競馬をしたことがなかったので。 で、とりあえず馬券を買ってみたと。 それが大穴を当てたと。 ビギナーズラックって、本当にあるんですね。なんと55倍の高額配当! もちろん、その女子学生が賭けたのは100円だったそうですから、55倍と言っても大した額にはならないのですが・・・。 で、大穴を当ててしまった学生に、「どんな気分だった?」と尋ねたら、「もう賭け事はこりごりです」と。一回やってみて面白かったけれど、自分が賭け事には向かないというのがよく分かったと。 ふーん、なるほど! 一回やって、当てて、はまった、というのではなく、懲りた、というんですね。これはこれで面白い。いい経験になったわけだ。 誕生日のお祝いとして競馬を企画した学生も賢いし、それで一回楽しんで、当てて、懲りた、という学生も頼もしい。さすが釈迦楽ゼミ生、センスがいい! ということで、それぞれのやり方で夏休みを謳歌したゼミ生たちの話を聞き、楽しいひと時となったのでした。
October 30, 2024
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高橋哲雄さんが書かれた『ミステリーの社会学』(中公新書)という本を読了しましたので、一言。これこれ! ↓【中古】 ミステリーの社会学 近代的「気晴らし」の条件 / 高橋 哲雄 / 中央公論新社 [新書]【ネコポス発送】 著者の高橋哲雄さんという方(故人)は、文学者ではないんですよね。社会学者なの。で、社会学者の高橋さんが、ミステリーという文学ジャンルを社会学的に分析すると、まあ、そういう趣旨の本。 なんで社会学者がミステリーを、と思うかもしれませんが、よくよく考えてみると、ミステリーという文学ジャンルはとても特殊なんですな。 たとえば、ミステリーというのは、イギリスが圧倒的な産地なわけですよ。もちろん、アメリカのエドガー・アラン・ポーを始祖とする、というところはあるし、アメリカにはハード・ボイルド・ミステリー(ダシール・ハメットの『マルタの鷹』とかレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』みたいな)ものがありますから、アメリカだって、というところはありますが、いわゆる推理小説ということになると、やはりイギリスの絶対的優位というのはゆるがない。 逆に言うと、ドイツのミステリーとか、イタリアのミステリーとか、フランスのミステリーとか、ましてやロシアのミステリーなんてものはない(少ない)。つまりミステリーを産む国と産まない国があるということになる。 なぜか? 当然、何らかの社会的な条件があるわけでしょうな。たとえば、高等教育を受けた中産階級以上の層が大きいとか。いち早く産業革命をを成し遂げたイギリスには、有閑階級なるものが早くからあったわけでね。ミステリーは「暇つぶしの文学」なので、暇がある階層があるということは大きな条件になるわけ。 あるいは、「フェアであること」や「アマチュアリズム」を重んじる国柄であるとか。ミステリー作家の多くは、アマチュアですからね。また「フェア」と「アマチュア」を重んずるということは、近代スポーツの特徴であって、イギリスは近代スポーツの発祥国でもある。つまり、近代スポーツとミステリーには共通点があると。 しかし、そのミステリー王国イギリスでも、時代によって人気のあるミステリーの傾向は変わってくる。ホームズものが人気があった時代もあれば、クリスティものが流行った時代もあれば、○○が流行った時代もあれば・・・と、その変遷をたどることができる。となると、「なぜその時代に、そういう種類のミステリーが流行ったのか?」という疑問が出て来るわけで、それを考えていくと、やはりその時代その時代の社会状況が大きく関わってくる。だから、社会学者がミステリーを論じるというのは、決しておかしなことではないんです。 というわけで、この本、新書本ではありますが、一読すると色々な意味ですごく勉強になるし、刺激にもなる。 実際、私が今研究している自己啓発本も、ミステリー同様、国を選ぶわけ。アメリカとイギリス連邦と北欧と日本と韓国だけが自己啓発本の市場であって、それ以外の国では読まれていない。それはなぜか?という問いは、当然あっていいわけですよ。 また時代によって自己啓発本の流行り廃りというのはあるわけで、それも各時代の社会状況による。 そう考えると、高橋哲雄さんがミステリーという特異な文学ジャンルを研究したように、私もまた自己啓発本という特異な文学ジャンルを研究している、という同志的なつながりがあるように思えてならないわけ。 そういう意味でも、私にはこの本、実に面白かったです。教授のおすすめ!です。 それにしても、こういう図柄の大きい文学研究を、社会学者にやられてしまった、というのは、文学者として忸怩たるものがありますなあ。 先日参加したアメリカ文学会の全国大会でも、研究発表のほとんどがタコつぼ論ばっかりで、高橋さんのミステリー論のようなすごい研究なんてありゃしない。もう、うちの業界の若い連中には、高橋哲雄さんの爪の垢でも煎じて飲ませた方がいいんじゃないだろうか。 ほんっと、情けないわ~。【中古】 ミステリーの社会学 近代的「気晴らし」の条件 / 高橋 哲雄 / 中央公論新社 [新書]【ネコポス発送】
October 29, 2024
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さてと。そろそろこのブログも再開しようかな。 21日に母が亡くなったわけですけれども、どうにかこうにか葬儀も済み、少しずつ日常が戻ってきております。まあ、母のことについては、まだここで振り返るような余裕もありませんので、またいずれということにして、とりあえずブログを再開することにいたします。 とはいえ、なんの話を書こうかな。毎日書いてないと、書く感覚を忘れちゃうね。 ブログを休んでいた間にあった印象的な出来事というと、元大関の旭国が亡くなったことかな。 旭国は、小兵ながら大関まで務めた名力士でね。子供の頃、好きな力士の一人でした。 旭国の何がすごいって、腰の構えだね。大型力士と当たっても、常に足を前後に出して、腰の構えだけは絶対に崩さない。相手の圧力に負けてのけぞるとか、そういうことはめったにない。 で、技が多彩でね。特に印象的なのは、「とったり」。相手の腕を完全に極めて投げるので、うまく極まれば必ず勝つ。その他、内掛け、外掛け、けたぐり、内無双、上手出し投げ、どれも相撲の教科書に載ってもいいようなきれいな技だった。 ただ、残念だったのは、優勝経験がなかったこと。何度か優勝のチャンスはあったんだけど、同時代に横綱の北の湖と輪島がいたので、彼らの壁に阻まれて一回も優勝できなかった。本人へのインタビューで、「大関になるとの優勝するの、どちらか一つと言われたらどちらをとりますか?」という問いに、「優勝したかった」と言っているのを私は聞いたことがありますから、本人としても優勝経験がないことは、残念なことだったでしょう。 あと一つ、旭国の相撲界への貢献としては、旭天鵬などモンゴル力士の角界への導入がある。もっともこれについては、大相撲のモンゴル相撲化以来、相撲ファンであることを止めたワタクシとしては微妙なところですけどね。 でも、とにかく、いかにも真面目に相撲道を貫いた旭国さんについては、一ファンとして、好感を持たざるをえない。その旭国さんが亡くなったことで、また一つ、昭和の相撲の歴史が消えた感じがします。 ということで、元祖技のデパート、元大関旭国さんのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。
October 28, 2024
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本日午後、私の母が天に召されました。享年92年と8か月。 先月末、危篤と診断されてからおよそ1か月、頑張って生きてくれました。その間、ゆっくりお別れができました。 この先、葬儀やらなにやら、忙しくなると思いますので、しばらくこのブログもお休みです。 また元気になりましたら、復活させますので、それまでしばらくお待ちください。 その前に、本ブログの2013年5月3日に掲載した、「母とお散歩」と題した一文を再掲させていただきます。生前の母の雰囲気が割とよく出ていますので、母の思い出として。「母とお散歩」 夕方、母が買い物がてら散歩に行くというので、くっついて行くことにしました。 高血圧で、さらに糖尿気味と医者に言われてから、母は万歩計をつけ、毎日3,000歩以上と目標を決めて毎日散歩するようになったのですが、今日は私も暇だったので、母が日々どんなところをてくてく歩いているのか見てみようと思ったわけ。 「この坂を下ってくるでしょ。で、ここで右に曲がるの。それで線路を渡ったところで右に曲がる時もあるし、もう少し先に行ってから曲がることもある。今日は先まで行ってみようか」 実家は住宅地のまっただ中にありますから、どの道をどこまで行こうが、基本的に他人の家ばかり。そんな他人の家を見ながら歩くのも楽しいそうで。 「ほら、これ、きれいな花ね。これはテッセン。この黄色い花は何かしら、分からない」 そのうちに、ちょっと切り立った崖のところまで出ました。その崖に突き出るように新しいマンションが出来ている。 「あら、これは危ない。崖が崩れたら危険、危険。日当りはいいけどね。」 またしばらく歩いていると、最近新しく立った家々が並んでいるところに差し掛かります。 「ほらね。道のこっち側は古い家。こっち側は新しい。古い家の方がゆったり立っているけど、やっぱり造りが古いわね。新しいのは造りもモダンだわ。ね、こういう新しい家見てて、こういう家に住んでみたいなって思う?」 「ああ、ここまで来た。ここで駅の方に曲がるの。そうすると、ね、いつもスーパーに行く道になる。歩くのにはちょうどいい位の長さでしょ」 そうして「いつもの道」に戻った母と私は、スーパーに寄って夜のご飯の買い物をし、家路についたのでした。二つに分けた買い物袋の、重い方を持つと言ってきかない母をなだめ、軽い方の袋を持たすのに苦労しながら。
October 21, 2024
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母に残された時間も大分少なくなってきましたので、今日もずっと老人ホームの母の部屋に詰めておりました。 だけど、何時間も何もしないで母と向き合っているのもつらいので、仕事を持っていくことに。その仕事とは、次の次の次の本に当たるもので、自分では「還暦本」と呼んでいるもの。書いている私自身が還暦を越しているわけですけれども、そういう年齢になってますます自己啓発思想の偉大さが分かるようになってきた。そうした実感をベースに、還暦を過ぎた相当な大人向けに、本を書こうかなと。 この年代のための自己啓発本となると、やはり大きなトピックは「自分の死」。それにどう対処するか。 目の前で最後の時を迎えている母の傍らで、いずれ自分にもやってくる死のことを考えるというのは、自分にとっては意義のあることでありましてね。 そういうアレがあるせいか、思いのほか、捗ってしまった。 この本が完成したら、もちろん、この本は母に捧げましょう。母が頑張って、危篤になってからもなお、この世に居続けていてくれるから書いているようなもんだし。 もしこの本が完成したとして、それを母に見せられないと思うと、ちょっと(いや、大分)悲しいですけどね。
October 20, 2024
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名古屋から実家に戻っております。このところ実家と名古屋の往復が続いていて、疲れちゃいますけど、母に会える時間も限られてきましたからね。会える時に会っておかないと。 それはともかく。 今週の水曜日の夜、名古屋に戻った時は、新東名ではなく、東名を走って帰ったのですが、このところの東名のサービスエリアの寂れ具合は甚だしいですな! っていうか、もう、サービスエリアとはいいながら、9時過ぎくらいにはもう店が閉まっちゃってるからね。あるのはトイレとコンビニだけ。かろうじて浜名湖サービスエリアだけは結構夜遅くまで開いていたけど、後はもう、牧之原とか閑散としちゃって。「裏街道」っていう雰囲気がひしひしと。 実家と名古屋の往復で東名を数えきれないほど往復したもんだけど、昔はもっとこう、華やかだったんだけどねえ。いかにも「日本の大動脈」という感じで。それがここまで寂れるとは思わなかった。 でも、クルマで走っていると、新東名より東名の方が面白い。適度にくねくね曲がるから、運転している実感があるし、先が見通せない分、退屈しない。私は結構好き。 私と東名高速は、どちらも還暦でほぼ同世代。東名同様、私も相当寂れてきているのかもしれないけど、もう少し、一緒に現役で頑張りたいものでございます。
October 19, 2024
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昨日、絵本作家・中川李枝子さんの訃報がありました。享年89。 そのニュースのことは知っていたのですが、『ぐりとぐら』の作者として紹介されていたので、ピンとこなかった。『ぐりとぐら』って、名作絵本として有名ですが、実は私は読んだことがない。だもので、この人に対する思い出がないなと思っていたんです。 ところが! 中川さんは『ももいろのきりん』の作者だって言うじゃなーい? これは私が子供の頃、愛読した絵本なのよ。 ヒロインのるるこちゃんは、どういう理由だったか、大きなももいろの紙を手に入れるんですな。で、これで大きなきりんを作ることにする。で、完成した紙のきりんに目とか口とかをクレヨンで描き込むと、なんとその紙のきりんに生命が宿るわけ。で、るるこちゃんはこのももいろのきりんに「きりか」という名前を付け、二人は友達になります。 その後、夜になって寝ることにするのだけど、なにしろきりんだから頭が天井につかえちゃう。するときりかが、僕は窓から首を出して寝るから大丈夫、とか言って、とりあえずそういうことにすると。 ところがその夜、雨が降るのよ。で、首から先がぬれてしまって、なんとも惨めなことに。 そこでるるこちゃんは、きりかの長い首を洗濯ばさみで物干し竿に留め、天日干しをするの。で、段々首が渇いて来ると、きりかのパワーも復活! しかし、雨できりかのももいろの肌が禿ちゃったので、るるかちゃんはピンクのクレヨンで塗り直してあげるのだけど、なにしろきりかは大きいので、小さいクレヨンがすぐなくなってしまう。 そこでるることきりかは、遠くに見える、クレヨンの木が生えているところにいって、好きなだけクレヨンを塗ろうと旅に出る。ところがクレヨンの木のところには色々な動物がおり、ちょっと意地悪なゴリラとかもいて、きりかにピンクのクレヨンを使わせてくれないの。 さて、るることももかは、このピンチをどう乗り切るか?! まあ、うろ覚えだけど、そんな話。 これ、好きな絵本だったのよ。私は子供の頃から大人びていて、「け! 子供だましの絵本なんか、誰が読むかよ!」と、見向きもしなかったんだけど、たまたま親が誰かにもらったかなにかで私のもとに回って来たこの絵本は面白くて、何度も繰り返し読んだの。たわわに実るクレヨンの木とか、最高じゃん。 だから、中川李枝子さんは、私にとって数少ない、親しみのある絵本作家だったのよね。その人が亡くなったとなれば、私としては、追悼せざるを得ない。 『ももいろのきりん』で私を夢中にさせてくれた絵本作家、中川李枝子さんに感謝しつつ、そのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。これこれ! ↓ももいろのきりん (福音館創作童話シリーズ) [ 中川李枝子 ]
October 18, 2024
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そうか、西田敏行さん、亡くなられたのか。享年76。俳優として、少なくともあと10年くらいは活躍できる年齢なので、急逝されたのは惜しいの一言。 しかし、西田さんって、日本の俳優の中でも最も成功した人の一人なんじゃないですかね。飛び切りのハンサムかといえば、決してそうではないわけだけれども、だからこそ善良な人の役から893の親分役まで様々な役につくことができるところがある。真面目な役もコミカルな役も出来、歌も歌えば司会もナレーションもする。『釣りバカ』をはじめ代表作にも恵まれたし、長いキャリアの中で、低迷期というのはあまりなかったのではなかろうか。映画にテレビにコンスタントに目にする、子供から大人まで、全世代に好かれるタイプの俳優さんでしたなあ。 ま、私は『釣りバカ』を見る感じではなかったですけど、世代的に『池中玄太80キロ』が懐かしい。ああいうテレビ・ドラマって、今はもうないですもんね。そう言えば、お相手役の坂口良子さんもすでに亡くなってしまった。 しかし、こんなに急に亡くなられたのでは、周囲の人たちはショックが大きいだろうな。このところ病気がちではあったようですが、まさか亡くなるような状態とは、ご本人だって、思ってなかったでしょうからね。 人間の生き死にって、分からないもんですな。 まあ、個人的に、このところ人間の生き死のことを考えざるを得ない状況なので、そんな中、飛び込んできた西田さんの訃報に驚きつつ、強くご冥福を祈りたい気分でございます。
October 17, 2024
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今日は拙著の出版をめぐって担当編集者の方とオンライン会議。 そろそろタイトルとか表紙デザインを決める工程に入りつつあるのですが、今日、オンライン会議をしてみて、なるほど~と思ったことがひとつ。 私の自己啓発本研究の成果は、これまで2冊の本になっておりますが、どちらも、どちらかというと文学研究寄りというか、文学として自己啓発本を読む、というスタンスで成り立ってきたわけ。 で、今度出す本は、私が厳選した60冊の自己啓発本を解説した本なんですけど、出版社の方としては、こいつを文学寄りではなく、むしろビジネス書寄りで売り出す計画であると。 ほう! なるほど! そうでしたか!! ひゃー! ついにワタクシ、期せずしてビジネス書を書いちまったよ。まさか、こういう日が来るとはねえ。 面白いねえ。果たして私の書いた本は、ビジネス書としてのポテンシャルはあるのだろうか? ビジネス書というのは、文学研究書とはまた別な売れ方をするものなのだろうか? 読者層というのは、これまでの私の本のそれとはだいぶ異なるのだろうか? 興味津々ですな。ビジネスマンの数は、文学研究書に興味のある層とはくらべものにならないくらい多いでしょうし、ひょっとすると、すごく売れたりするのかな? 売れてほしいけど。 でまた、今日は表紙デザインの話も若干進めたのですが、これまたビジネス書兼自己啓発書としてめちゃくちゃ売れたある本のデザインを担当されたデザイン・チームに依頼する方向で検討中とのこと。 いやあ、一体、どういう感じになるのか。それも楽しみ! まあ、アメリカ文学会の方たちが目を回すような感じになるのかもね。いいね、いいね、面白いね。 というわけで、今日はなかなか面白いオンライン会議だったのでした。 さて、明日は名古屋でちょっと仕事があるので、今日はこれから名古屋に戻ります。でもその前に、ちらっと施設に寄って母の顔を見ていこう。もう、眠ってばかりだけど、生きている母の顔をできるだけ沢山、目に焼き付けておきたいので。
October 16, 2024
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日髙敏隆先生の『ぼくの世界博物誌』、読み終わってしまった。非常に面白い読書体験でした。 ところで、この本の後半は、日髙先生のご専門である動物行動学の話がメインになっているのですが、その中に、「蝶はどのくらい見えているのか」という話題が出てくる。 蝶々なんて、ごく当たり前に見かけるし、ああ、飛んでいるな、くらいにしか考えていなかったですけど、彼らがどんなつもりで・・・というか、どの程度の世界観でこの世界を飛び回っているか、彼らの視力はどのくらいのものか、考えてみれば、分からないわけですよね。 で、日髙先生は、それが知りたいと思ったと。 で、さすが研究者だなと思うのは、蝶の視力を確かめる方法を考え出すというところ。 そもそも蝶のオスは何のためにひらひら飛んでいるかというと、メスを探して交尾するために飛んでいるわけです。だから、彼らは始終、メスの姿を探して飛んでいるに違いない。 そこで、アゲハのメスの羽の標本をアクリル板に挟んで吊るしておく。で、そのアクリル板にアゲハのオスが近づこうとしたら、それはそのオスがメスを認識した、ということなわけです。 で、そうやって実験したら、アゲハの視力が分かった。1メートルか1.5メートルだったそうです。だから、アゲハは、1メートルくらいの視界のみで世界を見ていることになる。それ以上遠くは、ぼんやりとしか見えてないはずだと。 ちなみに、アゲハだから1メートルなのであって、モンシロチョウだと30センチくらいしか見えていない。周囲30センチの世界の中で、彼らは生きているのだと。 そうか。自分にごく近いところしか認識できないまま世界を生きていく、それが蝶の生き方なんだ。もしその範囲の外側から敵に襲われたら、ひとたまりもないですわなあ。 ふうむ! すごい発見ですな。科学者というのは、そうやって、すごく素朴でナチュラルな疑問から発して、いろいろなことを解明していくわけだ。 で、思ったのですが、こういう、ごくごく素朴でナチュラルな態度で、文学者も文学作品に接しないといかんのじゃないかと。 作品をよく読んで、「この作者はどうしてこういうことをこういう風に書いたんだろう?」という素朴な疑問を見付けること。そしてそれを考えていく中で、その作品の一層深い面白さを発見し、作者の思いに肉薄すること。そういう、素朴な文学論が読みたいし、書きたいなと。 最近の、特に若い人の文学論って、素朴な疑問からスタートしてないのが多いんだよな。 とにかく、日髙先生の本を読んで、私は色々なことを考え、色々なことを教わったのでした。これこれ! ↓ぼくの世界博物誌 (集英社文庫(日本)) [ 日髙 敏隆 ]
October 15, 2024
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昨日も書きましたが、日髙敏隆先生の『ぼくの世界博物誌』(集英社文庫)を楽しみながら、舐めるように読んでおります。 で、この中に今から60年ほど前、日髙先生がフランスに滞在しておられた時のことが書かれていて、当時のフランスというのは、天国みたいなところだったんだなと。 で、フランスのことを読んでいたせいか、引き寄せの法則が生じまして、昨夜、何の気なしにテレビを見ていたら、NHKで「世界居酒屋紀行」(タイトルは不正確)みたいな番組をやっていた。世界中の居酒屋を尋ねて、そこを視点にそれぞれの地域の特色というか、文化を見ていこうという趣旨の番組なんですな。 で、昨夜の回では、ちょうどフランスのとある町の居酒屋が取材されていたのよ。 で、陽気で酒好きな店主が営むその居酒屋は、いつも客で一杯で、その客たちと一緒に店主もビールを飲みまくっていた。その店で出す料理というか、酒のアテがやたらに美味しそうでね。 例えば田舎風パテにソーセージに生ハム。そういうのが皿に山盛りになった「肉盛りセット」がある。で、フランスの連中は、そういうものにバターをたっぷり乗せて食べるのよ。ソーセージにもバター、パテにもバター。「バターを塗る」のではなく、バターの塊をそれらに乗せて食べる。 で、取材班が、「これはカロリーが多そうですね」などと話を仕向けると、「ん? カロリーとは何ぞや?」などとふざけて返事をする。カロリーなんか気にして人生を渡って行けるか、ってなもんです。 あと美味しそうだったのは、マテ貝のソテーね。多分、たっぷりのバターでソテーしてあるのでしょう、貝から出るエキスと溶けたバターが一緒になって、とてもおいしそうだった。 で、そんな料理を客たちに振る舞いながら、店主も酒を飲む飲む。 そこへ、店主の奥さん登場。なにやら店主に告げ、自分でも生ビールを注いでもらって、すぐに店を出ていった。 で、その奥さんを取材班が追いかけて行って、「あなたの旦那さんは、ちょっとビールの飲みすぎじゃないですか?」と尋ねたわけ。 これが日本だったら、この奥さんはどういう返事をしますかね? 多分、「そうなんですよ、困っているんです」とか、そんな返事が返ってきそうじゃないですか? しかし、フランスでは違った。この奥さん、「夫が飲みすぎと思うかどうか、私は尋ねられているの?」と確認したのち、こう言い放った。「いえ、彼は自由なのだから、彼には好きなだけ酒を飲む権利があるわ」と。 それを聞いて、私はうーん!と唸りました。そうか、と。 これがフランスか! これがフラン人の「自由」概念なのか。 すごいね。自由というものの考え方が、日本人とは全然違う。夫婦の関係であろうと、互いの自由を絶対に侵さないという姿勢。 いやはや。日髙先生のエッセイを読んだおかげで、私はフランス人が自由というものをどうとらえているかを、偶然、学ぶこととなったのでした。
October 14, 2024
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昨日は名古屋で行われた学会に出ましたが、今日は神奈川の実家に戻っております。母のことがありますのでね。 さて、そんな私のお供になったのが、日髙敏隆先生がお書きになった『ぼくの世界博物誌』(集英社文庫)という本。これこれ! ↓ぼくの世界博物誌 (集英社文庫(日本)) [ 日髙 敏隆 ] 何でこの本を買って読んでいるかと申しますと、先日読了した山田稔さんの『もういいか』という本に日髙敏隆先生の思い出が書かれていて、それで日髙先生のことを懐かしく思い出したから。 実はね、私は著名な動物行動学者である日髙敏隆先生と直接の面識があったのよ。実は私の所属講座でその昔、二度にわたって日髙先生をお招きし、学術講演をしていただいたことがあるんですな。で、2回目の時は私が先生をお招きしたり、おもてなしをする任に当たったこともあり、先生にも顔と名前を覚えていただいた次第。 それにプラスして、日髙先生が私のことを認識するとっかかりというのがありまして。実は私の義理の叔父がかつて京都大学の医学部に勤めていて、同じく京大におられた日髙先生も叔父のことはよくご存じだったんです。で、その後、叔父は滋賀医科大学の学長となり、一方日髙先生は県立滋賀大学の学長となられた。京都から滋賀へ、という道筋も同じだったと。そういうこともあって、日髙先生は叔父とセットで私のことを覚えていてくださったわけ。 ちなみに、日髙先生の学術講演会は面白かったのよ~。内容は高度なのに、それを実に面白く語られる。もう20年くらい前の話ですけど、まあ、あれほど面白くてタメになる講演なんて、その後、聴いたことがないくらい。 そんな日髙先生のお名前を、山田稔さんの『もういいか』で目にしたもので、たまらずこの本を買い、今回の上京に持参したと。 で、実家について早速読み始めたのですが、やっぱり、期待通り、実に面白い! 優れた理系の研究者の中に、文もよくする人が時々いますが、日髙先生はまさにその例。しかも日髙先生は研究者として世界中を経めぐっておられますから、経験が豊富。その豊富な経験を元に世界各地で出会った人物、事物、経験を書かれるわけだから、面白くないわけがないんですな。 しかもこの本には随所にイラストがちりばめられていて、それを描いているのが先生の奥様の喜久子さんなのよ。 でね、その奥様のことを、日髙先生は「キキ」ってお呼びになるの! 本文中で。 ひゃー! 素晴らしい! きっと先生と奥様は仲良しさんだったんでしょうね。私は奥さんを大事にしない男は男じゃない(←『ゴッドファーザー』でドンが言うセリフ)と思っているので、奥様のことを愛情を込めて「キキ」って呼ばれる日髙先生のことがますます好きになっちゃうわ~。 っつーことで、『ぼくの世界博物誌』、まだ全部読み終わってないけど、教授の絶賛おススメ!です。 で、そういいながら、この文庫本をパラパラやっていて、最後の方にある「初出一覧」を見たのですけど、そうしたら、もう一つ驚くことが! 何とこの本の元となったエッセイ群は、その大半が『全人』という雑誌に連載されていたものだったのでした。 『全人』というのは、玉川学園の創立者、小原国芳先生の肝煎りで創刊された玉川学園の雑誌で、私のような玉川出身者からしたら懐かしいもの。その『全人』に日髙先生が長年、エッセイを書き綴られ、それがまとまって、玉川大学出版部から出版され、それが現在、集英社文庫になっていたいんですな。 いやはや。色々なことがつながって、ますますこの本が私には大切なものとなりそうです。ぼくの世界博物誌 人間の文化・動物たちの文化 [ 日高敏隆 ]
October 13, 2024
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今日は所属するアメリカ文学会の全国大会が地元名古屋の中京大学で開催されました。母の具合の関係で、参加できるかどうか分からなかったんですが、結局、参加できることになってしまった・・・。参加できるか微妙だったので、東京に住む友人と学会後に会食する予定をキャンセルしてしまいましたが、残念なことをしました・・・。でも、まあ、仕方がない。 それにしても、私が学会に参加するなんて、何年ぶりだろう? 数年前に英文学会だったか、アメリカ文学会だったかが東京女子大で行われた時に吉祥寺に行って以来だもんなあ。 ま、とにかく、今日は久々の学会ということで昼過ぎから意気込んで中京大学へ。 しかし、その前に。中京大学の近くにある生ドーナツの店「ユニ・ドーナツ」に立ち寄り、ドーナツ3種をゲット。ちょっと気になっていたのよね~。 で、中京大学に乗り込んだのですが、地下鉄八事駅を出ればいきなり大学の正面につくというアクセスの良さ。建物もきれいだし、ワシの所属大学とは月とスッポンの違いやなあ。どうして私立大学はこれほど豪華で、国立大学はこんなに貧しいのだろう? で、研究発表が始まるまで少し時間があったのですが、その間、ちょうどお見掛けした学会における私の兄貴分、N先生とちょっとお喋りを。 N先生、国立N大学を定年退職され、今年度から名古屋郊外にある某私立大学に移られたのですが、その辺の経緯というか、新しい職場での勤務状況など、あれこれお尋ねしちゃった。それによると、第二の職場とはいえ、結構、人使いが荒いらしく、前期は非常に忙しくしておられたのだとか。うーん、そういう話を聞いちゃうと、第二の職場を探そうという気が失せるなあ・・・。 で、研究発表が始まり、三本立て続けに拝聴。3つとも若手の研究者による発表でした。 で、それらを聴いていて、最近のアメリカ文学研究の動向というか、方向性がよく分かりました。 まあ、薄々感づいてはいたんだけど、最近のアメ文研究は、1970年代から80年代前半にかけて流行した精読時代に戻ったな。 1980年代後半以降、「文学理論」ブームというのが流行って、誰も彼もフランス由来の文学理論を振り回し、口々に「脱構築」とか言っていたんだけど、もうそんなのはどこかに消えちゃった。結局、面白くなかったんでしょ。 で、作品を精読して、その意味を深掘りしようという、「精読」研究に戻ったんだけど、戻ってみると、これはこれでつまらないのよ。 つまりね、作品の細かいところ、語句の一つ一つ、象徴の一つ一つにこだわった蛸壺的な読み方っていうのは、オタクの読み方なのよね。だから、一般人の読み方からどんどん離れて行ってしまう。学者側は面白い面白いと思っているかもしれないけど、一般人からしたら「何ソレ?」の世界でしょう。 学者の読み方と一般人の読み方が異なるのだから、学者の書いた研究書を一般人が読んでも、そりゃ、わけがわからんでしょうなあ。そうやって、両者が乖離した状態、それが今のアメリカ文学研究の世界なんだね。 私は、研究者ではあるけれども、一般人の立場から作品を読む。そういう人間からすると、今の学会はつまらなくて仕方がない。だから、最近、全然学会に参加してなかったんだけど、今日、あらためて久しぶりに学会に参加してみて、もうここは私のいる場所じゃないな、っていう感じをますます強くしましたね。 ということで、3つの研究発表を聴いた後はさっさと帰宅しちゃった。 で、帰宅してから、今日買った「ユニ・ドーナツ」の生ドーナツを食べたのですけれども・・・ これが馬鹿ウマ!!! めちゃくちゃ旨い。これは買う価値あるわ~。これこれ! ↓ユニ・ドーナツ 今日は、このユニ・ドーナツを食べられたというのが、学会に参加した唯一の収穫だったのでした。
October 12, 2024
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このところ、朝晩急に涼しくなりまして。ということで、昨日の夕食はおでんに! おでん。私は子供の頃は、おでんが嫌いでね。何食べても同じ味で、飽きちゃうの。 でも、結婚して名古屋風のおでんを知ってから、むしろ好きに。 名古屋風のおでんは、完成したおでんに、さらに「味噌ダレ」を添えるのよ。赤味噌ベースの。だから、味が濃い目になって、ご飯が進む。昔はおでんといえば「からし」でしたけど、いまやおでんといえば「味噌ダレ」ですなあ。 でね、さらに昨夜は新機軸がありまして。 我が家のおでんの具としては初めて、「牛スジ」を入れてみたの。何となく、気分で。 前に、新東名高速の静岡県内のSAにある「天神屋」で静岡おでんを食べた時、牛スジの串があって、これが結構おいしかった。それを真似したんですな。 関東に住んでいた時、おでんに牛スジなんて入ってなかったもんなあ。 で、牛スジを入れてみたところ、これがまたね、普段のおでんの出汁にさらに牛スジの風味がプラスされて複雑になり、なかなか美味しかった。今後、我が家のおでんの定番の具になりそうです。 まあ、それにしても、おでんが美味しいなんて言っているのだから、さすがの猛暑の夏も過去のものとなり、秋になったということですなあ。この分だと、鍋物が夕食に登場するのも、そんなに遠くないのかな。
October 11, 2024
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山田稔先生から、先生のご近著『もういいか』(編集工房ノア)をご恵投いただきました~。 このブログにも書きましたが、最近山田稔先生の『特別な一日』(平凡社ライブラリー)を読了したばかりで、そのエッセイとも小説ともつかぬ唯一無二の文体で書かれたこの名著を堪能したばかりだったこともあり、『もういいか』の方もいただいたその場で読み始めました。まだ半分くらいですが、非常に面白く読んでおります。 で、この本の中に、山田先生がかつて京大時代の同僚であった生田耕作さんの思い出を綴っていらっしゃるところがあり、その直後に、坪内祐三さんについての思い出を書かれているところがある。 実はワタクシ、生田耕作さんと坪内祐三さんと山田稔先生と私自身にまつわるエピソードが一つ、ありまして。もう、矢も楯もたまらず、山田先生にお礼かねがね、そのことを綴った長い手紙を書きました。 ま、それは個人的なことだから、それでいいのですが、問題は郵便のこと。 今日、大学に出向く前に郵便局によってこの手紙を投函したところ、郵便料金が爆上がり(110円!)したことにも驚かされましたが、それ以上に驚いたのが配達にかかる日数ね。 郵便局の人から、「これ、速達にしなくていいですか?」と尋ねられたので、「え、なんでそんなこと聞くの?」と思いつつ、「いや、通常郵便でいいです」と答えたのですが、よく聞くと、今日名古屋で投函したこの手紙が、京都の山田先生の手元にとどくまで数日かかり、おそらく、来週火曜日の配達になるだろうから、と。だから、急ぎの手紙だったら、速達にした方がいいですよと。 名古屋・京都間の郵便配達に、木・金・土・日・月・火まで掛かると??!! まあ、今週は連休があるからとはいえ、ちょっと時間かかり過ぎじゃない? ひところ、郵便が届くのが早くなっていた時期があり、速達でなくても翌日届く、といったことがよくあったのに、今は逆にこんなに遅くなってしまったのか? 郵送料は格段に値上げしたのに? いやあ! 日本の郵便システム、大丈夫か? 年々値段は高くなる、その一方でサービスの質は大幅に低下するじゃ、いいところないじゃん! 今、政局の話でやいのやいの言うのはいいけど、こういう庶民の生活に直接かかわるところの議論はしなくていいのかい? なんか、かつて「ジャパン・アズ・ナンバー1」と言われたこの国が、どんどんレベルダウンしているようで、先行き不安になってきますなあ・・・。
October 10, 2024
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レジ―さんが書かれた『ファスト教養』という本を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。 著者名「レジ―」って何だよ? ということはさておき、まあ、いい本ですわ。久々に読んだ「読む価値のある新書」っていう感じ。 ちなみに「ファスト教養」というのはレジ―さんの造語で、昔から日本でもてはやされてきた「教養」というものが、ここ20年~30年ほどの間に意味合いが変わってきた、っちゅー話。 今の日本で言う「教養」とは、「持っていればビジネス上で役立つ可能性が高い教養」の意味で、この教養があれば同僚から頭一つ抜け出すことができる知識を意味する。端的に言えば、ビジネスで成功し、金持ちになるために必要なツールとしての知識を指すんですな。だから、野心ある前向きなビジネスマンは、その分野に興味があるかどうかなどという個人的な理由からではなく、ビジネス上の必要性からこの種のファスト教養を身につけようとする。映画を早回しで観る、なんていうこともその一環で、映画というアートを堪能するためではなく、上司に話を合わせるとか、取引先の人間関係を円滑にするために、その映画の内容を知っているという状況を創り出すために観る。こういう態度が「ファスト教養」のベースにあると。 で本書は、今日のこうした「ファスト教養」ブームについて解説しているのですけれども、この本の何がすごいって、レジ―さんのライターとしての腕。2000年代以降の日本のビジネス・シーンを侵食してきた「ファスト教養ブーム」の萌芽から現状まで、立役者の紹介からそのブームが引き起こしている病理の描写まで、無駄なく不足なく、適切なタイミングで適切な例を引き乍ら、見事なまでに活写している。 たとえば小泉政権、小池都政、安倍政権など、自助努力を基本とする政治的な流れがある中、ITバブルによって、ホリエモンなど、従来の社会システム、旧来の会社概念を覆す新しいビジネス形態を打ち出す人たちが登場する過程で、「稼ぐが勝ち」的な概念が生れたという経緯。またそうした新しいビジネス・シーンの中で、負け組になりたくない若者たちが、自身のスキルアップに邁進せざるを得ない状況が出て来たということ。また自己責任という考え方を無条件に信じるようになったことから、自己責任を果たさない社会的弱者を救済するという、公的責任を軽視するような風潮が出て来るという話。 でまたファスト教養がもてはやされるとなると、中田氏やひろゆきや勝間さんなど、それに適応したインフルエンサーが次々と登場してくるのであって、出版界もそれに迎合して、ますますファスト教養一辺倒になっていく。ホリエモンも、デビュー当時は、露悪的ではあれ、根っこのところでは従来の社会システムを刷新しようという大きな志を持っていたはずなのに、今ではファスト教養の伝道者に成り下がってしまった。 AKB48の登場も、芸能界におけるファスト教養ブームの一端として捉えられるのであって、アイドルグループの中で、それぞれのメンバーが、自助努力によってライバルと差を付けようとするのもそうだし、ファンの側も「贔屓のメンバーを出世させるために、自分にできることをする(CDを複数枚買う)」などの自助努力に精を出すことになり、こうしたことによって、一部のファンの行動により、世間的には聞いたこともないようなタレントがオリコン1位を獲得するといったようなことも起こるようになると。 またサッカーのスター選手の自己啓発本もまた、ファスト教養ブームに棹差したものである、なんて指摘も説得力ありましたし、こうしたファスト教養ブームに振り回されるカップルを描いた『花束みたいな恋をした』という映画のことも解説も非常に面白かった。なるほどねえ・・・って感じです。 ・・・とまあ、ホントに今の日本の状況がスッキリ分かる。まるでファスト教養の枠内の話になっちゃうようですけど、実に「この本一冊読めば、この時代の日本のことは大概分かる」と言っても過言ではない。 ちょっと前に読んだ三宅香帆氏の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という売れ筋の本には全然感心しなかったんだけど、レジ―さんのこの本は面白いわ~。 っていうか、レジーさんの『ファスト教養』という本こそ、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問に、完璧に回答しているよね! だってさ、三宅氏のこの問いへの回答は、「本が読めないのは、日本人が働き過ぎているから。そんなに一生懸命働かなければ本も読めるようになるよ」というものだったのだけど、レジ―さんは、もっと深い回答を示している。なぜ本が読めないか、それはファスト教養を身につけるために忙しいから、だもんね。 三宅氏の問題提起とは裏腹に、日本のビジネスマンは、忙しくても本は読んでいるのよ。やたらに。ただその本がファスト教養のための本であるというところが問題なんだと。 この鋭い認識からして、レジ―さんの本は、三宅氏の本を圧倒しています。 ただ・・・ この本の最終章でレジ―さんが提示している、この状況への解毒剤というのは、案外平凡だったかな。 レジ―さんが解毒剤として提示しているのは、「ビジネスのためにファスト教養を身につけるのは、今日、仕方がないことだから、そこには目をつぶろう。ただし、ファスト教養向けの本の中にも松竹梅があって、松の方を読むようにしよう」ということだから。ファスト教養を身につける一方、もう少し本格的な教養も身につけて、クルマの両輪にしようよ、という妥協案。それがレジ―さんの回答。 これをどう評価します? 平凡・・・じゃない? まあ、それ以外に道はないのかもね。だとしたら、平凡な回答が正しい回答ということになる。 ただ、そこまでの記述があまりにも見事だったので、読者としてはもっとすごい回答を期待しちゃうのよ。 あ、そうそう、あともう一つ驚いたのが、レジ―さんがこの回答を引き出すのに補助線として使ったのが、渡部昇一の『知的生活の方法』と、川喜多二郎の『発想法』(要は「KJ法」)だったということ。ほえ~、随分とまた温故知新だこと。 ということで、最終章についてはちょっと、と思うところもなくはなかったけど、そんなことはどうでもいいぐらい、現代日本のある状況を見事に描いているという点で、この本は必読だわ~。教授のおすすめ!と言っておきましょう。これこれ! ↓ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) [ レジー ]
October 9, 2024
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先日、実家から名古屋の自宅に戻る途中、クルマの中でCDを聴き続けていたのですが、たまたま持って行ったビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』と『アビー・ロード』に改めて聴き惚れまして。 ビートルズの曲って、ほとんど全曲いいよね! ポピュラリティーがあって、しかも、どれもアバンギャルドだっていう。 ジョン、ポール、リンゴ、ハリスンの4人の組み合わせって、スゴイよね。 しかも、ビートルズ解散後のそれぞれの活動を見ると、4人のうちの誰もビートルズ時代ほどのものは作れなかったっていう・・・。 だから、この4人がたまたま一つのバンドを組んだということが、いかに奇跡的なことであったかというのがよく分かる。 で、そんなことを考えているうちに、ふと、こんなことを考えた。 「ビートルズの奇跡」を超える20世紀の奇跡って、あるのかな?と。 これとこれ、この人とこの人が組み合わさったために、とんでもないものが創造されたという奇跡で、ビートルズのそれを超えるもの、あります? 「スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがアップル社を設立した」。なるほど。でもこれは2人(ないしロナルド・ウェインを含めて3人)だからなあ。 2人の組み合わせなら、いくらでもあるのよ。「サイモンとガーファンクル」だってそうだし。でも4人の組み合わせとなると、そうはない。 まあ、これは単なる「考えの遊び」だけど、とにかく、ビートルズの4人のメンバーがある時期、一堂に会したということ、この奇跡的な出来事のお陰で、21世紀のある日の午後、ひとりのおっさんが、その恩恵に浴したと。まあ、そういうことでございます。
October 8, 2024
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いやあ、最近、よく眠れるようになりまして・・・。 加齢とともに眠りが浅くなり、入眠サプリ「メラトニン」のお陰で寝付きは良くなったものの、逆に朝4時頃に起きてしまい、そこから眠れなくなることが多発。結局睡眠不足で調子の悪いことがよくあったんですわ。 ところが。 最近、よく眠れるようになったよの~。朝も起こされるまでぐっすり。 なぜそういうことになったか? 実は簡単なことでありまして、夕方以降、コーヒーや紅茶などを飲む習慣をやめたから。 私は子供の頃からコーヒー・紅茶、特に紅茶を愛好しておりまして、寝る前にもよく飲んでいたのよ。「深夜の茶会」などと称して、夜中の12時過ぎに紅茶をしっかり飲んで、それから風呂入って寝る、みたいなことを60年間やってきた。 自分では「カフェインに対して、耐性がある」などと豪語しつつ。 いやあ! 愚かだったねえ・・・。耐性なんか、あるわけないじゃん!!! 一方でカフェインを摂取し、一方で入眠剤のお世話になるなんて、まるでアクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなもんじゃん。立往生するのがオチ。 で、ふとそのことに気づいて、このところ、夕方以降のカフェイン摂取をやめてみたら、こんなにもよく眠れるのかと。 そのことに気づくまでに60年掛かったとは! で、最近、コーヒーや紅茶はどうしているかと言いますと、夕方以降に飲むコーヒー・紅茶は全部カフェインレスのものにしたの。 そんなもの、美味しくないだろうと思っていたのは愚か者の想像に過ぎず、最近のカフェインレスは結構、旨いよ! 味も色々あるし。それに紅茶の代わりにルイボス・ティーを飲んでもいい。 っつーことで、夕方以降のカフェイン断ちによって、ちょっと生活が一変したワタクシなのであります。
October 7, 2024
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一時危篤となった母の具合ですが、その後若干持ち直しております。ということで、私も一旦名古屋の自宅に戻りました。 で、今日なんですが、今日は家内の新しい相棒となります、スズキ・スイフトの受け取りに行ってきました。買ったはいいが、いつまでも引き取りに行かないのでは、ディーラーさんも困ってしまうでしょうからね・・・。 で、引き取りついでに早速、家の近所を軽くドライブしてきました。家内の愛車とはいえ、私も興味がありますので、ちょっと運転もさせてもらったりして。 スイフトの美点・・・というかスズキ車の美点の一つは、軽量化技術の高さ。スイフトも1トンを切る重さなんですよね。 だけど、実際に運転してみると、車重が軽いなという感じはあまりしない。軽自動車的な軽々しさというのはまったくありません。むしろ、いい意味での重厚感がある。 乗り心地は、柔らかいというよりは若干堅めかな。ハンドリングも適度な重さがあります。でも、ポロのような腕に来る重さはありません。ポロは曲がり角に来る度に疲労感に襲われますからね。 で、ターボ車だったポロのような、湧き上がるようなパワーはありませんが、パワーが足りないという感じはまったくしない。というのは、やはりマイルドハイブリッドの恩恵かも。 インストパネルのデジタル表示を切り替えると、エンジンパワーとモーターパワーの相互関係が見られるのですが、発進時や加速時にはモーターからのアシストがあり、逆に減速時や下り坂では、バッテリーに充電している。つまりエンジンパワーが足りなくなるシーンでモーターからのアシストがあるため、すごくトルクのあるクルマに乗っているような印象があるんですな。 すごいね、マイルドハイブリッドって。よくできているわ~。 それに今回のクルマには、自動ブレーキなどの安全装置もついているし、追従型のクルコンもついているので、より安全にドライブを楽しむことができそう。早く高速道路でクルコンを試してみたいわ~。 ということで、家内も大喜びの新愛車、なかなか出来のよいヤツなのでした。
October 6, 2024
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2,3年前から使っているタブレット型パソコンの「サーフェス」がぶっ壊れまして・・・。 もともと、あんまり気に入ってはいなかったんですけど、まあ、そこそこ軽いし、持ち運びに便利なので、このところ、実家に持っていく際にはこれを使っていたわけ。 しかし、まだ2,3年しか使ってないのに、もう壊れちゃうのかねえ・・・。 ということで、急遽、持ち運び用のノートパソコンを買い直さなければならなくなったワタクシ。でも、これが案外、難しくてね。 もうサーフェス型の2in1 タイプには懲りたので、普通のノートブックタイプのものを買いたいのですが、定年までは大学の仕事があるので、ウィンドウズ系のものでなければならない。 で、最近ますます目が悪くなったので、サーフェスよりも画面の大きいのがいい。 だけど、普通に使うだけだから、そんな高性能でなくてもいい。 でも、軽い方がいい。出来れば1キロを切りたい。 だけど、レノボは使いたくない。 デルも使いたくない。 NECも使いたくない。 そうなると・・・もう富士通かダイナブックかHPくらいしかないじゃん? あとはデザインの問題なんだけど、うーん、どうかな・・・。 まあ、何でもいいようなもんだけど、安くない買い物だからなあ。 仕方ない、明日あたり、ちょっと量販店に行って、検討してきますかね・・・。
October 6, 2024
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老人向け自己啓発本シリーズで、外山滋比古さんの『老いの練習帳』なる本を読みました。 外山滋比古さんと言えば『思考の整理学』がベストセラーとしてつとに有名ですが、この『老いの練習帳』を出版した時、外山さんは御年95! とはいえ、本書は外山さん95歳の時の書下ろしということではなく、大昔に女性誌に連載した短いエッセイの中から「老いの練習帳」というタイトルに外れないものを厳選して編纂したという代物。 ですから、この本を読んでいると、『練習帳』とは言い条、自己啓発的な側面はあまりなくて、単なる老人の日常茶飯事を描いたエッセイっていう感じです。 たとえば冒頭近くにある「虫」についてのエッセイを見てみると、最初、外山さんのご自宅の庭の木に毛虫がたかる、という話があり、だから定期的に殺虫剤を噴霧器で撒くのだけれども、そうやって虫を退治すると、ちょっと気分がよろしい、ということが書いてある。 で、その話を継ぐように、人間にも虫がいるという話題に飛び、昔は回虫などが珍しくなかったという話から、その他にも「ふさぎの虫」「腹の虫」のようなものもあるよね、となって、そういう心の虫を退治すれば、楽天的になっていいものなんだろうな、と考えているうちに、害虫退治の噴霧器がちょうど空になった、と結ぶ、みたいな。 何コレ? うまいところに話が落ちました、みたいな? まあ、本書に書かれているエッセイって、たいがい、そんな感じですわ。心にうつりゆくよしなしごとを綴った、現代版『徒然草』みたいなものと言えばほめ過ぎでしょうか。 こういうのは、誰が買うんでしょうかね? 外山先生に教わったお茶の水女子大の卒業生とかが、「先生、お元気かな~」みたいな感じで、生存確認のために買ったのかしら。 というわけで、エッセイとして面白くないわけではないけれど、読んだからとてどうなるものでもない、老人日誌みたいな本だったのでした。少なくとも、いわゆる「自己啓発本」の範疇には入りませんな。新書723 老いの練習帳 [ 外山滋比古 ] でも、こういうのを読むと、老人向け自己啓発本というのは、沢山あるけど、実は一冊もない、というのが実情なのかもね。だったら、私がそういうのを書くというのも、あり得るのかもしれません。私だったら、もう少し実のあるものを書けるよ。本当の意味での自己啓発的な奴をね。
October 4, 2024
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母の見舞いの合間に還暦本を相変わらず読んでいます。 で、昨日読んだのは佐藤優さんの『還暦からの人生戦略』という本。【中古】 還暦からの人生戦略 最高の人生に仕上げる”超現実的”ヒント / 佐藤 優 / 青春出版社 [新書]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】 前に佐藤さんの『国家の罠』を読んで面白かったので、これはどうかなと。 しかし・・・。 まあ、常識的なことしか書いてないという点では、前に読んだ『60代にしておきたい17のこと』と大差ないかなあ・・・。 たとえば、還暦というと、定年などで社会的身分が変わることが多く、それに伴って経済力も低下し、精神的に落ち込むのも避けられないけど、そうしたマイナス要素を無くすことは無理だけど、できるだけマイナス要素をミニマムにするよう心掛けてうまく対処しましょう、とか。 昔の友人が、それぞれその道のプロになっているはずだから、昔の友人のネットワークを復活させましょうとか。 パートナーとの関係を見直しましょう、とか。 自分の能力や経験を活かして、再就職にトライすることは是非やるべきだけれども、前職の時より給料が下がるのは覚悟しろ、とか。 あらためて学習するのはいいことで、大学時代の教科書などを読み直すのもお勧めだけど、目的のない学習は続かないよ、とか。あと詐欺まがいのセミナーなんかに行っちゃだめよ、とか。 いずれ必ずやってくる死への覚悟をしないとだめよ、とか。 などなど、当たり前のことばっかり。さすが佐藤優! というような側面は特に見受けられませんでした。 結局、アレだね。還暦を迎えた人たちってのは、こういう、当たり前のことをあらためて聞きたいのかもね。あらためて聞いて、「そうだよな~、そうなんだよな~」って確認できれば、それでいいのかも。それで安心するんだろうね。 ということで、還暦本ってのはこういうもんだ、というのが段々摑めてきました。そういう意味でためにはなったけど、この本をおすすめするほどの熱意は持てませんでしたかね。 ところで、本書によると佐藤優さんは腎臓が悪いようで、人工透析寸前とのこと。そこは気の毒ですなあ。元気そうに見えるけど、そういう爆弾を抱えていらっしゃるのね。お大事にと言っておきましょう。
October 3, 2024
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「還暦からの自己啓発」というテーマでちょっと考えをまとめているところなので、何かの参考になるかと、本田健氏の『60代にしておきたい17のこと』という本を読んでみました。 本田健という人は、素性の知れない人ですが、自己啓発本のコーナーに行くと著書がずらりと並んでいる。この方面の著者としては、まあ、メジャーな人なのではないかと。で、今回読んだ『60代にしておきたい17のこと』にしても、『10代にしておきたい17のこと』『20代にしておきたい17のこと』『30代にしておきたい17のこと』『40代にしておきたい17のこと』『50代にしておきたい17のこと』など、一連のシリーズの一環として出ていて、シリーズ全体だと売り上げ数が数百万部なんだとか。 で、私が読んだ『60代にしておきたい17のこと』ですが・・・ つまらんっ! つまらん、というより、あまりに書いてあることが平凡過ぎて、コメントのしようがないよね。 本書は、「60代になったら、こういうことをしろ」というのが17のテーマごとに並んでいるのですが、たとえば「20代の時にやりたかったけどやれなかったことにトライする」とか、「音信不通になっていた友達に連絡をとってみる」とか、「もう爺さんなんだから」と消極的にならない方がいいとか、「結婚生活を続けるか、解消するか、一度考えてみる」とか、「会社時代の肩書にこだわるのをやめる」とか、「趣味を持つ」とか、「旅に出る」とか、「新しいことを学ぶ」とか、「自分なりの健康法をもつ」とか、「子供の人生に干渉しない」とか、「愛を伝える」とか、そんな程度のことしか書いてない。つまり、世間一般でよく言われるようなことしか書いてないんだもん。 平凡も平凡。この著者ならではのひねった提案とか、そういうのはひとつもない。こんな、誰もが言うようなことをずらずら並べるだけで、本が売れるの? まあ、売れているんでしょうねえ。シリーズ売り上げ数百万部なんだから。 こういうのを読むと、自己啓発本を馬鹿にする人たちの言い分も分かるよな、っていう気がします。と、同時に、こんな程度のことを書いて本がバカ売れするなら、自己啓発本というジャンルって、甘いんだなとも思う。 というわけで、とても「教授のおすすめ!」なんて言えない本でしたけど、この程度の〇〇っぽい本を書くと、売れることは売れるんだ、という勉強にはなりました。 もう、いっそ、定年後はこういう本を山ほど書いて、自己啓発本長者になろうかな・・・。【中古】60代にしておきたい17のこと / 本田健
October 2, 2024
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先日亡くなった福田和也氏の本を一冊も読んだことないなー、と思い、試しに一つ、読んで見るかと思ってテキトーに買ってみた『悪の読書術』という本、ざっと読んでしまいました。これこれ! ↓【中古】 悪の読書術 / 福田 和也 / 講談社 [新書]【宅配便出荷】 で、読んで見たのですが、これがまあ、つまらない本でありまして(獏!) この本のコンセプトは、一言で言えば「社交としての読書」。読書なんて、読者が好きなものを好き勝手に読めばいいわけですが、しかし、いい大人が子供騙しの本の愛読者であることを公表したりすると、それはそれでお里が知れるところがある。つまり、そういうのは「社交としての読書」としては失敗例になるわけですな。 だから、こういう本を読んでいる、または小脇に抱えていたりすると、一目置かれるぞ、的な本を、ケース・バイ・ケースで紹介していく――これが本書の趣旨であるわけ。 えーーー?! それって、本の読み方として、どうなの? って、思いますよね? 実際、本書のレビューを見ると、この点を批判したものがわんさか出てきて、「何を読もうがこっちの勝手だ!」とか、「昭和のおじさんに、こういう本を読んだら知的にみられる、などと言われたくない」的なコメントがずらずら並ぶ。 まあ、そりゃ、そうなりますよね・・・。私もそう思うもん。 というわけで、この本を読んで、何一つ学ぶところがなかったのでした。なーんだ、福田和也なんて、この程度のものか。だったら、恐れるに足らずだなあ・・・。 ところが。 今朝の読売新聞に、島田雅彦氏が福田さんを追悼した文章が掲載されていまして。 それによると、島田さんが福田氏に初めて会ったのは、某文壇バーであったと。その時、島田さんはイタリア人の女性を連れていて、その女性と会話を楽しんでいたのですが、そこに横やりを入れてきたのが福田氏だったんですって。 最初は、冷やかしのような茶々を入れてきたのですが、そのうちヒートアップしてきて、ピーナツを頻りに投げつけてくる。まあ、酔っ払いが絡んできたようなもんですわ。 でも、そんなきっかけで島田氏は福田氏と懇意になり、その後、対談やらなにやらで一緒の仕事を何度もするようになった。 で、島田氏曰く、福田氏は、そうやって自分の興味のある人に対し、半ば喧嘩を仕掛けているかのようなちょっかいを出しては、関係を結び、その後、その関係を育てていくような感じで人とつながる術に長けていたと。 そうした福田氏のつきあい術を称して、島田氏曰く、「福田氏の場合、社交と批評は表裏一体をなしていた」と。 ふうむ、「社交と批評が一緒」か・・・。 そんな島田氏の福田氏評を読んで、福田氏のいわゆる「社交としての読書」というものを再考してみると、読書とは社交の土台を成すもの、という考え方が福田氏にはあったのかもね。そういう風に考えると、この本は、福田氏自身の読書観を示したものであって、他人にこういう読書の仕方を勧める、という体のものではなかったのでありましょう。 というわけで、島田氏の追悼文をタイムリーに読んだことで、私の福田和也観も少しだけ修正されたところがあります。 でも・・・、まあ・・・、どっちにしてもあんまり私にとっては参考にならない本ではあったかな。
October 1, 2024
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金曜日の朝、母が入院している病院の先生から電話があり、容体が危ないと。 というわけで、おっとり刀で昨日、急遽、帰省しました。 しかし、その後、母の具合は少し持ち直しました。よかった! だけど、先生曰く、肝臓の数値も悪く、いつ急変してもおかしくない状態であると。 歳も歳だし、覚悟はしておりますが、残り少ない母のいる世界を堪能すべく、しばらくこちらで過ごしたいと思います。日記の更新は少し途絶えるかもしれません。
September 28, 2024
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今日は、もうすぐ手放す家内の愛車、フォルクスワーゲン・ポロのラストランを兼ねて、中津川までドライブしてきました。 もちろん中津川と言えば、栗きんとん。毎年、この時期に中津川に行って栗きんとんを買いまくる。これが我が家のしきたりよ。 で、今日はお昼前に自宅を出て、小一時間のドライブで中津川に到着。駅前の市営駐車場にクルマを止め、近くにあるグルメバーガーの店、「トコロバーガー」で昼食。ここのハンバーガー、旨いんだよね。今日は家内がチリビーンズバーガー、私がアボカドバーガーを食べたけど、どちらも美味しかった。 で、お腹が一杯になったところで、中津川駅前にある「にぎわい特産館」に向かいます。ここで、中津川周辺にある栗きんとんメーカーの、ほとんどの栗きんとんが買えるのよ。いつも10種類くらい買って、味比べをするのだけど、同じ栗きんとんでも各メーカーによってかなり味が違うところが面白いところ。でも、結局、どれも美味しいんですけどね。 で、栗きんとんをしこたま買い込んだ後、国道19号線沿いにある、栗きんとんの名店「すや」に向かいます。ここで、9月限定、冷たい「白玉栗ぜんざい」を食べるのが至福なのよ。栗ぜんざいといっても、小豆のではなく、栗をすりおろしたぜんざいなんですが、これを食べると寿命が3カ月くらい伸びるような気がする。それほど旨い。 で、ここで寿命を伸ばした後、今度は馬籠に向かいます。昨年は妻籠散策したので、今年は馬籠。 馬籠は妻籠と違って坂の町。前にも何度か来たことはあるのですが、さすがに還暦を越えた身には、馬籠の坂はキツイ! こんな急坂だったっけ?! って感じ。道の両側に土産物店やら食べ物屋やら、沢山並んでいて楽しいのですが、趣という点から言うと、妻籠宿の方が中山道っぽくて好きかも。 というわけで、ポロでの最後のドライブ先として、中津川ドライブを堪能した我らだったのでした。
September 26, 2024
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今日は愛知学院大学歯学部の附属病院で大手術を行ってきました~。 大手術ったって、要するに虫歯治療なんですけど、ワタクシの場合、虫歯治療も一苦労。嘔吐反射が強すぎて、普通の歯医者さんでは器具を口に入れた途端「オエ~」っとなってしまうのよ。 で、一縷の望みを託して「笑気ガス」を試したこともあるのですが、ワタクシには全然効果なし。 ということで、結局、全身麻酔でやるしかないということになり、10年ぶりに愛知学院歯学部で手術とあいなった次第。 でも、ワタクシのような患者はそこそこいるらしく、予約を取るのが大変。今回だって、6月初旬に申し込んで、今日だからね。3カ月待ちよ。 ま、とにかく、そんなこんなで今日は全身麻酔で虫歯を退治してきたと。手術時間は2時間。ま、私はほとんど寝ているので、時間の経過は分かりませんが。 だけど、さすがに一回では終わらない。次回は12月25日のクリスマスだって。やっぱり丁度3か月後ね。とんだクリスマスになっちゃった。 でも、まあ、懸案だった虫歯治療のうち、悪い部分を削って神経を抜くところまで終わったので、まあ一安心かな。 ということで、今日は一日、そんなことでつぶれてしまったのでした、とさ。
September 25, 2024
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iPhone に撮りためた写真が容量一杯になってしまったので、パソコンに移し替える作業をやっているのですが、これが結構時間が掛かる作業でありまして。 まあ、それはいいのですが、ここ数年の間に撮りためた写真を見直していると、色々考えることがある。 特に母の写真がそう。 今、母は92歳、現在病院に入院中で、あまり具合は宜しくない。 しかし、2年くらい前までは、結構しっかりしていたところもあって、私が実家に里帰りし、何日か母の食事の面倒をみた時など、私の作った料理をおいしそうに食べている写真とかが残っているわけ。 ああ、たった2年前には、まだ母は普通に(普通にと言っても、もっと昔のようにはいきませんが)過ごしていたんだなとか。あるいは、一緒に父のお墓参りとか、できたんだなとか。 去年の夏、コロナに罹った頃から、ガクンと具合が悪くなって、コミュニケーションが取れなくなってきたんだよなあ・・・。 90歳を越した老人の具合というのは、それこそ半年単位で、ガクン、ガクンと下がっていくものなんですかね。 そんな母のちょっと前の写真を見ながら、今週末は、ちょっと母の顔を見に、実家に帰ろうかなと思っているワタクシなのでした。
September 24, 2024
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ついさっき、京都の方にある某有名国立大学・・・って、要するに京大なんですけど、そこから集中講義の依頼がありました~。ま、来年度の話なので、まだ少し先のことになりますが、30年を越す教員キャリアの中で、集中講義って今まで一度もやったことがないので、ちょっと心惹かれるところがある。5日間連続で講義するのって、想像するだに大変そうだけど、まあ、やってみようかな・・・。 さて、今日も今日とて校正作業をやっておりました。 今回の本で、ちょっとだけ問題になっているのは、ページ数が多いこと。編集としては、少しでもページ数を減らしたいという意向がある。 で、ページ数を減らす一番簡単な方法は、もちろん原稿のところどころをカットすることなんだけど、これにもコツというか、やり方がありましてね。 たとえば、各項目の最後のページが10行くらいで終わっていて、残りの部分は白紙になっている、というようなケースがある。 となると、本文中のどこかを少しずつ削って、全体で10行減らすと、最終の1ページがまるまる節約できる計算になるわけよ。 ではどうやって、その10行を減らすか、ですが、たとえば各パラグラフの最終行が1文字、なんてことがよくある。となると、そのパラグラフの中のどこかを1文字削るだけで、まるまる1行を節約できることになる。 で、そういう箇所を10カ所見つけたとしたら、たった10文字を削るだけで、全体としてはまるまる1ページ、節約できるということになる。 ま、今述べたのは、理想的なケースですけど、とにかく、そういう感じで、最小限のカットで最大限の節約をする、という工夫をするわけね。 で、そうやって、あっちを少し詰め、こっちを少し詰めする作業を続けていると、これが結構面白い。 なんとなく、洋裁で、丈詰めをしてるような感じになるのよ。で、そうやってあちこちで丈を詰めていると、その分、文章全体としては無駄がなくなり、キリッとしてくる。洋裁のたとえを続けるならば、丈を詰めた分、その服がそれを着る人の体形に合って行くというか。 まさに文章の丈を詰める、という感じですかね。 というわけで、今はその丈詰め作業を楽しんでいるという感じかな。 さて、今日は他にやることもなし。せいぜい文章の洋裁を楽しむことにしましょうかね。
September 23, 2024
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評論家の福田和也さんが亡くなりました。享年63。 この人は坪内祐三さんと親しかったようですが、坪内さんも4年半くらい前に亡くなった時、たしか61歳だったような。お二人ともまだまだこれからという年齢だったのに、残念です。 っていうか、福田さんって私と二つしか違わないんだ・・・。大学も同じだし、同時期に同じキャンパスを歩いていたことになる。なのに、福田さんには著書が100冊以上あるという・・・。何、この差は? どうしてそんなにたくさん、本が書けるの? アマゾンで、延々続く福田さんの著書の山を眺めながら、でも、一冊も読んだことないなと。これはいかん。とりあえず『悪の読書術』でも買って読んでみようかしら。この本にはヘミングウェイのことがあれこれ書いてあるらしいしね。アメリカ文学が専門じゃない評論家が、ヘミングウェイをどう読んでいるのか、ちょっと興味があるしね。これこれ! ↓【中古】 悪の読書術 / 福田 和也 / 講談社 [新書]【宅配便出荷】 さて、そうは言っても、こちとらも現役。福田さんみたいに100冊もの著書をものすることはできそうもないけど、少しは見習って、頑張って著書を増やさねば。 今は、今年中に出る本の校正作業中で、この先さらにもう1冊、校正が回ってくる新書原稿があるのだけど、問題はこの先。 来年中に出す予定で、新書本を一冊、書き上げなくてはならないのですが、これの内容をどうしようかなと。いや、自己啓発本/思想に関することであるのは決まっているのだけど、具体的にね、どういうことを書こうかなと。 で、このところ、折りに触れて何を書こうか、ぼんやり考えていたんだけど、私も還暦を越えた頃から、自己啓発本/思想に助けられたことが多々ある。精神的な面でね。 だったら、『還暦から読む自己啓発』とか、そういう方向性で何か書いてみようかなと。どう? そういう本を出すとして、興味あります? で、そうと決まれば市場調査だとばかり、「60歳からの」とか「還暦からの」というキーワードで検索してみたのだけど・・・ 誰も考えることは同じだね。そういう類の本は既にごまんとありましたわ。 たとえば斉藤孝。たとえば和田秀樹。たとえば本田健。たとえば佐藤優。 もう、メンツが決まっているじゃん。福田和也さんもすごいけど、今挙げた先生方も、著書100冊どころじゃないんじゃない? 和田さんなんて300冊くらいありそうだ。 なんか、ヤダねえ、このメンツに交じって『還暦からの自己啓発』とかいう本を書くの。いかにも過ぎない? いや、そうでもないか。私だって、そろそろ定年も近いし、老後の生活に備えて、斎藤孝的な安易な本を量産するというのもあるか?! まあ、さすがにそれはないけど、人生の第4コーナーを回ったあたりで読む自己啓発本、というテーマ自体はそんなに悪くない。 福田和也さんを見習って、この路線で、学術的にも読む価値のある一般書を書いてみようかな。
September 22, 2024
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昨日、野暮用があってイオンに行ったのですが、その中にニトリがありまして。で、見るともなく見ていると、電動ソファーが売っている。 当然、試しに座ってみるじゃん? そしたら・・・ いい! これ、イイ! 電動で背もたれが倒れ、オットマン的に足も上がって、極楽状態。これが10万円以内で買えるのか?! でも、こんなの買ったら、極楽過ぎて堕落しちゃうかもね・・・。 さて、仕事の合間に読んでいた本を読み終わってしまいました。 一つは川本三郎さんの『いまも、君を想う』という本。男性著者が、亡くなった妻の思い出を綴る本というのは沢山あって、城山三郎さんの『そうか、もう君はいないのか』とか、永田和宏さんの『歌に私は泣くだらう』、江藤淳の『妻と私』、亀井俊介先生の『わが妻の「死の美学」』などがパッと思い浮かびますが、思い浮かぶというのは、それらを読んだことがあるということでありまして、要するにその手の本に惹かれるところが自分にあるのでしょう。 で、川本さんの本ですが、ファッション評論家であった奥様との出会いから死に至るまでの思い出が、なるべく抑えた筆で淡々と綴ってある。それを読むと、すごくセンスのある、そしてガッツのある、素敵な奥様だったんだなあということがよく分かる。となると、その奥様を若くして病気で失うということは、川本さんにとってものすごい打撃だったであろうことも推測され・・・。まあ、だから読者にどうすることもできませんが、自分の奥さんは大切にしなきゃという思いを強くしましたね。これこれ! ↓【中古】 いまも、君を想う 新潮文庫/川本三郎【著】 あともう一冊、萩原健一さんの『俺の人生どっかおかしい』ですが、これはショーケンが大麻所持・使用で逮捕された時の騒動を綴った本。出る釘は打たれるじゃないけれど、当時、ものすごい勢いでいい仕事をされていた萩原さんだけに、この事件を機に彼を叩く人・マスコミの攻勢がすごくて、執行猶予付きながら実刑判決を受けたことで、その後もしばらく散々な目にあわされたと。 もちろん、自業自得の面はありますが、こういうことがあると、見たくもない人間の悪辣なところが見えちゃうんですなあ。その一方、それでも彼に救いの手を差し伸べようとする人たちもいて、救われるところもある。例えばガッツ石松氏の、萩原さんへの温かい行動なんかを読むと、ガッツさんってスゴイ人なんだな、と思います。瀬戸内寂聴さんも優しいし。あと、当時萩原さんの奥さんだったいしだあゆみさんの苦労とかね。これこれ! ↓【中古】 俺の人生どっかおかしい 萩原健一さんって、難しい人ではあったようですが、この本や『ショーケン』(これはいい本!)なんかを読む限り、人間的に深いところもあって、色々な意味で興味深い人物ではありましたね。私は一度、二子玉のデパートのエレベーターに、ショーケンと乗り合わせたことがあって、その時は何も言えませんでしたけど、せめてひとこと、「『ショーケン』読みました! 素晴らしいと思います!」と、感想を言えば良かったなと、これは今もって後悔しているところでございます。これこれ! ↓【中古】 ショーケン
September 21, 2024
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相変わらず体調不良が続いておりまして、まだ何となく調子が悪く、いい時を100とすると、今は65くらい。 で、昨夜も、道場行くのどうしようかな~と悩んだのですが、すでに2週続けてお休みしちゃっているし、思い切って行ってみようと。ひと汗かけば、体調が回復することもありますからね。 そしたら! これがね、大成功だったの。 というのは、昨夜は稽古の終りの方で、指圧の実習があったから。 うちは護身術系の柔術道場なんですけど、護身術とは、敵から身を守るのみならず、病気から身を守ることも意味するわけ。だから、病気予防・病気回復のための経絡指圧が、柔術とセットになっている。ということで、うちの道場でもたまに、指圧の実習があるわけ。 で、昨夜は「腎経」の指圧があったのですが、これが強烈に効いたんです。 事前に、A師範に「ちょっと体調が悪い」というのを伝えていたこともあり、昨夜は師範が私を治療モデルとして、道場生に指圧のやり方を伝えたんです。つまり、ワタクシは師範直々に腎経の指圧を受けることになったと。 で、体力が落ちていたこともあって、師範の指圧がビリビリと効きまして。経絡を押される度に「ウー!」とか「ア――!」とか、悲鳴を上げていたのですが、施術を受けてしばらくすると、何だか身体全体が軽くなった気がする。 腎経というのは、人間の根本的な活力を司るところなので、体力回復、精力アップ、不妊治療などにも効果がある。要するに生命力をアップするわけ。 そういうこともあって、確かに身体の内側から力が湧いてきた感じ。なんか、「負けていられるか!」っていう気力がみなぎって参りました。 道場に向かう時は、65くらいだった調子が、83くらいまで上がって来たかも。80を越えれば、普通に仕事ができるレベルだからね。 ということで、やっぱり八光流柔術は素晴らしいなと、つくづく思ったことでした。
September 20, 2024
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今話題の新書、三宅香帆さんの『なぜ本』を読みました。 とっても売れているようで、読書メーターの登録数も6000近い。感想だって1300越え。まあ、話題の本って感じですよね。 だ・け・ど。 一言で言って期待外れ。昨日読んだ『生きのびるための事務』とは好対照で、学ぶところがなかったわ~。 だってさ、この本、内容から言ったら、単なる「日本の自己啓発本出版史・自己啓発思想史」ですよ。 だけど、そういう風に見ると、まったく新味がない。そういう本であれば、牧野智和さんが『自己啓発の時代』とか『日常に侵入する自己啓発』という本で既にやっている。その単なる焼き直しよ。本書が引用しているような本は、私はほぼ全部読んでいるので、「ああ、あの本からアイディアを借りたのね」という感じで、すぐにお里が知れるような話ばっかり。オリジナルなものが一つもない。 でまた、自己啓発本を必要悪と見なして、そういうものが流行ってしまう日本の労働システムを批判するというスタンスも、牧野さんらの先行研究とまったく同じ。だから、新味がまったくないのよ。自己啓発本の面白さも、価値も、まったくわかってなさそうだし。 で、肝心の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の答えは、「日本人が働きすぎるから」で、その対処法としては、「あんまり一生懸命働かないようにすればいい、そうすれば本を読む余裕も生まれるから」って・・・。 まあ、アレだよね。ウクライナ戦争の解決法として、「みんなもっと仲良くすればいいと思う」と提案するようなもんだから。小学校3年生の学級会で、責任感ある女の子が手を挙げて言うようなレベル。そんなことができるものなら、っていう。 いやあ! ビックリだよ! これがベストセラーなのか! わかんないな~。なんでそういうことになるの? 別に面白い本じゃないのに。 ということで、ワタクシにはまったく響かない本だったのでした。教授のおすすめは、なーしーよ。
September 19, 2024
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坂口恭平さんの書いた話題の本、『生きのびるための事務』を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。これこれ! ↓生きのびるための事務 [ 坂口恭平 ] あのね、読んでビックリしたんだけど、この本、ものすごく良い本でした。出色の自己啓発本と言っていい。日本で唯一の自己啓発本研究者であり、かつ、基本、ベストセラーは読まない主義のワタクシが言うのだから間違いない。誰にとっても一読に値する名著とみた。 まず驚くのは、これを読むと、「事務」という概念が一変するということ。クリエイティブな仕事は好きだけど、事務は・・・などという、通俗的な事務概念がいかに間違っているかということがよく分かる。 本書曰く、社畜となって給料をもらうだけの人生に、事務は必要ないと。事務が必要なのは、クリエイティブなこと、自分の好きなことだけをやって人生を冒険しながら過していきたいと思っている人のみ。 だけど、そんな夢みたいなこと、誰にでもできるわけないじゃん! と思ったあなた! あなたこそ、この本を読まなくちゃ! 自分に才能があるのかないのか、そんなこと、誰にも分からないわけですよ。他人にはもちろん分からないけど、本人にだって分からない。だから、自分に「人から高く評価される才能があるかないか」にこだわっていたら、クリエイティブな人生、冒険的な人生に足を踏み出すことなんて、まあ、無理。 だけど、そこに「事務」を導入すると、その一歩が踏み出させるようになる。なぜなら、才能があるかないかではなく、自分がやりたいこと、好きだという理由でやり続けたいことを、実行に移すための、唯一のノウハウが事務だから。 自分に対する不安、そして先行きの不安は、事務を導入することで物理的に解消することができる。そのことを、本書は雄弁に、説得力をもって、読者に伝えてくれます。実際、何者でもなかった坂口さんは、事務によって、自分の好きなことだけして生きていく術を整えたわけですからね。 しかし、そう言ってしまうと、坂口さんがうまく行ったのは、坂口さんに客観的に才能があったから、ということであって、誰もが同じ方法でうまく行くとは限らないじゃん? という疑念も浮かび上がってきますが、いや、この本が主張しているのは、そういうことじゃなくて・・・という話になって、堂々巡りになるところはある。 だけど、本書を正しく読めば、この本は確かに、地に足の着いた「夢の実現法」にはなっていると思います。本書を読むと、ワクワクしますよ! このワクワク感こそ、良質の自己啓発本の証拠。 実際、事務仕事嫌いのワタクシ、書類を書くことがこの上なく嫌いなワタクシが、これほどまでに事務という概念に魅了されるとは思ってもいなかったです。ほんと、まさに意識革命って感じ。少なくとも、ワタクシにはとてもいい勉強になりましたし、ワタクシ自身が次の本の戦略を立てる際の参考には大いになりました。 っつーことで、この本、ベストセラー嫌いのワタクシにしては珍しく、熱烈おすすめ!と言っておきましょう。生きのびるための事務 [ 坂口恭平 ]
September 18, 2024
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ちょっと前、何日か続けて悪夢を見てうなされたことがありまして。その都度、家内に起こされて救われるのですが、朝になると、何の夢だったか忘れてしまっていたり。 ところが。 最近、これまた何日か続けて楽しい夢を見たんです。古い知り合いが急に夢の中に出てきて、なにか楽しいことをやったりする。これはよく覚えていて、朝、家内に「今日は夢に〇〇さんが出てきて、一緒にこんなことをしたよ」なんて言いながら、爆笑することが続いたわけ。 で、ふと、思い当たることがありまして。 「メラトニン」のせいではないかと。 メラトニンというのは、入眠用のサプリ。私はもう何年も前から愛用しております。これを飲み始めてから、何時間も眠れずに苦労するということはほぼなくなったと言っていい。 ところが、メラトニンには一つ、副作用がある。それが「悪夢を見る」ということ。毎回ではないけれど、これを飲むと悪夢を見る、という人が、何パーセントかの確率で出ると。 ま、それはそれでいいのですが、実は最近、メラトニンはメラトニンでも、いつも飲んでいるサプリ会社のではない、別の会社のサプリに変えたのよ。たまたま。 で、悪夢から良夢への切り替えは、それだったんじゃないかと。 新しいメラトニンの方が、前に飲んでいた奴よりむしろ安い(もともとメラトニンは、さほど高いサプリではありませんが)。だったら、値段は安いし、夢は面白いし、いいことづくめではないの! ということで、サプリの会社を変えたことで、「今日はどんな面白い夢が見られるかな?」という、妙な楽しみまで増えてしまったワタクシなのであります。
September 17, 2024
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昨日あたりからようやく仕事を再開しております。 で、今やっているのは、希望的観測としては年内に出版予定の本の校正。 ・・・なんだけど、分量が多いのでキツイわ~。病み上がりに400頁超の校正はキツイ。 まあ、校正がきつくなかった時なんかないけどね。 で、思うのだけど、ウソみたいに校正が簡単な本って、出せないかなと。 これは前から構想はしているんだけど、自己啓発の名言を100個集めた本とかね。見開きで、その名言だけを1個ずつ紹介していくので、200頁で事足りるという・・・。 だけど、実はこの企画に踏み切れない理由が一つあるのよね。 前に水野敬也さんとお話しした時に、水野さんご自身がこういう本の企画をしたという話がありまして。 だけど、実際にそういうのを作ってみたところ、あまり面白くなりそうもなかったので、企画自体をボツにしたと、水野さんは語っておられました。 で、その代わりに書いたのが『夢をかなえるゾウ』ね。これはご存じのように超絶大ベストセラーに。 つまり、水野さんが一度試みて、ボツにした企画なのよ、自己啓発名言100選というのは。 それ、やる? っていう・・・。 やる・・・かもね。 でも、まあ、それは先の話。今はとにかく、この膨大な量の校正を済まさなければ。ヤレヤレ・・・。
September 16, 2024
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ここ10日間ほど、体調がおかしくて、また体調と共に気力が衰えてしまって、まったくやる気が起こらなくてですね、受動的に本を読むことくらいしか、手に付かなかったんです。 で、さすがにちょっとおかしいなと。「ザ・ポジティブ」と呼ばれたワタクシが、これほど長期間、やる気が起こらないなんて、今まであっただろうか? ま・さ・か・・・ まさか、まさか、ワタクシが欝に??!! ・・・と心配しかけたのですが・・・ うっそぴょーーーーん! 教授、復活~! やっぱね、ワタクシと欝は完全なる反対語。「熱くて冷たい」という言葉が意味をなさないように、釈迦楽教授と欝は同時に存在できないのでありました~! わははは、ざまを見ろ。 っつーことで、体調が少しずつ改善してくると同時に、気力もアップ。今日は久しぶりに原稿書きをしてしまったぜ。まあ、今日のところは腕慣らし程度だったけど、明日からはもっと本格的に仕事をする。 とまあ、そんな具合ですから、ご心配をおかけしましたが、これからまたいつものように景気よく、快気炎をあげながら、猪突猛進して参ります。乞うご期待よ~!
September 15, 2024
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相変わらず体が重く、何をするにも気力が続かない。 ということで、今日も結局、一日本を読んで終わってしまいました。 今日、読んでいたのは関容子さんの『日本の鶯』という本。詩人の堀口大學へのインタビュー集ですね。【中古】 日本の鶯 堀口大學聞書き (岩波現代文庫) この本は前にも一度読んで、大変感心した本だったんだけど、久しぶりに読み返してみて、やっぱり面白いなと。 子供の頃、やっぱり体が弱かった私は、よく風邪をひいては学校を休んで家で本ばかり読んでいたのですが、その頃は読む本も少なく、一度読んだ本を何度も読み返したものでした。大体、1冊の本を20回くらいは読み直したのではないだろうか。 しかし、結局、身に着いた本ってのは、そうやって何度も読み直した本のことなのよね。そういう意味では、最近の私なんぞ、身に着いた読書なんてほとんどしたことがない。 今回、体調が悪くて、新しい本を読む気がせず、前に読んだ本を読み返しているのは、私の読書生活からすればルネサンス時代なのかもね。 そうとでも考えて、無為な日々を有意義に読み替えないと、やってられないですからね。
September 14, 2024
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実家の近くの老人ホームに暮らす母が体調を崩したのが昨日? 一昨日? だったかな? で、今日は姉が付き添って救急車で病院に行って検査したのですが、結局、低ナトリウム血症というものだったらしい。血中のナトリウムが少なすぎて、色々と困ったことが起きる症状らしいのですが。 で、結局、2週間か3週間ほど、緊急入院ということにあいなった次第。 だけど、その後はどうなるのか。老人ホームに戻れるならよし、老人ホームでは十分な看護ができないということになると、前に父がやったように、2カ月ごとくらいにあちこちの病院をたらいまわしにされるのか。 っていうか、そこまで母の体力が持つのか? あまり先のことは考えたくないですけど、ある程度は覚悟して、心の準備をしておいたほうがいいのかもね。 いずれにせよ、私自身の体調が今のようでは、入院中の母を見舞うこともできない。早く何とかしなくては。
September 13, 2024
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夕方、姉から電話があり、老人ホームに入っている母の具合があまり宜しくないと。明日、とりあえず病院に担ぎ込んで、どうやらそのまま入院という運びになるらしい。 こちらも体調悪くて、すぐに応援に駆け付けられないのが申し訳ないですけど、すぐにどうこうというわけではないでしょうから、とりあえずは様子見ですかね・・・。心配は、心配ですなあ。 私の方は、体調悪くて、このところ仕事から遠ざかっておりまして、横になって本ばかり読んでおります。1日1冊ペース。 ここ数日のうちに読んだものを列挙しますと・・・①和田芳恵『筑摩書房の三十年』②岸田今日子『妄想の森』③山田稔『特別な一日』④荒川洋治『忘れられる過去』①は、筑摩書房が創立三十周年の時に出した社史みたいなもので、これを読むと、同社の創立経緯や社としての哲学、それから戦中・戦後の一時期、筑摩書房が存続の危機に立っていたことなどがよくわかる。②は独自の存在感を放っていた女優のエッセイ集で、エッセイストクラブ賞受賞作。③は知る人ぞ知るフランス文学者・山田稔の非常に複雑な味わいのある読書エッセイ。④は詩人・荒川洋治さんの読書エッセイ集。 どれも面白かったけど、特に面白かったのは、山田稔さんの本でしたかね。エッセイ然としたエッセイではなく、本や思い出を軸に、山田さんの経験や思考がグルグルと渦を巻くような不思議な本。 まあ、こんな本を読みながら、時間を忘れれるのでなければ、不快な体調を乗り切れませんわ。【中古】 筑摩書房の三十年 1940‐1970 筑摩選書/和田芳恵【著】【中古】特別な一日 読書漫録 /平凡社/山田稔(仏文学)(文庫)【中古】 忘れられる過去 / 荒川洋治 / 朝日新聞出版 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】 仕事ばかりで本が読めない時は、本が読みたいと思いますが、本しか読めないとなると、それはそれで忸怩たるものがある。早く体調を治して、元気にならないとね。
September 12, 2024
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Y新聞に、マラソンの瀬古利彦さんの思い出の記が連載されているのですが、今日の分は面白かった。 早稲田大学在学中、中村監督の指導の下、メキメキと頭角を現していった瀬古さんは、とあるマラソン大会で5位くらいに入賞し、注目されるんですな。で、ゴール後、記者会見をしているところに中村監督がやってきて、ねぎらいの握手の手を差し出し、それを瀬古さんは椅子に座ったまま握ってしまったと。 すると、中村監督が激怒。「こちらは命がけで指導しているというのに、座ったままとはどういうことだ。なぜ立ち上がらない。もうお前のことなんか指導しない。荷物まとめて国に帰れ!」と。 で、怒り心頭の中村監督、そのまま瀬古さんの実家に電話をかけて、瀬古さんの非礼を難詰したというのです。 すごいのは、ここからよ。 中村監督の罵詈雑言を聴いていた瀬古さんのお父さん(元海軍軍人)は、「そうですか、それは失礼しました」と一応は応対しつつ、こういった。「しかし、その非礼があった時、利彦は私服でしたか。もしそうだったのなら、私の躾が行き届かなかったことになります。しかし、もし早稲田のユニフォームを着ていたのだとしたら、それはあなたの教育がなっていなかったということしょう」と、逆に中村監督に詰め寄ったと。 す、すげー!! 瀬古さんの親父さん、スゲー――! で、中村監督も、瀬古さんのお父さんのこの一言で怒りの矛を収め、以後、瀬古選手に「お前の親父さんは偉いなあ」ともらしたそうな。 ちなみに瀬古選手の親父さんは、そう言ったあと、「利彦のことは先生にお任せしたのだから、今後、煮るなり焼くなり、好きなように鍛えてください」と付け加えたのだとか。 いやはや。昔の日本人ってのは、控え目でも言うべきところは言うんだね。その毅然としたところはどうよ。ほれぼれするね。 とまあ、今朝の新聞のこの連載を読んで、私はちょっと感心してしまったのでした。
September 11, 2024
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年内刊行予定の本のゲラが出ました~! 8月頭に脱稿していた新刊本の原稿ですが、今日、そのゲラが届きまして。 予想はしてたけど、どさっと分厚い奴が。見たら400頁以上ありやんの。ちょっと書きすぎだねえ。 今度の原稿は横書きなんだけど、それでも400頁越えだからね。これ、縦書きに直したら500頁になるんじゃね? というわけで、今日から早速校正作業に入ろうか・・・とも思ったのだけど、いかんせん、こちとら、まだ体調は今一つで、この分厚いゲラ見てたら、それだけで体温がぐあーっと上がっちゃって。こりゃいかん、まだ無理だということになって、そのまま封筒の中に戻しちゃった。まあ、実際の校正を始めるのは、もう少し後にしましょう。 しかし、いずれにせよ、9月から10月にかけては校正作業にかかり切ることになるのかな。下手すると、次の本のゲラも出て来るから、なんとか重ならないようにしなきゃ。 まあ、体調を見ながら、頑張りますわ。
September 10, 2024
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それにしても、テレビを付ければ出て来る兵庫県知事ってのは、一体全体、どういう神経をしているんすかね。 あの爬虫類フェースも大分見飽きてきたんだけど、マスコミとしては恰好の御馳走だから、まだまだ当分、しゃぶりつくすつもりなんだろうね。極悪というほどでもないけど、絶妙にセコくて、弄ぶにはピッタリなんだろうな。 しかし、あの人にも奥さんはいるんだろうし、ひょっとしたら子供もいるかもしれない。むしろ周囲がいたたまれない状態だろうね。可哀想に。閑話休題。 今日、アメリカ文学会の全国大会の案内が届いたのですが、まあ、しょぼいわ。 昔は今の倍くらい、発表数があったんじゃない? もう今は部屋数も少なくて、それですら発表者が埋まらない。シンポジウムもたった2つしかない。昔は4つくらいあったような気がするけれども。 研究発表のテーマも新味がなくて、昔ながらのフォークナー・ヘミングウェイ・エマソン・ホーソンあたりがちょぼちょぼ、サリンジャー・カーバーがちょぼちょぼ、それにアジア系女性作家、黒人系がちょぼちょぼ、珍しくオコナーが2件あるくらいで、そんなもん。それだけだよ。 はあ~。私が院生だった頃の全国大会の華やかさはどこへ行ってしまったんだろう。あの頃は、研究のデパートみたいな感じで、あちこち聞き回るだけで結構勉強になったし、新情報が聞けたんだけどなあ。 噂によると、この低迷ぶりの根底には、ちょっと前に東京支部で起こった某アカハラ事件の余韻があって、学会自体の求心力がガタ落ちになっているらしいんだけど、どうなのかね。 まあ、ダメになる時ってのは、色々なところから崩れていくもんなんでしょうなあ。
September 9, 2024
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中村一枝・古川一枝による『ふたりの一枝』という本を読み終わったのですが、これがまた意外なほど面白い本でした。 中村一枝は尾﨑士郎の娘、古川一枝は尾崎一雄の娘なんですが、年齢もわずか1歳違いで、親同士仲がよく、結婚前はどちらも「オザキ・カズエ」だった上、二人とも早稲田大学に進学したという。そんな二人が熊本日日新聞に代わりばんこに昔の思い出を語るエッセイを書き、それが合わさってこの一冊になったと。実際には新聞に掲載されたエッセイ以外の思い出の記も含まれているのですけどね。 ちなみに中村一枝さんは、中村汀女の息子と結婚したので、汀女は義理の母ということになる。また尾﨑士郎は、一枝さんの母と結婚する前は宇野千代と事実婚状態だったと。で、千代との生活が破綻していたところで、銀座のカフェ・ライオンで女給をしていた一枝さんの母と出会い、そのまま彼女を連れて出奔したのだとか。 ・・・などなど、もうね、このエッセイ集の中に出て来る、この二つの家族にまつわる人脈というのはものすごいものがあります。例えば尾崎一雄は檀一雄と仲が良く、一時は同じ家に住んでいたと。で、二階に住む檀のところには山岸外史、森敦、太宰治、立原道造といった連中が遊びに来、一方一階を占拠している尾崎のところには浅見淵、丹羽文雄、田畑修一郎、外村繁、木山捷平などが集まって来て、さらに近所にいた上野壮夫が住んでいたものだから、そこには小熊秀雄、亀井勝一郎、神近市子、矢田津世子などが出入りしていたというのだから、なんともはや。 昔の文人たちの付き合いってのは、すごいね。 でまた、昔の人たちってのは、男女の関係がスゴイ。まあ、よく離婚するし、やたらに愛人がいる。そういう点では、ちょっと浮気したくらいで袋叩きに合う現代の風潮とはまったく違う、なんともおおらかな(おおらかと言っていいかどうかは知りませんが)風があったんですなあ。それから古川さんの母方の叔母は山原鶴で、湯浅芳子の晩年の愛人・・・というか、少なくとも同居人だったんですけど、そういうレズビアン的な関係も、割としれっと受け入れられていたようなところがあったらしい。 つまり、現代の日本より、昔の日本の方がよっぽど進んでいた、ってことでしょうか。 とまあ、この本に出て来る様々な人々の話が面白過ぎて、いちいち、調べ物をしながら読み進めることになるので、短い本なのに案外読み切るのに時間がかかるという。 とにかく、戦前・戦後の日本のある、どこかのんびりした一面を垣間見れるという点で、すこぶる面白い本なのでした。 この本、今は絶版のようですが、古本で探せば、どこかにはあるでしょう。あるいは図書館に行くか。見つけたらご一読をお薦めします。
September 8, 2024
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ブラジルのミュージシャン、セルジオ・メンデスさんが亡くなりました。享年83。コロナに罹患し、体力が落ちてしまったとのこと。 セルジオ・メンデスと言えば「ブラジル66」ですかね。有名な「マシュ・ケ・ナダ」は誰でも上げるだろうから、ちょっと渋いところを突いて、こんなのはどう?セルジオ・メンデス&ブラジル66 「プリティ・ワールド」 平和な音がするよね~。 あと、セルジオ・メンデスは、他人の曲のアレンジも上手かった。ワタクシが特に好きなのは、バート・バカラックの「ルック・オブ・ラブ」と、ビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」かな。「ルック・オブ・ラブ」「フール・オン・ザ・ヒル」 あとね、有名な「愛をもう一度」という曲なんですが、この曲がいかに複雑なコード進行をするかを知ったら、驚愕するよ!『愛をもう一度」「愛をもう一度」のコード進行解説 まあ、素晴らしいボサノバ系ミュージシャンでしたなあ。ご冥福をお祈りいたします。合掌。 セルジオ・メンデスは、どれでもいいけど、ベスト盤の一枚くらいは持っておいていいのではないでしょうか。【中古】 ベスト・オブ・セルジオ・メンデス/セルジオ・メンデス
September 7, 2024
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いやあ、体調が悪い中、若い人の論文の査読をしているのだけど、まあ、ひどいね。 文学の論文って、基本、論じている作品は面白いよね、という共通認識がまずあって、それに加えて、でもこういう読み方をするともともと面白い作品がもっと面白くなるよ、という点を指摘するのが役割なのよ。少なくとも私はそう思っているんですが。 だから、ある意味、論文というのは、補助線のようなもので、その補助線を引いてみると、あーらビックリ、そういうことだったのか~!という感動的な解釈が生まれると。 たとえば、「1から10までの数字、全部足したら幾つになる?」という問いがあって、もちろん、1+2+3+・・・とやって行ってもいいのだけど、一方、1から10まで小さい順に並べた列と、逆に10から1まで大きい順に並べた列を上下にセットすると、各項の上下の数字の和は全部11になるわけで、11が10個並ぶ。ならば11×10÷2=55というやり方で、1から10までの数字の和が55であることを一瞬ではじき出すやり方もある。 このアクロバティックな計算法を示すことで、1から10までの数字を全部足すということが劇的に面白くなるでしょ。文学の論文もそれと同じことなわけよ。劇的に面白い読み方を提示するわけだから。 ところが。 最近の若い人たちの文学論文って、そういうことが全然わかってない。 むしろ、そう読むことで、当該の作品が劇的につまらなくなるような、妙な読み方を提示してくるのよ。え? それじゃ、もともとの小説の魅力が全部失われるじゃん?というような読み方をしてくる。 それが、一つだけならまだしも、査読を担当したすべての論文がそうだから。 っていうか、そもそもこの小説が面白いということが、論者には分かっているのだろうか?とすら思えてくるからね。 こんなつまらない論文しか出てこないんだったら、もう、文学部は解散して可だわ。確かに、必要ないもん。 一体全体、文学研究の世界ってどうなっちゃったんだろうね。昔はもっと面白い世界だったけど。それが進歩せずに、恐ろしいほどの退歩をしているという。 体調も悪いけど、こんな論文ばっかり読まされて、気分も悪いわ~。
September 5, 2024
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先日來、どこのスーパーに行ってもコメ売り場がスッカラカンで、マジで困っていたのですが、そのコメ不足(不足じゃないよね、完全にゼロなんだから)がついに解消しました~! と言っても、おコメを売っているスーパーを見つけたとか、そういうことではありません。かつての教え子のM君が私の窮状を知って急遽、自分で作っているおコメを送ってくれたの。 まあ、反則ですわ。しかし、今はそんなこと言ってられない。M君のお陰で我が家のコメ無し状態はついに解消したのでございます。 いや~、M君、ありがとーーーー! 助かったわ~! 昔から「持つべきモノは医者とモノくるる友」と言いますが、まさにコメをもらってハッピーなワタクシ。ありがとうございました。 とはいえ、ここのところちょっと私は体調を崩しておりまして、昨日・今日と臥せっております。まあ、夏風邪かな。無理するなという天のお告げと考えて、しばらく体を休めることにいたします。 今時の体調不良を「残暑バテ」と言うそうですが、皆様もどうぞお気をつけて!
September 4, 2024
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井上尚弥 vs TJドヘニーの4団体タイトルマッチを観戦しました! 結果から言うと、ドヘニーがギックリ腰のようになり、井上尚弥の7回TKO勝利となりましたが、まあ、いつものような完璧なノックアウト勝利ではなかったので、観客サイドとしてはイマイチ、完全燃焼できなかったかな・・・。もちろん、井上選手のせいではないけれど。 だけど、ドヘニー、途中までは結構、不気味でしたね。 まずサウスポーだということもそうだけど、右足をかなり前の方に出しているし、右腕でL字ガードもしているので、井上選手としては、これをまたいでドヘニーの懐に入るが大変そうでした。ドヘニーの左が強いということは分かっているので、それに警戒しながらの踏み込みとなると、さすがに井上選手でもやりにくそうだった。 でまた、ドヘニーの体躯が大きく、肉が分厚いので、井上選手のハードパンチがいつもほどの効果を出せていなかったような気もする。やはり階級を上げていくと、こういう肉体的なハンデはついて回りますよね。 ま、もしあのままラウンドが進んでいけば、いずれ井上選手はドヘニーを仕留めただろうと思いますが、あの感じからすると、急いで上の階級に上げないで、もうしばらくスーパーバンタム級で体を作った方がいいのかもね。 っつーことで、爽快なノックアウトではなかったけれど、勝ちは勝ちですから、良かったということにしておきましょう。 一方、井上尚弥 vs ドヘニー戦の前、もう一つの世界戦だった武居選手 vs 比嘉選手の試合は、なかなかいい試合でしたが、11ラウンド、12ラウンドにポイントを稼いだ武居選手の価値。10ラウンドあたりまでは比嘉選手有利かと思いましたが、最後はチャンピオンが上回りましたね。 私は素人ながら思うのですが、比嘉選手の足の構えがあまりにも狭く、前後に開いていないのは、あまり良くないのではないかと。あれは接近戦の殴り合いなら効果的だけど、相手がテクニシャンで、アウトボクシングで打っては引き、打っては引きを繰り返されると、不利になるんじゃないかなあ。 というわけで、今日はボクシング世界タイトルマッチ2試合を堪能したワタクシだったのでした。
September 3, 2024
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「書店員が選ぶノンフィクション大賞」ノミネート作品の一覧表が出ましたので、こちらにも掲載しておきます。これこれ! ↓書店員が選ぶノンフィクション大賞、ノミネート作品一覧 これによると、10月18日に大賞が決まるそうですが、全国の書店員の皆様、拙著『アメリカは自己啓発本でできている』に清き一票をお願いいたします! 多分、皆さんが想像しているより、はるかにいい本よ!アメリカは自己啓発本でできている ベストセラーからひもとく [ 尾崎 俊介 ] さてさて、今日は野暮用で大学に来ているのですが、いつもよりちょっと早めに帰路について、あちこちのスーパーで米を探さなくちゃ。 我が家の近くには、結構、水田もあちこちにあるんだけど、早く実れ~!って、念を送っておきましたわ。いつもはそんな風に思わないけれど、今年ばかりは、実りの秋に期待しなくちゃ。
September 2, 2024
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