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釈迦楽

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March 21, 2006
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カテゴリ: 今日もいい日だ



パラミタミュージアムなどというと、何か仏教関係の博物館のようですが、実際には版画家・池田満寿夫の作品を扱った美術館です。池田満寿夫は晩年になって陶芸に夢中になったのですが、その作品の多くが「般若心経」をテーマにしたものだった。ですから、波羅蜜、すなわち「パラミタ」なんですな。で、今回ここを訪れたのは、ちょうどここで池田満寿夫の版画展をやっていたからで、常設の陶芸作品展と版画展、両方見られるからなんです。私は満寿夫の版画の大ファンなのでね。

もちろん、今日のドライブに引っ張り出したのはプジョー306ではなく、「紅子」ことスバルR2の方。そしてBGMは、昨日発売されたばかりのプリンスの新譜『3121』。このファンキーな音楽に乗って11時過ぎに家を出て、本郷のインターから東名阪自動車道に乗ったら、後はそのまま四日市インターまで一直線。紅子も快調に高速道路を走ってくれ、四日市までは小一時間で着いてしまいました。しかも軽自動車なので高速代も随分安く、都合1200円しか掛かりませんでした。軽自動車に替えたメリットを早速味わいましたね。

さて、四日市に着いたのはちょうどお昼頃だったので、今日の昼食は、国道477号沿いにある鰻のお店、「安田屋」さんで鰻重を食べることに。

菰野、というか、もっと広く四日市と言った方がいいのかも知れませんが、このあたりは「萬古焼」(おっと、ばんこ焼きですよ、「ばんこ」焼き!) という陶器が有名ですね。で、陶器のあるところにはおいしい鰻あり、と言われています。というのも、焼き物というのは炎の芸術でありまして、一度窯に火を入れたら、熱い窯の近くでまる二日以上、火の世話をしなくてはならない。それだけ体力を消耗するわけで、そういう陶工たちのために精のつく鰻は欠かせないんです。愛知県でいうと、瀬戸なんてところは、案外鰻の店の多いところなんですよ。

というわけで、「陶器の町の鰻屋はうまいだろう」と踏んで、この安田屋さんで昼飯を食べることにしたのですが、実際、このお店の鰻はタレがやや濃い目で、なかなかおいしかったです。ま、名古屋・石川橋の「とみた」にはもちろん負けますけど、安田屋さんの鰻は値段のことも含め、庶民的なおいしさでしたね。

さて、かくしてお腹が膨れた我らは、そのまま477号線を湯の山方面に走り、あっと言う間にパラミタミュージアムに到着。入館料は1000円ですけど、JAFの会員証があると750円に割引されます。で、まずは常設展へ。先程言いましたように、常設展は満寿夫の陶芸作品の展示です。

実は私、彼の陶芸作品にはあまり期待していなかったんです。が、これが案外良かった。とにかく彼が陶板に描く、あるいは土をこねて造形する仏像の顔の表情が何とも言えずいい。日本の仏像ののっぺりした顔立ちというよりは、ややバタ臭い、ガンダーラ仏のような顔立ちなのですが、穏やかなものもあり、凛々しいものもあり、いずれにしても慈悲深い顔なんです。また体の部分も、伝統的な仏像の造形とは随分異なってはいるのですが、それはそれで、仏様の身体に見えるのですから大したもの。やはり才能のある芸術家というのは、何をやらせてもセンスが違いますなあ。

また2番目の部屋には、もう少し大型の、満寿夫流の「仏塔」が20体ほども置いてあるのですが、一つ一つにスポットライトを当てられたこれらの仏塔群は、まるで古代の遺跡から掘り出されたもののような威厳があって、私なぞふと、自分が死んだら、こういうのを墓石の代わりに立ててくれたらいいなぁ、なんて思ってしまったくらい。

とまあ、期待していなかった陶芸作品の方を十分に楽しんでしまったのですが、お楽しみはまだこれから。特別展の「版画展」です。

さて、この版画展ですが、こちらは満寿夫が制作した版画の代表的な作品が展示してあります。作品数が相当あったので、見応えも十分。しかも制作年代順に置いてあるので、これを順番に見ていくと、その時代、その時代に彼が熱中したスタイルや手法が明らかになっていく面白さもある。具体的に言いますと、エッチングで始まった彼の版画手法は、すぐにドライポイントになり、その後メゾチントやルーレットの時代を経つつ、最終的にはそれらすべてを複合的に使うようになっていくんですね。そういった手法上の冒険が跡付けられるという点でも、非常に面白かった。ちなみに我が家にも一点、満寿夫の版画があるのですが、作品のテーマや手法から言って、おそらくこれは1966年頃に制作されたものではないか、ということも見当がつきました。これも今日の収穫の一つです。

ところで、私はどういうわけか、美術展を見るといつも異常に疲弊するんです。で、一通り展示を見た段階でもう疲れ切ってしまいましたので、ミュージアム内にあるティーサロンへ行き、一息つくことにしました。ティーサロンと言っても、テーブルと椅子と、それからコーヒーやジュースの自動販売機があるだけなんですけど、それでもここで暖かいコーヒーを買い、庭を眺めながら飲んでいたらまた元気が出てきた。そこで、ミュージアムの庭を少し散歩してから、もう一度満寿夫の版画を一通り見直し、それからミュージアム・ショップで絵葉書や展示の図録を買って、そしてこの美術館を後にすることにしました。

ということで、今回私たちはパラミタミュージアムをすっかり堪能しましたけど、名古屋の中心部からそんなに遠くないですし、池田満寿夫に興味のある方には、一度行って損はない美術館です。満寿夫の版画展の会期はもうすぐ終わってしまいますので、お近くの方で行ってみたい方はなるべく早く行ってみて下さい。この美術館、教授のおすすめ!です。

さて、美術館を出た我々は、次の目的地へ向かって紅子を走らせました。次の目的地というのは、「やきものの里会館」です。我ら夫婦はともに陶器には目のない方ですからね。

四日市の市街から少し外れたところにある「やきものの里会館」は、パラミタミュージアムから車で40~50分ほどのところにあります。しかし、道が少し混んでいたので、少し余計に時間が掛かって、到着したのは4時半、閉館まで30分というところになってしまいました。

それにしても、四日市の周辺から市街地にかけてざっと走り抜けて見たその印象は・・・

殺・風・景・・・

なーんて、四日市の皆さん、ゴメンナサイ! 気を悪くしないで! 日本の地方都市なんて、大抵そうですから・・・。これは四日市の問題というより、現代日本の悲しい現実であります。

ま、それはさておき、あまり時間がなかったので、やきものの里会館に到着した我らは、とりあえず急いで萬古焼を売っているショップを見ることにしました。

で、問題の萬古焼ですが、萬古焼というのは基本的に「熱に強い陶器」という特色があります。ですから「蚊遣豚」なんていうのは、あれは萬古焼の代表的なものの一つですね。それから、何と言っても土鍋。これも萬古焼の代表的な食器です。あと、常滑のものよりずっと濃い色ですが、朱泥の急須なんてのも有名です。ショップの人に聞いたところによると、萬古焼の急須は土に鉄分が多いので、これがお茶のタンニンと化合して、お茶の味がまろやかになるのだとか。

しかし、今日、我々が狙っていたのは、蚊遣豚でも、土鍋でも、急須でもありません。実は・・・お米を炊く釜を探していたんです。

前にも書きましたが、我が家で使っている電気炊飯器は、私が独身時代から使っているシンプルなものなのですが、どうもこいつのせいで米がおいしく炊けていないのではないか、という疑いを私は持っているんです。で、以前から釜を使い、ガスの直火で炊いたお米はうまい、という話を聞いているので、この際、萬古焼の釜を買ってみようかと思っていたんですよ。

で、探してみると、ありました、ありました。陶器製の釜で、圧力が掛かるように内蓋と外蓋の二重蓋になっている奴が。しかも3合炊のものが4200円と、予想していたのよりも値段がよほど安く、しかも今日は(?)展示品のすべてが2割引となっていましたので、実質3千円ちょいということになる。これは買わずにはおられないじゃないですか!

というわけで、萬古焼の陶器の3合釜、買ってしまいましたよ。これで明日から、おいしいご飯が食べられるかも知れません。こいつは楽しみですなあ!

さて、かくして池田満寿夫の陶芸と版画をたっぷり楽しみ、萬古焼のお土産まで手に入れた我々は、帰路につくことにしました。帰りは東名阪ではなく、伊勢湾岸道をぶっ飛ばし、行きとは逆に南側から帰宅することに。こちらの方が高速代は100円安かったですけど、高速を下りてから家にたどり着くまでの道順が面倒臭く、どっちもどっち、というところでしたね。家に到着したのは6時半。ちょっとした半日掛かりのドライブでした。

このところ休日の度に雨が降って、新たに車を買ってからなかなかドライブに出かけられなかったのですが、今日はそんな欲求不満を払拭する、なかなか気持ちのいいドライブとなりました。これをいい気晴らしとして、明日からまた仕事頑張ります。それでは、今日はこの辺で。萬古焼の釜で炊いたご飯がおいしかったかどうかは、またいずれ報告しますね! お楽しみに!


追伸:
満寿夫は文章もうまく、小説はともかく、エッセイを書かせたらピカイチの人。私も愛読書が多いですが、絶版が多いのが残念なところです。楽天ブックスにある中ではこの本がおすすめですので、満寿夫のことに興味のある方はぜひ一度読んでみて下さい。

これこれ!

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Last updated  March 21, 2006 10:24:14 PM
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