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釈迦楽

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May 13, 2006
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まず鍋に水を張り、そこに粉末カツオ出汁、酒、市販の濃縮蕎麦つゆを入れ、扇に切ったダイコンを入れて一煮立ち。そこにエノキ、マイタケ、糸こんにゃくを投入します。そして次は鶏つくねの準備。鶏肉のミンチに酒、塩、醤油、片栗粉、それに生姜とニンニクの粉末を少々、刻んだニラ、そしてここがポイントですが、魔法のスパイス・柚子胡椒を少々入れて捏ねます。そして適当に粘りが出てきたところで、2本のスプーンを使って団子に丸め、先程の鍋の中に投入。

そして、ここでもう一つのポイント。蓮根をすり金ですり下ろしたものを鍋に投入します。で、一煮立ちすれば、あとは豆腐と白菜を入れるだけで完成。ポン酢などのタレは使わず、鍋のスープ自体で食べる感じです。

とまあ、思いつきで作ったこの「鶏つくね&蓮根鍋」ですが、結果から言いますと・・・

う・まーい!

確かに見た目はあまりよくありません。というのは、すり下ろした蓮根が変色し、スープを灰色にしてしまうから。またマイタケもスープを濁らせてしまった原因の一つかも知れません。しかし、蓮根のすり流し入りのスープの味のよろしいこと! ほんのりとろみのついた、優しい味。それに、蓮根というのは咳止め効果があるそうなので、咳風邪にはもってこいです。それから、スパイスとして柚子胡椒を入れた鶏つくねのうまいこと! これは予想を越えるうまさ。初夏に鍋物? なんて言わず、ぜひお試し下さい。


さて、私は今日は一日、仕事がらみで本を読んでいました。読んでいたのはE.M.Hullという人の書いた「The Sheik」(1919)という作品。大衆向けロマンスの世界では記念碑的な作品なんですが、まだ読んでいなかったもので。

これ、どういう小説かと言いますと、イギリス貴族の娘で冒険好きなヒロイン・ダイアナが、自らキャラバンを率いて1ヶ月砂漠を旅行しようとするんですね。ところが、彼女を見初めたアラブ人の若き族長(シーク)が、計画的に彼女をさらい、自分の情婦にしようとするわけ。なにせ砂漠の王者たるシークの手中に落ちたわけですから、彼女に逃げ道はなく、無惨に凌辱されてしまうんです。

しかし、ダイアナも勇敢な女ですから、そう簡単にシークの情婦になるわけにはいきません。隙があれば逃げ出そうとし、またシークの寝首をかこうとしたりする。そこがまたシークには面白く、ますます彼女を放したくなくなるんですな。

しかしそうこうしているうちに、段々、彼女はシークの魅力にとりつかれ始めてしまう。荒くれ者どもを自らの実力一つで手下に従え、砂漠に君臨する美しき野獣に惹かれていくわけですよ。そして、彼のことを知れば知るほど、彼が単なる野獣ではなく、教養もあり、また計り知れない深慮と優しさを備えた男であることも分かってくる。もちろんシークの方も、ダイアナを単なる情婦として扱うことが出来なくなってきます。

で、そんな感じで互いに認めはしないものの、ヒーロー・ヒロインとも少しずつ相手を愛し始めた時、シークの永年のライバルであり、本物の悪党である、別な部族の族長がダイアナをさらってしまうんですね。邪悪な欲望がヒロインに迫る!

しかし、もちろんそこはそれ、ロマンスですから、ダイアナは急を聞いて駆けつけたシークによって、危機一髪のところを救い出されます。ところが、この救出劇の中でシークは背後から忍び寄った敵の一撃を受け、生死の境を彷徨うことに。

そしてシークがそういう状態にある時に、ダイアナは彼の出生の秘密を聞かされます。実は・・・彼はアラブ人ではなく、イギリス人貴族の父とスペイン貴族の母の間に生まれた高い身分の男だったんですな(やっぱり! そうだと思った・・・)。それが色々複雑な事情があって、砂漠の民の族長に育てられることになり、その育ての親の跡を襲って族長となっていたんです。

で、傷が癒えたシークは、思うところあって、ダイアナをイギリスに返すことにします。もちろん彼女への愛をひたすら押し隠して。しかし、もはや砂漠こそ我が故郷、シークのいない世界なんて想像もできないというところまで思い募らせていた彼女は、イギリスに帰ることを断固拒絶します。かくしてシークとダイアナの間に「帰れ」「帰りません」の意地の張り合いが繰り広げられるわけですが、さて、どうなることやら・・・。

ま、そんな感じの小説です。コテコテですね。

しかし、これが当時としてはものすごく受けたらしいんですな。なにせ1919年といえば、「アラビアのロレンス」が活躍し出した頃でしょ。砂漠で暴れる文明人っちゅーのが、憧れられていたんですよ。それに、第1次世界大戦の直後で、イギリスには健康な若い男、つまり結婚相手になりそうな男が払底していた。だから、想像の上だけでもいいから強い男に強奪されたい! という思いが、イギリス女性の間に蔓延していたんですな。そこへ「砂漠の野獣」ですもん、そりゃ、受けますよ。そして、この種の「砂漠ロマンス」というのは、この後、一種の定番になります。例えばこの小説の50年後に出たヴァイオレット・ウィンスピアという作家の『ブルー・ジャスミン』なんて有名なロマンスは、ほとんど『シーク』の焼き直しですからね。

でも・・・結構面白かった。うふ。

というわけで、今日は「鶏つくね&蓮根鍋」を作りながらも、心情的には「砂漠の野獣」になりきっていたワタクシなのでした。・・・ま、本物の砂漠の野獣は、あんまり鍋は作らないと思いますけどね。





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Last updated  May 13, 2006 11:52:49 PM
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