教授のおすすめ!セレクトショップ

教授のおすすめ!セレクトショップ

PR

Profile

釈迦楽

釈迦楽

Keyword Search

▼キーワード検索

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
June 16, 2006
XML
カテゴリ: 教授の映画談義



さて、この映画、クライヴ・オーウェン率いる4人組の強盗団が、とあるニューヨークの銀行に押し入り、50人の人質をとって立て籠もるところからストーリーが始まります。そしてこの強盗団との交渉人となったのが、デンゼル・ワシントンというわけ。かくして強盗団は、人質を少しずつ解放しながら、色々と要求を突きつけてきます。たとえば逃亡用のバスを用意しろ、とか、空港にジャンボ・ジェット機を用意しておけ、とか、腹が減ったから食い物を差し入れろ、とか。ま、銀行強盗ですから、当然です。

ところが、どうも強盗側の要求がちょっと変なんですね。通常であれば、強盗側が警察に対し、速やかに要求を飲むよう急かしてきて、それを交渉人側が引き延ばそうとするわけですが、今回の場合は逆で、何だか強盗側がなるべく交渉を引き延ばそうとしているみたい・・・。さらに、襲われた銀行の創立者自ら、敏腕弁護士ジョディ・フォスターを使い、警察とは異なる独自のルートで強盗側と折衝を始めるという異例の事態も浮上してきます。

どうも強盗団が狙っているのは、銀行の金庫に眠っている現ナマではないらしいんですな・・・。

が、その後事態は急展開を見せ、警察側が突撃隊を組織し、銀行に突入することになります。しかし、予想された強盗団側の抵抗は一切なし。どうやら強盗団の何人かは人質に紛れているようなのですが、誰が人質で誰が強盗なのか区別がつかず、結局、全員解放せざるを得なくなってしまいます。しかも、強盗団の主犯と思しき人物は発見出来ないまま。

そして調べてみると、どうやら銀行側の被害もないという・・・。しかも人質全員が無事だったのですから、事件の捜査も打ち切らざるを得なくなってしまいます。一体、何が何やら・・・。

が、実は、この謎のような銀行強盗、完璧に計画された完全犯罪だったんです! では、彼らは一体、銀行から何を盗み出したのか? そして、主犯のクライヴ・オーウェンはどうやって銀行から脱出したのか?

ってな感じの映画です。

で、私のこの映画に対する評点はと言いますと・・・

79点! 合格ですーーー。

ま、もちろん細かく見ていくと、ストーリー上の欠陥はあると思います。脇筋のストーリーが曖昧で、練れてない部分もある。しかし、それでもテンポよく話が進んでいくので、そうした幾つかの欠陥がそれほど目立たないんですね。またあちこちに散りばめられた「人種ネタ」のギャグなど、黒人監督スパイク・リーならではの面白さもある。また主役二人は言うまでもなく、脇役にウィレム・デフォーやジョディ・フォスターなどの大物俳優・女優を配してあって、見方によっては彼らを活かしきっていないと言えるかも知れないけれど、やはり彼らの存在が画面全体を引き締めていて、その点でも好印象。ウィレム・デフォーなんて、顔見ているだけで目が吸い寄せられますからね。

それに、何かというとテロリストが出てきて、じゃんじゃん人殺しをする映画ばかりの中で、この作品は人を一人も殺さずに完全犯罪を、しかも、「それなりに妥当」な犯罪を成し遂げる話なんですから、それだけだって痛快です。音楽もパンチがあっていいですよ。

聞くところによると、スパイク・リーはこの映画をたった一と月ちょっとで撮りあげてしまったとのこと。ま、この映画自体、『ドゥ・ザ・ライト・シング』や『マルコムX』の場合とは異なり、彼独自のアイディアから生まれたものではなく、「頼まれ監督」でやや気合いが抜けていたこと、またデンゼル・ワシントンなどの「スパイク組」の俳優を多用したことなどが、手際よく仕事を進めることが出来た要因なんでしょう。たとえば今回の映画の中で銀行強盗にピザを差し入れるシーンがあるのですが、このピザ、なんと『ドゥ・ザ・ライト・シング』に登場するピザ屋のものなのだそうで、その辺の内輪受けの軽いギャグにも、気合いの抜け具合が見て取れます。

ちなみに、スパイク・リー監督って、気合いを抜いて軽く撮った映画でもそれなりに佳作を作る人で、たとえば『ガール6』というB級映画なんか、かなりいい線を行ってます。ま、個人的なトリビアを申しますと、私と家内の結婚式の際、『ガール6』のサントラから『Count the Days』(プリンス)という曲を新郎新婦退場のテーマ曲に使っちゃったりしたのですけどね。そこはそれ、事情通のワタクシですから、そういう場合、間違っても「エンヤ」なんて使わないわけですよ。

とまあ、あれこれ言いましたが、『インサイド・マン』、大傑作とは言いませんが、十分に楽しめる佳作です。スパイク・リー映画にやや点の甘い私ではありますが、そのことも踏まえた上で、「教授のおすすめ!」と言っておきましょう。『ダヴィンチ・コード』を横目に、ぜひ!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  June 16, 2006 01:28:33 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: