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January 28, 2010
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カテゴリ: 教授の追悼記



 「『特捜最前線』で活躍した・・・」というのは、新聞報道などの言い回しですが、世間的にはそうなるのでしょうか。私個人としては、夏夕介と言えばむしろ『愛と誠』(テレビ版)。正確には『純愛山河 愛と誠』と言うそうですが(「純愛山河」って一体・・・)、その主人公・太賀誠役を演じた頃の夏夕介さんの姿が目に焼き付いております。

 『愛と誠』の実写版では、当時人気の絶頂にあった西城秀樹と早乙女愛が演じた映画バージョン、あるいは南条弘二と早乙女愛のバージョン、加納竜と早乙女愛のバージョンなどがありますが、これらと比べてもテレビ版の夏夕介・池上季実子ペアが、このドラマには一番ふさわしかったような気が、私にはしています。何せ早乙女愛役を演じた池上季実子は何と言っても人間国宝・八代目坂東三津五郎の孫ですからね。本物の梨園のお嬢さんですわ。それがお嬢さん役をやったのですから、これ以上ふさわしい役柄はなかったでしょう。ちなみに池上さんと私は、通っていた学校が同じ系列だったりして、親近感もあるのですが。

 で、その『愛と誠』。ご存知の方も多いと思いますのでストーリーの説明はしませんが、不良の太賀誠が某不良高校に転校してきましてね。その高校の並み居る不良どもをやっつけ、ついでに番長も片づけ、やれやれ、とりあえずこの高校は俺のもんだ、と思ったら「裏番」というのが出てきて、実はさっきやっつけた番長なんか大したことない奴だった、ということが分る。

 それならば、ってんで太賀誠君、その「裏番」って奴を熨してしまうんですけど、そうすると今度は「影の番長」っていう、さっきの「裏番」よりもっとおっかない人が出てくるという・・・。ま、簡単に言えばそういう玉ねぎの皮を剥くような話で、当時小学生だった私は「高校っていうところは、おっそろしいところなんだなあ・・・」と思ったことでありましたよ。

 で、とにかくそういう戦いに明け暮れる不良の太賀誠君は、早乙女愛というお嬢さんに運命的に慕われていると。「不良とお嬢様」の蠱惑的な組み合わせですな。逆はちっとも面白くないんですけどね。「お金持ちのおぼっちゃまと不良娘」・・・あまりドラマが思いつかない。

 それはともかく、そんな不釣り合いかつ運命的なカップルの心情を歌う『愛と誠』のテーマソング、これがまたよくて、しかもこの歌を愛役の池上季実子がたどたどしく歌うところがさらにいい!


「愛と誠」

夕日を見ている 彼の横顔が
怒っているとは限らないのよ
わたしを見ずに 肩いからせて
石ころ蹴ったりしているけれど
わたしは貴男に生命をかけてる
わたしは貴男に生命をかけてるの
だから 二人の間には
愛と誠のつながりがあるの
あるの


 この歌、私は今でも時々口ずさむんですけど、不良がね、肩怒らせて、石ころ蹴って、それで格好がついた昭和40時代。思えばいい時代でありました。

 で、そんな一匹狼の不良役をやっていた夏夕介さんが、やがて『特捜最前線』で、「一匹狼の不良がそのまま大人になりました」的な二枚目・叶旬一を演じ、これで人気を決定的なものにした、と。そういうことですな。

 それにしても、『特捜最前線』での夏夕介さんの「7:3分け」のヘアスタイル。ああいう髪型が似合う昔ながらの二枚目というのは、最近、見ませんなあ。ひょっとして、夏さんは、最後の「7:3分け」二枚目俳優と言っても過言ではないのではないかと。あ、中井貴一がいるか。でも夏夕介さんは、中井さんよりさらに陰影のある二枚目だからなあ。

 そう、陰影。どこかこう、不幸な陰の部分を引きずっているような雰囲気。それが俳優・夏夕介の魅力でもありましたね。思えば思うほど、渋い俳優でした。

 というわけで、子供の頃の私にめくるめく不良の世界を見せてくれた、そして「7:3分け」の美学を教えてくれた俳優・夏夕介さんの御冥福をお祈りしたいと思います。合掌。 





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Last updated  January 28, 2010 11:33:10 PM
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