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November 9, 2010
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カテゴリ: 教授の雑感



 と、ここで解説ですが、今ある国立大学っつーのは、一応「独立大学法人」などと称して、文科省から独立した一法人になったようなふりをしていますが、それは表向きだけの話で、実は全然独立なんかしていません。国立大学が完全に独立しちゃうと、文科省としては仕事が無くなるというか、牛耳ったり苛めたりする対象が無くなってしまってつまらないので、そう簡単には手放さないわけ。

 だから、何か組織を変えたいとか、そういう場合、いちいち文科省にお伺いを立てるわけですな。と言っても、別に正式に問い質すのではなく、非公式に、文科省の若い下っ端役人のところに行って、卑屈にもおべっかを使いながら、まさに「顔色を窺う」わけ。

 そうすると、その30代だか40代だかの若い役人が、非公式に「御託宣」を出すわけですな。非公式に、ですよ。で、またその御託宣というのが、謎かけみたいな言葉、いわゆる「霞ヶ関文学」で発せられるので、それを大学に持ち帰ってから、「文科省にこう言われたけど、これはどういう意味なんだ?」と皆で頭を寄せ合って考えると、そういうアホらしい作業が待っている。

 で、今回の御託宣ですが、「改革の理念は素晴らしいが、具体的な部分が見えてこない」とのこと。これが何を意味するかと言いますと、どうやら「こんな案ダメだから、もう一度、ゼロから検討し直していらっしゃい」ということらしい。

 はあ~。

 いつもそうなんですけど、文科省というお役所には、元来、なーんのヴィジョンもないんです。だから、「こういう風に改革しろ」という方向性はまったく出さない。ただ、個々の大学が、個々に考えた改革案を持って行くと、「こんなのダメ」とか言うわけ。で、ダメと言われた案は、もうまったく意味がないので、それを作るためにかけた時間とか労力はすべて無駄になると。しかし、「じゃあ、どういう風にすれば認可してもらえるんですか?」と詰め寄ると、文科省は「そんなの、自分で考えなさい」と答える。で、仕方なくまたまったく一から、暗中模索の改革案作りが始まる、と。

 ところで、今回、「出直していらっしゃい」と門前払いを食ったうちの大学ですが、会見の最後に、文科省の下っ端役人から、「誰もが納得できる改革案を作って下さい。出る杭は打たれますから」と言われたというのですな。

 「出る杭は打たれる」。この霞ヶ関文学用語を分かり易く言い直すと、「あんまり派手な改革はするなよ」ということなんでしょう。他の大学のやり方を見て、横並びにやれ、と。

 しかし、何とまあ、お役人らしい言い方でありますまいか。「出る杭は打たれる」。きっと文科省はもとより、役人の世界では一般にこの言葉が金言というか、黄金律というか、はたまた不文律というか、浸透しきっているんでしょうな。何でも横並び、ちょっと目立つスタンド・プレーをすると、途端に破滅が待っているぞと。出世したければ、派手なことは慎め、と。地味にやれ、と。こういうことを、これから日本の政治の土台を担うべき若い世代の役人が言うんですからね・・・。

 今回の改革に関わっている「伯父貴」ことO教授が、文科省の役人のこの発言を聞いて、「『出る杭は打たれる』か・・・。どうして文科省の役人連中は、『出る杭になって下さい』と言えないのかねえ・・・」と、しみじみ言ってましたけど、まったくその通り。誰かが「出る杭」になって、従来のやり方を大幅に改めるようなことをしない限り、日本の閉塞的な現状なんて打破できないじゃないですか。

 まあ、ここでこんなことを愚痴っていても仕方ないのですけど、あまりにも日本的な、あまりにもお役所的な「出る杭は打たれる」の一言に開いた口がふさがらなかったので、ついご報告ということになった次第でございます。





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Last updated  November 10, 2010 03:29:44 PM
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