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February 8, 2011
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カテゴリ: 教授の雑感



 で、今回、私も親しくさせていただいている先生の最終講義があったもので、私も聞きに行きました。

 その先生(女性)は言語学がご専門なんですが、才色兼備と言いますか、研究者として優れているばかりでなく、実に上品でお美しく、事務能力もあり、しかも誰に対しても公平で、人当たりも良く、それでいて批判すべきところではズバッと批判するガッツもあり・・・と、とにかく素晴らしい方なんです。私もこの先生に対しては、褒める言葉しか思い浮かびません。

 で、今回の最終講義は、(恒例に従って)初めて赴任した時の思い出や、三十有余年にわたる勤務の中でどのような授業をしてきたかなどを紹介しつつ、最後に言語学の尽きせぬ魅力を語って終わるという、美しい最終講義でございました。

 講義の中で印象的だったのは、言語学の役割について触れられた一節で、「言語学はミミズの営みに似ている。学問として派手さはなく、人に知られることもないが、ミミズが少しずつでも土壌を改良していくように、言語学者も少しずつ言語の謎を解明し、もって人の役に立つことを志すべきだ」とおっしゃったこと。おそらく先生の座右の銘なのでしょう。

 それからもう一つ、講義の後、質疑応答があり、学生の中から「先生はどうやって英語力をつけられたのですか?」という質問に対して、先生が「私はビートルズとアガサ・クリスティで英語力を養ったのよ」と答えられたのが、印象に残りました。

 特にアガサ・クリスティは、いわゆる高踏的な文学作品と違い、日常的な言葉遣いが作中に出てくるので、これを大量に読破したことが、日常会話も含め、先生の英語力の形成に大きな役目を果たしたとのこと。

 今、英語力の形成という点で、英文を大量に読むことがいい、ということが盛んに言われるようになってきただけに、それを自ら実践された先生の言葉には説得力があります。

 しかし、それ以上に強く思ったのは、「世代だなあ」ってこと。

 つまりね、先生が属する団塊の世代から、私くらいの年代までは、まだ外国(西欧)に対する憧れっつーのがあったんですわ。だからこそ、洋楽を聴けば日本の歌謡曲よりよっぽどカッコイイと思い、歌詞の内容が知りたいと思い、洋画を見れば洋画の世界に魅了され、字幕なしで映画が見れたらいいなと思い、そういう憧れが、例えば英語の勉強にしてもモチベーションになったんですよね。

 今の学生に聞くと、洋楽は聴かないし、洋画は見ないし。そもそも字幕が読めないし。で、何でそういうのを聴いたり見たりしないのかというと、そもそも外国に対する憧れがない。これじゃね、モチベーションなしに勉強するようなもんで、英語の上達は望めません。

 ビートルズとアガサ・クリスティか・・・。なーんか、良い時代だったんじゃないかしら、先生の青春時代って。

 とまあ、尊敬する先生の最終講義を拝聴しながら、そんなことを考えていた私だったのでありましたとさ。





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Last updated  February 8, 2011 08:45:17 PM
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