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February 5, 2016
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カテゴリ: 今日もいい日だ
 今日は先輩同僚で日本史がご専門のN教授の最終講義があるということで、仕事の合間に聴講に行ってきました。

 N先生は日本史、私はアメリカ文学で、専門はまるで違うのですけれども、20年くらい前、同じ大学で非常勤講師をやっていたことがあり、その非常勤講師控室でよくN先生と雑談をしたんです。それで気ごころが知れたところもあり、またN先生は映画マニアで、非常にマニアックな映画をよく御覧になっていて、そんな映画の話も共通の話題としてあった。そんなこんなで仲良しなんです。だから、そのN先生の最終講義となれば、私としてもぜひ応援に駆け付けたい。私は義理と人情で生きておりますのでね。


 「最終講義」というのはなかなか趣のあるものでしてね。先生によっていろいろな形がありうる。たとえば、「講義」と銘打ちながらも、難しいことは一切話さずに、「私が初めてこの大学に赴任したときは、このあたりには何もなくてねぇ・・・。雉がよく出たもんですよ。それから伊勢湾台風の時は大変だった・・・」とか、思い出話に終始する先生もいる。そうかと思うと、バリバリ難しい話をして、ほとんど学会発表みたいになる先生もいる。私は、どちらのタイプも「最終講義」にふさわしいと思うのですけれども、N先生は後者タイプでした。愛知県の大学にふさわしい話題として、尾張の国と三河の国で発掘された木簡などの資料や、文献としての史料を駆使し、奈良・平安時代のこのあたりがどんなところだったかを推測する、という内容です。

 で、資史料に出てくる漢字が難しすぎて、素人には何が書いてあるのかさっぱりわからないのですが、とにかく今日のトピックはこの地方に割り当てられた「税」のお話。

 要するに、当時、この地方に割り当てられた税を見ると、この地方の特質がわかるというわけ。

 例えば、やたらに「土器作って出せ」とか「生糸作って出せ」とか言われていたらしいのですけど、ということは、この地方が昔から土器生産や生糸生産が盛んだった、ということがよくわかるわけですよ。それから、やはり海に面しているということがあって「魚の干物出せ」「海藻出せ」「鮨出せ」とか割り当てられている。「鮨出せ」って言われても腐っちゃうんじゃないかと思いますが、多分、熟れ寿司みたいなものだったんでしょうなあ。

 だけど、今の税は税金で、お金で払ってしまうからアレですけれども、昔は物納でしょ。ということは、中央政府は、各地方の特産物が何かってことを熟知し、しかも、どのくらいまで徴収できるか知っていたのだから、地方の実情を事細かに知っていた、ということですよね。

 それって、すごくない? 今の政府よりすごくない?

 でまた、出せって言われて、当時の人たちは税を出したわけだから、完全に統制がとれた国家だった、ということですよね。それもまたすごくない? 1000年以上前の話よ、コレ。しかも、その時の記録がしっかり残っているわけだし。1000年以上前から、日本って国家としてきちんとしてたってことじゃない。

 世界のどことは言いませんが、1000年以上前の日本より遅れている国って、たくさんあるような気がする。

 やっぱり、日本史やると、日本ってすごい国だったんだなあってことがわかりますな。日本、すごい!


 ってなわけで、N教授の最終講義によって、私は自分の国がなんだかとってもすごいところだ、ということを改めて再確認することができたのでした。今日も、いい日だ。





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Last updated  February 5, 2016 05:16:48 PM
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