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January 1, 2018
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カテゴリ: 教授の読書日記
明けました・・・ね。我が家は喪中なので、その先は言わないの。ま、とにかく、2018年になりました。

 で、お節・・・ではないけれど、ちょっとそれっぽいものを食べてから、これは例年通り買い初めに出かけまして、ユニクロでカシミアのセーター買っちゃった。紺だけど、少し白い糸が混じっているような奴。ちょっと地味だけど、通勤のスーツの下に着ていくのにはいいかなと。

 それはさておき。

 実はですね、数日前からジョニー大倉が書いた『キャロル 夜明け前』という本を読んでいたのですが、それを本日、元日に読み終わりまして。これがね、実に良い本だったのよ。すごく面白かった。今年は元日からこんな面白い本を読んじゃって、ひょっとして今年は「読書運」いいのかも。

 ただし、この本を読むには、その前提として矢沢永吉の『成りあがり』を読んでいることが必須ね。アレ読まないでこの本だけ読んでも意味がないというか。

 要するに伝説のロックンロールバンド「キャロル」成立の事情を、矢沢の永ちゃんサイドから見たのが『成りあがり』で、ジョニー大倉側から見たのが『キャロル 夜明け前』ということなんですな。

 で、私は前に永ちゃんの『成りあがり』を読んでいて、その中で永ちゃんが「ジョニーたちのことは一生許さん」みたいなことを言っているので、ジョニーの野郎、永ちゃんの気も知らないで、ちょっと売れたからっていい気になって・・・なんて思っていたわけ。

 だけど今回、その辺の事情をジョニー大倉側から見てみると、ジョニーと永ちゃんが決裂したのは、必ずしもジョニーが一方的に悪いんじゃないな、ということが分かってくる。いわゆる「方向性の違い」とか言うのではないけれど、性格の違い、目指すものの違い(高さの違いではなく、方向が違うという意味で)、さらには生育環境の違い、そういうものが諸々重なって、いつの間にか同じバンドにいるのに違う方を向いていたという感じになったのでしょうな。

 結局、ジョニーさんと永ちゃんの違いを説明するキーワードは、「母親」なのかもね。

 二人とも結構過酷な少年期を過ごすわけですけれども、ジョニーには愛する母親が居て、そこの絆だけは決して崩れていない。一方、永ちゃんの方は母親との絆というのが最初から奪われちゃっていて、空白なわけよ。

 だから、ジョニーには甘える何かがあるけれども、永ちゃんには甘えられるものがない。だから、永ちゃんには「成功」しか、自分の存在を確かめる術が無かったと。

 で、永ちゃんにとって成功ってのは、それを掴む前までは夢であったとしても、掴んでしまった後は現実なんですよ。ビジネス、ビジネス。一方、ジョニーにとって成功とは、掴んでしまった後でも夢なわけね。ぽわぽわとした。だから成功の夢に酔いしれることができる。

 で、成功の夢に酔いしれていた(or いつまでも酔いしれていたい)ジョニーと、それを現実として捉えている永ちゃんとでは、一緒の場所には居られないわけですな。それが要するにキャロルの解散であったと。

 だけど、そういう寂しい結末であったとしても、キャロルで成功するまでは、永ちゃんとジョニーは同じ地平に居たわけで、その成功途上の二人の交流ってのは、すごくいいです。

 例えば永ちゃんは、キャロル結成の前はビートルズへの憧れから「マシュルームカット」の髪型をしていたというのですな。今では想像もつかないけれど。だけど、ジョニーの方は、同じビートルズでも、デビュー前の荒々しい時代のビートルズに憧れていたので、バンドをやるなら革ジャンにリーゼントだろうと。

 で、嫌がる永ちゃんに無理矢理革ジャンを着せ、無理矢理リーゼントをさせるあたりのジョニーの苦労話とか、なかなか微笑ましい。もっとも、革ジャン・リーゼントが売れると分かった途端、それを自分の発案であるかのように取り入れる永ちゃんがいるというね。そういうところがあるわけよ、永ちゃんには。

 でも、とにかくキャロルのイメージである「革ジャン・リーゼント」というのは、永ちゃんの発案じゃなくて、ジョニーの発案なわけね。なんか、イメージ的にはキャロルはすべて永ちゃんの作ったもの、という感じがあるけれど、必ずしもそうでもなかったらしい。

 例えばキャロルの名曲、「ファンキー・モンキー・ベイビー」の成立経緯もそう。あれは、作詞家として、あるいは編曲家としてのジョニーの才能があって初めて成立した曲であって、永ちゃん一人で作ったわけでは決してない。

 とにかく、永ちゃんの『成りあがり』だけ読んでいたのではダメだなというのを、この本を読んですごく感じました。そしてジョニー大倉という人のことを、大分見直しました。事実、見直すだけの価値のある人だと、この本を読んで感じましたね。またこの本を読んでこそ、矢沢永吉という人物のこともより深く理解できるような気がします。

 ということで、正月早々、この本を読んで良かった! 教授の熱烈おすすめ!です。ちなみにこの本には続編があるらしいので、私も早速ゲットするつもりです。



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Last updated  January 1, 2018 05:49:13 PM
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Re:ジョニー大倉『キャロル 夜明け前』を読む(01/01)  
4・13 さん
序章から一読して寒気がしました。1975・4・13をまるで昨日の事の様に語る60を過ぎたジョニー。解散と言う一大事への思いを「ラストチャンス/変わりえぬ愛」の作詞で矢沢に伝え様とした信じがたい青さ。私はどちら派でもない。矢沢の成功する為になら残酷な迄に冷淡になれるのも嫌いだし手柄一人占め的な部分も不快。しかしそれにもましてキャロルの創造主にして破壊者でもあるジョニーの還暦過ぎても最後まで大人になりきれなかった部分には呆れ果てた。ただジョニーの言う通りFUNKY MONKEY BABYの完成過程にも分かる通り作詞、アレンジ編曲の貢献度は内海含める偉大な功績!当時のレコードクレジットには絶対編曲キャロルと表記するべきだったと思う。長々と失礼致しました。 (October 18, 2018 06:36:31 PM)

Re[1]:ジョニー大倉『キャロル 夜明け前』を読む(01/01)  
4・13さんへ

 キャロルって、何となく矢沢のバンド、って感じがしますけど、よくよく知ると、ジョニーを含むメンバーの貢献あってのキャロルであったことがよく分かりますね。

 それにしても、強烈な個性を持つ人間同志が火花を散らすようなバンドって、今、ないですよね・・・。あのハングリーな感じって、もう、期待できないんですかね。 (October 19, 2018 12:13:15 AM)

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