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November 2, 2018
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カテゴリ: 教授の読書日記
ジョー・ヴィターリの書いた『人生が変わるホ・オポノポノの教え』(原題:Zero Limits: The Secret Hawaiian System for Wealth, Health, Peace, and More)という本を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。

 ジョー・ヴィターリ(ジョー・ビタリーという表記もある)というのは、業界では有名な引き寄せ系自己啓発ライターでありまして、一時はホームレスにまで落ちるところまで行きながら、そこから自己啓発ライターとして才能を発揮、引き寄せによって今じゃ超有名なセレブで高級車を乗り回してまーす、みんな俺に続け〜、みたいな感じの人。

 で、そんな感じで調子こいている時に、彼はある噂を耳にする。極悪の精神異常犯罪者が収容されている施設に派遣されたある心理学者が、その施設にぶち込まれていた多くの犯罪者を、わずかな期間内にほぼ全員更正させるという奇跡を起こして去って行ったと。しかもその人は、その極悪犯罪者たちに一度も面会すらしていない、というのですな。

 なんじゃ、そりゃ〜! 

 で、そんなことが出来るものか、不思議に思ったヴィターリ氏は、色々探った挙げ句、その人というのが、イハレアカラ・ヒューレンという名の男であることを探り当てるんですな。で、そんなスゴイ技を持つんだったら、是非、彼からノウハウを学びたいと思って、何とかして彼に連絡を取ったと。

 まあ、アレですな。ヴィターリも商売っ気のある人ですから、このへんてこな名前の男にアプローチしたら、そこから何か新たなビジネスが出来るんじゃないかと思ったんでしょうな。

 で、ちょっとした連絡のやりとりがあった後、ヒューレンを自宅のあるテキサス州オースチンに呼び寄せ、人を集めてセミナーを開くわけ。ヒューレンから自分も学びながら、参加者からセミナー料とって儲ける。ヴィターリ、抜け目なし。

 だけど、呼び寄せたヒューレンって奴、これがまた、やり手のヴィターリも驚くほどの、破天荒な人だったと。

 ま、本ブログでもちょっと前に「ホ・オポノポノ」についての本を紹介し、そこでイハレアカラ・ヒューレンについてもちょっと触れましたが、この人はハワイの伝統的な争いの解決法である「ホ・オポノポノ」をモダン化した「Self I-Dentity Ho Oponopono」(略称SITH)の創始者にしてハワイ州の人間州宝モーナ・ナラマクー・シメオーナの弟子。現代におけるホ・オポノポノの伝道者ですな。

 で、この人・・・というか、ホ・オポノポノの何が破天荒かと言いますと、この世の問題は、記憶を消去(クリーニング)することですべて解決する、と言っているところ。

 ヒューレン自身の説明を引用しますとね、例えばコンピュータの中に要らないプログラムとか、ファイルとかがあったとする。それ、要らないから消しますよね。だけど、消したからと言って、そのプログラムなりファイルなりがコンピュータから完全に消滅したわけじゃない。表面上は消えたけれど、実はまだコンピュータ上のどこかに残っているわけですよ。いわば、記憶として。

 で、ヒューレン曰く、人間も同じだと。人間の脳で処理できる事柄ってのはものすごく少ないけれど、人間の脳が認識している情報ってのは、その何千倍、何万倍なわけ。で、それが毎秒、毎秒、脳の中に蓄積されていくわけだけど、人間はそれに気づいていない。しかし、人間のほとんどの思想や行動というのは、実は気づかないまま蓄積されているとんでもない量の記憶によって引き起こされているのだと。その意味で、人間は自らの意志で行動しているようなつもりになっているけれども、実は無数の記憶によって操られているだけなんですな。

 で、こういう一杯一杯の状態では、人は創造主からのインスピレーションを受け取ることができない。

 じゃ、どうすればいいか。脳に蓄積された無数の記憶をクリーニングし、余計なものを消去するしかない。そういうゼロの状態(いわば、宇宙がビッグバンによって生じるその一瞬前の状態、すべての可能性がある状態)に戻すしかないと。(これが本書のオリジナルのタイトルである『ゼロ・リミット』の意味。)

 で、その際、クリーニングするための道具が4つの言葉、すなわち「I love you.」「I'm sorry.」「Please forgive me.」「Thank you.」の4つなわけ。この4つの言葉をひたすら、マントーラのごとく唱えることで、人間はゼロ・リミットに戻れる。そこに戻りさえすれば、すべては癒され、すべての可能性が開かれると。

 ・・・と、まあ、ここまではいいじゃん? これも理解できないという人も居るかも知れないけれど、まあ、自己啓発思想にそこそこ慣れた人であるならば、大抵、ここまではすんなり理解できる。

 理解が難しくなるのはここからよ。

 このホ・オポノポノの思想の重要な側面というのは、このクリーニングによって、自分の身に起こるあらゆることに責任を負う必要が生じる、という点。

 例えば、どこかの国で戦争が起こって、沢山、無辜の人が死んでいると。そういうニュースを耳にするとするでしょ。そしたら、それを耳にした時点で、その戦争は、その人の責任になるんです。その戦争は遠くで起こっているものではなく、その人自身の中で起こっていることになるわけ。

 だから、その戦争についての記憶を先ほどの4語でクリーニングしなきゃいけない。

 あるいは、自分の孫がガンに掛かった場合を考えてみましょう。その場合、普通、人は「孫の病気が治りますように」と祈るでしょ? 

 だけど、それはホ・オポノポノ的には大間違いでございます。ホ・オポノポノの思想からすれば、孫の病気を耳にした時点で、その責任はその人自身のものになるわけね。だから、自分の問題として孫の病気という記憶を消去しないといけない。そしてまず自分が癒される。すると、それによって孫も癒されると。

 つまり、「世界の問題」とか「他者の問題」なんてものは存在しないわけ。自分の問題しかない。世界の責任は全部、自分で負わないといけないんです。

 なぜなら、世界なんてものはないから。あるのは自分だけ。世界はすべて自分の中にある。だから、そこで起こることすべてに、あなた自身が責任を負わなければならない。

 はーい。この理屈が分かる人、手を挙げて〜!

 大分、少なくなると思うな。

 だけどね、この理屈も、自己啓発思想的にはなんら不思議なところはない。自己啓発思想というのは、もともと、この世で起こっていることはすべて自分の創作だ、という考え方をするものですからね。だから、自分を変えれば世界が変わるという。

 ホ・オポノポノの思想も、それと同じですよ。自分を癒せば、世界が癒されるというね。そういう意味では、ホ・オポノポノは自己啓発思想の一変種というより、むしろその突き抜けた延長線上の思想という感じがする。全然、道から逸れてない。

 だからね、私は全然、理解しちゃうの。っていうか、ヒューレンと不肖・釈迦楽がどこかで出会ったら、めっちゃ意気投合できそう。

 だけど、可哀想なのはジョー・ヴィターリよ。っていうのはさ、ヴィターリは、それまでに書いた自己啓発本の中で、「人間の意志にはすごいパワーがあります。その意志を発動すれば、あなたのすべての願いは叶いまーす!」と繰り返し主張してきたんだから。

 一方、ヒューレンは、「人間の意志なんか、何の意味もない。ひたすら4つの言葉を唱えて、自分をゼロに戻せ。そうしたら、創造主が適当に、良きに計らってくれるよ」と教えているわけだから、もし仮にヴィターリがヒューレンの軍門に下ったら、それまでの自分の本をすべて否定しなくちゃいけなくなる。困りましたね。

 だけど、そこがまたヴィターリなのよ。彼はこういう言い方をし始める。「私が過去に教えてきた『強い意志を持て』というのは、自己啓発のレベルから言うと『ステージ2』に当たる。そしてこれをマスターした人は次に『ステージ3』として、クリーニングの秘技をマスターせよ」と。

 あらま! なんだかうまいこと言いくるめて、自己啓発お得意の「段階式上達法」を導入し、過去の自分の黒歴史を覆い隠しちまったぜ! さすがだな、ヴィターリ。

 ま、とにかくヴィターリは、ヒューレン・システムというか、ホ・オポノポノに帰依したらしいです。

 というわけで、分かる人にはかなり強烈なインパクトを与えるこのホ・オポノポノという思想を知る上で、この本は結構、役に立ちます。というのは、ヴィターリ自身が最初のうちは半信半疑で、だけどヒューレンの人となりを知れば知るほど、この思想の虜になっていく様子が、この本では割と素直に描かれているから。だから、ある程度自己啓発思想の本を読みあさった人が読むと、賛同するしないは別として、ホ・オポノポノのことはよく分かるようになるとは思いますね。そういう意味でオススメです。

 ワタクシですか? もう、数日前から「I love you.」「I'm sorry.」「Please forgive me.」「Thank you.」のマントーラを唱えっぱなしですよ。近いうち、世界平和が訪れると思いますが、それ、ワタクシのおかげですから! 多分、安田さんが解放されたのも!


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人生が変わるホ・オポノポノの教え (PHP文庫) [ ジョー・ヴィターリ ]





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Last updated  November 3, 2018 12:46:59 AM
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