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April 4, 2026
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カテゴリ: 教授の読書日記
読みながら書く、書きながら読む、ということを器用に両立できる人もいるのでしょうけれども、ワタクシは不器用なもので、自分が書いている時は全然読めない。だから、読む期間の時にもっぱら読んで、書くとなったらもっぱら書く、という風になりがち。

 で、今は書いている時だから、全然、本が読めない・・・のですが、その書く方がほぼ一段落したもので、ぼちぼち読み始めています。

 で、今日読んでいたのは、真鍋厚さんという方が書いた『人生は心の持ち方で変えられる?』という本。

これこれ!
 ↓

人生は心の持ち方で変えられる? 〈自己啓発文化〉の深層を解く (光文社新書) [ 真鍋厚 ]


 この本、タイトルからして、「そんなわけないじゃないか!」という感じの、安易な自己啓発本批判なのかと思って読み始めたら、案に相違して、そうではなかった。安易どころか、非常に力のこもった自己啓発本文化の分析本でした。ごめんちゃい。

 で、特に近年の、ここ30年くらいの自己啓発言説の流れを手際よく分析してあって、読み応えがあります。首肯するところの多い本でした。

 真鍋厚さんという方については、この本で初めて知りましたが、私よりよほど若い方で、とても賢い。頭いいな、と感じることが多々ありましたね。

 だけど・・・。

 一点だけ注文をつけるとすると、真鍋さんは頭が良すぎるのね。だから、こう、頭だけで理解しちゃうというか。だから分析自体は鋭いし、なるほどと思うことが多いのだけど、キワキワのところで、「そう・・・じゃ、ないんだよなあ・・・」と思うところが出てきてしまう。

 たとえばね、現代の自己啓発思想の一つの主流が「幸福至上主義」で、しかもその幸福を、自分のマインドコントロールを通して得ようとする、という分析を真鍋さんはするわけ。

 その分析はね、非常に正しい。

 だけど、それに続けて「それには、問題がないことはない」という趣旨のことが出てくる。つまり、自分の幸福度アップを最優先にしてしまうと、その他のことが疎かになる危険性がある、と言い出す。

 たとえば、ブラック企業が労働者をこき使うと。だけど、こき使われている側の労働者が、自分のマインドコントロールをして、そのブラック状態に耐えてしまうことがあるだろう、というわけ。そうなると、ブラック企業のブラック体質への批判がなくなるではないか、と。

 ワタクシが「ん?」と思うのは、こういうところなんですわ。いや、そうはならないんじゃないかと。

 自分をマインドコントロールする、というのは、確かに自己啓発思想の一つの方法としてはあるのだけど、自己啓発思想が身についている人というのは、もっと本質的な意味で、「自分の人生を自分で選択する」というマインドを持っているのよ。

 だから、ブラック企業に勤めてしまった自己啓発思想家は、「マインドコントロールして、この状況に耐えよう」とばかりは思わないのね。そうじゃなくて、「ブラックな会社にいる私、という状況を、自分の選択によって変えるにはどうしたらいいか」を考える。

 とすると、「自分の心を殺してこの状況に耐える」という選択肢だけでなく、「自分の提案によってブラック企業そのものの体質改善に努める」とか、「労働基準局にタレ込む」とか、あるいは「さっさと転職する」とか、とにかく様々な選択肢を考え出し、その中からどれかを自分の意志で選択することになるでしょう。

 だから、決して「ブラックな状態の中で我慢する」ということは起きないので、真鍋さんが指摘する「危険性」という論は、成り立たないんじゃないかと、ワタクシは思う。

 その辺が、この本を読んでいて違和感を感じるところなのよね。真鍋さんは自己啓発思想を頭ではよく理解はしているけど、自己啓発思想の中で生きてはいないんじゃないか、っていう感じがする。

 まあ、そういう瑕瑾はあるのだけど、それはあくまで瑕瑾であって、この本の価値は高いよ。すごく面白い。

 ということで、この本、教授のおすすめ!です。





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Last updated  April 4, 2026 06:36:22 PM
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