2008年03月24日
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 気持ちいい秋晴れだった。台風が通過した後だからか特に空気がきれいな気がする。高上透は野球の帰りで泥だらけのユニフォームのまま、神社を左に土手を右に見る川沿いの道を歩いていた。台風の間はどこかに隠れていたすずめが頭上の電線に止まって鳴いている。台風の前後に増水した弥生川は、今はもうだいぶ落ち着いたがそれでも普段よりは高い水位で滔々と流れていた。傾きかけた夕陽を反射して川面がキラキラ細かく光る。そう、いつもとなんら変わりのない帰り道だった。着物姿の若い女性に尾行られていることを除けば。尾行に気づいた透は、あまりにもモロバレすぎてこそこそ隠れているのが気の毒な謎のおねーさんを待ち伏せするため、前触れもなく細い路地にヒョイと入り込み立ち止まる。標的を見失ったおねーさんは、「きゃひ!」と泡食って路地に飛び込んできて・・・。
 「我が家のお稲荷さま。」シリーズは、霊力が強くて妖怪に狙われやすい主人公の少年・高上透が祠に封じられていた大妖怪・天狐空幻(クー)や護り女・コウたちに守られることになるというストーリーです。透とその兄・昇は妖怪たちから守られることになったものの、高上家で一緒に住むことになったクーやコウは一般常識がなかったり大騒ぎするのが大好きだったり、大変なことになってしまいます。楽しいことが好きでフットワーク軽く強大な霊力を使ってしまうクー、料理や掃除どころか簡単なお金の計算すらできないコウ。二人に振り回されることになった小学生の透と高校生の昇は、普通の生活を送るだけなのに大騒ぎすることになるのです。さらに近所の妖怪や土地神、精霊など人間以外の愉快な友人たちが急増し、騒ぎはいっそう大きくなります。そうした中、高上家の人々はビックリしつつも楽しい毎日をおくることになっていきます。
 今回の7巻は短編集で9月、10月、11月、12月、1月のちょっとしたエピソードを綴ったものです。台風が通過した後に起こる不思議な出来事、ハロウィンの仮装に混じって出没する貧乏神、湯煙温泉で発生する少しだけ火曜サスペンス風味な事件、恋とダイエットに一生懸命な佐倉美咲を襲う試練、みんなが集まって盛り上がる元旦。いろんな妖怪たちや精霊、商売熱心な土地神、恋する女子高生、変な旅館の人々などバラエティ豊かな登場人物たちとの愉快な日常は大変楽しく面白かったです。また、最近は温暖化の影響なのか季節感がずれてしまっているのでこうした季節感いっぱいなエピソードはとても魅力的に感じられました。
 ジャンルは、現代日常御伽ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>


我が家のお稲荷さま。シリーズ


コミックもあります










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最終更新日  2008年03月24日 17時41分54秒
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