2010年05月28日
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 正直、パメラがこれほど美しくなっているとは思わなかった、とアイヴォリーは驚いていた。茶色い髪はロンドンにいた頃はぱさついていたものだが、つやつやとよく手入れがなされ、くるくると肩に落ちている。明るく整った顔立ち。上質のドレスのせいだろうか、背が伸びて、胸や腰は見とれるような曲線を描いているというのに、首筋や腕はすんなりと細長い。長いまつ毛に縁取られた瞳の光だけはそのままだった。十四歳の時からそうだった。どんなにみすぼらしい格好をしていても隠せない。向こう見ずで真っ直ぐな瞳。男を振り回す女の目だ。まるで気まぐれな猫のように。自分の目は間違っていなかった、とアイヴォリーは思った。パメラを逃がした失敗をあらためて悔やみ、そしてここで会えた事を感謝した。「逢いたかったよ、パメラ。ずっと捜していたけれど、こんな所にいるとは思わなかった」「あたしは、あんたには一生、会いたくなかったわ」パメラは・・・。
 「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズは、「恋を叶えてくれるドレスをつくる」ことで評判な主人公の縫い子の少女クリスティン・パレス(通称・クリス)が公爵家の御曹司シャーロックと身分違いの恋に落ちるストーリーです。幼い頃から母リンダのもとでドレスを作っていたクリス。しかし、リンダは自らの恋に夢中になりドレスを作れなくなってしまいました。しだいにクリスとリンダは確執が生じることになります。一方、娼館で下働きをしていたパメラは娼婦になるのが嫌で一生懸命勉強をしていました。母の元から逃げ出したいクリスと娼館から逃げたいパメラは運命的に出会い、協力して逃げ出して二人の店・仕立て屋「薔薇色」(ローズ・カラーズ)を開くことになるのです。クリスがドレスを作り、パメラがお店を経営する。まだ十四歳だった二人は親友同士力を合わせて頑張ることになります。
 3年前からずっとパメラに異常な執着をみせる紳士?アイヴォリーはパメラに「娼館で働いていたことを皆にばらす」と卑劣な脅迫をしてきます。突然の脅迫者に動揺するパメラでしたが、「舞踏会に出席する親友クリスを応援する」ため警戒しながらもアイヴォリーの話にのることになってしまいます。番外編です。パメラが主役となる「聖者は薔薇にささやいて」他、マンガやショートストーリーなどバラエティ溢れる構成になっています。引っ込み思案なクリスとは違う、勝気で親友思いなパメラをめぐる恋の駆け引きや華やかな舞踏会での活躍が大変面白かったです。特にパメラをめぐる恋のライバルのはずなのに、パメラを守るため協力することになってしまうアントニーとイアン医師が格好良かったと思います。
 ジャンルは英国ラブロマンス・ファンタジー。ラブストーリーが好きな人にお薦めです。<終>



ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ(一部紹介)














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最終更新日  2010年05月31日 08時45分10秒
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