PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
A氏
:昨日の新聞は、例の 田母神前空幕長
の 参考人招致問題
を報じていたね。
今朝の朝日新聞の「 私の視点
」ワイド欄では、元自衛隊の陸将の 志方俊之
氏をはじめ、3人の人が違った視点でコメントしているね。
志方氏
は 憲法9条の曖昧
さで、 田母神氏
が「 キレタ
」というようなことを書いていたね。
私
:軍人の上層部がすぐに「 キレル」タイプ
では、不適格だね。
俺はたまたま、昨日、図書館に本を借りに行くついでに、 朝日
、 読売
、 毎日
、 産経
、 日経
と主な新聞をざっとみたが、皆、この問題をとりあげていたね。
この問題は、 二つに分かれる
ようだね。
一つは
、「 過去の日本の戦争が侵略戦争かどうか
」の問題。
2つ目
は、 軍人
の「 言論の自由
」という、「 シビリアン・コントロール
」問題だね。
A氏
:朝日新聞の 天声人語
は、日本の占領時代、 帝王のように君臨していたマッカーサー元帥がトルーマン大統領にいきなり解任される話
から始めているね。
当時、まだ若き 宮沢元首相
は、「 シビリアン・コントロール
」に目を開かれたとある。
私
: 日経
と 朝日
では、日本でも戦後、 来栖統幕議長
が、「 日本が奇襲攻撃を受けた場合、超法規的行動をとらざるを得ない
」と発言し、当時の 金丸防衛庁長官
は「 シビリアン・コントロールに反する
」として、事実上、 議長を解任
している例をあげている。
読売
も、 自衛隊の最高指揮官は、総理大臣
だからその 総理大臣の政府見解に従うのは当然
としており、「 シビリアン・コントロール
」として扱っているね。
本来、 軍隊
とは、普通の 企業組織
と違い、「 個人の自由」は極めて限定された組織で、上官の命令には従う厳しい規律を持った組織
だがね。
よほど、今の自衛隊は「 自由
」なのかね、それとも 無統制
なのかね。
私
:それは、「 日本は侵略戦争などしていない
」という問題に関係するね。
産経
は、「 シビリアン・コントロール
」よりも、 この侵略問題の方をもっと議論すべきだ
として 産経
らしいコメントをしている。
田母神前空幕長の論文
は、俺は読んでいないが、 日中戦争や太平洋戦争は、蒋介石、コミンテルン、ルーズベルトなどの陰謀の罠にひっかかったせいだ
ということらしい。
これを真面目にとれば、当時の 日本軍
は「 謀略の罠にはまりやすい
」「 やわ
」な軍隊だったということになるね。
誇れる過去の歴史ではないね。
A氏
:君のブログの「 戦争で人が死ぬということ
」によると、 太平洋戦争の戦闘員の戦死者は陸軍165万人、海軍47万人
で、 広義の飢餓による死者の比率は70パーセント。
海軍
の 海没者
(
海没とは、移動などの途中で輸送船が撃沈されて兵士が死んだことをいう)は 18万人、陸軍は18万人。
私
: 司馬遼太郎
は、日本は日中戦争、太平洋戦争と、 なんでこんなバカな戦争をしたのか
、しかし、 日本人はそんなバカな国民でないはずだ
、と明治から歴史をさかのぼる。
「 坂の上の雲
」は 日露戦争
の戦いを書いているが、この頃の 日本軍人は一流
だね。
A氏
:「 明石大尉
による ロシア革命への裏工作
」があり、逆に「 謀略
」をしかけている。
日本の戦国時代の武将のように「 大人の謀略センス
」を持っていたようだね。
それがいつの間にか、 列強の謀略の渦のような20世紀の植民地化時代
に、「 謀略に弱い
」「 罠にかかりやすい
」な 国家や軍隊
に日本はなったのかね。
私
: 毎日新聞
では、 第3代防衛大学学長の 猪木政道
氏の言葉を引用
し、 1928年の張作霖暗殺事件以降、陸軍が無法集団化
したと言っているね。
これは 山本七平
氏が「 一下級将校の見た帝国陸軍
」でも述べているね。
司馬遼太郎
氏は、 大正の末から昭和の敗戦まで、日本人は魔法の世界にとりこまれた日本史上でも特異な時代
だとしている。
司馬遼太郎
はその原因に「 統帥権
」をあげているね。
A氏
: 石原莞爾
を参謀とする関東軍は政府方針を無視して、満州を攻略する。
規制を受けない「自由」
だね。
ところが、 石原莞爾
は 1937年
、 中央の中国への戦線非拡大方針に反して行動する前線に行き、
中央の統制に服するよう前線に説得に出かけたが、かえって現地参謀であった 武藤章
に「 石原閣下が満州事変当時にされた(下克上の)行動を見習っている
」と嘲笑される。
武藤章の上司を無視した「自由」
だが、その武藤も後に 日米開戦
で 部下の「下克上」
にあっているというね。
下克上参謀の典型
は、 辻参謀
だね。
私:
多くの戦死者は 組織のシバリのない「自由な」下克上で無法集団化した日本軍
の 犠牲者
なのか、「 国際的な罠にかかった」犠牲者
なのか。
多くの戦死者の意味は、田母神氏の世代は、いざ知らず、 俺たち世代には重い事実
だね。
田母神氏は、軍人なんだから、専門家としてこういう軍事の歴史を論ずるべきだね。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24