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Ryu-chan6708

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2006.11.13
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カテゴリ: 歴史

私: このビデオの12巻セットは買ってきちんとみていないまま、棚にしまってあったんで、 敗戦責任知的街道 の重要な宿場として、この機会にきちんとみようとおもってね。

A氏 :この街道は長いね。

:「 積読(つんどく)」 でなく「 積視聴(つんビデオ)」 かね。
 十年くらい前に買ったのだろうが正確な記憶がないね。
 とりあえず、第1巻から見出した。

A氏: 20年位前にNHK教育テレビで放送をしていたのをちょこちょこ見ていた記憶があるよ。
 司馬さんがカメラに向って一人語りかける番組だったね。

:司馬さんは書くこともすごかったが、 語りも説得性があり独特だね
 司馬さんも、 山本七平さん 会田さん 同様、若いときに戦争を体験した世代だ。
 司馬さんは群馬県の佐野市で戦車隊員として敗戦を迎えている。
 当時、司馬さんが上官に「アメリカ軍が本土上陸してきたとき、佐野から東京に戦車隊は進まなければならないが、 道路は避難してくる日本人の民衆で混んでいるので 、容易に移動できない」と言ったら、上官は「 ひき殺していけ 」と言ったという。
 それで、 国民を守る軍隊がなんで国民を平気で殺すのか 疑問を持ったという有名な話があるね。

A氏 :沖縄戦で日本軍が市民を犠牲にしたということで、本土に反感をもっている人もいるが、 本土決戦になっていたら同じように軍が民間人をかなり犠牲にしていただろうね

:司馬さんは、 ノモンハン事件 を例にして、なんでこんなばかばかしい戦争をしたのか、日本人はもともとこんなバカで民族であったのかというね。
 そのノモンハンの反省なしで、太平洋戦争はその2年後に始まる。
 そして、 結論的には大正の末から昭和の敗戦まで、日本人は魔法の世界にとりこまれた日本史上でも特異な時代だとしている
 司馬さんはその 魔法のカギを解きたいと 言っているね。
 それがこのビデオシリーズだ。

A氏 :司馬さんはノモンハン事件を小説で書くことを期待されていたのではないの?

:何度もチャレンジして、調査もしたらしいね。
 戦争中は満州に居たんだしね。
 しかし、魔法の謎が明快に解けないためか書けないまま亡くなってしまったね。
 戦後、司馬さんはノモンハンの参謀だった人に取材のため、長時間インタビューしたらしい が、話がかみあわないんだそうだ。
話が平面的でツルツルしてつかみどころがないのに、多弁だったという。

A氏 英語力同様に説得性ある表現力がないのかね
 日本の参謀には自分の信念というものがないのだね。

:敗戦を迎えたときアメリカ占領軍が来ても右翼も抵抗しなかった。
 むしろ、開放された感じであったという。
 すなわち、 昭和のはじめは軍の権力に日本は占領されていたのだと司馬さんはいう
 言論も抑圧されていた。

A氏: 適切な説明だね。
 小学生の俺も、 敗戦という悲しい感情よりも実感はホッとした開放感があったね。

私: 司馬さんは、この軍国支配の原因に例の「 統帥権 」をあげている。
 明治憲法は基本的に三権分立の近代憲法だが、11条に「 天皇が陸・海軍を統帥する 」とある。
この一条を軍は曲解して、三権の上に軍をもってきてしまった

A氏 :そして参謀が勝手に国を動かすことになるわけだ。
 本当に国のためでなく、自己保身のために。
 しかし、 今の九条も解釈論でいつの間にか世界有数の軍事力を持つのと似ているね。

:司馬さんは、 この軍国主義的なイデオロギーはさらに明治維新にあると指摘しているね

A氏 :君が明治維新の 水戸学 でふれていたね。

私:それまでの儒学に対して 中国の儒教は宋のときにイデオロギー化したようなんだね
 これが幕末の「 尊王攘夷 」のイデオロギーにつながるようだ。
朱子学 だね。
 日本では「 廃仏毀釈 」までいくね。

A氏 :韓国も朱子学の影響が深いというが、だから、過激なデモなんかあるのかね。
 未だに、 年長を重んじる伝統が残っているという。

私: 中国のほうは朱子学は清の時代には衰えるんだね。
清は満州族で夷荻の国だから、正統性がなかったからかね。
 ところで、明治維新を中心に推進した日本人は、 韓国と違い、「攘夷」を捨てて「尊王」を推進した。

A氏 :「尊王」すなわち、 王政復古 だね。

:しかし、司馬さんは明治政府を作った人は現実な対応をせざるを得なかったが、 それらの人が明治末期に次第に亡くなって、官僚政治になってから、イデオロギー化しておかしくなってきたというね
 これからの司馬史観の展開が知的興味を湧かせるね。

 敗戦責任知的街道の大きな宿場になりそうだね。





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Last updated  2006.11.13 07:30:12
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