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雇用の常識「本当に見えるウソ」
私
: 著者
は、 日本の労働市場は非常に特殊
だという。
「 ジョブ・職務
」と「 メンバーシップ・帰属
」という 2つの概念
を使うとそれが明確になるという。
日本では正社員になり、 雇用契約
を結ぶときは、「 職務内容
」は詰めない。
他の国
のように「 雇用=労務と報酬の交換契約
」ではなく、「 雇用=組織の構成員となること
」だね。
日本では、 正社員は 職務
でなく、 会社に 帰属
することに対して 賃金
が払われる。
これを「 職務なしの帰属:メンバーシップ・ウイズアウト・ジョブ
」という。
A氏 :「 タテ社会論 」でも出てくるね。
私:逆に、 非正規社員
は 契約時に 職務内容は明確
だね。
しかし、 メンバーシップは弱く
、
景気が悪くなるとすぐに首をきられる。
「 帰属なしの職務
: ジョブ・ウイズアウト・メンバーシップ
」だね。
正規社員と非正規社員とは白と黒のように鮮明に別れる。
著者は、これに対して、 グレーゾーン
があってもいいのではないかと提案しているね。
A氏 :「 ほどほどのメンバーシップ・ ほどほどのジョブ 」かね。
私
:最後のほうで著者は、 無用な主な対立軸
は、 若者対熟年軸
、 非正規対正社員軸
、 労働者対企業軸(企業悪者対企業かわいそう
)、そして アンチ小泉対小泉礼賛軸
の 4つ
になるという。
これが「 竹中平蔵対森永卓郎
」「 八代尚宏対雨宮処凛
」といった形でテレビにとりあげられた。
しかし、 ワーキングプア→若年失業→塾年悪玉論
は、 実態と乖離
しているだけでなく、子どもの学費負担が増えてくる 熟年の給与はダウン
してきており、 年代格差は縮小
してきているという。
そこで著者は、戦後の日本をさかのぼっている。
1960年代、70年代
までは、 日本は中進国
で 賃金も国際的に低い方
だった。
だから、国内の雇用は伸びる。
企業内の管理職ポストも増える。
国も失業者は増えないから、 雇用保険の準備金は潤沢
。
年金の積立
も増えていく。
A氏
:しかし、 1985年の プラザ合意
以後の 円高
で日本は「 世界一高い人件費
」に悩まされることになるね。
並行して、 原油高
が企業収益を圧迫
しだす。
私
: 1989年の ベルリンの壁崩壊
で、 経済のグローバル化
が進む。
人件費
が高いから 雇用問題が深刻化
する。
失業率増加や非正規の問題
もこの時代の流れの中で起きてきた。
そこへ 小泉政権が登場
するが、誰が政権をとろうとこの問題は避けられなかっただろうね。
著者は最後に、 移民 など、いろいろな 雇用改善策 を提案しているが、急速に進むグローバル化や、日本の少子高齢化などの雇用市場の変化などに対しては、直ぐに効果ある名案がなかなか期待できそうもないようだね。
A氏 :しかし、必要なのは、感情的にならないで、 事実をよく共有化 して、その上に立って対策を考えるべきだね。
私
:まだ、 若者の引きこもりとシャッター街の関係
や、 ワーキングプアと働く主婦との関係
があるが、要するに、 風評
に踊らされないことだね。
この本は出だしで、「 未成年による凶悪犯罪が昨今急増している
」という風評の例をあげ、データでは「 未成年の凶悪犯罪は激減している
」ことを示しているね。
マスメディアには要注意
だね。
A氏 :君のブログの「 日本一早い平成史・1989~2009 」での 森達也 氏も同じように「 未成年による凶悪犯罪が昨今急増している 」の ウソ を指摘して、「 メディアリテラシー 」の 重要性を強調 しているね。
私
:それにしても、 来週の参議院選
で各党がこりずに マニフェスト
を出しているね。
昨日、 俺の家のポスト
に「 みんなの党
」のチラシが入っていた。
渡辺喜美
氏の顔写真の裏に「 アジェンダ2010
」というのが書いてあった。
「 マニフェスト」は詐欺の臭いがする
として「 アジェンダ
」としたらしい。
しかし、 4パーセント以上の名目成長
で 10年間で所得を5割アップ
だという。
昨年、 民主党
は「 財源なき社会保障
」の マニフェストで失敗
したが、「 みんなの党
」は「 新しいビジネスモデルなき名目成長
」だね。
「 アジェンダ
」にしても、 カンバンを変えただけで、 これも詐欺臭いね
。
国民の「 マニフェストリテラシー
」が必要だね。