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Ryu-chan6708

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2010.12.06
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テーマ: ISOについて(477)
カテゴリ: カテゴリ未分類


A氏 :また ISO9001 の話だが、毎年、 審査機関 維持審査 があるんだね。
  俺のいた会社では、もう ISO9001 をとってから長いんだが、毎年、 審査員が指摘 することが「 教育・訓練が計画通り実施されていない 」ということだそうだ。

:おかしいね。
  君がいた会社は、 毎年 新人を沢山採用 していないだろう?

A氏 :そういう意味でないらしい。
毎年たてる社員全員の教育・訓練計画 がその通り実施していないということなんだ。
毎年入社する新人 は少なくて問題ないんだが、特に、 現場の30年くらいのベテラン などは、あまり 教育・訓練の必要がないので 計画 には入れるが、 つい実行が伴わないようだね

:わかった!
  君の会社は、「 教育 」と「 訓練 」をゴチャゴチャにしてシステムを組んでいるようだね。
ISO9001 のほうで要求しているのは、 基本的に「訓練」が中心 だよ。

A氏 :「 教育 」と「 訓練 」とはどう違うのかね?

:これは トヨタ生産方式 では、明確なようで「 教育 」は 体系的な 知識の修得 、「 訓練 」は 実務の体得 だね。
水泳 で言えば、「 教育 」は 泳ぎ方の講義 などを受けたり、 を読んだりすること。
  「 訓練 」は 水の中 で、体を動かし、 泳ぎのコツを体得 するこ。

A氏 :なるほど、そうするとある 作業のベテラン 泳ぎの名人 で、かつ、 毎日、泳いでいる ので、その作業の「 訓練 」は不要ということだね。

:君の会社は、 高度成長期 に伸びたから、現在はほとんど 中高年の人が現場で活躍 しているし、 職場異動 もほとんどないから、 企業の体質からしてベテラン中心の職場 だね。
 「 訓練」システム 企業の特質 にそって設計すべきだね。
ISO9001 はその 企業別の特徴の配慮 を要求しているね。

A氏 :なんで、俺の後輩たちは、そういう 誤解 をしたんだろうね。
頭のいい連中 が考えたシステムなのにね。

:自分たちの 足元 を見て考えず、「 知的体力 」を働かせず、 ISO9001規格 を鵜呑みにしたせいだろうね。
学校の成績が優秀な者ほど要注意 だね。

 それと 原因の一つは ISO9001規格の 日本語訳 にあるようだね。
ISO9001 は数年ごとに改訂されているが、 初版は 1987 だ。
  その最初から、「 教育・訓練 」の要求がある。
  英語は トレーニング Training )だ。
  だから、本来なら、「 訓練」重視 だね。
  これを「 教育・訓練 」と訳した。
   このため、当時、 誤解した多くの日本企業 では、 外部の品質管理に関するセミナー をずらりとリストアップして、 これに参加する研修システム を作って実施していたケースがあったようだね。
「教育」重視 になってしまった。
  だから、この場合、「 教育・訓練 」は 総務や人事部の仕事 になる。
  ある大企業では、「 訓練 」を 勤労課 現場作業者の教育 を残業で 座学 で「 作業標準書 」でやっていた。
  ところが、 新製品 が流れると、 勤労課への情報 は遅いから、その教育はない。
  それなのに、 現場では新製品が流れているという矛盾 した状態が出たね。
  だから、 現場でのトレーニング・システムは、甘くなるという アンバランス が発生。

A氏 :そうか。
  常識で考えれば、 職長 などが行う 現場作業のトレーニング が、 一番、製品の品質に影響をあたえる はずだね。
  ところで、後輩に、今まで、 ベテランの「教育・訓練」 として、実際に何をしていたのかと聞いたら、「 ちょっと休み時間に世間話をして、それで『教育・訓練』をしたということにして記録していた 」と言っていたよ。

ISO9001 では、「 教育・訓練 」を実施したら、 その記録の要求 があるからね。
  しかし、 そのベテランの記録 意味のないムダな記録 だね。
  だから、 ムダな紙 が増え、さらに 本当の品質から目をそらす現場ムード となるね。

A氏 :早速、やめさせよう。

:どうも、それは 氷山の一角 のようだから、これを機会に、「 知的知力 」で全面見直しだね。






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Last updated  2010.12.06 08:08:40
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