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A氏
: 先週
、 ISO9001の「教育」と「訓練」を話題
にしたが、たしか、俺たちの若い頃、 現場リーダー
は TWI
という資格をとっていたことが多かったね。
たしか、 インストラクター
は 教える資格
を持った アメリカ人
だったと聞いたよ。
TWI
というのは「 Training Within Industry 企業内訓練
」の略だから、まさに君のいう トレーニング
だね。
私
:俺たちが若い頃は 職長教育
が盛んだったね。
人出不足
のせいだったのかね。
この TWI
はアメリカが戦時中に効果を発揮した 職長に対する訓練システム
だという。
戦争中、 双眼鏡
や 望遠鏡
などの需要が増えたが、生産のネックは 職人芸
の「 レンズ磨き
」だったという。
そこでその 作業を分析
したら、 30
くらいに 分割
され、 職人芸が不可欠な工程は2、3の工程にすぎない
ことがわかった。
他の工程は素人にやらせて、 増産に成功
したという。
この素人の作業者の訓練に TWI
が効果を発揮したようだ。
ISO9001
の「 トレーニング
」はこれの影響があるようだね。
TWI は 部下をトレーニングする方法 、 改善する方法 、 部下を扱う方法 の 3 つからなるという。
A氏
:戦争中、そういう話があったのか。
TWI
では 部下に対する訓練の基本的な考えは
、部下をトレーニングして覚えが悪いのは、 職長のトレーニング方法が良くないからだ
というものだね。
日本の 山本五十六
元帥のいう「 やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ
」という考えと同じだね 。
私 :アメリカでは、そういう考えは「 ホーソン実験 」から生まれたというね。
A氏
:「 ホーソン実験
」?
聞いたことがあるようだが、はっきり覚えていないね。
私
: 1930年前後
に、 ウエスタンエレクトリックのホーソン工場
で、大学の先生がいろいろ生産性についての実験を行った。
実験の結果は、 意外
なことに、 生産性
は 職長と従業員との人間関係
、 従業員の参加意識
によって影響を受けることを見出した。
それまでは、アメリカの 現場管理
は、 軍隊
のように、部下は職長の指示に忠実に従うべしというものだったからね。
職長は、 鬼軍曹
だね。
それで従業員の参加意識を高めるために「 提案制度
」がはじまり、「 良い職長
」を育成するために TWI
のような訓練システムがはじまる。
A氏 :「 提案制度 」は日本の「 改善KAIZEN 」だね。
私
:敗戦直後、 トヨタ
から2名の技術者が フォード
に勉強に行き、そのとき フォード
の「 提案制度
」を知り、これを日本に持ち帰ったという。
約 40年
後に「 KAIZEN
」として 逆輸出
される。
去年、 GM
がおかしくなり、 トヨタ
との合弁の カリフォルニアのフリモント工場・ NUMMI
の扱いが問題になったね。
この工場が 1980年
代に トヨタ生産方式
に切り替えるとき、 フリモント工場の職長
が トヨタに研修
に来たが、いきなり 改善KAIZEN
をやらせられて驚いたという。
GM
では 改善は別のプロの仕事
で、職長はプロが決めた方法を守るだけの仕事だけだからね。
いつのまにか、アメリカでは 伝統的
な「 提案制度
」も TWI
も消えていたようだね。
A氏
: フリモント工場
の話は、 君のブログ
にもあるね。
それにトヨタでは「 アンドン
」と言って、組立ラインの作業者が、異常が出ると 簡単にラインを停止
できるのにも、アメリカの職長は驚いたというね。
私
: GM
ではそんなことを作業者がしたら、 その作業者は即解雇
だね。
トヨタ
では、 1日、200から300回
程度は止まるそうだ。
逆に止まる回数が少ないと、 コンベヤーのスピード
が速くなるのだろうね。
そういうスピードで作業をするのだから、教育だけではダメで、 体が自然と動く訓練・トレーニングが必要
だね。
トヨタが「 教育
」と「 訓練
」を分けたのはわかる気がするね。
それから、部下を 外部の教育研修
に出して、 部下が報告書
を書いているが、これは マネジメントの観点
からするとおかしいね。
研修に行かせた上司が、研修した内容をよく聞いて、 評価して自ら報告書
を書くべきだね。
マネジメントの原点
はそこにあると思うね。