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人はひとりで死ぬ 「無縁社会」を生きるた (NHK出版新書) (新書) / 島田裕巳/著
私
:「 無縁社会
」という言葉は 2010年1月末
にNHKスペシャルとして放送された「 無縁社会・『無縁死』3万2千人の衝撃!
」という番組で生まれたという。
A氏 : 朝日新聞 では「 孤族 」と言っているね。
私:
著者は、「 無縁
」ということはそんなに問題とすることなのかという問題提起をしているね。
そして、まず、「 有縁社会
」だった歴史にもどって議論を進めている。
代表的な「 有縁社会
」は「 村社会
」だね。
冠婚葬祭
のシステムが支えている。
農業
をベースとして成り立っている「 有縁社会
」における「 家
」は 生活の場
であり、 経済的な共同体
だね。
A氏
:その分、個人は「 家
」に縛られるね。
長男
は 跡を継がないといけない。
個人の自由が奪われやすい。
私
: 高度成長時代
になると、 村から若者が都市に押し寄せる。
彼らは「 村社会
」という「 有縁社会
」から 脱出
する。
「 自由で豊かな」都会の魅力
にひかれる。
「 無縁
」になることで、自由が実現され、人生の可能性が拡大した。
しかし、完全な「 無縁
」ではなかった。
A氏
: 高度成長時
には日本の 家族主義的
な「 企業
」 経営
が「 村共同体
」的な「 村社会
」の役割を果たすね。
「 企業一家
」だね。
その他、いろいろな団体が都会にはあるね。
私
:「 都市化=無縁化
」ではなかった。
著者は、もう一つの新しい「 縁
」として「 新宗教
」をあげていて、特に高度成長とともに巨大な宗教集団となった 創価学会
の活動を説明している。
ところで、「 企業
」による「 村落共同体
」は、「 村社会
」と違い、子どもは親と同じ職業をするわけではない。
「 村社会
」のように、 田畑
を親から受け継ぐわけではないし、 親の働く姿
を見て育つわけではない。
高度成長時代
に「 村社会
」から出てきて サラリーマン
となった親は、その「 縁
」を「 企業
」に持ち込んだ。
しかし、彼らの子どもたちは、「 村社会
」を知らないから、「 企業
」に共同体的なものを求めない。
「 企業
」は次第に 共同体的な性格
を失うようになり、 有縁化の仕組み
が機能しなくなる。
A氏:「 新人類
」の登場かね。
それに、不況になると、「 企業
」は コスト
がかかる「 共同体的
」な会社組織を見直すようになるね。
非正社員の増加
だね。
私
: サラリーマン社会
は、 その内部に無縁化していく契機、危険性を含みこんでいる
。
そして「 おひとりさま
」現象が生まれる。
結婚しない男女の独身者
だね。
「 おひとりさま
」は若いときには自由を楽しむことができるだろうが、 加齢
とともに、「 無縁」予備軍
となる。
こうして「 無縁死
」の増加につながる。
「 無縁死
」は、 戦後の社会
のうねりが「 無縁化
」を促進し、 単身者世帯を増加させた結果
だね 。
A氏
:日本は歴史上はじまって以来の「 下り坂社
会
」に突入しつつあり、その「 移行的な現象
」だろうね。
「 デフレの正体
」でも、 高齢者人口の増大を絶対数の急激な増加
で示していたね。
私
:「 葬式
」も「 墓
」などの「 無縁死
」の 死後の問題
もあるね。
誰が「 葬式
」をするのか、「 墓
」は後、誰が守るのか。
著者には「 葬式は、いらない
」という本があるように、「 無縁死
」は、 人間本来の姿
だという。
死によって、人は自由になり、解放される。
現世との縁が切れ、「 無縁
」になることで救われる。
あらゆる死が本質的に「 無縁死
」である。
そういう視点で、「 無縁社会 」を見直すべきかもね。