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Ryu-chan6708

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2012.02.13
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テーマ: ISOについて(477)
カテゴリ: カテゴリ未分類


:先週のブログで、 ISO9001の適用除外の問題 にふれたが、実は、これは ISO9001の歴史 が背景にあるね。

ISO9001 2000年の改訂前 には、 ISO9001 ISO9002 ISO9003 という 3つの選択規格 だった。
設計のある会社はISO9001 設計のない会社はISO9002,製品検査だけの会社はISO9003を選択するわけだ。
この3つを中心に関連する規格を ISO9000シリーズ と言っていた。

  ところが、問題が出た。
  3つの規格の選択は 企業の自由 だから、設計のある会社でも ISO9002 を選択できる。
  そして、 ISO をとったといえる。
  ひどい例は イギリス である 設計事務所 ISO9002 を選択して認証したことだね。

A氏 設計事務所 と言えば、 設計業務 しか無いではないの?

:図面のコピーや製本を 作業 として ISO9002 でとったようだね。
  これで イギリス のISO9000シリーズの 監督部署の長 が頭に来たそうだね。

  こういう 悪用 を防止するために、 2000年改訂 では ISO9001に一本化 し、設計のない会社は 設計の「 除外 」を宣言 するということになったわけだね。
  この「 除外 」という 新語 が出て、その解釈でもめたわけだ。

A氏 :なるほど、それで「 除外 」は「 7.3 設計・開発 だけ だという審査員が出るわけだね。
  そして、「 悪用 」で「 除外 」できないように、「 除外は正当で、詳細な理由が必要 」となったわけなんだね。

:ところが、2000年版前の 87年版でも94年版 でも、企業側に実態のない業務については「 適用除外 」を認めていた。
  「 ときには、契約によって要求事項の一部を追加又は削除して『 修正tailoring 』することが必要なこともある 」とあった。
  この「 修正 」が 2000年版 で、ISO9001への統一のための新語「 除外 」に変わったんだね。

A氏 :そこで、「 修正 」と「 除外 」に違いがあるか、 解釈の問題 になったわけか。

2000年版 以降の 規格本文 を素直に読めば「 適用不可能 」としか書いてないから「 修正 」と「 除外 」は同じと考えられるね。

 ISO編「 中小企業のためのISO9001何をなすべきか・ISO/TC176からの助言 」の「 除外 」の解説例を読むとそれが当たっているね。
  設計以外の例として、次があげられる。
 ・測定機器を使っていないときは、 校正の要求(7.6) は「 除外 」となる。
 ・顧客支給品がないときは、 7.5.4 は「 除外 」となる。
 ・ 7.5.3 の項目中で、 トレーサビリティ が「 除外 」で、 識別 が「 除外 」できない場合がある

  別の解説に、2002年に TC176 の日本メンバー 4名 ワークショップ を開き、当時 JABのHP に載ったものがあるね。
  この ワークショップ は、 2000年版 ができ、規格の解釈上でいろいろ問題が出たので開いたものだね。
  その中で「 除外」 という新語登場でいろいろ疑問が出たことにふれ、「『 除外 』という言葉の意味を『 該当しないと宣言する 』と読み替えるようにすすめる」とあるね。
  すなわち、「 除外 」と「 該当しない 」=「 適用除外 」は同じだね。
  「 実際にその業務・機能がないのに、「 除外 」せず特にそのことにふれず、結果としてあたかもあるかのように誤認させることは問題である 」としているね。

A氏 :しかし、「 ない 」業務の「 ない」の正当性 を詳細に説明できるのかね。

:設計のない 部品メーカー は「 顧客が設計を行うから 」くらいしか書けないね。

養老孟司 氏が 「『 ある 』の証明は簡単だが『 ない 』の証明は困難だ 」と言っているね。
  この2つの証明は 対等 ではない。
筑波山麓 に「 ある虫がいる 」は、1匹で捕まえれば証明できるが、「 ある虫はいない 」は広い山麓を虱潰しに調査しないといけない。

  そういう 健全な教養 が審査員にないと「『 除外 理由 をもっと 詳細に書け 」ともめるだろうね。






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Last updated  2012.02.13 08:12:39
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