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私 ; 福岡教授 は 日本の「生活習慣病 胎児期発症起源説研究」の第一人者 で、 産婦人科医 でもあるという。
教授 は、 20年ほど前から、以前に比べて小さく生まれる赤ちゃんが多い と感じ始め、予定日近くに生まれた 赤ちゃんが2500グラム未満だったケース にも出会い、 その後の成長はどうなるのかと考え始めた という。
子育て中や子育てを終えた女性にいろいろ話を聞き、 出生体重が子育てや健康に影響していることに気づいた という。
A 氏 : 教授 は、 30年ほど前 、 英国のデビッド・バーカー が、「 出生体重が小さいと心筋梗塞リスクが高くなる 」という説を 疫学研究 に基づいて示したのを知り、 危惧していたことが正しく、重要であると確信した という。
私 : 教授 によると、 出生時の平均体重 は、 戦後の経済成長とともに増加 し、 1980年がピークで、男子3230グラム、女子3160グラム 。
しかし、 その後は減少の一途 で、 2010年には男子2980グラム、女子2910グラムと、ともに3千グラムを切った 。
注目すべきは、「 低出生体重児 」と呼ばれる、 2500グラム未満で生まれる赤ちゃんの割合が1975年以降、増加している ことで、7 5年の5・1%から、90年6・3%、00年8・6%と推移し、13年は9・6%。
先進国の中で日本は最も高く、特異だ という。
A 氏 :ふつうは 母親の体格が大きければ赤ちゃんは大きく生まれる 。
学校給食の普及 などで戦後、 女性の体格はよくなり、30代の女性の平均の身長・体重は148・7センチ、4 9・11 キロだった1947年から一貫して増え、 2013年 には 158・3センチ、53・7キロになったが、「低出生体重児」の割合が増えている 。
私 : 受精してから2週間は、遺伝子 の働きを調整するメカニズムが激しく変化する重要な時期 なのに、 若い女性に広くあるやせ願望 があり、 やせた方々は受精した時点で、必ずしも栄養状態がよくないという背景 があり、 必要以上にやせることは、人間にとって最大のストレスといえる という。
妊娠期間を通しての栄養も不十分 と考えられ、 妊娠中もエネルギー摂取量は増えず、妊娠していないときとほとんど同じなのが日本の妊婦の特徴 で、 出産後すぐ元の体形に戻りたいという意識が強いのではないか という。
A 氏 : 低体重の赤ちゃんが生まれる要因 としては、 高齢出産や妊婦の喫煙もあり、最近は格差が広がり、栄養を考える余裕がないのではと感じることもある という。
私 :さらに、 大きな問題点 は、 小さく生まれると将来、糖尿病や高血圧などになるリスクが高くなると想定 され、これは、「 生活習慣病胎児期発症起源説 」と呼ばれるものだという。
日本でも、小さく生まれると大人になって2型糖尿病になりやすいという結果 が出てきていて、 低体重で生まれた女性は、妊娠糖尿病になりやすいという結果 も出ているという。
A 氏 ; 遺伝子の働きを調節するメカニズムを「エピジェネティクス 」と言い、 妊娠中と新生児期早期に望ましくない栄養状態によって生じた一部の「エピジェネティック変化 」が、 病気になりやすい体質を作る と考えられるという。
例えば 遺伝子が原因で発症する糖尿病は30%程度 で、残りは必ずしも 遺伝子 では説明できず、「 エピジェネティック変化」が原因 とみられるという。
私 : 母体が低栄養 状態 だと、 胎児に大きな変化 が起こり、 その一部は一生続け、これが病気になりやすい体質を作る と考えられ、しかも、 変化は3世代にわたって続く と言われ、 若い女性の栄養は特に重要 。
A 氏 : そのような体質 が作られないようにするには、 妊娠前・妊娠中に必要十分な栄養をとること 。
社会全体で栄養の重要性を知り 、 対応すれば次世代の病気のリスクは小さくなり 、次に、 小さく生まれても育て方や望ましい生活習慣を考えて対応する ことをすれば、 病気の発症リスクは下がり、健康に一生を過ごすことができる と 教授 はいう。
私 : 教授 は、 世界産婦人科機構からアジア地域の栄養問題担当者に指名 されているが、 諸外国からは日本の将来を危ぶむ声 があがっていて、 現在、「低出生体重児」は年間10%弱生まれている という。
10年で約100万人 で、 このまま続くと、生活習慣病にかかる医療費 の増大を招くことになるかもしれない し、 妊婦の栄養と「低出生体重児」の問題 は、 対応次第では、日本の国が生き残るかどうかというほどの影響がある と考えると 教授は指摘 する。
無茶なダイエットは国を滅ぼすことになる かもしれないね。
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