りゅうちゃんミストラル

りゅうちゃんミストラル

2011.04.07
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カテゴリ: 読書
ジェシカ・ウィリアムズが書いたこの本を読んだ。


世界がもし100人の村だったら 」「あの金で何が買えたか」。
そしてこの本。

世界はまだ混沌としている。
奴隷に麻薬、著しい平均年齢の差(84歳と39歳!)。

知っていることも多かったが、この本で知ったことも多い。
「イギリスのスーパーマーケットは政府より個人情報を持っている」
「ブラジルでは軍人より化粧品販売員のほうが多い」

気になったのは麻薬について。
オランダの例を挙げて規制緩和を紹介。

読者の一部は「規制緩和すれば問題解決する」と解釈しないだろうか。
この問題はデリケートだ。くれぐれも誤解のないように。

私は大麻の規制緩和には反対だ。
以下のページでそのことについては書いた。

素人が語る薬物問題

ペットボトルの処理についてもリサイクルで解決するのか。
石油製品のペットボトルを製造しないよう「量り売り」が必要だ。

性器切除や良心の囚人、HIV陽性患者。
デジタル・ディバイド(情報格差)の問題。

中絶医師を殺害して一躍ヒーローになる牧師。
宗教を背景に殺人が正当化されるとはキリストもびっくり。

中絶医、教会で殺害される

にもかかわらず、キリスト教を背景に純潔教育が蔓延っている現状。

純潔教育については、かなり前になるが記事にした。

シルバーリングで純潔を守る?

この問題、キリスト教的世界観のない日本では理解されにくい。

追記

その後、この本を読み直してみた。
拷問についてのページで、以下の質問が鋭いと感じた。

「テロの情報が事前にわかるのなら、多くの人を救うために拷問をしてもいい」
という意見について君はどう思う?
(本書から引用)

拷問はしないほうがいいに決まっている。
しかし911テロなどを知ってしまった今、私は拷問を否定できない。

「多数を救うための少数を犠牲にする」という問題。
これはハーバード大のサンデル教授が講義で使いそうだ。

そう思ったら、来日時のテレビ番組でしっかりと使っていた。

サンデル教授 日本を救う!特別講義 3/3(youtube)

番組内での例はテロではなく、北朝鮮による拉致事件について。
拉致被害者救出のため、スパイの拷問をするかどうか。
サンデル教授は「どちらも正しい」と解説。
本当は、電車の例で「目の前の人は殺せない」ということが重要。

忘れてならないのは、拷問した場合「例外の怖さ」。
一つ例外を作れば、その次に別の事例で拷問するだろう。
そうするうちに、拷問が当たり前になる。


女性器切除についても考えさせられる。

「世界にはさまざまな価値観がある、
女性器切除もひとつの伝統として認めるべきだ」と主張する人に、君ならどう反論する?
(本書から引用)

伝統がすべて許されるのであれば、黒人差別も伝統だ。
だが現代社会では差別を許さない。

伝統について、どこまで肝要になるべきか。
これを間違えると、多くの悲劇が生まれる。

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関連記事

ジェシカ・ウィリアムズ『世界を見る目が変わる50の事実』

50の項目はここで紹介されている。

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最終更新日  2011.04.16 10:14:37


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