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2026.01.24
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カテゴリ: ショート小説





私は待合室の椅子だ。

壁に背を預け、番号札の電子音を聞き続けている。
朝は緊張した背中が多く、昼には疲れた体が深く沈み、夕方になると安堵と諦めが混じった重さが降りてくる。



誰も私の顔は見ないが、誰よりも近くで呼吸を聞いている。
白衣の気配が近づくたび、座る人の太ももはこわばり、指先は膝の上で絡まる。
子どもは足をぶらぶらさせ、年配の人は静かに背を丸める。
私は同じ姿勢で受け止める。



泣き言も祈りも、すべては体温となって残り、やがて消える。
名前が呼ばれると、座っていた重さがふっと抜ける。
私は一瞬軽くなり、次の人を待つ。



空白の時間には、消毒の匂いと時計の秒針だけが通り過ぎる。
時々、戻ってきた人が私に腰を下ろす。
表情は少し変わり、肩はほどけ、呼吸は深い。
その変化が好きだ。
何も言わず、私はただ支える。



今日も番号が進む。
私はここで、静かに人の時間を預かっている。



あなたはどの椅子が好きですか?





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最終更新日  2026.01.28 23:53:51
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