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2008.04.23
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カテゴリ: 小説
ひきこもり少年が自分とトキの孤独を重ね合わせて、トキを殺して世界を変えようとする話。
トキについての知識はウェブサイトからの引用で、引用部分は小説の世界に溶け込んでいないが、それがひきこもり少年の偏屈な視野をも表しているのだろう。データとしてパソコンの画面に現れる世界のリアリティのなさや主人公の中二病具合はそこそこ表現できていると思う。
しかしそうであるがゆえにストーリーの単調さが目立つ。プロットはただトキを殺すために準備して実行に移そうとして失敗するというだけで、予想外の展開というのもない。主人公が日本のトキの絶滅に自分の孤独を重ね合わせたあげくにトキが繁殖をやりまくりなのに嫉妬するなら、自分も中国人とやりまくるという発想くらい出てきそうなものだと思うけれど、作者はそういった可能性を登場人物の視野の狭さと初恋ネタで片付けてしまう。しかもトキに関する知識のコピペが度々出てきて、ストーリーが中断されてしまうのも退屈さにつながる。
描写も外面描写しかなく、主人公への感情移入もしにくい。インターネットの軽薄さを出すためにあえて作者が淡白に描写しているということも考えられるけれど、もともと小説なんてフィクションなんだしそこまでメタフィクションを意識したらかえってつまらなくなるだけだろうし、トキという主題からもずれる。ということはただ描写に工夫がないだけのような気がする。
読者のイマジネーションを喚起させるポエジーがこの小説にはない。読み終わった後の感動も感慨もない。ウェブサイトを読み流しているような既視感があるだけで、読んでいてもわくわくしない。

★★★☆☆







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最終更新日  2008.04.23 17:07:20
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