PR
キーワードサーチ
コメント新着
景色、仏像、人物、ヒロシマ、筑豊の子供などの戦前戦後の日本を写した写真集。
私は写真や写真家にはあまり興味がなくて、旅行の記録として安いスマホのへっぽこカメラで構図も気にせずに写真を撮る程度なのだけれど、図書館でこの分厚い写真集を見つけて、分厚いので暇つぶしになるだろうと思って何気なく見てみたら、思いのほか面白かった。
私は昭和初期の風景は白黒の記録フィルムにぼんやりと残っているものだと思っていたのだけれど、写真だと傷痍軍人とか子供とかがくっきりはっきり映っているのでびっくりした。これは私が月と金星くらいしか星が見えなかったのに新しい眼鏡を作ったときに初めて夜空一面にぶわーっと星が見えたのと似たびっくり感である。あと若い頃の小林秀雄がイケメンで、三島由紀夫の眉毛がげじげじで、昭和の文士は独特の風格があってよい。眉毛はげじげじなほうが日本男児ぽくてよい。
そんで解説によると土門拳はリアリズムの写真家らしい。私が生きていなかった時代のリアルさがずしーんときて、いいなあと思ったのである。これは私が少年時代にゲームばかりやって近眼になってほとんどぼやけた風景しかみえないせいで、リアリズムの写真だと私の肉眼で見えないものがみえていっそう面白く感じるのかもしれない。
いまどきはカメラの性能がいいし画像加工ソフトもあるので、アマチュアの写真コンペとかでも風光明媚な観光地を撮ったきれいな写真は多いけれど、きれいなだけであまり印象に残らない。かたや土門の拳の写真を見ているとyouはshockな感じで視力を取り戻したくなるので、プロの写真家の写真は違うもんだなあと感心した。
★★★★★
土門拳自選作品集新装版 [ 土門拳 ]
『伊勢物語』大津有一校注 2019.01.15
中村徳三郎訳『オシァン ケルト民族の古… 2017.03.30
村上哲見『漢詩の名句・名吟』 2016.10.14