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2015年06月11日
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カテゴリ: 写真散歩
ショートショートの名手
星新一が 平成3年にまとめた
ユニークな本「夜明けあと」を
つい最近 教えてもらった。
読んで 笑った。


夜明けあと01


    ・・・
    ある日、ふと書庫にあった『新聞集成、明治編年史』という、
    大判で全十五巻のセットをのぞいた。場所をとる資料だ。
    こんなものを買っていたのだから、私の明治趣味もかなりのものだ。
    ・・・
    明治時代には、夢や、将来への期待や、面白いことが、いっぱいあった。
    それを知っていただければ、それでいいのです。

    (あとがきより)


夜明けあと02


幕末から維新のあと急激に変わる 明治末までの約50年
発行されたばかりの 日本中の新聞記事をまとめたという
『新聞集成、明治編年史』。

その中から 政治や社会情勢の新聞記事よりも
当時の世相や風俗やゴシップなどを おもに取り上げて
時代の空気を浮かび上がらせる 星新一のユーモア史観。

あまりに面白かったので
その「夜明けあと」から 孫引きになりますが
年代順に 少し紹介させていただきます。


        ↓        ↓        ↓


    料理屋の代金。不足の場合でも、客の着物を
    はぐのはやめるようにとの通達(曙) 明治九年

         *

    金沢の近郊、コレラを追い払おうと、旗、ワラ人形、笛、太鼓で
    「あっちへ行け」と行列を作って進む。その方向の住民たち、
    来るなと乱闘となる(曙)。各地で発生。 明治十二年

         *

    例年より寒さがはげしく、隅田川に厚い氷がはり、
    子供が滑って遊ぶ(曙)。明治十四年

         *

    銭湯の女湯をのぞこうとする、外人の男。巡査がつかまえた。
    ドイツ人で、名はオンナスキーだそうだ(朝野)。 明治十六年

         *

    水戸の公園に、数千本の梅を植える。名所となるか(東日)。
    明治十九年

         *

    自転車会の五人の男、神戸から五十三次を走り、五日目に東京へ(国民)。
    明治三十一年

         *

    新橋・下関に直通列車。三十七時間。 明治三十八年

         *

    東京の自動車が十六台となり、警視庁は時速十三キロ以下に制限。
    明治四十年

         *

    古本屋の主人の嘆き。十年前の学生は本を買ったが、
    いまは着るものが優先(東朝)。 明治四十五年



        ↑        ↑        ↑



夜明けあと03


星新一「夜明けあと」新潮文庫

明治という時代の
街角や路地裏へタイムスリップ
ご近所の噂話を聴いた感じで
羅列の年表には無い 空気や匂いを感じました。

歴史と言うのは こんなことの繋がりなんでしょうね。





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最終更新日  2015年06月11日 21時31分16秒
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