ヴェネチアン・グラス
「箱根ガラスの森美術館」で数々の名品を鑑賞してきました。
美しい色の変わらないガラス工芸品は大好き。
ガラスの動物、トンボ石、ビードロや切子など一時期集めたものです。
かの地では紀元前の帝政ローマ時代から吹いてガラスを成型し
1世紀頃には型に入れる技法も発達していたというのも驚きです。
水晶の様に透明に仕上げ、ダイヤモンドなどで図柄を描くこと
色ガラスや染料を用いて彩色し、エナメルなどを使う技法も発達し
高級品は王族貴族の用途として発達し続けました。
そのローマン・グラスを起源として伝えられてきたヴェネチアン・グラス
1291年にはヴェネチア共和国のムラーノ島を中心に盛んになったそうです。
現在でもイタリアにはたくさんの工房があり繊細で美しい作品の数々を作りだしています。
ガラスの森美術館には現代ガラス美術館そして名品が100点余展示されている
ヴェネチアン・グラス美術館があります。
現代ガラス工芸もモダンで素晴らしいですが
古代ヴェネチアン・グラスの豪華さ繊細さには圧倒され
その美しさ精巧さは見る人の心をつかむ魅力に溢れていました。
代表的な幾つかをご紹介します。
「点彩花文蓋付ゴブレット」
1500年頃の作でイタリア貴族からロスチャイルド家に伝わった物
紺地にエナメル顔料で点採文様が施され
金泥で背面を被いなんとも言えない豪華さがあります。
これを手に持ち飲交わしていた様を想像するとため息が出るようです。
「レース・グラス蓋付ゴブレット」
ヴェネチア特産のレースをグラスの文様にできないかと考案された技法
ガラスの中にレース文様を封じ込める秘法を生み出したのはムラーノ島の職人たち
このゴブレットは15世紀の作です。
「ダイヤモンドポイント彫りコンポート」
16世紀初め創始されたダイヤモンド・ポイント彫
ダイヤモンドの尖端を使い透明なガラスに繊細なデザインや
家紋、文字などを彫刻する技法
ヴァンジェリスティ家紋章文コンポートが有名です。
「花装飾壁面照明鏡」一対の一つ
18世紀以降にはフレームにガラス装飾を施した鏡が作られました。
こちらはガラスの花装飾と縁どりにガラスの葉飾りをあしらった物
ルネサンス頃はヴェネチア鏡とも呼ばれた最も高価な調度品
宮殿や貴族の家には富と権威の象徴として、意匠を凝らした鏡が飾られたのだそうです。
シャンデリアも豪華、その光を受け優しく明りを室内に反射する鏡に姿を映し
夢の中へ入っていった婦人達も多かった事でしょう。
「赤色の燭台」
赤はムラーノ島のサルヴィァーティ工房の職人が愛した色
ピンクがかった赤色は金を溶かした着色料で出され
ステムの装飾はドルフィンを模った物が有名です。
半透明のオパリンガラス
ガラス原料に金属を混ぜ作った半透明のオパリーヌ(オパリンガラス)は
16~17世紀のヴェネチアの瓶にその試みが見いだせるといいます。
他にも沢山ガラス工芸品が展示されていました。


こんな変わった物も
「風にそよぐグラス」と名付けられている19世紀のものです。
歴史や細部の装飾や技法を知るには時間が足りませんでしたが
眺めているだけでローマやルネッサンス時代に心は飛び
当時の王侯貴族の生活を想いひと時をすごしました。
出口には現代ガラス工芸の作品の展示が
外にはクリスタルの輝きを放っているツリーが見えます。
クリスマスの頃にディナーを楽しみに来ようかしら。
ライトアップされたクリスタルツリーや回廊の輝きを見ながら
カンツォーネを聞きディナーを楽しめたらきっとステキでしょうから。
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ナソン&モレッティは1925年にムラーノ島に創設された由緒ある工房だそうです。
一点一点手作りの一品物。眺めていたらほしくなりました。
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