MATRIX7

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2010.06.16
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カテゴリ: モータースポーツ
 F1マシンの排気システムは上方に排気される方式が使われている。高熱の排気をどう処理するかは、エンジニアを悩ませる種になる。レッドブルがこの常識に挑戦して、下方から排気ガスを排出していることが知られている。空力的に効果があるとされているが、排気ガスの排出口の位置を変化させるのは難しい。高熱のガスが通る部分を耐熱仕様にしなくてはならない。さらに、後方の空力設計が変化するので、システムを変更するのは勇気が必要になる。
 フェラーリは研究開発の上でメリットを認め、下方排気システムを採用することにしたらしい。来年度のマシン設計を行う上で、新システムが効果的であるかを確かめねばならない。実戦に投入して効果があれば来年度のマシンに採用する。効果がなければ捨てるという考えだろう。どちらに転ぶかはレースで使ってみないとはっきりしない。
 レッドブルの優位を各チームが研究していたことは間違いない。ひとつはサスペンションシステムであり、もう一つが排気システムを考えられている。マクラーレンはすでにレッドブルに追い付いている。メルセデスは開発費用がかかりすぎるのであきらめている。フェラーリは排気システムを変更して、空力効果を確かめることになる。本当に有効な手段であるかは不透明であり、レッドブルの安定性が下方排気システムだけによるものとは考えにくい。
 序盤には、レッドブルとの間に1秒近いタイム差が生まれていたのに、マクラーレンはそん色ないタイムを刻めるようになっている。フェラーリはカナダで同等のタイムを出して見せた。細かい改良でタイム差を詰めてきたが、レッドブルを上回るには、大幅にタイムを向上させる技術を導入させる必要がある。資金力のあるフェラーリに可能な方法論であり、予算に制限のあるチームは実験をあきらめざるを得ない。搭載されるスペイン向けモデルでの効果が期待される。





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Last updated  2010.06.16 19:29:03
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