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朝暗いうちに目が覚めた。外を見ると白い雪が舞っている。雪を見るのは久しぶりなのでむやみにうれしい。夜の雪を撮影したのも初めてだった。ストロボの光に反射して、雪が輝いて見える。
2010.02.03
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現役のチャンピオンであるジェンソン・バトンが、ブラウンGPを飛び出したことにより、ドライバー市場は大混乱を極めてしまった。コバライネンはマクラーレンの指定席を失い、帰参するつもりだったライコネンをWRC陣営にに吹き飛ばした。そして、ライコネンをフェラーリから追いだしたのが、野心家のアロンソというのも因縁を感じさせる。 最終的には、バトンの穴をシューマッハが埋めることになった。この判断には賛否両論がわきあがったのに、引退していたシューマッハがロズベルグよりも速いというのはさすがというしかない。ウィリアムズ時代のロズベルグに歯が立たなかった中島が脱落したのも無理はない。そのロズベルグを寄せ付けない速さを持っているシューマッハの才能には驚かされた。 F1復帰の経緯をみると、マッサにシートを譲るために、いやいやながらF1を引退したことが理解できる。さらに、アロンソがフェラーリに参加すると、シューマッハの居場所がなくなる。フェルナンド・アロンソはアドバイザーとしてのシューマッハの干渉を認めないだろう。シューマッハはフェラーリと手を切った理由も理解できる。メルセデスがシューマッハ復帰を演出した理由は、はっきりしないけれど、バトンを上回る才能が転がってはいない。レースに勝たねばならないチャンピオンチームとしては、シューマッハという選択肢しかなかった。 フェラーリのアロンソ、マクラーレンのハミルトンとバトン、レッドブルのベッテルがシューマッハへの対抗馬になる。いずれにしても、開発が完了した2010年度型マシンが、メルセデスGPを上回るパフォーマンスを持つことが最低条件になる。マシンの性能が同等では、ミハエル・シューマッハはなかなか勝てる相手ではない。ロス・ブラウンの設計したマシンが失速するとも思えないから、そうとう厳しい勝負が待っている。
2010.02.03
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恐竜がどんな色をしていたかは、あまりわかっていない。化石の中に色素が残っていないからだろう。そのために、過去の恐竜図鑑では、爬虫類の色を当てはめて、肌を灰色やこげ茶に塗ってきた。ところが、恐竜の直接の祖先が鳥類であることが鮮明になってくると、図鑑の色も変化している。鮮やかな色彩に塗られた恐竜が登場してくる。これは鳥類の生態から学んだ知恵になる。 中国で発見された小型羽毛恐竜の色素が化石から採集されている。それは赤みが買ったオレンジという。羽根の色は生存競争に影響してくる。弱肉強食の世界をしぶとく生き残れるかどうかは、進化の過程でどのような色彩を選択したかにかかってくる。熱帯の鳥の羽根が派手で鮮やかであり、猛禽類であるタカやワシが地味な色をしているのは、偶然ではなかろう。真っ赤なタカは発見されやすく、えさを捕食できない確率が高まり、滅亡にいたる。 鳥類は驚くほど視力がすぐれている。タカは200メートルの高さからネズミの動きを監視できる視力を持つという。ズームレンズのように視野を変動できるから、逃れるのは難しい。肉食恐竜の視力も同等だったと考えられている。肉食恐竜が何100メートルも先の獲物を発見できる視力を持っているとすれば、食べられる植物食恐竜も防衛のために視力や嗅覚を発達させていく。そうしないと一族の絶滅が避けられない。 ライオンの金色や虎の縞模様は、偶然とは考えられない。肉食動物は狩りをするときに、草食動物に存在を察知されると捕食できない。そこで、森林や草原に溶け込みやすい毛の色を持つ。哺乳類は夜間生活に適応して、色彩感覚を失ってしまった。ところが、恐竜は色を見分けられ、かつ視力も高いとなれば、肉食恐竜側にも、迷彩服のような適応した色と効果を求められてくる。鮮やかなオレンジは目立ちすぎるけれど、砂漠や黄土地帯などではプラスに働くのだろう。 羽毛恐竜の尻尾が縞模様になっていることも、哺乳類と共通している。さまざまな動物の尾が縞模様になっている理由は判然としないけれど、縞模様が生存にプラスに働く理由が存在するはずである。尻尾の縞模様は何らかの信号になっていて、狼などに強襲された混乱の中でも、同族や仲間を判断する目印になるのだろう。縞々模様が恐竜にもあることがはっきりしたことは、進化の過程が一つの方向を目指すことを暗示している。恐竜の羽根の色素が残っていたことは、多くのことを考えさせてくれる動機になる。
2010.02.02
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夜の雪と朝の雪では風情が異なる。黒い空から降る雪と、朝靄に包まれた空から降る雪では印象がまるで違う。積雪自体が珍しいので、そこらを歩いて足跡を付けて降雪の瞬間を楽しむ。雪景色は確かに幻想的で、町の風景を一変させる。
2010.02.02
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新規参戦するF1チームの中で、一番の資金難に直面しているのがカンポスという。本人が財政難を告白しているのだから、その深刻さは群を抜いている。方法論は二つしかない。開幕までに不足している25億円を出してくれる有力スポンサーを見つけるか、それともカンポスF1の株式を売るしかない。開幕戦のグリッドに並ばないと、すべては水の泡になってしまうから、これからの展開が見ものになる。 カンポスは資金を節約するために、工場と開発部門の設立を見送っている。イタリアのダラーラ社にマシン開発と製作を一任している。これによって、工場を建設するなどの予算を削減できたけれど、ダラーラとコスワースへの支払いが待っている。ダラーラが投入した金額を支払わないと、F1マシンを渡してくれない。コスワースも無料でエンジンを使わしてくれるほどお人よしではないだろう。合同テストに参加するにも、F1マシンを受領しないとどうにもならない。 カンポスの年間予算は60億円程度になるといわれる。カンポスはGP2で優勝したチームを率いていた過去がある。F1チームは、GP2よりもひとけた多い資金を確保しなくては、組織が動かない。世界中を転戦するには、数十人の遠征チームを編成して、マシンやパーツをサーキットに運搬する必要がある。ところが、カンポスの金庫はすでに空になっているのに、スペインはレース途上国であり、投資家やスポンサーは限られている。 錬金術師でもない限り、不足している25億円を生み出すことは難しい。不況の最中であればなおさらだろう。不思議なのは、そんな事態になることは分かっているのに、FIAがカンポスを参戦枠に組み入れた理由になる。FIAは、4つの新参チームの中から、1つでも参戦できればそれでよしとするのだろう。カンポスが挫折しても、新たなF1チームを抜擢すればすむ。それでも、カンポスが半年間に流した汗は無駄になってしまう。とはいっても、フェラーリとマクラーレンとウィリアムズ以外のチームは歴史的に消滅していった。野心家は世界中に満ちていて、次の順番を待ちかまえている。カンポスの艱難辛苦は報われるのだろうか。
2010.02.01
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トヨタが総計500万台を超えるリコールを公表したことで、米国内は騒然としているという。世界で一番信頼性が高かったトヨタが、莫大な数のリコールを公表したのだから、自動車業界に衝撃が走るのも無理はない。リコールの理由は、トヨタバッシングの原因にもなっていたアクセルペダルの不具合現象にある。これまで、トヨタはフロアカーペットに問題があるとして交換を行ってきた。カーペットの凸凹にアクセルペダルが引っかかるという信じがたいトラブルが出ていたので、カーペットの交換によって、アクセルペダルのトラブルは消えると思われていた。しかし、ついに別の深刻な問題が発覚している。 部品メーカーCTSが設計製造したフリクションレバーの摩耗した部分に結露の水滴が付くと、アクセルペダルが戻らなくなる現象が認定されている。米国で生産されているカローラなどの量販車種に組み込まれていたので、大規模なリコールが避けられなくなった。トヨタ批判を続けてきたマスコミは、それ見たことかとバッシングに走っている。アクセルペダルが戻らなくて、クラッシュ事故を起こした家族の事件が出発点だから、厳しい論調の包囲網が敷かれている。 日本製の部品はトヨタ系列企業が製造するから、高い品質が保たれている。米国現地生産では、多くのパーツを米国企業から購入している。直接的な不具合の原因はCTSにあるのだが、マスコミはトヨタの責任と隠ぺい疑惑を追及する。この部品を組み込んだ乗用車の生産と販売を中止したことで、相当なダメージを受けることになる。トヨタはフリクションレバーの不具合を探知していなかったので、製造を停止するしか方法がない。効果的な対応策は、同系統の部品を日本工場で生産して、米国工場に空輸するしかないだろう。 トヨタ本社の動きの鈍さも気になる。この事件をアメリカ任せにせず、日本人の専門家を送って検証していたら、もっとはやくアクセルペダル自体に問題が隠されていることを突き止めていたはずである。部品メーカーはおそらく新品パーツを使って耐久テストをするはずなので、摩耗した状態で発生する現象を探知できなかったことは避けられない。CTSに設計製造を一任して、品質管理をおざなりにしたことも、トヨタらしくない。日本と米国の二重の品質管理はトラブルのもとになる。こうなると、激こうした米国の世論が沈静化するのを待つしかないけれど、納得できる説明すらできないアメリカの首脳陣を何とかしないと、事態は長引いてしまう。
2010.02.01
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雪はすべてのものを覆い隠す。アスファルトの道路さえも美しく見える。いつもは邪魔な赤信号さえも、その赤い光がたとえようもなく美しい。積もるほどの雪が降ることはめったにないから、生活への不便さを超えて、白い雪の風景が心に刻まれていく。大雪の降る雪国は大変なのだろうけれど。
2010.02.01
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新規参戦するF1チームの中で独創的な存在は、何といってもUSF1チームに尽きるだろう。まさにアメリカ人が構想するF1レーシングチームの個性を打ち出している。誕生した時点から、アメリカに本拠が存在することを誇りにしている。そのために、開発部門や工場をアメリカ本土に設置した。F1マシンは精密部品の塊であり、整備や修理に時間と手間がかかる。欧州とアジア中心に転戦するF1マシンをアメリカの工場でメンテナンスすることは難しい。ホンダが開発部門や工場を英国に設置した理由もそこにある。 アメリカに本拠を置くと、マシンの輸送費用だけでも航空会社から莫大な請求を求められる。強烈な野心を持つアメリカ人たちは、そんなことを苦にしないらしい。それよりも、アメリカ国内でF1マシンを開発生産することに大きな価値を見出している。マシンの設計も、独自性の強いものになるらしい。理由は単純で、F1開発にかかわった人間が少ないことにある。といって、英国人やドイツ人エンジニアをアメリカに引っ越しさせることは難しい。アメリカ人のエンジニアたちは、FIAの規格書を読みながら、手探りで設計を進めているという。 ドライバー選択も独自の方式をとっている。一般的には、F1経験を持つベテランを配置することが好ましい。開発上のトラブルに対応するにも、F1経験が長いほうが役に立つ。しかし、UAF1はそういう方式をバッサリ切り捨てる。新人ドライバーをコースに送り出すことを優先する。世界中に20近くあるサーキットの特色や環境などを熟知しているベテランドライバーは役に立つはずなのに、USF1はそういうベテランを排除する考えらしい。無名のドライバーのほうが忠誠心が高く、余計な口出しやアイデアを提供するベテランを嫌っている。 F1マシンには2万近いパーツが必要になる。それらの製造を請け負うメーカーは英国に多い。注文は1個だけという特殊な受注方式になるので、普通の部品メーカーは対応できない。たしかに、1個だけで採算が合うわけがなく、品質も最高のものが求められるから、まさに手作りの一品になる。そういう要求を受け入れる部品メーカーが、アメリカに存在するとも思えない。となると、部品さえも空輸する必要が出てくる。アメリカに工場を設置することは、さまざまな障害が発生する。それを覚悟の上でF1チームを発進させるのだから、USF1は個性の強い人間の集団だということは理解できる。はたして、どうなる事やら。
2010.01.27
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アフリカには、歴史上数多くの独裁者が生まれている。国と政府を支配するには、地位を狙うライバルを蹴散らし、命令に忠実に従う部下を持つことが絶対条件になる。反乱分子を武力で制圧する必要も出てくるから、軍部に在籍する者がクーデターで権力を握ることが多い。国内の民族や宗教による対立感情も強く、国連や国際機関は民主制度を求めてくる。経済発展のためには、海外資本を導入しなくてはならず、経済の自由化も行うことが重要になる。 社会主義政権であったギニアを自由化したのは、クーデターで政権を握ったコンテ前大統領だった。民主化と自由化は、アフリカの新しい流れになっていた。コンテは20年以上にわたって政治権力の座にあり、すべてを掌握していた。ギニアは資源大国でもあったから、海外資本もギニアに肩入れした。アルミの原料になるボーキサイトの埋蔵量は世界一であり、独占的な開発許可を得るには、権力者への接近が欠かせない。大統領の許可なくして、資源開発することは難しく、それゆえに、ギニアに賄賂政治が横行するようになった。 政治腐敗や物価上昇に抗議するゼネストが起きるほどに、ギニアの政治情勢は悪化していた。そういう混乱期に、民主主義を掲げて立ちあがったのが、カマラ大尉のグループになる。軍部がクーデターを起こすことは珍しくないが、大尉という低い地位の人間が政権を奪取することは珍しい。当然、軍上層部があっさりと下剋上を認めるわけがない。 カマラ大尉の打ち出したスローガンは、腐敗と汚職をなくすことが第一だった。さらに、ギニアに民主主義を復活するというテーマを掲げている。クーデターが民主主義を掲げることは珍しい。カマラ大尉は政府上層部を一掃するという強硬手段をとり、ギニアの富を独占していた政府高官を追放した。揺れていた軍上層部もカマラ大尉を認め始めていた。野党勢力もカマラ大尉を支持しているから、カマラ革命は成就する寸前にあった。 昨年の12月、突然にカマラ大尉は銃撃される。何と、副官が裏切ってカマラの頭部を狙撃したのである。その副官は姿を隠して、狙撃が個人的な恨みによるものなのか、それとも組織による命令なのかは判然としない。重傷に陥ったカマラ大尉は権力の座から引退を決意し、大統領選挙がおこなわれることになった。カマラ暗殺を狙っていたのは、富を奪われた政府高官グループ、下剋上を嫌っていた軍上層部、資源の国有化を恐れていた海外資本などさまざまな勢力が疑わしい。おそらく、証拠隠滅のために副官は抹殺されたのだろう。カマラ革命が挫折してみると、ギニアの未来は読めなくなった。もちろん、カマラ大尉が本当に民主主義政治を目指していたのか、権力奪取の口実にすぎないのかは、永遠の謎として残されている。
2010.01.25
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空木という樹木は、幹が空洞になっていることから呼ばれている。どうして空洞になっているかは、実のところよく分かっていない。幹の空洞のメリットは、航空機と同じように幹や枝を軽くできることに尽きる。 トンネル構造と同じで、円形形状は強度があり、強風などに耐えることができる。幹が空洞である弱点は、維管束が細くなってしまうことだろう。空木に落葉低木が多いのは、植物の成長にマイナス面があることを暗示している。
2010.01.24
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ノートパソコンが故障することは、どうやら避けられそうもない。細かい部品がぎっしりと詰め込まれている電子製品の宿命だろう。それでも、液晶交換という深刻な出来事は初めてだった。10か月という使用期間が幸いして、無償で修理してもらえたので助かった。QOSMIOはデジタル放送の受信と録画ができるから、2台目のPCとして便利この上ない。しかし、今回の液晶交換という出来事はいろいろなことを考えさせてくれる。 急成長したネットブックが、PC価格の変動を生み出したことは間違いない。実働するPCが5万円以下で大量に流通しては、日本のPCメーカーが干上がってしまう。暴風雨対策として、東芝自身もネットブックを生産し始めている。さらに、TXなどの中級PC価格も暴落している。15万円を超えていたTXは、10万円以下で買える時代になった。20万円以上していたQOSMIOも、今では12万円程度で入手できる。この激烈な価格競争に耐えるために、PCメーカーは無理なコストダウンを強いられるらしい。ノートパソコンの信頼性が低下した原因だろう。 メーカー保証は1年間限りなので、ビックカメラなどの量販店で買う時には、ポイントで延長保証を付ける習慣が生まれている。東芝には、2年間の延長保証制度もあり、購入12か月以内ならば加入できる。ネット通販でQOSMIOを購入した身としては好都合な制度だった。保証が切れたノートパソコンの修理費用は高額だから、延長保証制度はPCの必需品になってくる。 ブルーレイも必需品であることを自覚した。QOSMIOで不便なのは、東芝が反ブルーレイの首謀者だったから、QOSMIOにブルーレイが搭載されていないことに尽きる。2010年度モデルになって、ようやくブルーレイの搭載が始まっているが、これでは遅すぎる。デジタルTVはHD録画なので、DVDではデータが収まらない。大容量のハードディスクとブルーレイは、次世代高機能PCの標準規格になるだろう。TVなどの映像を扱うには、PCのスペックの進化も重要だが、周辺機器の整備が進まないと使えないPCになってしまう。ブルーレイがないPCは、HDを変換してDVDに録画するのに10時間以上もかかる。 ネットブックの激安価格に耐え、デジタルTVなどをフル完備した高性能PCをお手頃価格で製品化できるかが、日本PCメーカーの盛衰に影響を与える。海外市場では、日本製ノートパソコンの地位が危うい。台湾メーカーなどの価格攻勢で撤退を迫られているのが現実になる。東芝がブルーレイを搭載しないことは、破滅につながると考えていたが、何とか実用化にこぎつけて幸いだった。あまり取り柄のない東芝製ノートPCも、海外市場では価格競争を乗り越えつつある。それでも、暴風雨に耐えて生き残れるかは不透明になる。
2010.01.24
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プレミアリーグでは、チェルシーが2年、マンチェスターUが3年連続して優勝してきた。この間、ほかのクラブは手を出せずに圧倒されていた。ふがいないのではなく、戦力の差を黙って結果を受け入れるしかない。アーセナル全盛時代を築いたことがあるベンゲル監督が生き残っているのは、偶然というしかない。戦力強化の資金力がものをいうプレミアリーグで勝つ条件を整えることは、借金の増大を意味する。その結果、多くのクラブは海外資本の買収を受け入れる立場に立たされてしまった。 アーセナルは、スタジアム建設の数百億円を返済せねばならない。スタジアムの自力建設が要求されるプレミアの厳しさだろう。負債返済のためにアーセナルが選んだ方法は、主力選手を売却するという屈辱になる。これを継続すると戦力は低下して、トップクラブの地位を保てなくなる。勝つためには戦力を補強する必要があり、経営のためには戦力を売却する矛盾を求められる。スタジアムの建設は、アーセナルを苦境に追い込んでしまった。 ベンゲルの選択した道は、育成という単純な方法論になる。世界各地から才能のある無名選手を獲得して、育成していく。トップクラスに育てたならば、ほかのクラブに売却して移籍金を稼ぐ。高額な移籍金を支払う能力のないアーセナルとしては、ほかに選択肢がない。そして、無名の若い選手たちに課したのが、厳しいトレーニングとパスサッカー理論という画期的な戦術だった。 アデバヨルまでを放出した方針には、世論の批判が集中した。トップクラスのストライカーを放出したのでは、アーセナルが勝てなくなるという危惧があった。開幕前の予想では、アーセナルを優勝候補に挙げる人間は少なかった。無名の若い選手だけで、プレミアの戦いを勝ち抜くことなど夢物語と考えられていたからになる。チェルシーに11ポイント差をつけられた時には、誰もが終わったと感じさせられたのも当然だろう。そこから、逆転するまで這い上がってこれたのは、奇跡というしかない。 アーセナルのパスサッカー理論が流れを変えている。パスを重ねることでボールを支配し、速攻に結びつける。大胆で過激な攻撃サッカーは、ほかのクラブにはない利点を生んでいる。その分、反撃のカウンターも食らいやすく、経験不足による敗北も多い。プレミア史を変動させたのが、赤字に悩むマンチェスターUがCロナウドを売却したというのは皮肉だろう。これによって、絶対的支配力を失ったマンチェスターUに代わってアーセナルがトップに返り咲くきっかけができた。とはいっても、チェルシーやマンチェスターUの戦力は相当厚いので、簡単には優勝させてもらえないだろうが、希望が出てきた。
2010.01.23
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冬の間も少しずつ桜は成長を続ける。いつのまにか、枝の先に芽がたくさんついている。秋に枯葉を落とす時には、発芽の準備が始まっているらしい。冬の桜はゼロ成長ではなく、わずかに進んでいる。 3月に黄緑の花が咲くという御衣黄が鉢に植えてある。引越しする時に庭から掘りだして鉢植えにしてみた。黄緑の花を見てみたいという願望に負けてしまった。桜の木は思った以上に丈夫で強い。3月が待ち遠しい。
2010.01.22
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ユーロは世界最強通貨の地位を手に入れたと信じられている。ドルの地位が低落する中で、相対的にユーロの価値が上昇を続けてきた。ユーロは複数の国の共通通貨になるから、すべての国の経済が安定しているという厳しい条件が求められる。ユーロを構成する国の一つでも経済的危険水域に達すると、ユーロ全体の信用が揺らいでくる。その境界線にギリシャが立たされている。 貿易収支や財政赤字などの個々の問題は、どの国も抱えている。それでも、財政赤字の限界点や累積債務の問題は、ギリシャも厳しく監督されてきた。ところが、ギリシャは数字を改ざんして、EU諸国を欺いてきたという。ユーロ圏を拡大したいというEUの考えと、不安定な経済を持つ国を抱え込むべきではないという考えは常に対立してきた。ギリシャは、東欧諸国や旧ソ連諸国に比較すれば、優等生だから、ユーロ加盟は認められた。ところが、政府によって隠されていた債務の数字や財政赤字が公表されて、ギリシャ経済への不信感が高まっている。 EUは、ギリシャをユーロ同盟から追放するのか、それとも救済するかの選択を決めねばならない。ギリシャが独力で経済不振を克服することは難しく、景気対策のための公共投資が、さらに財政赤字を拡大させている。数年後のデフォルトは避けられないほど厳しい数字が並んでいる。解決策は大幅な政府予算の削減になるけれど、そんなことが不況の最中にできるわけがない。 ギリシャ政府に効果的な危機対応策はない。消費や投資が実体経済よりも過剰になっていたことが傷口を深くしている。大幅に財政赤字を縮小できれば、すべての問題は即座に解決する。もし、できないとユーロ圏から脱落するしかない。 英国がユーロに加盟していない理由は、さまざまな規制や制約を嫌ったからになる。ユーロの安定を第一にして、財政赤字などの条件が厳しく設定されている。金融危機の後は、欧州でも混乱状態が続いているから、1カ国が道を誤るとその影響がほかのユーロ構成国に及んでくる。失速したギリシャ経済をユーロ圏から排除して残りの国が無事に生き残るのか、それともギリシャを救済して正常な経済の姿に戻すかの分岐点が近づいている。どちらもギリシャ国民の負担が激増するから、政治的不安定が加速する。
2010.01.21
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マクラーレンのテストドライバーだったペドロ・デラロサが、ザウバーと契約を交わしたことが衝撃を与えている。今シーズンのドライバー市場は、予想外の展開が続いていて、混乱を極めている。残されている有力シートは、ルノーとザウバーの二つだった。当然ながら、シート争いは過熱している。契約の手助けになるのは、スポンサーの持ち込み資金が一番になる。支援するスポンサーがいないと、現在のF1シート争奪戦を生き残ることはできない。 ザウバーがデ・ラ・ロサを獲得した背景は相当複雑だろう。実績のあるハイドフェルドも残されているから、微妙な選択になる。しかし、デ・ラ・ロサを選んだ第一の理由が、マシン開発にあることは間違いない。現在のF1は、シーズン中のサーキット合同テストが禁止されている。冬の期間も自由なテストはできない。そこで、多くのチームはシュミレーションによって、設計の変更や足回りのセットアップを行っている。いくら優秀なマシンを開発しても、バージョンアップが遅れたり、セットアップに失敗すると戦うことは困難になる。 デ・ラ・ロサがマクラーレン開発部門のノウハウを身につけていることは間違いない。マシンの方向性や新型パーツの効果などを判定するには、欠かせない人材になる。昨シーズン、ザウバーは新型車の開発に後れを取っている。その強い反省が、デ・ラ・ロサとの契約に見えている。風洞とシュミレーション技術がF1マシンの性能を左右するならば、それを熟知している人間をスカウトするのは不思議ではない。新人で経験不足の小林の弱点を補うにも、最適の人材だろう。 とはいっても、F1は勝負の世界だから、数字を残さないと幸運は続かない。レースシーズンが始まれば、ライバルよりも1ポイントでも多くポイントを獲得するように全力を挙げるしかない。小林にとっても、長いF1経験を持つデ・ラ・ロサの加入は、大きなプラスになる。日本でチャンピオンになったことのあるデ・ラ・ロサは、遅いドライバーではない。これで、有力チームに残っている正式シートは、ルノーの一つだけになっている。最後のシートを手にすることができるのは、誰になるだろうか。
2010.01.21
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冬の桜は寒々としている。すべての葉を落として、休眠状態にある。これは気候の変動を生き延びる方法だろう。葉を落として枝だけになれば、エネルギーの損失を抑えられる。春になるとゼロからやり直しになるけれど、生き延びられる。 常緑樹は冬の間も光合成をおこなうことができるので有利な立場にあるといっても、雪や氷に閉ざされると滅亡にいたる。冬をどうやってやり過ごすかが、植物の勢力図を変動させてきた。耐えずにやり過ごすことも賢い方法論になる。
2010.01.20
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グアテマラのローゼンバーグ弁護士暗殺事件ほど、中米の政治事情を物語るものはないだろう。暗殺された弁護士は、事件の3日前に自らの映像を録画していた。そのビデオの中で、自分が殺される危険があることを語り、暗殺を企てているのがコロン大統領であると語っていたから、事件が起こると大騒動が始まった。ビデオ映像が公開されたことで、抗議のデモが大統領官邸に押し寄せた。コロン大統領が無罪を訴えても、マスコミは大統領陰謀説を書き立て、大統領が暗殺に絡んでいるのは動かしがたい事実と断定を下されていた。 グアテマラは30年以上も内戦が続いてきたから、暗殺や政治的テロは珍しくない。さらに、暗殺事件のほとんどが解明されずに終わっている。警察の捜査能力も不足しているので、弁護士暗殺事件は真相が究明できないことを予感させた。そこで、弁護士暗殺事件の調査に国連機関が乗り出し、FBIなどの捜査官300人がグアテマラに乗り込んで捜査に取り組んでいた。ようやく全容が明るみになると、なんと事件は弁護士本人の自作自演だったと断定された。 暗殺事件の主な関係者は、弁護士周辺の人物と指摘されている。製薬会社を経営するいとこの兄弟が、プロの殺し屋を複数雇っていた。弁護士暗殺を殺し屋に指示したのは、本人からの依頼だったと判明している。殺し屋は自転車に乗っていた弁護士を背後から銃撃して殺害した。事件の背景を知っているいとこの兄弟は、国外に脱出して行方が知れないという。暗殺を実行したと考えられる容疑者も拘束されている。 国連の関与した捜査によって、弁護士暗殺事件は大統領が関与したものではなく、政権の転覆を狙った勢力による政治的な陰謀と思われている。コロン大統領は左派であり、支持基盤はインディオなどの貧しい層になる。民主化は貧しい人々に政治の主導権を与える。コロン大統領の行動を危険視するグループが起こした陰謀であることは間違いない。 グアテマラは二つの階層に分かれている。古くからアメリカ大陸にすむインディオの先住民系統と植民地支配によって移住したスペイン人たちの子孫になる。人口比は半々といわれているが、経済や文化を事実上握っているのは、都市に住むスペイン系の裕福な人々になる。マスコミが大統領を厳しく批判したのも、二つの階層を考えると自然な動きになる。自作自演説が立証されたことで、大統領の疑いは晴れた。しかし、これで政治的な陰謀事件が終わるわけではない。中米には危ない国が多すぎる。
2010.01.20
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F1レースにとって、エンジンの重要性は低下している。メルセデスエンジンが有利といわれていても、どれだけのメリットがあるかを計測することは難しい。ほとんど開発が許されていないエンジンでも、わずかな進化を重ねることでパフォーマンスの違いを生み出している。それでも、エンジンメーカーを変更することによって、どれだけのメリットがあるかを計算することは難しい。エンジンパワーそのものに大きな差がないからだろう。 レッドブルのニューイは、昨年度の敗因をルノー・エンジンにあると考えているらしい。ブラウンGPとのラップタイムの差をルノーエンジンの性能に帰していた。そこで、メルセデスとエンジン契約することを狙っていたが、果たせなかった。ニューイはブラウンとマクラーレンが妨害工作をしたと話している。それでも、エンジン開発競争に巨額の費用をかけていた時代と異なり、メルセデスエンジンを使えないからといって、レースに敗北する要因にはならない。 エンジン開発を封印して、性能差を消滅させたFIAの陰謀は、その意味で成功している。どこのメーカーのエンジンも同等の性能ならば、価格が安いほうが選択される。トロ・ロッソはフェラーリエンジンを搭載してきたから、ニューイだって、フェラーリエンジンの性能は熟知している。もし、フェラーリの性能が優勢と判断すれば、レッドブルとトロ・ロッソのエンジンを交換すればよい。そういう流れにならないことは、エンジンによってパフォーマンスの違いが出ないことを示している。 組織力でマシン開発を行っているフェラーリとマクラーレンに比較すると、ロス・ブラウンとニューイは個人の能力を生かしてマシン設計にあたっている。二人はフェラーリとマクラーレン出身だから、マシン開発のノウハウを熟知している。こういう人間が開発に携わると、戦闘力のあるF1マシンが誕生することを示した。不況の中で多くのワークスチームが解体されて、多数のエンジニアが流出している。それらの人材は弱小チームに流れていく。つまり、今年も接近戦が続く展開になることを暗示している。
2010.01.18
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黒いビニールからシンビジウムの根を取り出すと、それはきしめんにそっくりな姿をしている。普通の植物の根とはまったく異なる姿をしている。うどんがとぐろを巻くような感じで樹上生活を送っているらしい。 蘭の仲間は植物の中では遅い登場になる。すでに多くの地面はライバルの植物におおわれていて繁殖することができない。そこで、蘭は樹上生活に活路を見出し、それゆえに風雨に吹き飛ばされない工夫が根に必要になってきた。
2010.01.17
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国際レースを継続することは難しい。経済的に成功したレースは、F1程度だろう。多くの主催者団体は赤字に悩み、借金を重ねて倒産に追い込まれていく。A1グランプリが4年間継続したことを称えるべきかもしれない。オーストラリアの開幕戦を中止してから、どうやら主催者団体は逃亡しているらしい。世界中から集まる予定だったチームやドライバーは、途方に暮れている。 ドバイの皇太子が、レースのワールドカップを設立するという構想段階でとどめておくべきだったろう。実際に国際レースが開始されると、大量にあった資金が煙のように消えていく。マシンの価格とドライバーの給与は安いとしても、世界各国に運搬する輸送費やサーキットの設営費などは、F1並みの料金を要求される。チケット代ははるかに安いから、採算を合わせるのは難しい。それでも、最盛期には150カ国でTV中継されていたというから、関係者は得意満面だったろう。 A1グランプリ最大の失敗は、人気向上を狙って、フェラーリと契約したことに尽きる。マシン開発とエンジンの供給を一任したのである。フェラーリが関与することで、観客動員の増加と視聴率の向上を狙ったことは間違いない。しかし、フェラーリのマシンとエンジンを採用することは、もろ刃の剣になる。格安メーカーのマシンに比較すれば、多額の請求書を突きつけられるからになる。支払い能力があれば、フェラーリとの提携は大成功を意味するけれど、支払いが遅れると地獄が待っている。 オーストラリアでの開幕前に、深刻なトラブルが発生した。フェラーリへの入金が遅れてしまったらしい。そこで、フェラーリはA1用エンジンの出荷を拒否した。サーキットにエンジンのないA1マシンが並ぶ可能性が増大した。マシンと機材は英国の倉庫に保管されていた。ところが、FIAはA1マシンの安全性に問題があるとして、マシンの使用禁止を打ち出した。関係者が倉庫に出向くと、並んでいたマシンはすでに運び去られていたという。中国とマレーシアのレースが中止されるのも、無理はないだろう。 フェラーリは最新型のF1マシンをベースに、A1マシンを設計する手はずだった。しかし、機密情報の流出を恐れたフェラーリ側の判断で、ベースになったのは、04年度型F1マシンに格下げされてしまった。6年も前の技術では、クラッシュテストに合格できないのも当然だろう。つまり、フェラーリ設計のマシンとエンジンを使うレースという看板欲しさに主催者団体は道を誤ってしまった。2月末にレースが予定されているけれど、どういう展開になるかは、神のみぞ知る。
2010.01.17
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ハイチは、南北アメリカ大陸でもっとも貧しい国になる。そこにマグニチュード7の大地震が起きたのだから、国土は壊滅的な状況に追い込まれている。世界各地から救援隊が向かおうとしても、空港や港湾が整備されていないので、到着までに時間がかかる。多くの道路は寸断されて輸送路として使えない。輸送用のヘリコプターだけが唯一の交通手段になるが、被災者に食料や医薬品を届けるには、ヘリの数が足らない。被災した人々は300万人に達するという。 貧しさゆえに、道路などの交通網に投資が行われてこなかった状況も、事態を悪化させている。多くの人々が、建物の崩壊によって瓦礫の下に埋まっていることはわかっていても、手を打つことができない。大統領官邸が倒壊するのだから、無事な建物は少ないだろう。食料や医薬品を求める被災者の不満が高まり、商店などの略奪などが発生しているという。首都では、政府の機能が失われている。自分で食糧を確保するしか生き残る道がなく、これが略奪につながる。 ハイチは楽園というイメージが存在した。奴隷解放を世界で最初に行ったのはハイチ革命であり、植民地から独立したのも、米国に次いで2番目だった。しかし、それから200年が過ぎてみると、経済はほとんど成長していない。ハイチは自給自足の零細農家が多く、農業の国際競争力がない。そこに貿易自由化によって、安い小麦やとうもろこしが流入して、零細農家は打撃を受け、貧しさに拍車をかけた。 一日の生活費が200円程度のハイチが、経済成長を成し遂げる確率は恐ろしく低いだろう。経済成長の数字などを気にする人間は、ハイチの未来に絶望するだろうが、ハイチ人はその日を楽しく暮らすことで満足している。物質文明の対極がハイチには存在する。内戦を封じていた国連PKOが地震に巻き込まれて壊滅している。政府の無策ぶりを見ていると、内戦の火の手が再び上がることは避けられそうもない。
2010.01.16
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いつまでも花の芽が出そうにないので、植え替えをやってみた。テーブルシンビの根は小さな黒いビニールにぎっしりと詰め込まれている。それが二本黒い鉢に植えてある。 シンビは根がぎっしり詰まっていないと花を咲かせないらしい。成長の余力がなくなったことを察知して、花を咲かせるのかもしれない。成長すつに伴い、きつそうなので、蘭の土を買ってきて植え替えしてみた。
2010.01.15
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スウェーデンの自動車メーカー「サーブ」は、政府の支援の見込みが消えたことで、清算寸前にある。親会社のGMにできることは、何とか買収先を見つけることにあるけれど、世界の自動車メーカーはサーブに冷たい。世界不況の拡大とサーブの低い生産性を嫌気して、買収に乗り出すメーカーがいない。このままでは、サーブは消滅させられてしまう。GM首脳はサーブが売れるものならば売り払いたいのに、買収に手を上げる人間は資金を持っていないという。 消滅寸前のサーブに助け船を出したのが、バーニー・エクレストンとジェニイ・キャピタルという話に驚かされる。すでに、財務調査に入っているというが、どう計算してもサーブが黒字になる確率は低い。リスクが高いほど利益が大きいというのが投資の世界だから、サーブが再建できる可能性がゼロなわけではないけれど、黒字化が可能ならば、とっくにメーカーが乗り出しているはずである。 サーブが自動車生産を続けていくには、多くの難問が山積している。乗用車の生産を再開するには、工場の従業員を集め、生産設備を稼働させる必要がある。部品企業に数万のパーツを発注して、工場に納品してもらわないと、生産ラインで車が完成しない。サーブの信用力が低下しているから、部品納入には現金取引を要求される。ここでも資金力が求められる。 乗用車が生産できたとしても、サーブの販売網を再構築しないと車を売ることができない。点検や補修サービスも復活させないと、サーブを買う人が出てこない。自動車メーカーが一度破たんすると、それを再建するには、多大な困難をくぐりぬける必要がある。スウェーデン政府さえもさじを投げた中で、どうやって資金を確保するかが課題になってくる。 買収に名乗りを上げている人間は、複数存在するという。しかし、ほとんどは転売目的のハイエナファンドなので、サーブを再建できる候補者は、事実上エクレストンしかいない。再建途中で資金が途絶えたら一巻の終わりだから、数百億円を湯水のようにつぎ込める資金力が求められる。工場設備などを清算してしまうと、それを復活させることは難しい。そこで、GM本社はエクレストンの資金力を期待しているわけだが、買収がうまくいくかは不透明のままになる。
2010.01.14
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プレイボーイ誌のモデルであるポーラ・スラデューフスキー嬢が、マイアミのごみ箱から焼殺遺体で発見されたことが衝撃を呼んでいる。休暇のために、一緒にマイアミに来ていた男性が容疑者として事情聴取されている。二人は、夜明け前の午前7時ころ、ナイトクラブで大喧嘩していたところを目撃されている。その後、ポーラさんは行方が分からなくなった。 ポーラさんの遺体がごみ箱で焼却されていたことは、証拠隠滅を図ったことは間違いない。大型のごみ箱の中で焼かれたので、遺留品などは残っていない。事件が単なる殺人事件というよりも、周到に計画された抹殺を予感させるので、現地のマスコミも騒いでいる。科学捜査を妨害するには、完全に焼きつくすことが有力な手段になる。どこで殺されたのか、どのように殺されたのかが全く分からないと、警察も捜査の進めようがない。 容疑者の男性が殺して、遺体をごみ箱に捨て、ガソリンなどをかけて焼却したというのが有力なシナリオになる。しかし、ナイトクラブで喧嘩別れしたことも確かなので、人目に付く街中で殺して焼却したというのは、不自然な点が多い。歩いていたところを第三者に襲われて、衝動的に殺された可能性もある。それでも、殺人犯の用意周到な殺害方法を計算に入れると、ポーラさんは何かの事件に巻き込まれていて、抹殺された可能性も出てくる。偶発的な事件か、それとも計画的な犯罪なのかを立証するには、証拠があまりにも不足している。 ポーラさんがプレイメイトということも、殺人事件に深くつながっている可能性がある。プレイメイトクラスのモデルになると、普通の男よりも何倍もの収入があり、男性関係も複雑になる。超一級の美人ならば、嫉妬や三角関係などの要素も出てくる。マイアミはNYやLAと並ぶ犯罪都市なので、捜査する範囲や時間が限定されてしまい、徹底的な捜査は難しい。マイアミは全米一の保養都市であり、マフィアや犯罪の地下組織の勢力も強い。プレイメイト殺人事件の捜査は難航するだろう。
2010.01.13
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テーブルシンビは小型のシンビジュウムを呼ぶ。大きすぎて取り扱いにくいシンビに比較すると、すっと小型で室内の飾りになる。花屋さんでは、テーブルシンビが咲いている状態で販売している。 花後は観葉植物としてそだてるしかないが、葉の形も流れるように美しいので、育てる価値はある。ただし、テーブルシンビを購入後に花を咲かせることは難しいとされる。咲く気配すら漂っていない。
2010.01.12
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相撲協会の理事に貴乃花が立候補を表明して、二所ノ関一門が揺れているという。改革を目指す貴乃花にとって、なにも発言できない立場はつらい。発言権を高めるには、協会の理事になることが手っ取り早い。しかし、古い組織である相撲協会には、派閥と慣習が存在していて、新参者の生意気な発言を排除する。貴乃花の発言を封じるには、理事に就任させないことが賢い。そこで、一門の会議が開かれて、どうやら貴乃花に理事選立候補の辞退を求めたらしい。 門閥のはびこる組織が圧力をかけると、ほとんどのものは抵抗できない。多くの立候補予定者が過去につぶされてきたのだろう。二所ノ関一門からは、すでに立候補予定者が決まっている。建前は自由投票なのに、一門の有力者によって内定された立候補者に投票を強制されてしまう。一門に反抗すると、破門などの制裁を受ける。過去にも、破門されて無所属になった親方もいるというので、貴乃花のうごきが世論の関心の的になってきた。 貴乃花が数年間待てば、一門の推薦を受けて、理事に立候補できるという。確実に当選できるけれど、貴乃花の改革はとん挫する。貴乃花の立候補には、現在の相撲協会の体質を批判する勢力が見え隠れする。現在のシステムでは、どういう方向に進んでいくかは理事長の判断で決まる。ほかの親方たちは、同意するだけの存在になっている。貴乃花が理事長に出世するには、何十年という歳月がかかるから、それまで待っていられないという危機感を抱いているらしい。 貴乃花は、具体的な改革案を提示しているのではない。相撲界は、身分による待遇の差が大きい。十両に昇進しないと無給の身の上が続く。部屋に住みこんで稽古を続け、じっと出世を待つしかない。厳しいけいこと薄給に耐えられる日本人は少なくなった。モンゴルや東欧の力士が強くなるのも、苦しさに耐えることが普通の生き方だからだろう。贅沢になった日本人には、相撲部屋の生活はきつく、多くの人間が途中で飛び出していくのも無理はない。それを力で止めようとして、暴力事件なども起きる。 貴乃花部屋は、閑散としている。かつての二子部屋や藤島部屋の繁栄が懐かしいほど衰退している。貴乃花が親方として、無能呼ばわりされる理由になる。多くの幕内力士を輩出していれば、それなりに存在感が出てくるのだが、十両すらも育てられないとなると、周囲の目は厳しくなる。弟子を育ててから、一人前のことを発言せよという批判が起きるのももっともだろう。しかし、その日は永遠に来ない可能性が高い。だから、いま発言権を求めて、理事に立候補する意味が出てくる。集中砲火を浴びる覚悟で出馬するということは勇気がいる。そのことが珍しがられること自体、不自然な話なのだけど。
2010.01.12
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ドバイ・ショックは、全世界の金融機関に衝撃を与えた。借金で投資を行い、経済成長の動力源にするという発想が危険を含んでいる。それを事前に察知していた日本人は、ドバイ危機からの影響をあまり受けずに済んでいる。その例外が、ドバイ・メトロ計画になる。ドバイの人口は200万人程度に過ぎず、この都市に大規模な無人メトロ鉄道の建設を行うという計画そのものが無謀に見える。さらに、この計画を受注したのが用心深い日系企業グループというから、二重の驚きになる。案の定、ドバイ側の支払いが数千億円も滞ってしまった。 世界一の高層建築物ブルジェ・ドバイの工事費でも、2000億円程度にしかならない。ところが、初期の予定3000億円で始められたドバイ・メトロは、総額1兆円を突破すると見られている。その差額をだれが負担するかが最大の難問になってきた。中東において、3000億円で発注した建設費に1兆円を請求されたならば、まず全額が支払われることはない。契約の3000億円は支払われるはずだが、残りの数千億円をだれが負担するかの長い交渉が待っている。 鉄道建設工事は借金で行い、運賃で返済していくという方式が取られる。それでも、乗客予想の見込みが外れることが多く、鉄道会社は赤字に悩まされる。建設に関しては、政府が金融機関から資金を借りて、工事請負企業に支払えば終わりになる。鉄道運営にあたり、赤字が発生しても、建設業者が犠牲になることはあまりない。ドバイとの受注契約では、日本側が運行にまで関与することになっているから、これは火種が残る。 ドバイのGNPは4兆円程度にしかならない。どう逆立ちしても、メトロ建設の1兆円を支払うことは不可能に思える。また、メトロ鉄道網が完成しても、それを利用する人口がどれくらいかも読めない。豪華なショッピングセンターを結ぶ路線なので、世界の観光客狙いだというけれど、世界不況で旅行客は減少している。ドバイ市の予算も年額600億円程度だというから、支払い能力がない。頼みの綱は、やはり石油資産を持つアブダビになる。日本は大量の原油を購入しているのだから、アブダビ側が気を利かして建設費全額を支払ってくれる可能性も残っているけれど、先は読めない。
2010.01.11
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ツツジは日本の風土に最も適応した一族だろう。丈夫であり、寒さや暑さに強く、種族によって様々な姿かたちを見せる。公園などに職種されているのは常緑が多い。 ドウダンツツジのように落葉樹もあれば、レンゲツツジのように紅葉が鮮やかな種もある。冬枯れした景色の中で、ツツジの紅葉を眺めるのは心地よい。公園などに植樹されるツツジは増えるばかりなのに、自然種の減少が気にかかる。
2010.01.09
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アフリカ選手権のトーゴ代表を乗せたバスが、ガビンダの国境を越えた地域で、武装ゲリラの襲撃を受けて運転手が即死した。トーゴ代表の選手2人も負傷している。ゲリラ側との銃撃戦は15分間続き、アデバヨルなどの選手たちは、バスの床に伏せるしかなかったという。トーゴ代表のバスを襲ったのは、ガビンダ独立を目指す民族グループFLECーFACと考えられている。 コンゴ川周辺地域は、植民地時代のフランスとポルトガルの勢力争いの場になった。アフリカの植民地支配は、大河を制することから始まる。奴隷貿易を行うためにも、大西洋に面する港の制圧が重要であり、アフリカ大陸奥地に進出するには河川を制圧して、船による運送手段を確保することが求められた。コンゴ川流域の植民地争いによって、この地域の国境線は何度も書き換えられいる。ガビンダはアンゴラの飛び地として取り残されてしまった。 アンゴラ独立後も、民族紛争と東西対立と石油利権などによって、アンゴラ内戦が続いてきた。アメリカとソ連の対立により、キューバ兵がアフリカに上陸して内戦を戦った時代もある。犠牲者は300万人を超えるといわれるほどの激戦が続いた。南部のダイヤモンド鉱山を支配するUNITAは、ザイールなどの支援を受けて、反政府運動を続けてきた。血のダイヤモンドと呼ばれる商品が流通した時代になる。国連の調停によってアンゴラの内戦が収まると、次はガビンダの独立戦争が始まった。 ガビンダはアフリカ有数の石油産出地帯であり、アンゴラ唯一の外貨獲得手段になる。それゆえに、アンゴラ政府は武力でガビンダ独立運動を抑え込んできた。しかし、石油の利益がアンゴラ本国に独占されると、産油地であるガビンダ側に不満が高まる。独立すれば、すべての権益を手にできるとそそのかす勢力も出てくる。権益を失うことを恐れたアンゴラ政府は、あらゆる手段をとってガビンダ独立運動を抑え込んできたが、紛争の火種は今も残っている。アフリカ選手権の国際試合を行う選手を襲撃するという状況が、混迷するアフリカの現実を象徴している。
2010.01.09
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ジェームス・ボンドのボリビアを舞台にした「慰めの報酬」において、水資源がテーマになっていた。これはアクション映画特有の虚構だと思い込んでいた。水道事業が儲かるわけはなく、どこの国も採算ぎりぎりで運用しているからになる。しかし、ボリビア史の「コチャバンバ水紛争」を発見して、あのボンド・ストーリーは、この水紛争をネタにしているらしいことが理解できた。さらに、世界銀行が1枚噛んでいるというのも、国際情勢の暗黒面を暗示している。 ボリビアは南米で最も貧しい国家になる。過去の戦争によって、海岸地域を失い、内陸国として存在している。貿易を行うにも、一度外国の港に出ないと輸出入ができない不都合がある。天然資源には恵まれていても、ボリビアには投資する資金がないので、多くの資源が放置されままになっている。天然資源の開発許可などは、政府高官による露骨な賄賂が求められ、外国企業が横取りすることが多い。天然ガスなどの資源を輸出しても、ボリビアに外貨が落ちず、海外に流れていく現実があった。 経済危機に直面したボリビアに、世界銀行は融資の条件として、公共事業の民営化を命じている。その一つが水道事業になる。入札でコチャバンバの水道権益を入手したイギリス企業は、水道料金の値上げを企み、反対派による騒動が持ち上がった。ボリビア政府は戒厳令を宣告して、反対派の武力鎮圧に乗り出す。民衆はデモやストライキで戦った。ボリビア国民の貧しさを無視して、とても払えないような水道料金を設定したことが騒動の元になった。 飲料水がなくては、日常生活を送ることができないという仕組みを国際企業が利用して、そこから利益を吸い上げるという民営化論は、貧しいボリビアにはふさわしくない。死傷者まで出た「コチャバンバ水紛争」は、英国企業の撤退宣言で終息する。値段が高すぎで飲めない水道事業などを民営化しても無駄だろう。途上国の実情を知らず、民営化すれば赤字が減り、国家財政が正常化するというのは、机上の空論にすぎない。「慰めの報酬」の上映時間が短い理由は、おそらく政治的圧力によって、数多くの場面が削られたことを意味している。こんな深刻なテーマを007が扱うとは、面白い時代になってきた。
2010.01.08
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紅梅の花が1輪咲いていた。枝にあるつぼみも開きそうな勢いを持っている。寒波の中で、けなげに咲く梅が風に揺れている。 梅の早咲きの理由は、フロリゲンとよばれるホルモンに関係している。ホルモンの量が多いほど開花が早い。梅の開花の時期は、気温などの周辺環境や品種によって変動するので、人間は黙ってみているしかない。
2010.01.08
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宝くじに当選した人間が行方不明になる事件がフロリダ州で起きている。資産のすべてが一人の女性の名義に書き換えられているとすれば、この女性が疑われるのも当然だろう。1億円で購入した邸宅も、女性名義になっているという。しかし、殺人の痕跡がないことが捜査を難しくしている。血痕などの物的証拠を捜査したはずなのに、どうやら探知することができなかったらしい。 宝くじに当選したエイブラハム・シェイクスピアは、数ヶ月前から消息を絶っていた。容疑者の女性が本人の携帯電話を使って、多くの人にシャイクスピア名義のメールを送り、生きているかのように偽装工作を行っている。つまり、この女性が宝くじ当選者の行方不明にかかわっていることは間違いないのに、シェイクスピア本人が無事でいるのか、あるいは殺害されているのかさえもはっきりしない。 自宅などで殺されて埋められたとすれば、血痕などの物的証拠が家宅捜査で発見できるはずである。もし、ほかの場所で殺されて、地中に埋められたりすると発見するのは難しくなる。フロリダには、肉食のワニの住む沼や海岸があるので、殺された後に遺体が捨てられたとすると物証が残りにくい。 すべての状況証拠は、女性の関与を暗示しているが、遺体が出てこないと殺人罪が成立しない。疑わしいだけでは、逮捕も、起訴もできない。シェイクスピアの母親にプレゼントするなどの偽装工作を行っているので、取り調べも厳しく行われているはずなのに、捜査班は手掛かりをつかめない。 30億円の資産目当てとすれば、プロに依頼してシェイクスピアを殺した可能性も残る。米国では、危険な殺人を自分で実行する必要はなく、プロを雇えば証拠が残るようなへまをしない。もし、自分で手を汚していないとすると、アリバイ工作もでき、嘘発見器などもすり抜けられる。 これだけの状況証拠があっても、直接的な殺人を物語る遺留品などがないと、容疑者を逮捕できない。取調官の尋問に、この女性は何も語らなくなっているというから、映画に出てくるような悪女役を演じているつもりだろう。マイアミの捜査官の腕と能力を問われているのだが、事件を解決するには、女を自白に追い込めるかにかかってくるから、解決はそれほど簡単ではない。
2010.01.08
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パリの大審院は、FIAがフラビオ・ブリアトーレに課した制裁を厳しい姿勢で退けた。裁判官はFIAが第三者に対し、このような裁きを行う権限を有していないと断定している。モータースポーツ評議会が、ブリアトーレとシモンズの二人に課した罰金と処分を無効であると裁定した。モータースポーツ評議会で行われた判決が、きわめて政治的なものであったことは否めない。ブリアトーレは評議会に出席してさえもいないし、審理の場で反論する機会も与えられていない。近代法の下では、このような裁判を認める判事は少ないだろう。 もちろん、ブリアトーレが行った行為が合法というのではない。クラッシュ疑惑事件に対する判決は、ライセンス所持者やFIAの管理下にある者に対して行われるべきであり、FIAの管轄外の人間に対する裁定が無効であると判断している。モータースポーツ評議会の審理については、事件の証拠などを綿密に調査しておらず、一方的にブリアトーレとシモンズを断罪したと批判している。 FIAは、違法行為を行ったドライバーやチームに対して裁定を下すことはできるが、第3者を断罪することは、国際スポーツ団体の枠を超えていると大審院は考えている。FIAが処分できる範囲を厳格にとらえているらしい。もちろん、実行犯であるピケ・ジュニアが実質無罪、ルノーチームは2年間の執行猶予の判決なのに、ブリアトーレは永久追放、シモンズは5年間の追放などは、法の下の平等を逸脱していると考えていることは間違いない。 独立したスポーツ団体が、独自の規則や判断で裁定を下すことは、違法ではない。しかし、裁判の審理や手続きは、法の論理に沿ったものでなくてはならない。欠席裁判がなされたことは疑いなく、被告の反論も許されなかったことが不当だと裁判官は判断している。証拠の認定も不十分であり、ピケ・ジュニアなどの一方的な証言を有罪の根拠にしている。このような裁判システムは、フランスのような法治国家で認められることはありえない。モータースポーツ評議会の審理がわずか一日で終わるというのも、手続き上の不備になる。 FIAは上級裁判所に控訴するだろうが、フランスの裁判所が独裁国家のような判決を認める可能性は低いだろう。つまり、罰するならば実行犯のドライバーやルノーチームそのものを断罪すべきであり、FIAの管轄外にあるブリアトーレやシモンズを裁くことはできないと考えている。道徳的には、ブリアトーレとシモンズは許されないけれど、二人に対する処分はF1チーム内部で行うべきと考えていることになる。ルノーが解雇したことで二人への制裁は終わっており、その枠を超えて、FIAが制裁を科すことはできないとしている。法律論は難しい。
2010.01.06
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しだれ桜やしだれ梅は、花の咲く季節と緑の季節には情緒にあふれている。やわらかくて、なめらかな印象を与えてくれる。ところが、冬のしだれは骸骨のように見えて怖い。 しだれが美しく見えるのは、植木職人の絶妙な技によっている。枝を放置しておくと、なめらかな曲線を描くことはなく、成長した樹木の姿を脳裏に描いて、枝を矯正していくという。あの美しい枝ぶりは、人工美の極致なのである。
2010.01.05
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シューマッハの復活劇は日本人に違和感がある。ドイツ人のように歓喜することはできないし、イタリア人のように裏切り者呼ばわりすることもできない。過去の経緯をみると、シューマッハの引退が自発的なものでなかったことが理解できる。そのシューマッハの心情を理解できるロス・ブラウンだからこそ、復活を受け入れることができたといえる。 シューマッハの復活は、ジェンソン・バトンのマクラーレン移籍に起因している。ブラウンはバトンの後釜をなかなか発見することができなかった。そこで、ブラウンGPを買収したドイツ人たちが復活に動き出した。ドイツ人たちの思い入れやイタリア人たちの心情を理解することは難しい。この復活劇に、犠牲や批判が付きまとうことは避けられず、様々な波紋を投げかけていくことは間違いない。ダイムラー本社内からも、メルセデスGPに対する批判が起き始めている。 今季の移籍劇の特色は、チーム側とドライバー側の双方が自分の意志を貫いたことにある。これまでのような温情主義や過去の怨念を捨てて、欲しいシートと欲しいドライバーを遠慮せずに奪い取ったことにある。アロンソが不遇から離脱するためにフェラーリと契約すると、裏切り行為に怒ったライコネンは、フェラーリとの契約を破棄して飛び出した。しかし、ライコネンの破格契約金を払えるチームは存在せず、WRCに転籍することになる。椅子取りゲームの連続に多くのドライバーは指定席を失っている。残された有力な空席は、ザウバーとルノーの二つしかない。 チーム総数は13にまで増加したけれど、日本チームは消滅している。復活する可能性も薄い。F1はプライベートチームの時代に移行していく。トヨタにしても、ホンダにしても、現在の経営陣は利益第一主義なので、宗一郎精神は理解できないだろう。F1参戦が無駄な行為であり、浪費にすぎないと叫ぶ合理主義者がはびこる時代はむなしい。シューマッハ復活を演出する人間のいやらしさも厭なのだが、どうにもならない。
2010.01.05
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安政の大獄に連座して、不遇の身の上にあった慶喜を歴史に再登場させたのは、島津久光の推挙だった。勅使を護衛して江戸に入った久光が、どうして慶喜を政治の舞台に登場させたのかは分かっていない。薩摩藩は将軍後継争いの一橋派であり、慶喜の才を認識していたのかもしれない。いずれにしても、文久の幕政改革がなければ、歴史に埋没していたはずの慶喜が政治の表舞台に登場して、幕末史は白熱化してくる。 慶喜には、もともと政敵が多かった。譜代大名で構成される幕閣は、水戸徳川家を尊王攘夷運動の拠点であるとして、警戒していた。水戸藩の浪士たちは、大老井伊直弼を暗殺さえも実行している。その水戸からやってきて、将軍後見職に就任したのだから、江戸城で疎外されたのも無理はない。将軍周辺からは、実権を奪われることへの警戒もあったので、江戸城の執務は針のむしろだったろう。慶喜が才能を発揮できたのが、京都の地だったのは自然の道理になる。 水戸出身の慶喜は元来尊攘派であり、朝廷の下に幕府があることをわきまえていた。朝廷から評価されたのも、その一点にある。しかし、騒乱の京都に乗り込んだ慶喜を待っていたのは、倒幕を狙う過激な尊攘派だった。長州と薩摩が危険な存在であることは認識していても、薩長を威嚇できるだけの武力を幕府は保持していない。となれば、朝廷の力を借りて、長州と薩摩の勢力拡大を抑えるしかなかった。公家たちは表面上幕府に従っていても、本音では討幕を狙う薩長の考えに動かされていく。 徳川一族の中で軍略の才を持っていたのは、初代の家康と慶喜くらいしかいないのも事実だろう。将軍職は儀礼や行事が多く、政務を握っていたのは老中になる。将軍は独裁者であるよりも、人形であるほうが御しやすい。そこで、温和な家茂が後継者に選ばれたのだが、このとき慶喜が将軍に選ばれていたならば、幕末の歴史は大きく変動していたはずである。幕末の動乱において、ほとんどなすすべを知らなかった家茂を将軍に仕立て上げてしまった幕府首脳部の判断力の誤りは大きい。 慶喜の軍略を見せつけたのが禁門の変になる。八一八の政変と池田屋事件に誘発された長州は京都を囲み、京都御所に押し寄せた。そもそも、長州兵が全く抵抗を受けずに、京都近辺に布陣したというのも不可解な出来事になる。さらに、御所の戦いにおいて、敗北寸前の幕府軍を救ったのが西郷隆盛率いる薩摩軍というのも歴史の皮肉になる。 薩摩と長州が手を握れば、倒幕が可能であることを予感した坂本竜馬の才覚が歴史の流れを変えてしまう。毛利家の弱体化を狙った第一次長州征伐は、西郷隆盛の軍略で和睦に終わり、長州藩は存続することになった。薩長同盟が成立すると、幕府は軍事的に対抗できなくなる。結局、詰めの段階で慶喜は天下の形勢を見誤っている。自らの限界を察知した慶喜が、将軍職就任を拒否し続けたのは、本音だったかもしれない。 鳥羽伏見の激戦の最中に、将軍慶喜が大阪城から脱出したことで、幕府軍は総崩れを演じて終わる。慶喜が朝廷への徹底抗戦を避け、戦わずに江戸城を明け渡したことで、徳川幕府は終焉した。これも慶喜の戦略と考えると、その功績は大きい。徹底抗戦を叫ぶ武断派を抑圧して、無用な犠牲者の数を減らすことができた武将は、歴史的に見ても少ない。幕府の武断派に暗殺される覚悟がないと、なかなかこういう決断はできない。慶喜は弱腰の将軍ではなかった。
2010.01.04
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古寺の境内に紅梅の木があり、つぼみが膨らんでいる。ほかの梅よりも1カ月以上も早く開花しようとしている。 開花時期は遺伝子情報によるので、原産地は温暖な気候なのだろう。その梅の枝が挿し木などによって寒冷地帯まで広がっている。この適応力の高さが、梅の繁栄の根源にある。
2010.01.03
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日航の再建策の迷走は、法的整理を踏まえた最終判断を下す段階になっている。巨額赤字の要因は国際路線の収益悪化にあるという。3年間で日航を黒字化させるには、国際路線の切り離しなども検討されていた。再生支援機構の方針は縮小黒字化に尽きる。経営規模を小さくして、赤字の要因を一つずつ消していく。しかし、数千億円の営業赤字をどうやって消していくかの方策は見えていない。 航空業界に精通していない再生支援機構の再建案を日航首脳は強く批判している。日航を実質支配してきた国土交通省も、国際路線切り離しに批判的になっている。格安航空会社の進出によって、日航の国際路線が黒字化する見込みは薄い。再建案のどれもが、あるべき日航の姿を描き切れていない現状がある。 そこに、全日空による国際線の買収が働きかけられて驚かせた。巨額の赤字を生み出している日航の国際路線を切り離して、それを全日空が継承する案になる。この譲渡が成功すれば、日航は地獄の赤字体質から脱却できる。国際路線を扱う企業が一本化することにより、航空産業の強化も図れるというシナリオになっている。成田空港には発着枠の制限があり、どの航空会社も自由に増便はできない。その意味で、日航の国際路線を全日空が継承する価値はある。航空産業を熟知している全日空が国際線の改革を行えば、赤字削減も可能になり、公的な資金の投入も減る。双方にプラスになる未来図を描きだそうという狙いだろうが、野望も見え隠れする。 再建屋が紙の上の計算式だけを押しつけても、日航再生は難しい。運送業というものは、乗客の信頼がものをいう。日本人に親しみのある全日空に国際線を一本化したほうが効率化する。しかし、国際線の譲渡案は、日航の露骨な敗北を意味しており、小さな国内専門会社として再出発するしかなくなる。赤字削減が成功して、経営が再建できたとしても、小さな航空会社として地味に生きるしかない。これを日航経営陣や国土交通省が受け入れるかは疑わしい。 ここから、日航政治ドラマが始まることは、ほぼ間違いない。短期間の黒字化を優先すれば、法的整理しか道は残されていない。それは信用の喪失につながり、滅亡に行きつく。年間数千億円の赤字体質をそのままにして、事業が継続できるわけがない。国が資金を投入して株式を買い取り、国営化してゼロからやり直す方策もある。しかし、国土交通省の干渉があるうちは改革は進まないだろう。分割譲渡案は有力な解決策になる。それでも、国際線を全日空に譲渡し、残された国内部門を海外資本に売り渡せば、見事に日航は消滅させられる。利権が複雑にからんでいる業界で、このような解決策が受け入れられるかは神のみぞ知る。
2010.01.03
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日本の外貨準備高は1兆ドルを超えている。どうしてそんなに外貨を積み増ししたのかは不思議なのだが、もっと驚くべき事態が待っていた。中国の外貨準備が2兆ドルを超えてしまったのである。合わせて3兆ドルものドルを日中が保有していることは雲のような話になる。日本の為替管理のまずさを学んでいると思っていた中国当局が、同じように外貨の積み増しを続けていることに言葉もない。中国当局が元高を恐れてドル買い介入を続けていることは間違いなく、さらに外貨準備は増えていくだろう。考えてみれば、1兆ドルの米国債の利息だけでもすごい額になる。ほかに有効な使い道はないのだろうか。 ドル不安が将来の出来事になると仮定すれば、1兆ドルが紙くずにならないように日本政府も用心しなくてはならない。といって、米国政府の経済政策が続くとドル流出は避けられない。貿易で生まれた資金で、無限に米国債を買うというのは、血と汗で稼いだ資金を無償で米国に貢ぐことになる。収支のバランスは取れても、蓄積した米国債をどう処分するかのアイデアは浮かばない。中国人はもっと賢く外貨を運営すると考えていたのに、日本と同じ道を歩いてしまった。 アジア共通通貨が何度も提案されながら、一度として見向きもされないのは、日中の巨額外貨準備高にある。アジア共通通貨の誕生は、即ドルの暴落を意味する。ため込んでいた米国債が紙くずになる危険を避け、なおかつアジア共通通貨を生み出すことは、矛盾する行動になる。過去のドル追随政策は日本政府のだらしなさと思われていたのに、中国も同じ道を歩いているとなると、他に有効な方法がないことを暗示している。円安ドル高を祈る日本政府、公然と元高を拒否する中国政府、ドル安定を宣言しておきながら、円高や元高を画策する米国政府の思惑が一致することは、未来永劫ありえない話だろう。
2010.01.02
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冬の寒さに耐えて咲くサザンカの花は美しい。古来、日本人が山茶花を愛してきた気持ちが理解できる。寒風が吹きすさぶ中で咲く、淡い色彩の花は心を暖かくしてくれる。
2010.01.01
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徳川幕府が崩壊して、新政権が明治期に生まれたことは、歴史的な必然だったろう。しかし、歴史は紆余曲折を重ねて前に進む。倒幕の旗を掲げても、多くの大名家は幕府に従順であり、倒幕運動を発火させるきっかけさえもつかめない情勢にあった。幕府側は、京都に広がった尊王攘夷運動に対抗すべく、会津藩や新撰組などを京に送り込んでいる。その結果として、新撰組による池田屋事件が勃発し、禁門の変の契機となり、長州征伐につながっていく。池田屋事件がなければ、長州藩が決起するきっかけが起きたか分からない。勇猛果敢な長州人でさえも、討幕の兵をあげるには、追いつめられる必要があった。 同様に、薩摩藩を覚醒させたのが寺田屋事件になる。薩摩藩には、保守派と攘夷派の二つが複雑に同居していた。倒幕の思想を持つ藩士は、上層部に理解されずに孤立していた。それでも、西南雄藩の中では最大の勢力を持っていた。歴史が順調に前に進んでいけば、薩摩が倒幕の旗を掲げたことは間違いない。しかし、島津久光が薩摩の実権を握ったことで、歴史は想定外の動きを強めていく。 久光は徳川と手を握り、公武合体を目指すという考えに取りつかれていた。この時代、薩摩は倒幕の要という役割を期待されていたのに、それとは逆の行動を取り始めていた。朝廷は尊攘派の勢力下にあったために、公武合体などの妥協策を受け入れる人間は少なかった。そこで、京の尊攘派の排除と幕府の改革を断行するために、久光は1000名の武装兵を連れて上洛する。そして、寺田屋事件につながる。 寺田屋には、全国から攘夷派の志士が集まり、久光の上洛を倒幕の発火点にしようと待ち構えていた。その中心になっていたのが薩摩藩士だった。彼らは京都所司代と関白の邸宅を焼き打ちする案を寺田屋で練っていた。久光の入京と同時に騒乱が起きれば、幕府は薩摩藩を処分せざるを得なくなり、薩摩の戦いが始まる。そういう展開が予測できただけに激派は、大久保らの説得を受け付けなかった。薩摩藩の安泰を第一に考えるか、それとも討幕を第一にするかの難しい分岐点だった。 久光は説得に従わない藩士を殺戮することを命じる。暗殺部隊には、同じ攘夷思想をもつ腕利きを選抜している。久光の送り込んだ部隊が寺田屋に到着すると切りあいが始まった。命令に抵抗した者に対する処分は苛烈だった。多くは惨殺され、負傷した者も切腹させられた。説得を受け入れて降伏した藩士は、何とか生き残ることができた。護送途中に切られて川に投げ捨てられた者もいたというから、尊攘派に対する敵意を感じることができる。 この寺田屋事件を高く評価したのが朝廷になる。尊攘派のテロや脅迫に悩まされていた朝廷は、幕府改革の勅使を出すことに同意する。そして、勅使の警護役として、久光が江戸に向かうことになる。幕閣の中心は譜代大名であり、外様や大藩は政治中枢部から遠ざけられてきた。その慣例を破って、外様雄藩による合議制を目指そうと久光は考えていたらしい。久光が幕府の首脳陣として推薦したのが一橋慶喜だった。幕府中枢部からうとまれていた慶喜が政治の中心に登場する舞台が設定されていく。(続く)
2010.01.01
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イエメンで行われる予定だったサッカーの日本代表戦が開催されるかが、未定になっている。イエメンは、航空機爆破未遂事件の容疑者が訓練を受けていた地であり、米空軍の報復爆撃が開始されると予想されている。イエメン政府が米軍の作戦を受け入れるかは、いまだ不明になっている。ミサイルや爆撃機による攻撃が行われると、アルカイーダによる反撃による内乱が勃発する危険がある。アメリカ側はすでに攻撃の準備を終えたというので、中東に緊迫感が漂っている。そんな危ない場所に、サッカーの日本代表を送り込んでよいかの判断に、日本協会も迷っている。 イエメンはビンラディン一族の故郷であり、その影響力は強い。イエメン国民の支持は、政府よりもビンダディン側にあるから、厄介な問題を背負い込んだことになる。ビンラディンの排除は内戦の勃発を予感させる。イエメンは中東にありながら、石油に恵まれていない貧しい国になる。それゆえに、軍の装備や人員も不足している。到底、長期の内戦に耐えられない。また、一般国民はアメリカと果敢に戦うビンラディンの組織に同情的なので、どういう展開になるか予想がつかない。 隣国は世界で最も豊かなサウジアラビアであり、イエメンは多くの出稼ぎ労働者を送り出している。サウジアラビア人たちも、ビンラディン一族を誇りに思っているから、この地域からアルカイーダの影響力を排除することは難しい。唯一の頼みは、アメリカ軍の軍事的支援になる。しかし、イラクやアフガニスタンで見られたように、一時的な勝利を得ても、イスラム地域で米軍頼みの安定や和平を達成することは難しい。イエメン政府がアルカイーダの訓練基地を黙認してきたのは、それなりのわけがある。 サッカーの試合はスタジアムを厳重に警戒して行えば、それほどの危険はない。アルカイーダの標的はアメリカとその友軍なので、サッカー大会に手を出す可能性は低い。といっても、米軍の爆撃が開始されると、どんな危険な事態が起きるかは予測できない。いつ、どの程度の規模で爆撃を行うかも機密事項だから、日本政府も探知できない。ある程度の危険を覚悟して、イエメンに乗り込むしか方法はないけれど、その度胸が日本人にあるだろうか。
2009.12.31
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冬季の樹木は休眠状態にある。葉を落とした植物は光合成ができないから、エネルギーを節約するしかない。蓄積してある養分を少しずつ使いながら、冬の寒さに耐えていく。 太平洋岸の冬は乾燥している。日本海側には大雪が降る。それゆえに、二つの地帯の植生は異なり、環境に適応した植物だけが生き残れる。一番かしこいのは、種を播いて春を待つ1年草かな。
2009.12.30
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日本はジパングと呼ばれた時代がある。江戸期は金山開発が進み、世界有数の金保有国だったことは間違いない。奥州藤原氏の時代の砂金採掘からはじまり、戦国武将の金山開発と江戸幕府による金支配により、莫大な量の金貨が国内に蓄積されていた。東日本地域は金貨が流通していたほどである。しかし、幕末の混乱期に、蓄積した金貨は大部分海外に流出してしまい、ジパングは途絶えた。金鉱脈も江戸中期には枯渇して、現在採掘している金山は日本に一つしかない。 金鉱脈を発見するのは難しい。金の粒が目に見えるレベルの鉱脈は掘り尽くしていて、採算が合わない薄い鉱脈しか残されていない。金山といえども、鉱石1トン当たりの含有量は1グラム以下であり、ごくわずかの金を採掘するために、莫大な量の鉱石を掘らねばならない。佐渡金山が地獄のような場所だったというのも、大量の鉱石を採掘して運搬するために消耗したからになる。 金は化学反応を起こしにくく、地中に純金として存在し続ける。金を含む火成岩が風化されると、流出して砂金地帯を構成する。平安末期の奥州藤原氏の砂金の採集場所は機密事項にされていて、藤原氏が滅亡した後も産出地域は不明になっている。それほどに、金の採掘は人間の欲望と欲望との戦いになる。 南米のスリナムで起きた騒動は、その欲望の強さを物語っている。スリナムの金鉱には、多くのブラジル人が移住して採掘に当たっている。金を掘るには忍耐力と執念深さが要求される。ブラジル人たちは街を形成して集団で暮らしていた。それを対立の深まっていた現地スリナム人1000人以上がが襲ったのである。ブラジル人たちが襲われた暴動事件は、民族感情や経済格差などの様々な理由が屈折して起きた事件と考えられている。スリナム人にしてみれば、よそ者の外国人たちが金山を独占して利益を上げるのを許せなかった。 金山の仕事は苛烈な肉体労働なので、出稼ぎのブラジル人くらいしか働き手がいない。ブラジル人たちが集団で移住して町などを形成し始めると、そこに対立が生まれる。金鉱脈は数少ない外貨獲得の手段なので、政府も出稼ぎ外国人を優遇する。貧しい現地のスリナム人には金儲けを黙ってみているしかない。そして些細な喧嘩をきっかけに騒動が勃発した。スリナム人たちがブラジル人街を襲って破壊したのは、紛争の種が転がっていたからになる。鉄鉱山だったら格差を気にしない現地人も、金鉱になると憎悪が増す。解決は難しい。
2009.12.30
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イランにあるサウジ大使館に、ビンラディンの娘が保護されているという報道ほど、イスラム世界を揺るがすものはない。西欧では、ビンラディンはテロリストの親分という扱いしか受けないけれど、イスラム世界では反米の戦士という地位を得ている。サウジの国王やイランの大統領よりも支持率は高い。その戦士の娘がサウジ大使館に保護を求めたという報道は、イスラム世界に波紋を呼ぶ。 アメリカがアフガニスタン戦争を開始した時、ビンラディンの家族は国境を越えてイランに逃亡したという。ビンラディンは家族20名とともに、アフガニスタンで暮らしていた。アメリカ軍に拘束されることを逃れるには、イランとの国境を歩いて越えるしかなかった。家族の出現に驚いたのは、イラン政府だろう。まさに厄介者を抱えたジレンマに悩まされることになる。ビンラディンがテロリストでも、家族を犯罪者扱いにはできない。といって、家族の自由な行動を許すと、イランの反体制派と手を握る恐れがあった。そこで、イラン政府はビンラディンの家族を監視状態に置いたらしい。日常生活は保障するが、自由な行動は許さないという妥協策が生まれた背景だろう。 数年間も家の中に閉じ込められていては、やり切れなくなるのが人間になる。ビンダディンの娘はイランからの出国を要望したが、それにはイラン政府の許可が必要らしい。そこで、意を決してサウジ大使館に飛び込んだということになる。この動きに、イラン政府とサウジ政府は冷や汗を流したことだろう。ビンラディンの娘は、王家の姫君並みに扱う必要があり、不適切な対応をすると、イスラム世界の批判が集まってしまう。 イランは反体制派との騒動を抱えている。サウジは民主派を抑えつけねばならない。ビンラディンの家族は事実上人質扱いをされているが、危険な爆弾であることは変わらない。ビンラディンと一族とサウジ政府の首脳は微妙な糸で結ばれている。ビンラディンが反サウジ王室の声明を出したら、その先は中東地域で何が起きるかわからない。イスラム世界は地下でつながっていて、各国政府もその枠の中で政策を決定するしかない。国民の不満が高まると、弾薬庫が発火するのはどの国も同じになる。 ビンラディンはサウジ国籍を剥奪されている。しかし、家族の身分や国籍がどうなっているかは、実のところはっきりしない。イラン政府が家族を保護しながら、自由な行動を許さなかった理由は、やはり世論の方向にある。ビンラディンはサウジ出身であり、その一族は数千億円の資産を持つ富豪であることは知られている。アメリカ軍が必死に行方を追っても、ビンラディンを逮捕できないことには理由がある。各地の住民が必死にビンラディンと家族を守ってきたからだろう。ビンラディンの娘の運命を左右するのは、イランとサウジの政府であり、その先行きをイスラム教徒は厳しい目で見ている。
2009.12.28
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南天は常緑の植物なのに、冬になると紅葉する。寒さが葉の成分に影響を与えるらしい。紅葉した葉は春を過ぎると緑に戻る。 南天は縁起物として寺院に植えられている。南天の葉は防腐剤としても使えるほど強い生命力をもつ。色彩の乏しい季節には、小さな南天の存在感が映える。
2009.12.27
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バルセロナのグアルディオラ監督が、精神的な疲労のために退任するという噂が流れている。バルセロナを深く知る者でないと、バルセロナの指揮をすることは不可能だろう。すべての可能なタイトルを獲得したグアルディオラが、どれだけの精神的な疲労を積み重ねていたかを他人は知ることができない。すべてのタイトルを獲得するには、重要な試合に一つも負けられないことを意味する。その重圧が精神をおしつぶすのならば、監督を辞めることが選択肢の一つになる。退任が事実ならば惜しいけれど、満開の花はいずれ散ることになる。勝負の世界において勝ち続けるほど難しいことはなく、グアルディオラは負けることが許されないクラブの監督の生きざまを見せてくれた。未来は不透明になっている マンチェスターシティのヒューズ監督が解任されて、インテル出身のマンチーニに交代した。金満クラブ側の期待した結果を出せない監督は、辞めさせるしかないと経営陣は割り切っている。補強した戦力を生かせず、強いシティを見せることができなかったことが解任の理由だろう。この無慈悲な解任に批判が集まるのも当然になる。金満クラブの監督評価は、勝率だけに集約されてしまう。指揮官としての能力や選手からの信頼などを計算されることはない。数字だけを評価の基盤にする経営陣に、すぐれた監督が高い勝率を残すとは限らないと説得しても無駄だろう。 日本では、横浜マリノスの節操のない監督交代劇が話題になった。マリノスに期待される勝率とシーズンの実績を比較されると、マリノスの監督は無能呼ばわりをされて辞めるしかない。さすがにこれだけ交代劇が連続すると、方法論や戦術論はめちゃくちゃにならざるを得ない。煩雑な交代によって、選手たちは何をやってよいか判断できなくなっている。新監督の戦術や方法論を学習したころには、別の人間が現場にやってきて指揮を執っている。これでは、勝てる試合も勝てなくなる。なぜか、マリノスは日本人監督にこだわる。それも実績のない人間を抜擢している。日本人にも、サッカー哲学や信念を持つ人材は存在するけれど、マリノスの契約書にはサインしないだろう。欧州からフランス人でも呼ぶほうがずっとましと痛感させられる。 川崎の関塚監督も退任している。周囲からの期待と重圧に押しつぶされた人間の悲劇になる。選手を育てることのできる手腕と戦いの場の勝負度胸は別の次元の話であり、求められる要素が違っている。川崎フロンターレの攻撃力は、Jリーグの中では卓越している。その攻撃力を生かせずに、肝心なところで敗北を続けている。川崎がタイトルに縁遠いというのは七不思議の一つだろう。戦力の劣る鹿島に3連覇されたのだから言い訳ができない。重圧を押しのけて、勝負に勝ち残るには、どうやら特有の才能が必要らしい。それが何かを計算できれば、問題は片付く。しかし、何百ある糸をすべて正確に結びつけないと優勝に到達しないという現実は厳しい。
2009.12.27
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英国GPの開催地は、シルバーストーンに復帰している。政治的な思惑から、英国GPを廃止することは危険すぎる。F1チームや部品企業は英国に集中しているので、GP廃止は強い反発を呼んでしまう。ドニントンパークがだめならば中止するとエクレストンは息巻いていたが、その考えは権力と民衆の圧力を呼んでしまう。やむを得ずに、シルバーストーンと長期契約を結ぶことになっている。ほかの地域に比較すると、破格の安い契約金で開催権を入手したシルバーストーンは、ご機嫌だろう。 ドニントン・パークは約束の期限までに資金を調達できず、F1開催地の権利を奪われている。F1レース開催のために大規模な工事を開始していたので、責任者だったサイモン・ジレットは逃げ出してしまい、管財人がサーキット管理しているという。F1を開催するには、100億円以上を投資してコースを改修する必要があった。しかし、この世界不況の中でドニントンに融資する金融機関が現れるはずがない。ジレットがなけなしの資金を消耗すると、借金だけがドニントンに残された。 エクレストンとシルバーストーンの厳しい対立に付け込んで、F1開催権を奪ったまでは上出来だったのに、肝心の資金が途絶えてしまっては、改修工事が進まない。工事を途中で中断したサーキットは使い物にならなくなり、放置されているという。これでは、F1開催権争いなどやらないほうがましだった。ジレットなる人物の実像は不明だが、金融危機が起きた時点で開催を断念していれば、火の粉を浴びずに済んだはずである。ぎりぎりまで資金繰りに走り回っていたことが、燃え尽きる要因になっている。 英国政府は、F1グランプリに公的な資金を投入しない。途上国や石油産出国との大きな違いになる。これらの政府は自国を一流の国に見せるために、エクレストンと契約してグランプリを開催している。シンガポールやアブダビは観光客を呼び寄せる撒き餌としてF1を利用している。そんなことを百も承知で、エクレストンは途上国と手を握っている。多くの国のサーキットは赤字運営を強いられているから、政府や自治体の財政支援がないとグランプリが消えてしまう。政治家の野心と主催者団体の思惑とエクレストンの金儲けが一致して、F1グランプリは世界各地に拡大している。その先は不透明でよく見えていない。
2009.12.26
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寒波が訪れて氷が張る前の池の姿は風情がある。冬の池は人もおらず、ひっそりと沈黙に包まれている。 池の生物たちも冬籠りして姿を消している。こんな静寂に満たされている期間は短いと感慨にふけっていたら、鴨の声ですべてが吹き飛んでしまった。
2009.12.25
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パナマ運河は大西洋と太平洋を結ぶ唯一の手段になっている。ここが閉鎖されたり、破壊されることは、世界経済に強い影響を与える。アメリカ東海岸から西海岸に向かう船舶や艦艇は、アルゼンチン沖を回らねばならなくなる。パナマ運河を守るために、アメリカは心血を注いできた。パナマ運河はパナマに存在するけれど、それを支配してきたのはアメリカ軍だった。アメリカ海軍の艦艇は、パナマ運河を通行できるサイズに設計されている。 パナマ運河が完成したのは、1914年になる。最初、この地域に運河を建設しようとしたのはフランスだったが、資金が底をついて、アメリカに引き継がれた。当時、パナマ地方はコロンビア領だった。そこで、アメリカ政府はパナマを独立させる画策を行い、コロンビアから切り離すことに成功する。独立したパナマ政府と条約を結び、運河地域の租借権を手に入れた。建設された運河はアメリカ領であって、パナマ政府は口が出せなかった。この状態は運河が返還される1999年まで続いいてきた。 パナマの大統領が非民主的な独裁者であろうとも、親米的な政権であれば、米国政府は支援を続けてきた。隣国のコロンビアは、左翼ゲリラと軍事政府の内戦が続いていて、かつ世界最大の麻薬生産国である。コロンビアで生産されるコカインの大部分は、パナマを通過する。パナマ経済は運河の収入と麻薬の輸出入で潤っていた。その利益を独占していたのがノリエガ将軍だった。ノリエガはCIAと結びつくことで頭角を現し、パナマの権力を握った。大統領選に落選したノリエガは選挙を無効にして、権力の温存を狙った。パナマの政治的な危機を察知した米軍がパナマに攻め込み、ノリエガを逮捕する。パナマの危機は米国経済の危機につながる。 民主主義と麻薬撲滅を掲げるアメリカ政府は、独裁者と麻薬ルートの切断に成功したはずだった。ノリエガ将軍を逮捕してパナマから排除すれば、民主的なパナマが誕生すると期待したのである。しかし、統制を失った麻薬密売ルートは、むしろ規模を拡大している。通過するだけで数千億円の収入をもたらすコカイン取引が減少することはなかった。ノリエガが消えて国家統制がなくなり、麻薬取引量は自由度を増した。ここに、中南米の現実が見えている。 パナマには、山脈が中央にそびえている。運河を建設するには、山脈を切り開くか、トンネルと通すか、運河を峠越えさせるかの選択しかない。当時の技術では、ひな壇式の運河を作って、一段ずつ船舶を上昇させて峠を越えさせるしかなかった。熱帯雨林を切り開いて運河を建設するには、様々な難関が立ちふさがった。パナマ運河は野心的な産物であり、不可能に挑戦する時代の思想を反映していた。現在だったならば、環境問題や政治的な思惑から、とうてい運河の建設は不可能だろう。それゆえに、米国政府はあらゆる策略と手段を使ってパナマ運河を維持してきた。パナマがこのまま独立を維持できるのか、それともコロンビア内戦に巻き込まれていくかは、予断が許せない。
2009.12.25
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