ポターズフィールドはロンドンのテムズ川の南岸、ロンドン市庁舎に隣接した公共庭園です。
ロンドンブリッジの跳ね橋も付近にあり観光、経済、政治的に重要な位置にあります。
この地にはかつてオランダから宗教的な迫害を受けた陶工(Potters)が多く移住していたためこのような名前が付いています。
スコットランドのランドスケープアーキテクト Gross Max のデザインを基に 以前の記事
でも少し紹介した ピート・ウードルフが植栽をデザインを手がけました。
ポターズフィールド・トラストという非営利組織が維持管理を行っています。
敷地のサイズは52m x 120m。
北から西側にかけて高木が立ち並び、朝から昼にかけて日を浴びる日向と木の根元の半日陰から構成されています。
ピート・ウードルフのデザインの真骨頂は彼の卓越した植物の形態変化の理解にあります。
もともとオランダで種苗業を営んでいた彼は、特別なデザイン教育を受けたわけではありませんが、植物一個一個の生態をつぶさに観察し、植物の構造をライフサイクルを通して理解を深めました。
彼が突如出現するまでは、ガートルード・ジェキルのデザイン手法のように植栽を絵画に見立てカラーコンビネーションを考えてデザインする手法が主でした。
しかし彼は芽吹きから開花そして種子をつけ枯れるまでの変化する形態を考慮しながら、時間とともに変化する植栽の造形的な変化をデザインするという離れ業を以て植栽計画を行っています。
その結果が一枚目の写真と二枚目の写真に現れています。
同じ場所を6月と8月に撮影したものですが、視覚的に見て全く別の表情を体現しています。
夏の時点ではサルビアやセスレリアが空間を支配していますが晩夏にはオレガノやへレニウムといった植物へと主体がダイナミックに移り変わっています。
視覚的には目立たなくなりましたがサルビアやセスレリアも生きて存在し続けています。
植え替えを行わずに一年通して豊かな表情を見せてくれるのが彼のデザインなのです。
一時期のみ良く見える「見頃」のある庭園ではなく、一年を通して高いパフォーマンスを維持していてすべての植物が共存しています。
植物毎のライフサイクルを理解し、与えられた環境での最良のコンビネーションを導き出すために長年試行錯誤を続けた彼ならではのデザインと言えます。
彼から学ぶべきことはとても多く、彼のプランティング・デザインに対する情熱は70歳とは思えないすさまじいものがあります。
私の尊敬するデザイナーの一人です。
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