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こんにちは、シードヘッドです。当ブログを訪れていただきありがとうございます。ブログをリニューアルいたしましたのでよろしければこちらをご覧ください。 EXPERIMENTAL GARDEN
2020.05.24
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こんにちは。久ぶり更新となってしまいました。今日は朝方から冷え込み庭全体を霜柱が覆っていました。朝日が庭に差し込んで霜の表面が白く輝いて見えます。冬の間もオーナメンタルグラスやエキナセアなどのシードヘッドはそのまま残してあるのですが、こうして気温が下がってくるとシードヘッド全体も薄く霜に覆われるので、朝方の短い時間ではありますがとても綺麗に見えます。最低気温はマイナス3度ということで、もしかしたら幾つかの植物には影響があるかもしれません。バーベナ・ボナリエンシスは毎年越冬に失敗する株が多数あります。雪や霜などが影響しているのではないかと考えていますが、毎年こぼれ種から増えているので、そういう意味ではバランスが取れているのかもしれません。霜の青白い地表面と葉の緑、グラス類の茶色のコントラストがとても美しいです。パニカム・チョコラータは葉の一部が濃い茶色をそのまま残しています。地表付近に生えているのは、エリンジューム・プラナムの株です。ミューレンベルギア・レバコニーの穂も冬の間を通して残すことができます。穂のキメがとても細く、背後にあるパニカム・チョコラータの穂ともよく調和しています。冬の間は緑が少なく庭が退屈になるかもしれませんが、このように自然に近い風景を楽しむのもオススメです。今回の植物エリンジューム プラナムグラス パニカム ‘チョコラータ’グラス ミューレンベルギア レバコニー EXPERIMENTAL GARDEN
2019.12.28
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5月下旬現在去年植えたエレムルス・クレオパトラが見頃を迎えています。植え込みからすらっとした花茎を伸ばして細かな花が下から順に花火のように次々と咲かせていく姿はとても優雅で見ごたえがあります。エレムルスは様々な名前で親しまれていて、フォックステール(狐の尾)、デザートキャンドル(砂漠の蝋燭)、キングズスピアー(王の槍)などの異名を取っています。2014年にロンドンのオリンピックパークを訪れた時に初めて目にしましたが、その時の強烈なインパクトは今でも忘れられません。それ以来いつか使ってみたいと考えていたところ、去年の11月に球根が安く売られているのを見かけて思わず購入してしまいました。(植え付けの記事はこちら)前置きはさておきエレムルスの解説に移りたいと思います。まず基本性質です。基本性質高さ:約1.5m広がり:約0.4m日照:日向湿度:乾燥耐寒性:-15℃から-20℃土質:砂の混じった肥沃なローム球根の選定と植え付け球根は大型のクモのようなグロテスクな形をしています。上からの圧力に弱いので、植え付けの後踏みつけないように注意しましょう。販売されているものを選ぶときも平積みの下敷きになっている場合はすでにダメージを受けている可能性があるので、なるべく棚からぶら下がっているものか、平積みであれば上の方から選んでいくほうが無難です。西アジアの乾燥地帯が原産のため乾燥を好み湿気を嫌います。水はけの良い土壌を選んで植え付けてください。球根の掘り上げに関しては、雨量の増える梅雨を乗り切れるかどうかがポイントになってくると思います。現在は水はけの良い場所に植えてあるので地植えでも一年間を乗り切れるかどうか経過を観察していきたいと思っています。成長の過程植え付け:10から11月。特に寒さ対策はしていません。発芽:3月中旬。一つの球根から二つ発芽しました。花茎の成長:発芽後から5月下旬まで。開花:5月下旬デザインと配置今回はエレムルス・クレオパトラをサン・ガーデンに配置しています。これまで初夏に咲く花がやや不足していることもあり、球根を足そうと思っていました。下の写真では背景に紫のサルビア・カラドンナ、手前にニフォフィア・ミニスターバーシュクール(クニフォフィアとの表記されることもありますが本ブログでは発音に近い音を採用しています。)、左側にオールドローズのデュシェス・ドゥ・ブラバンが咲いています。この時期は背の高い植物が少ないこともありストラクチャーのしっかりしたエレムルスは重宝されます。花壇の中盤に配置するのに適しています。ほとんどの球根類と同じくはの鑑賞価値が低いため前方の配置には不向きです。後方に配置することもできますが、後方には低木などより表面積が大きな植物を配置する方が適しています。1mからそれ以上のインターバルで数カ所に植えると花壇全体に統一感が生まれます。一カ所にまとめてしまうと目立つだけにやや異質感が出てしまいます。薄いオレンジ色なので他の色と合わせやすく、今回は紫、黄色と薄めのピンクとの組み合わせになっています。他にも黄色や白の品種もあるので花壇の他の植物との関係性を見ながら色を選択すると良いと思います。最後にエレムルスは非常に優雅で鑑賞価値の高い花で有名な庭園で使われているのを目にしたことがある方も多いと思います。少し手に入りにくい花かと思っていましたが、通信販売や少し大きめの園芸店に行けば普通に見かけるくらい流通しています。植え付け時期までに時間がありますが、来年の庭づくりに向けて採用を考えてみてはいかがでしょうか。今回の植物クニフォフィア ‘ミニスター ヴァーシュアー’サルビア ネモローサ ‘カラドンナ’デュシェスドゥブラバン EXPERIMENTAL GARDEN
2019.05.29
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サニー・メドーには五月になると毎年カリフォルニアポピーが一面に咲きます。オレンジとパステルイエローの二色がメインですがところどころにピンク系統のものも散見されます。日当たりの多いところであればよく育ち一年草で毎年こぼれ種から発芽が見込めます。ところどころに濃いブルーのヤグルマギクも見られます。こうした一年草はこぼれ種で増えて毎年花を咲かせるのでコストと管理面での利点が大きいです。大きなスペースがある場合こうした野草的なエリアを作っておくことをお勧めします。手前の薄紫の花はノウティア・アルベンシス(クノウティアとの表記も見られます。)で水はけのよい日当たりの良い場所でよく育っています。このエリアの一年草は年々他のエリアにに広がりつつありますが、ある意味自然のままにして経年変化を観察しているところです。今年はデスチャンプシア・セスピトーサが穂をつけてきています。野草的な風景からボーダー・ガーデンまで幅広く使える種類で、ローズ・ガーデンとサニー・メドーの間に大きくブロックで植える計画で、毎年株分けをしながら面積を増やしているところです。デスチャンプシアの穂は集合すると黄金のスモークのような見た目になるので、もし庭のどこかで使ってみようと考えているのであれば最低でも5から10株程度の集合で植え付けることをお勧めします。白色や黄色系統の花とよく合い、へレニウムやエキナセアと組み合わせるとシックな仕上がりになります。奥に咲いている濃い紫のサルビア・ネモロサ・カラドンナは当ガーデンでは鉄板の品種ですが、手前に咲いているブルーのネペタ・ウォーカーズロウもパステルカラーの品種とよく合います。去年初めて植え付けたアリウム・モンブランも背景に大輪の花を咲かせています。今回の植物ブルーキャットミント ‘ウォーカーズロウ’グラス ディスチャンプシア ‘ゴールドタウ’カリフォルニアポピーコバルトセージサルビア ネモローサ ‘カラドンナ’ EXPERIMENTAL GARDEN
2019.05.19
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少し前のことになりますが、庭に植物の植え付けを行いました。去年から始めた新しい小さな庭の植栽ですが、コテージガーデン風に仕上げようという大まかなコンセプトをどのように発展させていくかを考えていました。花壇の表面積も少なくやれることも限られているなと思いながら何かいいヒントはないかと思いBBCのガーデナーズワールドという番組を見ていると、番組の中でロンドンの小さなバックヤードを大きな温帯植物を使ってジャングルに仕立てるという一般の企画を紹介していました。何気なく見続けていると、プログラムの終わりで司会のモンティー・ドンが「小さな庭だからといって考え方までこぢんまりとすることはありません。大きなアイディアを持ちましょう。」と言って締めくくりました。植栽のスタイルこそ異なりましたが、そうか!と目からうろこが落ちた気がしました。空間が小さいからといって小さな植物を使わなくてはいけないということはなく、どんどん大きい植物を使ってダイナミックにデザインいた方がいいのではないかと思いました。そこで去年植えたバーベナ・ボナリエンシスと相性の良い背丈の高い植物を中心に探し始めました。紫色の細かな花とよく合う白色の花で、できればアキレアのような傘状の形態のものからあたって行き最終的にはアンミ・ マユスを選びました。最初は20cmほどだった背丈も今や1m近くまで成長してきています。白色の細かな花が集合したレース状の花を咲かせた時にバーベナとどのように組み合わさるのかがとても楽しみです。バーベナ・ボナリエンシスとアンミ・マユスで作るスクリーンにはアクセントとしてデルフィニウム・ブルーバードも使っています。今週から鮮やかなブルーの花が咲き始めました。去年植え付けたドリオプテリス・エリスロソラ(ベニシダ)は順調に生育しており左右対象で整った形態はシダ植物の中で最も美しいといっても過言ではありません。その手前に伸びてきているのは通称パイナップルリリーと呼ばれユーコミス・オータムナリスです。去年ダン・ピアーソンがキングズクロスの陸橋 で使っているのを見かけて以来チャンスがあったら育ててみたいと思っていました。下の写真の右端にあるパイナップルのような形のエキゾチックな花がユーコミスです。今回は黄色味がかった白色の物を選んでいます。気温も徐々に上昇し始めており、日に日に大きくなっていく植物を見ていると一ヶ月後にどうなっているのかとても楽しみになってきます。今回の植物ベニシダユーコミス プンクタータホワイトレースフラワー EXPERIMENTAL GARDEN
2019.05.12
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トールグラスの活用というタイトルの通り今回の記事では高性のグラス類を紹介していきたいと思います。トールグラスは植栽の中で特別な役割を担っています。トールグラスはその草丈の高さから植栽の中でもフォーカルポイントになりますし、グループとして使えばスクリーンとして使うこともできます。風のある日にはダイナミックな動きを見せ、夏から秋にかけて穂を立ち上げて季節感を演出します。トールグラスの役割を理解しながら効果的に植栽に組み込んでいくことができれば庭の雰囲気は大きく変わります。そこで今回はトールグラスの代表的な種類を幾つか紹介しながらそれぞれがどのように使われているのか見ていきたいと思います。アンペロデスモス・マウリタニカス(Ampelodesmos mauritanicus) は草丈が1.5mほどの常緑のグラスで噴水のように優美な曲線を描きながら伸びる茎の先に銀色がかった大粒の種をつけます。乾燥した場所を好み、この写真はベス・シャトーガーデンのドライガーデンに植えられているものの写真です。この写真のように単体で、幾つかの場所に配置することでリズムをつけることができます。カラマグロスティス・オーバーダム(Calamagrostis × acutiflora 'Overdam') は斑入りのカラマグロスティスで、垂直に伸びる草姿の整ったグラスです。枝葉はカラマグロスティス・カールフォースターよりも銀白色を帯びているため、白色系統の品種を中心に作られたシルバーガーデンに用いました。フォーマルガーデンからワイルドガーデンまで幅広く使うことができる品種です。カラマグロスティス・カールフォースター(Calamagrostis x acutiflora 'Karl Foerster') はこのブログでは鉄板の品種です。整った草姿と穂の美しさ、丈夫さを兼ね備えておりグループで配置することもできますし単体で数か所位配置することもできます。この写真はキューガーデンのグラスガーデンの物で、同一品種を前後にややずらしながら横長に配置することで、スクリーンのような役目を果たしています。ミスカンサス・シネンシス(Miscanthus sinensis) はススキの一種で、日本では雑草の印象が強いですが海外では様々な場面で用いられます。葉の密度が高く全体的にヴォリュームが大きい印象なのでグループで植えると緑の壁を作り植栽にリズムを加えることができます。この写真はトレンタム・ガーデンで撮られたもので、大きめのブロックを一単位にして様々な植物が配置されていることが見て取れます。ペニセタム・マクロウルム(Pennisetum macrourum) は1mほどまで伸びる草姿の整ったグラスで、まっすぐで長い穂をつけます。すっきりとした枝葉は自然な植栽によく溶け込みます。集合で植えることもできますし単体で植えても効果がある品種です。スティパ・ギガンテア(Stipa gigantea) は高さが1.5 – 2.5m ほどの常緑のグラスです。本体は50cmほどの高さの半球体でそこから細い茎を伸ばして夏から秋にかけて金色の穂をつけ風にそよぐ姿は優雅です。茎は高さがありますが密度は低く透視性があるため圧迫感がなく使いやすい品種です。この記事で紹介したものはトールグラスのほんの一部でしかありませんが、植物の高さ、形態、葉の密度、透視性などに注目してこの植物は単体で使うべきかグループで使うべきか、フォーマルな植栽に合うのかまたはワイルドな風景を演出するのに用いるべきかなど考察しながら使っていくと面白い植栽デザインが作れるのではと思います。今回の植物カラマグロスティス ‘オーバーダム’ミスカンサス ‘モーニングライト’ペニセタム ‘テール フェザーズ’ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.12.01
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秋も終盤となり来年に向けての準備が忙しい時期になりました。この時期は今年一年の庭の様子を振り返り来年に向けてどのように改良していくのか考えるのに最適です。花の配置の見直しや品種の入れ替えなど年間を通したパフォーマンスを考えながら見直していきます。見直しの中で特に取り組んでいきたいのは、花壇に球根を追加することです。去年は多年草を中心に植え付けていますから、やはり春先に花が少なく、4-5月にかけてもう少し楽しみが増えていくといいのではないかと考えていました。今回は庭の大部分の面積を占めるプレーリー・ガーデンとサン・ガーデンに既存の植物とうまく調和できるような球根を選んでいきたいと思います。エレムルス・クレオパトラ(Eremurus × isabellinus 'Cleopatra') は別名狐の尻尾と呼ばれているように夏季になると三角錐状に配列された細かな花が下から順々に開花していきます。花期は短いですがとても美しい花で一度は育ててみたい花です。日当たりの良く水はけの良い土壌を好み成長は速いです。今回は紫系統でまとめてあるサン・ガーデンにアクセントとして加えていきます。アリウム・ギガンチューム(Allium giganteum) は背丈が150cmほどまで成長する高性のアリウムです。日当たりの良い栄養豊富で水はけの良い土壌を好み大きな球状の花を5月ごろに咲かせます。垂直に高く茎を伸ばすので花壇の中列から後方にかけてやや背丈のあり枝葉をしっかりと伸ばす植物の間に植えることで足元を隠しつつ球形の花が浮かんでいるような風景を作ることができます。プレーリーガーデンのやや草丈が高いエリアに加えて、春には咲く大きな花も楽しみですが花がおわった後もシードヘッドとして秋まで楽しむことができます。中央の大きな球根がアリウム・ギガンチューム(Allium giganteum) でそれよりやや小さい白色の球根がアリウム・モンブラン(Allium ‘Mont Blanc’)、タランチュラのようなグロテスクな形をしているのがエレムルス・クレオパトラ(Eremurus × isabellinus 'Cleopatra') です。エレムルスは垂直方向の圧力に弱いので植え付け後は誤って踏むことのないように注意しましょう。アリウム・モンブラン(Allium ‘Mont Blanc’) の球根の仮置きの様子です。5球一組のグループを既存のグラスや多年草の間に配置していきます。間隔を整えて360度様々な方向から見て最もバランスのとれた見た目になるように配置します。配置が決まった後球根を植え込んでいきます。穴の深さはエレムルス・クレオパトラ(Eremurus × isabellinus 'Cleopatra') が約15cm、アリウム・ギガンチューム(Allium giganteum) は球根2個分、アリウム・モンブラン(Allium ‘Mont Blanc’) はやく20cmです。若干深めに球根を載せる下土をほぐしてから球根の頂点を上に向けて球根乗せ、上から土をかぶせます。球根の植え付け時期はアリウムが11月となっていますが、関東地方以南の温かい地域では12月に植えても問題はないようです。エレムルスの植え付け時期は2月までとなっていますので来年の庭づくりに向けて球根の植え付けを考えてみてはいかかでしょうか。 今回の植物エレムルス アリウム モンブラン EXPERIMENTAL GARDEN
2018.11.29
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今回は夏にガーデナーが取材をしてきた軽井沢のムーゼの森にあるピクチャレスク・ガーデンを紹介したいと思います。ムーゼの森は軽井沢絵本の森美術館とエルツおもちゃ博物館・軽井沢、ピクチャレスク・ガーデンからなる文化施設で、ホーティカルチャリストのポール・スミザーが植栽デザインを手掛けました。ピクチャレスク・ガーデンは軽井沢に見られる自然からインスピレーションを得て、もともと敷地に自生していた植物を生かしながら植栽計画が作成されました。ピクチャレスク・ガーデンのアプローチには背丈の低いホスタ・フォーチュネアイ(Hosta fortune) やリリオペ・ムスカリ・バリエガータ(Liriope muscari 'Variegata') が前方に植えられておりルドベキア・ゴールドストラム(Rudbeckia fulgida var. sullivantii 'Goldsturm') が中間層、高性のユーパトリウム・アトロパーピュレウム(Eupatorium purpureum ‘Atropurpureum’) とパトリニア・ビロサ(Patrinia villosa) が後方に植えられておりボリュームのある半日陰ボーダーに仕上がっています。 日陰に強いデスチャンプシア・セスピトーサ(Deschampsia cespitosa) も植えられておりグラスやデイジー系の草原を思わせるような植物からホスタなどの日陰の植生へと移り変わっていくような植栽となっています。ピクチャレスク・ガーデンの中は緑が溢れる空間になっています。細く曲がりくねった道の両側にはシダ植物のドライオプテリス・クラシリゾマ(Dryopteris crassirhizoma) やミスカンサス・シネンシス(Miscanthus sinensis) が植えられており所々にユーパトリウム・チネンス(Eupatorium chinense) が見えます。全体的に緑のインパクトが強い植栽構成になっていて、自生している植物を多用しているため、植栽デザインの現場ではあまり馴染みのない植物もあります。しかし、パトリニアなどはユーパトリウムの近似種なので植栽デザインでよく使われる植物のコンビネーションを自生植物の近似種で代用ながらデザインしていったようにも感じられます。ナチュラルな風景を評価するコメントがある一方で、自生植物を使う手法ゆえに雑草ばかり生えているという評価をされることもあるようですが、自生している植物を使ってその土地独特の植栽を作り上げる取り組みはとても面白いもので、デザインの幅を広げていける可能性があるものだと感じます。 EXPERIMENTAL GARDEN
2018.11.26
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今回はガーデナーとの連携記事です。このブログではこれまで自然な庭の演出としてシードヘッドを残すことがローメンテナンスで効果的な一つの方法であるとして紹介してきました。そして皆さんもご存知の通り、摘み取りや切り戻しは幾つかの植物を長く楽しむために有効です。では植物の維持管理の際どの植物にどの方法を適用するべきなのでしょうか?今回はここ数年の経験をもとにそれぞれの植物をメンテナンス方法別に分類し、春から秋にかけての3通りのルートにまとめました。ルート1:摘み取り再開花ルート花後に花の部分のみ切り取って脇芽から再開花を促す方法です。この方法はサルビアなど初夏から咲き始めて尚且つ花期が長いものに適しています。二番花は一番かと比べてやや小さくなる傾向にあり、シードヘッドを残すことは難しくなりますが幾つかの品種は再開花したものからでもシードヘッドまで持っていくことが可能です。適した品種:ベロニカ・ロンギフォリア (Veronica longifolia)サルビア・ネモロサ・カラドンナ (Salvia nemorosa 'Caradonna')サルビア・ネモロサ・オストフリースランド(Salvia nemorosa 'Ostfriesland')バーベナ・リジダ (Verbena rigida)バーベナ・ボナリエンシス (Verbena bonariens)アガスターシェ・ゴールデンジュビリー (Agastache rugosa 'Golden Jubilee')アガスターシェ・ブラックアダー (Agastache 'Blackadder')アガスターシェ・リトルアダー (Agastache rugosa ‘Little Adder’)ルート2:切り戻し再開花ルート花が一通り咲き終わったら草丈を半分から根元付近まで大胆に切り切り戻し再び株を再生させる方法です。デルフィニウムなどは根元まで切り戻してもそこから株が再生し再び花を咲かせます。幾つかのグランドカバーも切り戻しに適しています。適した品種:エリゲロン・カルビンスキアヌス (Erigeron Karvinskianus)オリガナム・ブルガーレ (Origanum vulgare)ガウラ・リンドヘイメリ (Gaura lindheimeri)カラミンサ・ネペトイデス (Calamintha nepetoides)デルフィニウム・ガラハド (Delphinium 'Galahad')フィラ・カネセンス (Phyla canescens)ルート3:シードヘッドルート咲いた花をそのままシードヘッドとして残し季節の移ろいに伴う変化、つまり花の一生をそのまま鑑賞する方法です。茎がしっかりしている植物の方が型崩れしにくくシードヘッドとしての鑑賞価値が高いです。適した品種:アガスターシェ・ブラックアダー (Agastache 'Blackadder')アガスターシェ・リトルアダー (Agastache rugosa ‘Little Adder’)アキレア・ピーチセダクション (Achillea millefolium 'Peachy Seduction')エキナセア・パーピュレア (Echinacea purpurea)エキノプス・バナティクス (Echinops bannaticus)エリンジューム・プラナム (Eryngium planum)スタキス・モニエリ (Stachys monieri)フロミス・チュベロサ (Phlomis tuberosa)モナルダ・ディディマ・ハイブリダス (Monarda didyma х hybridus)ルドベキア・マキシマ (Rudbeckia maxima)今回の植物アキレア ‘ピーチセダクション’エリンジューム プラナムエキノプス ‘ブルーグロー’ガウラ リンドヘイメリスタキス モニエリアガスターシェ ‘ブラックアダー’バーベナ ボナリエンシスフロミス チューベロサモナルダ ラベンダールドベキア マキシマ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.09.29
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今年の夏は全国的に高温でガーデナーの方々の中には頭を悩ませている方も多いのかもしれません。春先から初夏にかけて元気だった植物も盛夏から晩夏にかけてトーンダウンしてくるだけでなく、品種によっては枯死してしまうこともあります。植物の生育条件は様々な要因が絡んできますから、すべてのケースを暑さのせいにすることはできませんが夏を無事に越して、また来年元気な姿で戻ってきてもらいたいものです。また夏から秋にかけての庭の演出という意味でも難しいものがあると思います。8月を過ぎてくると6、7月のような瑞々しい緑から秋の色合いへと変化してきますし、盛夏に花を咲かせる品種も多くはありません。小丘の庭は関東平野に位置するため夏の気温は高くなります。その環境の中で植物自体の美しさを最大限に引き出した植栽にしたいと考えています。近年の植栽デザインは旧来の視覚重視のデザインからより自然植生に近いものが主流になってきています。ベス・シャトーの打ち出したシンプルな「Right plants for right place」すなわち適草適所という考え方は知っている方も多いと思いますが、文字通り土地の環境に適した植物を適した場所に植えるというものです。それに従うのであれば暑くなる場所には暑さを好むものを植えるということになります。オランダの植栽デザイナーのピート・ウードルフは植物の生活環のすべての期間、すなわち生長期、開花期、成熟期すべてが植栽デザインに取り入れられるべきだとしています。この考え方は花後の植物をウインター・シルエットとして残しておくことに顕著に表れています。ですから小丘の庭における植栽デザインの基本は 適草適所に基づく植物の選択と植物の成熟期を生かした景観の演出がテーマになっています。8月から9月にかけては植物の成熟期をテーマにしています。7月のプレーリー・ガーデンの様子です。9月のプレーリーではへレニウム・ルビーチューズデー(Helenium'Ruby Thuesday') が元気に咲き続けている傍らでミューレンベルギア・レバコニアイ・アンドーンテッド (Muhlenbergia reverchonii 'Undaunted') が大きく穂を広げています。8月から9月にかけて垂直に伸びた穂が美しいカラマグロスティス・アクティフローラ・カールフォースター (Calamagrostis × acutiflora 'Karl Foerster') は欠かせません。バーベナ・ボナリエンシス (Verbena bonariensis) は9月に入っても衰えません。アガスターシェ・ブラックアダー (Agastache 'Blackadder') は花を維持していますがシードヘッドも魅力的です。背景にはパニカム・チョコラータ (Panicum virgatum 'chokolata') の細かな穂も覗いています。今回の植物ミューレンベルギア レバコニーアガスターシェ ‘ブラックアダー’バーベナ ボナリエンシス EXPERIMENTAL GARDEN
2018.09.23
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今住んでいる家の前庭には幾つかのプランターがあります。ラベンダーなど幾つかの植物が植えてありましたが、余白も多く機会があれば色々と植えてみようと考えていました。そこで先月少し時間をとって色々と植えてみることにしました。職業柄プランを描いてプラントカレンダーを作って慎重にデザインしたくなってしまいますが、今回は面積も小さいので近場のガーデンセンターに出向いてそこにある植物の中から状況に合わせて選んでなんとかまとめてみようと思います。プランターは写真に写っている3つに加えて手前に50cm幅の長方形型のものが一つあります。全て小さなプランターで玄関までの人通りも多いので、なるべくコンパクトにしながら窓の手前ではやや高さをつけて建物の中への視線をやや遮りたいと思いました。北側に家屋、東側に2.5mほどの生垣、南側に3mほどの樹木が有り午前中から正午にかけては日陰部分が多く正午からは西日が注ぐエリアが多いですが隅の部分はほぼ一日中日陰の場所もあります。粘土質の土で水はけは良くありませんが樹木の近くは特に乾燥しやすく、小さなエリアの割に環境条件が多様で注意が必要です。まずは写真左奥の小さなプランターから取り掛かっていきましょう。コンディションは半日陰から日陰です。まず半日陰のエリアには近所のホームセンターの閉店セールで購入してきたルドベッキア・リトルゴールドスター (Rudbeckia fulgida var. sullivantii 'Little Goldstar') (黄)ゲラニウム・ブルームタイム (Geranium 'Bloomtime') (ピンク)を使おうと思います。黄色とピンクの組み合わせですがこの二つは同時に咲くことはないでしょうから全体のカラースキームには影響はあまりないと思います。春咲きのテリマ・グランディフローラ (Terrima grandiflora) はゲラニウムと似た葉の形状をしていて小さな花を花茎につけます。日陰に強いアクアエア・シンプレックス (Actaea simplex Atropurpurea Group) はダークな色合いの葉が茂りそこから2mほどの高さまで白色の花穂を伸ばします。小さいプランターへの仮置きです。大まかに上半分は半日陰、下半分は日陰です。日光に当たらないため水分の蒸発量は少ないようです。中央は既存のラベンダーで、それに関しては違和感がありますが大まかにウッドランドエッジからウッドランドプランティングとするとうまくいきそうです。左上隅にルドベッキア・リトルゴールドスター、右上隅にゲラニウム・ブルームタイムは日向から半日陰までに対応することができる品種です。日陰の下半分は右辺と左下隅にテリマ・グランディフローラ、右下隅にアクアエア・シンプレックスと日陰に強い植物を選びました。森林の近くにあるある環境を好むためいずれも腐葉土の豊富な土壌を好みます。そのため植える際にはコンポストを土に混ぜ込んだものを使用します。テリマ・グランディフローラをポットから取り出した時の写真です。根がポット内に張り巡らされ、表面に浮き出ています。このような状態はスパイラル・ルート(渦巻き根)と言われています。そのまま植えると、渦巻き状に張り巡らされた根の壁に阻まれ新しい根を伸ばすことができず成長が妨げられてしまいますので、やや根をほぐして外側へ広がりやすくしてから植えると良いと言われています。他のエリアに植えたバーベナ・ボナリエンシスは根が張りすぎてポットに一体化していました。ポットを切断して本体を取り出しましたが、その際根の一部を欠損してしまいました。バーベナ自体かなり強い植物なので問題なく生きていますが、できれば購入前に一度ポットから取り出して、根が十分に成長しているか、渦巻き根は起こっていないか確認してから購入する方が良いでしょう。今回の植物ルドベキア・リトルゴールドスターシミシフーガ ‘ピンクスパイク’ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.08.31
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前回記事ではフェントンハウス・ガーデンのエントランスエリアを見ていきました。今回は生垣ゲートの内側のボーダーガーデンを見ていきたいと思います。レンガ壁の手前に約1.5mほどの幅の花壇があり、手前を45cmほどに綺麗に刈りそろえた西洋ツゲ、ボクサス・ミクロフィア (Buxus microphylla) の生垣が囲みその奥にバラや多年草、球根が植えられています。レンガ壁にはツルバラやその他ツル性植物をはわせてあります。壁面を覆っているのはロサ・クライミング・エトワール・デ・ホランド (Rosa 'Climbing Etoile de Hollande') で鮮やかな赤い花を一面に咲かせています。その手前には「ヤギのヒゲ」の異名でお馴染みのアルンクス・ディオイカス (Aruncus dioicus) とスカビオサのような大きな花を咲かせるセファラリア・ギガンテア (Cephalaria gigantea) が置かれています。どちらも白色からややクリーム色がかった薄めの色合いで、鮮やかなバラの印象を緩和して落ち着いた仕上がりにしています。このボーダーガーデンでは垂直に花穂を伸ばす植物が多用されています。似た形態のものを選択して組み合わせると植栽に統一性が生まれます。ここではディジタリス・パーピュレア (Digitalis purpurea) に白色のバーバスカム・フォエニセウム・フラッシュオブホワイト (Verbascum phoeniceum 'Flush of White') と黄色のバーバスカム・チャイキシアイ・ゲインズバラ (Verbascum chaixii 'Gainsborough') が組み合わせられています。ディジタリスのベル状の花に合わせてユッカ・グロリオサ (Yucca gloriosa) が用いられています。とげとげしい常緑の葉のイメージとは掛け離れた形態の花を咲かせています。エキウム・カンディカンス (Echium cancans) の大きな花穂は花をつけつつあります。青色の細かい点のように見えている開きかけの蕾はやがて花穂全体を青く染めます。常緑で2mほどの大きさに成長します。コティナス・コーギグリア・ヤングレディー (Cotinus coggygria 'Young Lady') はスモークブッシュとも呼ばれピンク色の細かな花を咲かせその様子がまるで煙のように見える小型の樹木です。その手前にはグローブアーティチョークとしてお馴染みのキナラ・カドンキュラス (Cynara cardunculus) の銀色がかった枝葉が覗いています。ボーダーガーデンにはお馴染みの品種で背丈は2mほどに達するためスペシメンとして数本配置するという用法が一般的です。草原的な風景から形式的な庭園まで幅広く使用されます。今回の植物アルンクス ディオイクスセファラリア ギガンティア EXPERIMENTAL GARDEN
2018.08.19
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北ロンドンのハムステッドにあるフェントンハウス・ガーデンにやってきました。フェントンハウスは先の記事で紹介したオステリーハウスと同じくナショナルトラストにより管理されている17世紀に建立された歴史ある建造物で、1936年にビニング夫人により買い取られた後は多くの装飾的な磁器やジョージアン様式の家具、17世紀の縫い物が持ち込まれ、今でもそのコレクションを楽しむことができます。庭園は正面ゲートからのプロムナードとレンガ壁沿いのボーダーガーデン、ローズガーデンにワイルドフラワー・メドー、果樹園に菜園と様々な空間で構成されています。プロムナード沿いのボーダーの後方にはにはディジタリス・パーピュレア (Digitalis purpurea) とディジタリス・パーピュレア・アルビフローラ (Digitalis purpurea f. albiflora) が群生するとてもシンプルな構成です。パーピュレアの方が割合が高く約4:1ほどの配合率になっているようです。前方にはシシリンチューム・ストリアタム (Sisyrinchium striatum) とアルケミラ・モリス (Alchemical mollis) のパステルイエローの群生が見られ、全体を黄色と紫、白色をメインにして明るめの色合いで構成されています。5mほどの距離を置いて点々と配置されているのはバーバスカム・オリンピカム (Verbascum olympicum) です。大概の場合は2年草で二年目に大きく花茎を伸ばし2mほどの高さに沢山の花をつけます。花茎が分岐し細長いうちわ状の輪郭になります。スペシメンとして配置するのに適しています。夏に訪れたためあまり目立たなくなってきていますが、カンパニュラ・パーシシフォリア (Campanula persicifolia) やセントーレア・モンタナ (Centaurea montana)などの春から初夏にかけての植物も見ることができます。カンパニュラの花の中では蜂が休息しいているのでしょうか。近年蜂の数が減少し、都市部では疲れた蜂が多く見られることが問題になっています。農作物や花にとって欠かせないミツバチやクマバチですが花の少ないエリアでは蜜を吸うことなく飛びすぎた蜂が力なく地面を歩いている場合が多いと言われています。蜂を救うためにも適度な距離を置いて緑地を設けることは効果的ですが、もしこうした疲れた蜂を見かけた場合はスプーン1杯ほどの砂糖水を与えてやれば程なくして回復しまた飛べるようになるということです。この前キッチンにミツバチが迷い込んで飛べなくなっていたためマンゴーアップルジュースを与えてみましたが朝までには回復して飛び去って行きました。 今回の植物アルケミラ モリスカンパニュラ パーシフォリア EXPERIMENTAL GARDEN
2018.08.15
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初夏から咲いているペンステモン・ブラックバード (Penstemon 'Blackbird') とアキレア・ミレフォリウム (Achillea millefolium) 、端には夏のメインであるフロックス・ブルーパラダイス (Phlox paniculata 'Blue Paradise') が顔を覗かせています。かなり彩度が高めの組み合わせですが、ペンステモンとフロックスはどちらも深い赤紫の色合いですからカラークラッシュはありません。クロコスミア・クロコスミフローラ (Crocosmia crocosmiiflora) とアキレア・ミレフォリウムの組み合わせです。ワイルドフラワーのエリアから徐々に広がってきたものですが、既存のクロコスミアの鮮やかな赤ともうまく合っています。白色の花は異なるカラースキームの間に当てるとうまく間を取り持ってくれる効果があるように思います。こちらは本格的にデザインを始める前から植えてあったエリンジウム・プラナム (Eryngium planum) をワイルドフラワー・ガーデン側から見たものです。セントーレア・ニグラ (Centaurea nigra) とほぼ花のサイズが等しく、図らずもテクスチャーが揃っています。ワイルドフラワー・ガーデンとの境界に一列に並んでいて、咲きそろうと薄いブルーの幕ができるのがなかなか気に入っています。エリンジウム・プラナムの小さめの花は最初は白色ですが、徐々に薄いブルーを発色していきます。フロックス・ブルーパラダイスは名前の示すよりかは紫寄りの色合いをしています。香りが良くハチやチョウにも好まれます。すっきりと伸びた茎の上に紫陽花のように映える花を咲かせます。今回の植物フロックス ブルーパラダイス EXPERIMENTAL GARDEN
2018.08.12
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サン・ガーデンの東側はプレーリー・ガーデンと小道を挟んで対になっています。去年までは大きく育った銅葉のフォロミウムが植わっており、南側には銀色がかった葉をもつラベンダーとジャーマン・アイリスがありました。カラーリーフは自己主張が強く、良い組み合わせを考案することが難しく、既存のカラーリーフに注目しつつ新しい植栽を考えるという点でチャレンジングでした。既存のラベンダーの付近にはリクニス・コロナリア・プライベートヘブン (Lychnis coronaria 'Private Heaven') を選びました。シルバーリーフでピンクの花を咲かせるため全体のカラースキームにも合致していました。ライムグリーンの葉が美しいアガスターシェ・ルゴーサ・ゴールデンジュビリー (Agastache rugosa 'Golden Jubilee') は西側のブラックアダーの近縁種で、カラーリーフのコンセプトに合致するため起用しました。ラティビダ・レッドミジェット (Ratibida columniferaf.pulcherrima 'Red Midget') もやや銀色がかった枝葉を持ち、銅に近い花色をしています。ルドベキア・チェリーブランデー (Rudbeckia hirta 'Cherry Brandy') もラティビダと同様にダークレッドの花を持っています。カラミンサ・ネペトイデス (Calamintha nepetoides) は白色の細かい花を咲かせます。エキナセアなどのデイジー系の花ともよく合います。初期のスケッチプランです。結果的にフォロミウムは取り除くことになりましたが、全体のコンセプトは既存のカラーリーフをどうやって新しいサン・ガーデンに融合させるかということでした。フォロミウムのあった場所にはパニカム・チョコラータ (Panicum virgatum 'Chocolata') が入り、その隣には細かな葉が魅力的なアムソニア・フブリヒティ (Amsonia hubrichtii) を移植しました。右端からリクニス、アガスターシェ、その背後にはバーベナ・ボナリエンシスが見えています。今回の植物ラティビタ レッドミジェットアガスターシェ ‘ゴールデンジュビリー’アムソニア フブリヒティルドベキア チェリーブランデーカラミンサ ネペトイデス EXPERIMENTAL GARDEN
2018.07.15
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今年から始めた二種類のプレーリー・ガーデンの一つプランティング・ベッドCでは幾つか新しい植物を試しています。テウクリウム・ヒルカニカム (Teucrium hircanicum) はベロニカとよく似た垂直に伸びる花穂を持ち、暑さによく耐えるということで取り入れました。順調に育っているようで、一年目から多くの花を咲かせています。バーベナ・ハスタータ・ブルースパイヤー (Verbena hastata 'Blue Spires') はやはり垂直に伸びる花穂を持ち、高さ1.2mほどになるやや背の高い品種です。バーベナ・ボナリエンシスと似ていてやや枝葉が疎なため背の高さの割に透視性が高く、花のインパクトも少ないため背景の素材として良い品種ではないかと思います。モナルダ・ラベンダー (Monarda didyma 'Elsie's Lavender') も順調に来ています。ラベンダーと言うよりはピンクに近い色合いをしています。2mほどの高さになるルドベッキア・マキシマ (Rudbeckia maxima) も起用しています。こちらはスペシメンとしての効果を狙っています。このエリアはミックス・プランティングと言う配置を採用しているため、単一種の塊はありません。そのためより自然な見た目になっています。(デザイン過程はこちら)ブロック・プランティングを採用しているサン・ガーデンと比べてみると視覚的効果の違いがよくわかると思います。このように単一品種のグループを配置しているのでインパクトは大きいです。植栽は同じ植物を使っていても配置と数量によって印象が大きく変化します。様々なパターンを試してみるとこれまで違った景観が生まれるかもしれません。今回の植物テウクリウム ヒルカニカムバーベナ ハスタータ ‘ブルースパイヤー’ルドベキア マキシマ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.07.14
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7月2日ウィンブルドン開幕。今年もこの季節がやってきました。趣味としてですが真剣にテニスをしている筆者にとって庭園の芝生で行われるテニス大会をテーマにしているウィンブルドンはランドスケープとテニストーナメントが融合した、ある意味究極の場所と言えます。今年は大会二日目に観戦しに行きました。気温は30度に迫りイギリスの夏としてはかなり暑い日が続くようです。ウィンブルドンと言えば度々テレビ中継で見かけるのがヘンマン・ヒルだと思います。第一 コートの巨大スクリーンと丘の上のザ・チャンピオンシップスのロゴと年号はウィンブルドンの象徴的な場所でもあります。会場内には至る所に植栽が施され、スタジアムの壁は通称ボストン・アイビー (Parthenocissus tricuspidata 'Veitchii') に覆われ、テラスの縁はウィンブルドンカラーの紫とドレスコードである白のウェアを思わせる白色の植栽で埋め尽くされています。中央にあるのはハイドランジェア・マクロフィラ (Hydrangea macrophylla) で右にあるのはアガパンサス・アフリカナス・アルバ (Agapanthus africanus 'Albus') です。センターコートの第一試合は前年度チャンピオンのガルビネ・ムグルザ対地元出身のナオミ・ブロディー。ムグルザはスピンの効いた安定したショットをコート深くに丁寧に集め、対するブロディーはフラット系のストロークで力で押すスタイル。芝コートは他のサーフェスよりもバウンド後に低く滑るため低い打点からのフラット強打はややリスクが高くアウトが増えていました。試合はムグルザが 6-2, 7-5 で勝利。センターコート第二試合は第二シードのラファエル・ナダル対ドゥディ・セラ。2度の優勝を誇るナダルですが2012年以来4回戦が最高成績で芝では満足な成績を残せていません。これには幾つか理由があると思いますが、回り込みフォアハンドを武器にしているナダルにとって芝のコートは滑りやすく、膝の怪我の影響で完璧な打点に入ることが難しいことが理由の一つだと思います。ただ今日の試合はナダルの状態の良さを印象付ける試合でした。コート上で俊敏に動き回り武器である回り込みフォアハンドをしっかり打てていましたし、インタビューでも語っていた通り所々でサーブの精度を上げてショートポイントが取れていました。ショットも全体的に深く今年はベスト8以上の良い成績を残せるかもしれません。今回の植物ハイドランジア ‘アドリアブルー’アガパンサス アフリカヌス ‘アルバ’ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.07.06
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夏になりサン・ガーデンの植物も大分出揃ってきていてガーデンニングの成果が最も顕著になる季節になりした。平面図の記事やイメージボードの記事でも紹介したエリアですが、今年も順調に育ってきているようです。(昨年のサン・ガーデンの様子はこちら)サルビア・ネモロサ・カラドンナ (Salvia nemorosa 'Caradonna') は春先の鮮やかな紫もいいですが、やや時間が経ち少し色が褪せてきた頃の方が他の植物と調和して見えると思います。手前にあるスタキス・モニエリ (Stachys monieri) はピンクの花穂を沢山立ち上げています。紫からピンクまでの近縁色同士を組み合わせて視覚的な統一感を出す狙いがあります。アガスターシェ・ブラックアダー (Agastache 'Blackadder') は紫の明暗がついた大きな花穂を持っています。去年は前線に配置されていましたが、枝葉が疎で地面が露出して見えやすいためサルビアをとの位置を入れ替えました。サルビアやスタキスの密な枝葉でアガスターシェの足元を隠しています。また、後方にエキナセア、前方にスタキスを配置することで、ピンクが繰り返し現れます。繰り返しの要素は全体を調和して見せる効果があります。ベロニカストラム・ヴァージニカム・ファッシネーション (Veronicastrum virginicum 'Fascination') は二年目になり株が成長してきました。薄い紫色の花穂群は遠くからでもインパクトがあります。シードヘッドも独特の形をしておりウィンター・シルエットの素材としても用いることができます。エキナセア・パーピュレア (Echinacea purpurea) の株もとても充実していて数え切れないほどの花をつけてきています。ある程度背が高く視覚的なインパクトも大きいのでグループにして植えるとインパクトが大きくなります。エキナセア・パーピュレアの隣には園芸品種のエキナセア・パーピュレア・プロフュージョン (Echinacea purpurea 'Profusion') が植えられています。やや小型でコーンの部分の色が濃く、茎の色もダークレッドになっています。背後のグラスはカラマグロスティス・アクティフローラ・カールフォスター (Calamagrostis × acutiflora 'Karl Foerster') で初夏には透き通った穂を出していましたが、時間の経過とともに茶色に色づき直立性が増してきました。去年は株がの成長段階にあったためか穂はほとんど出ていませんでしたが今年は本来の姿を見せています。今回の植物スタキス モニエリベロニカストラム ‘ファシネーション’サルビア ネモローサ ‘カラドンナ’エキナセア パーピュレア EXPERIMENTAL GARDEN
2018.07.02
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バービカン・センターはロンドンのシティにある複合文化施設です。コンサートホール、シアター、劇場、図書館、展示場そして集合住宅が統合されたブルータリズム建築として知られています。2015年に屋上庭園部分の改修を行い、ロンドンオリンピックパークの植栽デザインを手がけたことで知られるナイジェル・ダンネットが植栽計画を担当しました。ナイジェル・ダンネットの植栽デザインは生態系の分析に基づくもので、ワイルドフラワー・メドーでも紹介しましたが、維持管理を最低限に抑えつつ長期的に存続しうる植栽デザインを追求しています。そのためにはグラスの配合率はどの程度で多年草の割合はどうするべきなのか、複数の植物を混植すると年月の経過とともにそれぞれの植物の割合はどのように変化していくのか、植物の競合に勝つのはどの種類か、どの種類の組み合わせだと競合を避けて長期に渡って共存し得るのかを試験し続けて確立されてきたスタイルです。プレーリー・ガーデンと呼ばれるスタイルで灌漑は行われておらず、水も雨水のみで賄われているため耐乾性の高い植物を中心に構成されています。上の写真は6月中旬のものでかなりグラスが多くワイルドな印象を受けると思いますが、長期的に安定する混植の割合を突き詰めた結果を形に表現した結果自然の風景に近づいてできた、ある意味デザインされた生態系なのです。大部分を占めているのはメリカ・キリアタ (Melica ciliata) で小型のグラスですが成熟すると多くの穂をつける魅力的なグラスです。球体状のシードヘッドの一団はアリウム・パープルセンセーション (Allium hollandicum 'Purple Sensation') で、かなり多めの配合ですが球根植物は地表近くに根を張り栄養を蓄えるため、地中に根を伸ばす宿根草と競合を避けることができ高密度でも生存することができます。白色の小さな花を咲かせているのはリクニス・コロナリア・アルバ (Lychnis coronaria 'Alba') で水はけの良い土壌を好みます。中央にある青い球状の花はエキノップス・リトロ・ヴェッチスブルー (Echinops ritro 'Veitch's Blue') で痩せた水はけの良い土壌を好み夏にはたくさんの花を付けます。春先から活躍しているユーフォルビア・キャラシアス・ウルフェニアイ(Euphorbia characias subsp. wulfenii) は地中海地域原産のため乾燥に強く、常緑であることから冬の植栽としても用いられます。赤い点のように見えているのはサウスバンクの記事でも紹介したリクニス・カルセドニカ (Lychnis chalcedonica) です。中央に大きな花穂を立ち上げているのはニフォフィア・タウニーキング (Kniphofia 'Tawny King') で前方にはサルビア・ネモロサ・カラドンナ (Salvia nemorosa 'Caradonna') が見えます。完成から数年が経過しそれぞれが大株になってきてかなり高密度になってきていますが、これだけ多くの植物が生存しているという点を考えると造られた生態系が正常に機能していると言えると思います。 今回の植物バーベナ ボナリエンシスフロミス ルッセリアナサルビア ネモローサ ‘カラドンナ’メリカ キリアタユーフォルビア ウルフェニー EXPERIMENTAL GARDEN
2018.07.01
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去年の5月頃前庭ローズガーデンの改良に踏み切りました。既存のバラを生かしつつ周辺の植栽とのバランスをとるために多年草を配置していこうということで、ローズガーデンのイメージにあった品種を選んでいきました。使われているバラはホルストマンズ・ローゼンレスリー (Rosa 'Horstmann's Rosenresli') で花弁の多いロゼット咲きの大きな白色の花を咲かせます。花びらは大きくレース状に重なり合っていてややランダムな輪郭ですから、組み合わせる多年草も似たような形態をしたものが好ましいのではないかと考えました。また、既存の品種ではバラの背後に紅白の花をつけるサルビア・ミクロフィラ (Salvia microphylla) が控えており、付け加えるのであればシンプルに一色だけが妥当でした。そこでまず選んだのがサルビア・ファリナセア (Salvia farinacea) です。澄んだブルーの色合いの花穂から小さな花びらがややランダムに広がります。バラと比べて花びらの大きさはかなり小さいですが、ローズガーデンの主役を引き立てるという意味ではコントラストが効いていて良いのではないかと思います。またサルビア・ミクロフィラの花びらのサイズともおおよそ一致しており、統一感出す効果も期待できます。ペニセタム・オリエンターレ (Pennisetum orientale) グラスですが白色透明の花穂を立ち上げるという点では色彩、テクスチャーともに好適種だと思います。またサルビア・ファリナセアと背丈も同じくらいでバラの存在感を引き立てるのに向いているように思います。ネペタ・ウォーカーズロー (Nepeta racemosa 'Walker's Low' ) は小ぶりでたくさんの薄いブルーの花を付ける品種でサルビア・ファリナセアと同系統の色合いで少し見た目に変化をつけることができます。去年の植え付け時から比べるとそれぞれが大株になってきて迫力のある風景になってきました。青と白のメインカラーに時折赤が混ざり込み、統一されたテクスチャーの中でホルストマンズ・ローゼンレスリーの大きな花が映えて見えます。意図した風景が実際に出来上がってくるとデザイナーとしては嬉しいものです。今回の植物サルビア ファリナセアサルビア ファリナセア ホワイトペニセタム オリエンターレサルビア ‘ホットリップス’ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.06.24
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ロンドンのウォータールー駅付近のサウスバンクにはローヤル・フェスティバル・ホールがあります。1951年に建造された文化複合施設でクラシック・ミュージックのコンサートホールをはじめレストランや様々なショップ、バーなどが詰め込まれています。毎週水曜日にP2Cの勉強会が行われており今年の2月から数ヶ月間はここに通っていました。勉強会は毎回代わる代わるチェアとなる人が二人選ばれ、それぞれ5問ずつ質問を準備してその解答をテーブルを囲んで議論するという形式でした。様々な会社からランドスケープ・アーキテクトの面々が集まりそれぞれの経験を共有しながらシラバスに関する理解を深めていけるので、多彩なアイディアに触れることができる貴重な機会でした。最も印象に残っている議論は「庭に生えている木が敷地境界のフェンスを越えて隣人の敷地に枝を張り出していて枝の落下により隣人が負傷したとする。損害責任の所在は誰にあるか?」という質問です。これは所有者責任についての問題で、土地や建物の所有者はその所有する領域内及び領域周辺の安全管理の責任を負うというルールがあり、枝の管理を怠った場合木の所有者が責任を負わなくてはならないという平凡な問題でした。ところがグループの中の一人が、「もし仮に、土地の所有者が木を完璧に管理していて、枝も完璧に敷地内に収まっていたにも関わらず雷がその木に落ちて、吹き飛んだ枝が偶然にも隣人を直撃し負傷したとしたら誰の責任になるの?」という質問を投げかけたのでグループ内で議論になり、所有者は管理責任を果たしているから関係ないとする派閥と、過失はないが厳格責任が適用されて所有者が負傷の責任を負わなければならないとする派閥に分かれました。結局試験では聞かれないだろうし法律の専門家に意見をきくと答えた方が無難だろうというふうに落ち着きましたが、あまりにおかしな設定だったのでみんなで笑いながら議論していたのが印象に残っています。フェスティバルホールのやや東側に向かうと黄色く目立つ階段があります。隣接のクイーンエリザベス・ホールの屋上に続く階段で、それを登って3階までいくとクイーン・エリザベス・ルーフガーデン・カフェ・バーがオープンしています。カラフルなプランティングポットや小さな芝生のエリア、ワイルドフラワープランティングに木製のプランターで作られたキッチンガーデンなど小さいながら工夫してさまざまな空間を作っていることが見て取れます。この小さな屋上庭園はグラウンデッド・エコセラピーというボランティアによってホームレス、依存症や精神疾患患者の症状改善や社会復帰を手助けする活動の一環として維持管理されています。知る人ぞ知るという感じの場所ですがテムズ川を一望できる穴場スポットです。ペイントが施された木製プランターに植えられている植物のコンビネーションです。パープルの垂直に伸びた花穂はリスラム・バゲイタム (Lythrum virgatum) です。水辺によく自生していて背丈が1.5mほどに達するやや高性種で、池の周辺などの植栽に用いられることの多い植物です。鮮やかな赤はリクニス・カルセドニカ (Lychnis chalcedonica) で植栽の中でよく映えます。ロンドン・オリンピックパークのヨーロピアン・プランティングベッドの中でも登場する品種です。階下にはサウスバンク・スケートスペースがあります。1968年に建造されたクイーンエリザベス・ホールのピロティに偶然できたスロープや凹凸の多い空間で、1973年から長年にわたって多くのスケートボーダーに愛されてきました。壁や支柱はグラフィティ・アートで塗られまさにポップカルチャーの象徴とも言える場所で、数年前に建物の改築が立案された時は有志で署名活動を行ってこの場所を保存する試みが行われています。こうしたポップカルチャーの保存活動は、歴史的なものと比べて価値の評価が難しく学問の場でもしばしば議論されているテーマです。この場所の保存と改良に関してはUCLのチームも提案を行っており依然として注目度の高いエリアです。 EXPERIMENTAL GARDEN
2018.06.23
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パディントンといえばくまのパディントンで有名なパディントンベアーがブラウン一家に遭遇した駅があるところですが、この付近にはリトル・ヴェニスと呼ばれるエリアがあり沢山のナローボートが停泊しています。ナローボートには人が暮らしていたり本屋やカフェ、バーに改修されていたりするため、いかにもイギリスらしい風景を楽しむことができます。リトル・ヴェニスから数分歩いた場所にはクリフトン・ナーセリーと言うガーデニング専門店があります。店内には多年草や球根をはじめとして多くの草木類やテラコッタ・ポット、様々なデコレーション、温室植物のブースやカフェがあり訪れた人々が思い思いに楽しんでいける場所です。何か質問があればサルバドール・ダリ並みの巻きひげのおじさんが植物のあれこれを色々と教えてくれます。今回紹介するプロジェクトは落ち着いた雰囲気のあるカナル周辺の住宅地と駅付近のハイストリートの喧騒の境界線上にあると言っていいと思います。パディントン駅からリージェンツ・カナル方面の出口を出てリトル・ヴェニスの方へ少し進んでいくとレストランなどが入っている建物と左へ逸れる道が見えてきます。パディントン・セントラルはオフィスビルの間にある公共空間の改修プロジェクトです。今のオフィスで働き始めた頃プレゼンテーションボードの作成を手伝ったことがありますが、オフィスビルの間の細長い街路空間をより歩行者にとって親しみやすい空間にするために、既存のサービスアクセス用の車道を縮小し、より多くの植栽と良質の敷石を使った遊歩道、小規模のイベントに使えるポケットスペースが一体となった活気のある空間を作ることが狙いでした。オフィスビルの間に位置するため陰りがちで、既存の構造物上を改修するため重量制限もありますが、マウンドを使って樹木や植栽に必要な作土層の深さをつくりだしています。街路樹は半日陰に耐えるベチュラ・ナイグラ (Betula nigra) で、明るく爽やかな樹冠を持ち、やや茶色みがかった幹はフレーク状の樹皮で覆われておりユニークな外見です。敷石とプランターの境界を入り組ませて空間的な一体感を出しており、所々に配置されたベンチでは植栽に囲まれながらリラックスして過ごすことができます。以前は車道と金属プランターに植えられた生垣しかない空間でしたが、多くの植栽を加え、昼休みには外に出て座ってランチや会話を楽しんだりできるポケットスペースへと生まれ変わりました。リトル・ヴェニスからの至近距離にバーやレストラン、ジムを備えているため今では平日休日問わず賑わう空間となっています。 EXPERIMENTAL GARDEN
2018.06.17
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今回はイギリスのランドスケープ・プロフェッショナルの仕組みを解説したいと思います。ランドスケープ・コンサルタント業界の中枢はランドスケープ・インスティチュート(以下LI)です。LIはランドスケープに関する教育慈善団体として設立されランドスケープの推進保全活動を行ってきました。LIは長年の功績を認められ1997年にローヤル・チャーター(王室認可)を取得しランドスケープに関する職能団体と認められました。王室認可を得たことでLIにはランドスケープ関連の問題や政策に対する発言権が与えらました。そのため会員のステータスと質を守るためにLIは会員資格を取得するまでのプロセスを厳格に定めています。基本的な過程は以下のようになります。1. ランドスケープ学位を取得 (3年)2. 実務訓練 (1-2年)3. ランドスケープの修士号を取得 (1年)4. チャーターシップの取得 (通常2年以上)この流れに沿って通常7-8年間かけてランドスケープ・コンサルタントの資格を得ることができます。もし学部で他の学位を取得していた場合は、1年間のコンバージョンコースと1年間の修士課程を修了することで1と2のプロセスに替えることができます。それでは各プロセスを簡潔に説明したいと思います。1. ランドスケープ学位の取得高校を卒業しランドスケープ関連の職業を生業としていこうと考えるのであれば、大学でランドスケープ学科を専攻します。大学はLI公認プログラムを有する大学を選択します。大学の教育はプロフェッショナルの養成を目的としているので実務に沿ったプログラムが設定されています。そのため大学に通う3年間で実務に必要な技術や知識、能力を身につけることができます。2. 実務訓練 (Year Out)学位取得後に最低1年間の実務経験を積むことが修士課程へ進学するための条件になっています。人によっては1年以上の経験を積む人もいます。3. ランドスケープの修士号を取得実務経験を経て修士課程へと進学します。修士プログラムは大まかにランドスケープデザイン、プランニング、メンテナンスの方向性に分かれており、自分のやりたい分野に応じて授業を選択し単位を取得できます。修士設計に重きが置かれており、約半年間かけて行われ全単位の半分を占めます。4. チャーターシップの取得修士課程を修了するとP2C (Pathway to Chartershipの略)と呼ばれるチャーターシップ取得課程に登録することができます。P2Cとは実務経験を積みながらLIの定めたシラバスに則りプロとして必要な知識と判断力を養っていく学習課程のことです。学習内容には倫理、法律、環境規制、業務管理、施工管理、開発許可申請法が含まれ、それぞれの分野の学習進度は会社内のメンターによって査定され進捗状況に応じてポイントが付与されます。それと同時に実務記録を提出し外部のスーパバイザーからアドバイスを受けます。チャーターシップの受験資格を得るにはメンターからの推薦とスーパバイザーからの承認が必要です。承認後は年に2度行われる口頭試問形式の試験を受験します。合格者にはCMLI (Chartered Member of the Landscape Institute)と言われる会員資格が与えられます。CMLIのステータスはイギリス国内だけでなく国際的にも認知されています。ランドスケープ・アーキテクトはこれらすべてのプロセスをすべて修了することで初めて真のプロフェッショナルとして認められると同時に、長いキャリアのスタート地点に立ったと言えます。 EXPERIMENTAL GARDEN
2018.06.10
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ウッドランドエッジ・ガーデンは春を過ぎで様変わりしてきました。アキレギアやアイリスは花期を終えてカンパニュラやペンステモンなどの夏の花が目立つようになってきました。初夏から夏へのつなぎの役割を担うのがカンパニュラです。カンパニュラ・パーシシフォリア (Campanula persicifolia) は爽やかな色合いの青い花を数多くつけるとても美しい品種です。もう一つは白色種のカンパニュラ・パーシシフォリア・アルバ (Campanula persicifolia 'Alba') です。カンパニュラは花がベルのような形をしていることからベルフラワーとも呼ばれています。プランティングの下層部では、ゲラニウム・ジョンソンズブルー (Geranium × johnsonii 'Johnson's Blue') も頑張っています。こうした時系列のデザインをするときはプラント・カレンダーを作りどのように変化をさせたいのか理解しながらデザインします。品種名、花期、花色、ライトコンディション、土の湿度などを記入して見た目と同時に環境条件も整理しながらデザインします。春のアイリスやアキレギアの組み合わせから(春のウッドランドエッジ・ガーデンはこちら)大きく変化してきているのが過去の記事と比べてみると分かるかと思います。初夏のカンパニュラの隙間を縫ってペンステモン・ブラックバード (Penstemon 'Blackbird') が伸び始めています。こちらは明るい色のカンパニュラから一転ダークレッドで明暗のコントラストをつける狙いがあります。ペンステモンは夏にかけて長く花を咲かせてくれることを期待しての起用です。全体としては穂状花序の植物を中心に構成して見た目の統一を図っています。その辺りはまた別記事でテクスチャーのデザインをテーマにして取り上げたいと思います。今回の植物カンパニュラ パーシフォリアカンパニュラ パーシーフォリア アルバ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.05.31
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先日オステリー・ハウス・ガーデンへ向かいました。場所はロンドンのヒースロー空港からピカデリー線に乗り数駅ほどのところにあるオステリー (Osterley)です。最寄駅も同じ名前で徒歩10分ほどの距離にあります。ガーデンは広大な公園の一角にあり公園内にはオステリー・ハウスやカフェ、オーガニック野菜の直売所などがあり、休日は家族連れで賑わいます。公園内では乗馬もできますし、牛が飼われていたりするのでロンドンとは思えないくらいのんびりした雰囲気のところです。今回は春先に咲く花々のアイディアを探しに来ているので馬も牛もオステリー・ハウスもすっ飛ばして、メイン・ガーデンであるミス・チャイルズ・プランティング・ベッドへ直行しました。エントランスから歩いていくと、セントーレア・モンタナ (Centaurea montana) の大株が出迎えてくれます。実際に見てみると想像していたよりインパクトがありクールな印象のブルーの花は花火のような造形をしています。ルピナス・ギャラリーブルー (Lupinus 'Gallery Blue') の花がいくつかの花壇に配置されています。遠くからでもよく目立ち、人々を惹きつけます。キングサリ (Laburnum anagyroides) の木陰の下でタリクトラム・アキレギフォリアム (Thalictrum aquilegiifolium) が花を咲かせています。ピンクと白の綿のように繊細な花を細い茎が支えています。日が当たると透き通るような幻想的な雰囲気を作り出し、上からキングサリの花が優雅に垂れさがっています。ゲウム・ライオネルコックス (Geum 'Lionel Cox') のシードヘッドはとてもユニークな形で花後の鑑賞価値も高いです。ネクタロスコルダム・シクラム (Nectaroscordum siculum) は花の色こそ質素ですが茎から垂れさがるいくつもの花はユニークな形で見る目を惹きつけます。薄い黄色の細かな花を咲かせるテリマ・グランディフローラ (Tellima grandiflora) のブロックを背景に紫のジャーマン・アイリス (Iris germanica) が咲いています。テリマ・グランディフローラは日陰でも咲きナチュラル・ガーデンとワイルド・ガーデンの両方に活躍する優良品種です。テリマ・グランディフローラの花弁の先がややピンクがかって見えます。ウッドランド・ガーデンエリアではワスレナグサ (Myosotis sylvatica) が一面に咲いています。その中から時折顔を出している黄色い花はユーフォルビア・ポリクロマ (Euphorbia polychroma) です。ゲラニウム・エンドレシアイ (Geranium endressii) とペルシカリア・ビストルタ (Persicaria bistorta) の大株も見応えがあります。ワスレナグサも使われており、明るめの色合いで決めにきていることが伺えますし、多年草は高さを一定にしつつ低木を使って高低の変化を与える空間設計も見事だと思います。今回の植物セントーレア・モンタナタリクトラム アキレギフォリウム ブラック・ストッキングペルシカリア・ビストータユーフォルビア ポリクロマルピナス ギャラリー ブルーキングサリ ‘ボッシー’ジャーマンアイリス EXPERIMENTAL GARDEN
2018.05.28
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最近近所を歩いていたところ、偶然レイン・ガーデンを見つけました。レインガーデンとは、雨水を効率的に集めることで水をやらずに管理できる植栽のことです。アイディアはとても単純でプランターを周辺部よりも低くすることで、周辺部に降り注いだ雨水を集めプランター内に流し込むことができます。サスティナビリティ(持続可能性)の面からも評価されており、SUDS (Sustainable Urban Drainage) の一つでもあります。SUDSとは地球温暖化により集中豪雨が増え、洪水のリスクが大きくなったことにより生まれた考え方です。従来の側溝 (Drainage) は路面に降り注いだ雨を集約し、短時間で川まで放出します。そのため雨が降るとその水が一気に川に集中し、洪水を引き起こします。それに対し、SUDSは集約した雨水を一度土壌にしみ込ませます。降水量が多く土壌の許容量を超えた場合にのみ、地中に埋め込まれている排水管から水が排出されます。そのため、雨水が川まで到達する時間を大幅に遅らせることができます。丁度この例では縁石の間隔を少し開けることで雨水をプランター内に誘引します。土にしみ込んだ雨水は時間をかけて少しづつ地中の排水管へと送られます。降雨量が少なければ植物に吸い上げられるか地表から蒸発していきます。自然のプロセスを生かした方法です。もともと都市洪水は地表面がアスファルトなどの防水舗装を施されていることにより引き起こされます。そこでヨーロッパの都市では舗装面を減らすか、透過性のある舗装に変えることで洪水のリスクを下げる取り組みが行われています。土壌を透過した雨水は路面の汚染物質をろ過し、植栽は景観を向上させます。舗装面が減れば夏季の気温上昇を抑える効果も得られます。レイン・ガーデンに植える植物は特殊な条件を満たす必要があります。それは雨が降っていない時期の乾燥に耐え、豪雨の時の湿潤な環境でも生き延びられる耐湿性を兼ね備えていることです。また、湿度はレイン・ガーデン内の位置によっても大きく異なります。通常レイン・ガーデンは器のように中心部が低く周辺部が高い構造をしています。そのため中心に近くなる程水分が溜まりやすく周辺部ほど乾燥が強くなります。そのため植物の配置は周辺部が耐乾植物、中心部が耐湿植物というようになります。あまり耳慣れないものかもしれませんが、こうした取り組みは都市環境向上のために有用なだけではなく家庭でも実践できるアイディアです。今回の植物サルビア ネモローサスティパ テヌイッシマゲラニウム ‘ロザンネ’ EXPERIMENTAL GARDEN
2018.05.27
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夏が近づき庭の活気は増してきています。ローズ・ガーデンのサルビア・ファリナセア (Salvia farinacea)の明るい青とペニセタム・オリエンターレ (Pennisetum orientale)の穂が朝日を受けて輝いています。ニフォフィア・ミニスター バーシュクール (Kniphofia 'Minister Verschuur') は二年目に入り株が充実してきました。紫やピンクを中心にした組み合わせのサン・ガーデンの中で黄色はアクセントとして働いています。背後にあるカラマグロスティス・アクティフローラ ’カールフォースター’ (Calamagrostis× acutiflora 'Karl Foerster')は植栽に高さを出すと同時にフォーカルポイントとしての役割を持っています。こちらも二年目に入り多くの穂をつけてきており、夏から秋にかけて穂が色づいてくるのがとても楽しみです。直立性が高く整った姿をしており汎用性の高いオーナメンタルグラスです。サルビア・カラドンナ (Salvia nemorosa 'Caradonna') とカラマグロスティス・ブラキトリカ (Calamagrostis brachytricha) の組み合わせです。サルビア・カラドンナの鮮やかな紫は明るい緑と組み合わせるとさらに色彩が引き立ちます。こちらは今年から新しく始めたプレーリー・ガーデンです。成長の早いモナルダ・ラベンダー (Monarda didyma 'Elsie's Lavender') が花をつけ始めました。シードヘッドが魅力的な品種でもあるのでこれから長く楽しめそうです。奥にはエキナセア・フラダンサー (Echinacea pallida 'Hula Dancer') が幾つか見えます。エキナセアの原種の改良種で垂れさがる花弁がユニークです。群生している光景はとても壮観です。枝葉もスレンダーでスペースを取らないため他の植物の邪魔にならないため、より広範囲に植えても良いかもしれません。今回の植物:ペニセタム オリエンターレサルビア ネモローサ ‘カラドンナ’サルビア:ファリナセアエキナセア ‘フラダンサー’カラマグロスティス ブラキトリカ人気ブログランキング
2018.05.26
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今回はガーデナーズレポートです。庭に必須のグランドカバーを紹介していきます。ヒメイワダレソウ (Phyla canescens) 人に踏まれるような場所や石畳の間のわずかな土でもよく育ち、小さな白い花をびっしりつける。育ちすぎて高さが出てきた時には、草刈機でかなり刈り込んでもまた葉が出てくる強靭な宿根草。ダールベルクデイジー (Thymophylla tenuiloba) 4月にタネを直播きする。移植はあまり好まない。沢山の黄色い小花をさかせて草原のような雰囲気を作り出す。枯れてもタネを落としておくとまた発芽してくるので、半年以上楽しめる一年草。ゴールデンオレガノ (Origanum vulgare) 一年中黄緑色の葉を保つ乾燥を好む宿根草で地面を覆うようによく広がる。立ち上がってきたら、カットしてたかさを一定にすると良い。イベリス (Iberis sempervirens) 早春に半球形の白い花をびっしり咲かせる。梅雨どきに蒸れて枯れこむことがあるが、枯れたところを短くカットしてやれば、また葉が出てきて、冬でも緑の葉を保つ。宿根草。タイム・ロンギカウリス (Thymus longicauris) 春からピンクの花を一面に咲かせる。這うように低く広がっていき乾燥や暑さにも強いドライガーデン向きの常緑宿根草。アジュガ・レプタンス (Ajuga reptans) 春に紫色の花を咲かせる半日陰から日陰まで幅広く活躍する常緑種。這うように葉が広がり、地面についたところからランナーを伸ばして広がる宿根草。これらの草花はローメンテナンスですが、草丈の調節や最低限の除草を行うと綺麗な状態で長く楽しめます。今回の植物:アジュガ ‘キャトリンズ ジャイアント’タイム ロンギカウリス人気ブログランキング
2018.05.25
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春の庭先にも活気が出てきました。東向き半日陰のエリアにはウッドランドエッジガーデンがあります。ウッドランドエッジとは森林と草原の境界(Woodland Edge)のことで、半日陰を好む植物が発生するエリアです。西側に塀と建物があり西日が遮られるエリアは昼間の半分ほどしか日が当たらないため、ウッドランドエッジと環境が似ているため半日陰を好む植物を植えるのに適した条件です。この条件では瑞々しい花を咲かせる植物が多く、日向のガーデンとは違った趣を楽しむことができます。繊細な形をした花多く、コテージガーデンなどで活躍する品種も多く使うことができるので、ガーデニングが楽しめる環境だと思います。ここでは春先にパステルカラーの組み合わせが姿を現します。背景に並んでいる鮮やかなオレンジはホメリア(Moraea flaccida)でその前方に八重咲きのアキレギアが配列されています。アキレギア・ブルーバローは地表にある枝葉の茂みからすらっとした花茎を立ち上げその先に鮮やかで濃いブルーの花をいくつも咲かせます。花の輪郭は遠目に見ると球形に近く、緑の中にいくつもの玉が無数に浮かんでいるような光景を作り出すことができます。アキレギア・ローズバローはピンクの発色がよく八重咲きの花弁の輪郭もすっきりと見えています。花弁の先に向かって色が濃くなっていくのも特長です。アイリス・シルベリービューティは透き通るようなと水色の花を咲かせています。手前にはアキレギア・ローズバローが見えます。配置法はミックスプランティングと呼ばれる、各植物がランダムかつある程度均一に並ぶスタイルをとっています。様々な種類が混植されているため自然な印象になり、季節の移り変わりに伴って景観が変化していくのが強みです。この写真ではアイリス・シルベリービューティーが繰り返し現れる配置がよくわかると思います。繰り返しのパターンを作ることで景観的に安定感が出てきます。4月から咲く花も多く取り入れてあるので、春先から楽しみになるようなプランティングになっていると思います。今回の植物:アキレギア ローズバローアキレギア ブルーバロー人気ブログランキング
2018.05.21
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西ロンドンのシェパーズブッシュにある大型ショッピングセンター「ウェストフィールド」に来ています。2008年に建てられたウェストフィールドには面積150m2を超す大型のグリーンウォールがあります。このグリーンウォールが作られた背景には、ショッピングセンター利用客への環境向上と温暖化対策、近隣への騒音緩和などがあります。50cm四方のモジュールシステムを使って組み立てられていて、鉄骨フレームに植栽モジュールをはめ込んで作られるため工期は約四週間の短期間です。灌漑システムで土の湿度を一定に保つようにしており定期的な査定と切り戻しの他にメンテナンスをしなくて済むため維持管理が簡単です。日本でも東急プラザや京都ヨドバシカメラなどで大型の壁面緑化がされていてトレンドの一つなのかと思います。実際ボリュームのある緑の空間は歩いていても植物独特の温かみがあり気分が良いですし、壁の正面にいあるレストランやカフェからの眺めも良く、夏になると壁の前のウォーターフィーチャーの周りは人々の憩いの場になっています。このプロジェクトの良いところはグリーンウォールが人々が座って話をしたり、外に並べられたテーブルで食事をしたりできる空間に面しているのところで、これが都心の交通量の多い道路に面していたとすればそこまで歩行者に与える心理的な影響は出ていないと思います。グリーンウォールの設計はランドスケープ・アーキテクトやプランティング・デザイナーにとっても難しいものです。そもそも灌漑設備をや水質管理システムにはエンジニアの専門知識が費用ですし、構造的にも軽くて十分強固でなくてはなりません。しかし、デザイナーにとって最も難しい点はグリーンウォールの上部と下部で土に含まれる水分量がかなり違うとういことにあります。当たり前ですが水は重力にしたがって上から下へと落ちて言いますから、壁の上部には常に水分を供給していなくてはなりませんし、壁の下部は上から落ちてきた水分で常に湿潤になています。つまり、縦の長さが長ければ長いほど環境の変化が激しいということになります。そのため通常壁の上部は乾燥に強いグラスが多く下部に行くほど湿潤な環境に適したシダ植物やヒューケラなどの割合が増えていくことになります。上の写真の中央付近にあるヒダのついた葉をもつ植物はアスプレニウム・スコロペンドリウムというシダ植物の一種で、丸くて大きな葉をつけているのはバージェニア・コーディフォリア、画面左端にはヒューケラが見えます。いずれも湿潤な土を好む植物です。こうしてパッチを真正面から写真に撮って分解してみていくと全体の仕組みが見えてくるので、街中で目にしたものでもなるべく写真に収めてデータを集めておくようにしています。デザインの手札を増やしておくといつか役立つ時があるかもしれません。私の友人は修士課程の卒業論文でアルプスの植物の研究をしていました。その理由はアルプスの植物が乾燥に強く、岩肌などの水分が少ない環境でよく生育するため、水分量に制限があるグリーンウォールに活用できる可能性があるからです。彼の研究は時間の制限もあり、水分量を変化させた場合の発芽率の違いの分析にとどまっていましたが、こうした研究の積み重ねの上に今あるグリーンウォールの基本スタイルが作り上げられているのです。人気ブログランキング
2018.01.22
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庭の入り口には石造りの塀があります。塀は高さ1.5mほどで御影石の上に木塀を重ねて作られており、塀には植え込み用の花壇が備え付けられています。花壇の大きさは 5.0m x 0.5m ほどで、門の両側に対になっています。今まではバラが植えてありましたが、土の深さが浅く乾きやすいため低木にとっては過酷な状況でした。それ以来グランドカバーを植えて管理を楽にしていましたが、庭の植栽をデザインしているのでその入り口のデザインも庭の特色がにじみ出るようなものにしたいと考えていました。今回のデザインでキーになっているのは、建造物と植栽の一体感を出すことです。デザインはシンプルに全体の統一感を追求する。アイディアを膨らませたら何が必要か精査し、無駄をそぎ落とす。この二つはデザインを突き詰めていく上で必ず必要なプロセスだと思っています。今回のデザインでは既存の塀があるのでそれを最大限に生かすために必要なものは何かを考えます。そこで今回ポイントになるのが色彩と形体です。御影石は白色で、木塀は赤みがかった茶色に塗装されています。あまり見ない組み合わせですが植栽も白を中心に据えて、黄色系統を加えながら石の白から木塀の赤へと色彩の変化をゆるやかにするべきだと考えました。さらに塀はエッジの効いた四角柱で門を挟んで対称に配置され幾何学的な印象が強いものでした。そう考えると植物も直線的で型崩れが少ないもの、枝葉の構造が強い線となって現れる品種が必要になってきます。カラマグロスティス・オーバーダムは白色斑入りの葉を持ち真っ直ぐ直線的な穂を立ち上げます。ユーフォルビア・タスマニアンタイガーは白色斑入りの葉でクリーム色の花を咲かせる常緑の植物で、太くボリュームのある茎は石塀のインパクトにも負けないものがあります。セダム・フロスティモーンも白色斑入りで厚みのある葉と茎を持ち、重みのある形体です。この三種で空間構造をはっきりさせつつ、そこに薄いオレンジ色の美しいエキナセア・ハーベストムーンと明るい黄色のルドベキア・リトルゴールドスターを加えます。このデザインでポイントになっているのは、カラマグロスティス・オーバダムの配置です。門をまたいで対称な石塀に対面した時バランス良く見えるようにするためには今回のパレットの中で一番背の高いカラマグロスティス・オーバーダムをほぼ均等な間隔で対称に植えるのが最良でしょう。(プランティング・パレットについてはこちら)全体的に白色に近い葉を持った植物で構成して、花をつけるものはオレンジ、黄色もしくは白に限定しています。グランドカバーはヒメイワダレソウで、花壇からその下の壁面を覆い隠す狙いがありますがこれもまた白い花をつけます。写真は一年目の株が少しずつ充実してきた時点のものです。「コンセプトを決めてそれを貫く」簡単そうでとても難しいですが、デザインをする上でとても重要なことだと思います。今回の植物:エキナセア ‘ハーベストムーン’グラス カラマグロスティス ‘オーバーダム’ルドベキア ‘リトルゴールドスター’スティパ テヌイッシマ人気ブログランキング
2018.01.20
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植栽に造形的な美しさを加える上で欠かせないのがシードヘッド (Seed head) です。花々の生み出す魅力的な色彩や瑞々しい緑に目が惹かれますが、花期を終え種を付けつつある植物も自然な植栽美を庭にもたらしてくれます。成長する植物の柔らかいテクスチャーとは対照的に、シードヘッドには特有の硬さがあります。この硬さが庭全体の印象を引き締める役割を果たします。柔らかいものの中に硬くて造形的な要素が含まれていると、植栽にアクセントをを加えることができるのです。アリウムはシードヘッドの美しい植物の代表格です。直線に伸びた茎の先から放射状に伸びた花柄には幾何学的な美しさがあり目を引きます。アリウム・グローブマスターなどの背が高い品種は植栽の中心部に配置されていても周囲の植物の間から顔を出すため長期間にわたり存在感を示してくれます。アリウム・クリストフィなどの背が低くて大きな花をつけるものも魅力があります。スケルトンの球体は彫刻的な美しさを持っていて、植栽の中にいくつか球体のシードヘッドを潜ませておくと視覚的な効果は抜群です。アガスターシェもまた魅力的なシードヘッドを持つ植物の一つです。大きな花穂が成熟するといくつもの穂状シードヘッドへと変化します。アリウムの球形とは対照的な垂直に伸びる花穂群は自然な印象を与えます。グラスの穂とも相性が良く、カラマグロスティス・ブラキトリカなどの形態の似たもの同士を組み合わせると効果的です。フロミスは独特の形態の花茎をもち造形的に美しい品種です。垂直に伸びる花茎には横長球形の花托が連続して付いており、花後に花托の部分がそのまま残りタワー状の形態を維持します。植栽全体の中に何本かの個体を群生させることで独特の形態が際立ち、秋から冬にかけてのウィンター・シルエットとして存在感を示します。インパクトの強さにかけて言えばグローブ・アーティチョークの右に出るものはありません。高性で密度の低い大きな葉を持ち、茎の頂上部にこぶし大からそれ以上の大きな花を咲かせます。全体的にギザギザした粗いテクスチャーの植物で、植栽の中もしくは背後にあっても存在感を示し続けます。こうしたシードヘッドの美しい品種を植栽の中に効果的に取り込んでいくとよりナチュラルな風景を作り出せるだけではなく、秋から冬にかけて長期間にわたって庭を楽しむために欠かせません。今回の植物:フロミス ルッセリアナアガスターシェ ‘ブラックアダー’人気ブログランキング
2018.01.16
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プランティング・デザインをする上で最も大切なことを一つ挙げるとすれば、それは時間のデザインです。春夏秋冬の季節の流れの中で庭の植物は新芽を吹き成長し、花を咲かせそして冬には枯れていきます。時の流れとともに雨風に晒され日を浴び、霜が降り雪に覆われながら庭の様相は刻々と変化を続けていきます。絵画、彫刻、建築など様々なものを人はデザインしますが、これほど季節に伴い変化するものはガーデニングを措いて他にはないのかもしれません。春から夏にかけては植物が生き生きと育ち、見た目にも華やかな季節なのでガーデナーにとって心躍る季節だと思いますが、秋から冬にかけて徐々に下降していく時期にも何か見所を求めていきたいものです。ポターズフィールドの記事 の中でも触れましたが、年間を通した高いパフォーマンスを維持は誰もが直面する困難な課題です。それゆえ、ガーデニングの完成度が最も問われるの冬の期間であると言っても過言ではありません。ガーデニングが難しい理由の一つは天候の影響にあります。降雨量の多い年もあれば乾いた年もあり、酷暑に見舞われれば寒冬の年もあります。しかし、天候の変化が庭にもたらしてくれるものがあることも確かです。雨の日には植物の葉が瑞々しく映り、晴れた日の光のもとでは花の色が鮮やかに見えます。冬であれば植物の枝や葉に雪が降り積もり、霜が降りた時は微妙な色彩の変化により神秘的な風景に見えたりします。プランティング・デザインをする上でもこうした天候の変化の中でこそ見えてくる植物独特の美しさを最大限に生かしたいものです。それを可能にするのが植物の立ち枯れ姿を考慮すること、すなわちウィンター・シルエットの研究と言えます。宿根草は花後、冬に備えて葉緑素を回収していきます。そうすると黄色みがかった茶色へ変色し、炭素を基にした骨格部分が地上部に残されます。この骨格部分の構造を観察していると、宿根草の中にも骨格が美しく強固なものとそれが弱く型崩れしやすいものがあることが分かると思います。この違いを見ていくことで、その植物がウィンター・シルエットに適した植物かどうかを選り分けていくことができます。 花後根元まで刈り戻すのは一般的なメンテナンス法ですが、今年は普段は刈り取っていた植物を一度残してみてはいかがでしょうか。そうすることで、今まで見えていなかった植物の美しさを発見できるかもしれません。人気ブログランキング
2018.01.14
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プレーリー・ガーデン(1)に引き続きもう一つのプレーリー・ガーデンのデザインの紹介です。南を向いて西側にサン・ガーデンが見え、奥に前回紹介したプレーリー・ガーデン(以下エリアC)が見えています。敷地条件は前回と同じく日当たり、水はけの良い傾斜地です。このエリア(以下エリアB)は、やや野生的な植栽スタイルでデザインしたいと思います。下図のイメージに近い形で、グラスの割合を高めつつ、オレンジやピンクに黄色を混ぜていく暖色系のカラースキームでいこうと思います。まずプレーリーのイメージを前面に押し出して、グラスを中心に組み立てていこうと考えました。そこで、細かなテクスチャーを持つ二種類のグラス、デスカンプシア・ゴールドタウとミューレンベルギア・レバコニーの組み合わせを考えました。黄金色の穂が出るデスカンプシアと赤色の穂が出るミューレンベルギアで、霞みがかった草原のイメージを作ります。そこにアキレアのピンクとへレニウムのオレンジをバランス良く配置していきます。シシリンチュームは花期がやや早く常緑で、黄色の花を咲かせるため視覚的なアクセントの効果を期待しています。また、シードヘッドも魅力的な品種です。メリカ・キリアタとオレガノは高さに変化を生むために混ぜています。レモングラスなどの既存植物と合わせて位置を調整したのが上の平面図です。D(デスカンプシア)とM(ミューレンベルギア)が全体に広がり、草原のイメージをつくり出すためのベースになっています。A(アキレア)とH(へレニウム)がカラースキームの肝で、エリアBの中で繰り返し現れることでリズムを生み出す意図があります。その合間を縫ってシシリンチューム、メリカそしてオレガノが植えられることで、アクセントを加えています。植え付けは3月頃になると思いますが、こちらもどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。グラス ミューレンベルギア レバコニー価格:540円(税込、送料別) (2018/1/7時点)庭セキショウ(シシリンチューム) ストリアタム価格:432円(税込、送料別) (2018/1/7時点)アキレア ‘ピーチセダクション’価格:432円(税込、送料別) (2018/1/7時点)人気ブログランキング
2018.01.07
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今年最初の庭の仕事は未開拓のエリアをデザインしていこうということで、支柱と白紐を用いて区割りを行いました。区割りを行った目的は、庭の中に空間を作っていくことにあります。去年庭のデザインを始めた時は植栽限定のデザインだった為、人が過ごす為の場所がありませんでした。そこで花壇をフットパスによって細かく区切って探索路を設けながら、庭の中央部分には探索路が交わる大きなスペースを作り、憩いの場を設けるような計画にしました。また区割りをすることで測量が容易になり、より正確なデザインをする狙いもあります。区割りを行ってから早速花壇の植栽デザインに取り掛かりました。今回デザインするのは赤線内の区画で面積は約16㎡ほどです。環境条件は日当たり、水はけの良い南向き傾斜地です。そのためこのエリアは、去年作ったマスタープランに沿って、北米乾燥地帯の植生をモチーフにしたプレーリー・プランティングを行います。北米原産のエキナセアやルドベキアなどを中心にグラスを混ぜつつ、野生的でありながら季節を通して鮮やかな植栽を作っていくイメージを描いていました。(イメージボードの作り方についてはこちらをご覧ください)常緑種を混ぜつつも、花後に立ち枯れが美しい品種を多く用いて秋から冬の間も植栽のシルエットを長く楽しめるような庭にしたいと考えました。フロミスやモナルダなどシードヘッドが魅力的な植物は花後すぐには切り取らずに翌年まで残しておくことで、長い間庭を楽しむことができます。(プランティング・パレットについてはこちらをご覧ください)ルドベキア・マキシマやバーベナ・ハスタータなどの高性種や、エキナセア・フラダンサーのように葉があまりつかないものはプランターの中心付近に分布させ、その周辺を枝葉がよく広がるもので埋めていきます。またグラスを間に挟むことで野生的で自然な雰囲気を醸し出す狙いもあります。(プランティング・プランについてはこちらをご覧ください)5月から10月ごろまで断続的に花が咲くようにバランス良く配置し、今年一年を通してどのような顔を見せてくれるのかとても楽しみなエリアです。今回の植物:フロミス チューベロサルドベキア マキシマモナルダ ラベンダーバーベナ ハスタータ ‘ブルースパイヤー’エキナセア ‘フラダンサー’人気ブログランキング
2018.01.06
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前回記事に引き続き、今年サン・ガーデンに飛来した蝶を紹介したいと思います。ナガサキアゲハ開張90-120mmの大型種で、元来九州から山口県の分布にとどまっていたが温暖化に伴い北上し2000年代に入り中部、関東地方でも確認されている。飛ぶ時にあまり羽ばたかず、後翅に尾がないため容易に判別できる。 ミカン科の植物を食草としている。モンシロチョウ 日本全土に分布する開張40-50mmの中型種。名前の由来は黒い紋白い蝶という意味。キャベツなどアブラナ科の植物を食草としており飼育が容易なため小学校の理科の授業で活躍する。筆者の小学校では幼虫の飼育ブームが起こり、腐ったキャベツの葉が悪臭を発していたため3年生の教室で行われるはずの職員会議が中止になったことがある。アカボシゴマダラ奄美大島などに定着していた亜種は準絶滅危惧種とされているが、1998年に中国産のものが神奈川県に放蝶されて以来定着したものは要注意外来生物に指定されている。開張75-85mm。ニレ科のエノキ等に産卵するためオオムラサキなどの在来種との競合が懸念されている。 アオスジアゲハ本州以南に分布する開張65mmのクスノキ科の植物を食草とする大型種。普段は高速で高い位置を飛び回るが花に止まる時と地上の水を吸うときのみ低空飛行を行う。翅には印象的な青色の筋があり、その部分には鱗粉がない。前回記事と今回で今年庭に飛来した蝶を紹介しましたが、この他にも多くの種類が来ていました。また来年さらに多くの蝶が観察できるのを今からとても楽しみにしています。皆さんも珍しい蝶など確認されましたら是非ともご一報頂きたいものです。人気ブログランキング
2017.12.28
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ガーデニングを楽しんでいると様々な蝶を見かけることも多いと思います。庭を訪れる蝶には翅の色や形などに様々な特徴があり、それらを観察することも楽しみの一つだと思います。そこで今年見かけた蝶の一部を紹介したいと思います。(サン・ガーデンの記事はこちら)アゲハチョウ日本全土に分布する開張70-100mmの大型種。翅の鱗粉は黒と黄色を基調にして後翅の下部に赤点がある。ミカン科の植物に産卵し幼虫は若葉を食べて成長する。モンキチョウ日本全土に分布する開張50mmの中型種で、マメ科を食草とする。花に止まる時は翅を閉じる習性があり行儀が良い。翅の外側は黄色の鱗粉に白と黒の点があるが、前翅の内側には黒い帯がある。ジャコウアゲハ本州以南の低い山に分布する開張100-110mmの大型種で緩やかに空を舞い地面に降りることは稀。黒色で透き通った翅と特徴的な赤い腹部を持ち、香水の素材となる麝香(じゃこう)の香りがすると言われているが、実際に嗅ぐチャンスはあまりない。ウマノスズクサ科の植物を食草とする。ツマグロヒョウモン日本全土に分布する開張70mmの中型種で、スミレ科を食草とする。栽培スミレの普及と温暖化の影響により近年生息地を拡大している。幼虫はとげとげしい毛虫で食草を求めて地面を歩き回ることもあるが無毒なので見かけたときはお手柔らかにお願いします。クロアゲハ本州以南に分布する開張100-120mmの大型種で、ミカン科を食草とする。翅は全体的に黒い鱗粉で覆われ後翅に赤点がある。地面に降りて吸水することもある。普段は林の中など薄暗い場所で木の間を縫うように飛ぶが食事をしに明るみに出てくることもある。後編へ続きます。人気ブログランキング
2017.12.24
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今回紹介するのはワイルドフラワー・メドーと呼ばれる現在注目を集めている野生的なプランティング・スタイルです。写真を見てもらうとわかる通り草原のような見た目ですが、それもそのはずこのデザインは自然植生をもとにデザインされています。スイスの高山植生やアメリカのプレーリー、アフリカや中国の人の手が届かないようなエリアに残っている自然景観をもとに、その組成を分析、種子の発芽率の実験などを通して都市部での実用化がされるようになりました。イギリスのプランティング・デザイナーであるナイジェル・ダンネットはワイルドフラワー・メドーの第一人者として知られており、ロンドン・オリンピックパークを始め様々なプロジェクトを展開しています。適用の仕方はとても簡単で、一年草を中心としたシードミックスを地表に蒔き、レーキで満遍なく広げてあとは放任です。見た目の自然な美しさもそうですが、利点としては維持管理がとても簡単で、年に2回切り戻しを行うだけです。一度目の切り戻しは夏で、春咲きの植物群のピークが過ぎた時に行います。刈り戻しと言った方が適切かもしれませんが、全てをなぎ払い一旦更地に戻します。そうすることで秋咲きの種に日光が当たるようになり、再び芽吹いて秋にまた花を咲かせます。そしてまた冬に刈り戻しを行います。刈り戻した植物はその場にしばらく放置し種が地面に落ちるのを待った後、そこから取り去ります。そうすることで土地が痩せていくので、ある一種類が他の植物を駆逐してしまうことはなくなり、全体のバランスを保つことができます。多年草も用いられますが、ほとんどがこぼれ種で増える一年草や球根類で形成されているため、植え直しをする必要もほとんどありません。現在では様々なカラーコンビネーションや日照環境に合わせたシードミックスが開発されており、デザイン、用途ともに様々です。見た目の美しさと維持管理のしやすさから行政からは得に好まれていて、道路の中央分離帯にワイルドフラワー・メドーを用いたり、公園の芝生を一部ワイルドフラワーに置き換えたりすることはよくあります。(芝生は頻繁に刈り取らなければならず燃料費、機材、人件費などがかさむ。)また、一般家庭でも管理しづらい斜面や余った土地をワイルドフラワーに転換する人もいます。 また、ワイルドフラワー・メドーは蝶や蜂などに好まれ生物の住処を提供し、都市部に自然を呼び戻すことができるので、子供達の自然学習の場にもなります。今のところ日本の植生をもとにしたシードミックスは開発されていませんが、自然が豊かな場所に住まれている方や、登山やハイキングなどによく行かれる方は、そこにある植生を参考にして新たなスタイルを作り出すことができるかもしれません。人気ブログランキング
2017.12.24
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今日は前回紹介したポターズフィールド・パークにおけるオーナメンタル・グラスを紹介したいと思います。ここで使われているグラスは背丈も60cm - 80cmと小ぶりのもので、テクスチャーが細かく他の植物とマッチさせやすい品種ばかりです。ナチュラル・ガーデンを作りたい方はぜひ導入を検討していただきたいものです。ディスチャンプシア ・ゴールドタウディスチャンプシア・セスピトーサの園芸品種、ゴールドタウは背丈が60cm から80cmのコンパクトなオーナメンタル・グラスです。常緑種で日向から半日陰まで適応できるユーティリティ・プレーヤーであり、夏から秋にかけて多くの穂を立ち上げます。ディスチャンプシア・セスピトーサよりも小ぶりですが穂の数はより多く、夏から秋にかけて銀色から茶色がかった金色へと変化していきます。群生させると一面が霞みがかったような金色に染まり、幻想的な風景を作り出します。小型で姿形が整っていて、手間もかからず育てることができる非常に優秀な品種です。私は去年サン・ガーデンのデザイン中に販売元を探しましたが見つからず、断腸の思いで諦めました。しかし今年ついにいつもお世話になっているおぎはら植物園からデビューしました!これから買ってバンバン使うつもりなのでバナーは張りますが、みなさん購入はお控えください。グラス ディスチャンプシア ‘ゴールドタウ’.....冗談です。僕の分は無くなってもいいのでどんどん導入してください。セスレリア・オータムナリスこちらも常緑種で草丈は60cmほどです。コンパクトで姿形の整っていて細長い葉の作り出す細かなテクスチャーが特徴で、日向から半日陰まで様々なコンディションで活躍する汎用性の高いグラスです。オーナメンタル・グラスといえばパンパスグラスのように大型で目を引くものを思い浮かべる方もいるかと思いますが、こうした小型のグラスは景色の中に溶け込み全体としての統一感を生むために非常に重要な働きをしています。庭づくりでは花も大切ですが背景となる緑の部分にも凝っていきたいものです。ポターズフィールドのデザインでは、紫のサルビアは細かく繊細な花穂を持ち、そこにセスレリアとディスチャンプセアのどちらも細かな葉を持つ緑を組み合わせることで、テクスチャーを揃えて統一感を生んでいます。美術で言うところの余白の美といいますか、メインオブジェクトの配置も重要ですが余白(余緑?)の質を高めていくことも非常に重要なのです。残念ですがこちらを取り扱っている園芸店はまだ確認できておりません。モリニア・カエルレア・ムーアヘクセモリニア・ムーアヘクセは草丈約1mにの中型オーナメンタル・グラスです。日向から半日陰を好み、ムア「moor =湿原」の名が表すとおり湿地と草原の境目の水はけが良く潤った土壌を好みます。穂は紫から焦げ茶色に変化し、カラマグロスティス・アクティフローラのように垂直に整った形状をしています。宿根草の間に混植させることでナチュラルな雰囲気を醸し出すことができるほか、花色の違う二種類の品種の間にスクリーンのとして植えることでカラークラッシュを避けることもできます。こちらも残念ながらまだ取り扱っている園芸店を発見できておりません。しかしながら、こうした世界的に優秀な品種を紹介し、広めていくこともこのブログを立ち上げた一つの理由です。プランティング・デザインの発達は品種の発達に支えられています。より多くのより良い品種が流通することで、プロアマ問わず園芸界全体をレベルアップにつながると考えています。そのためには私のようなデザイナーと種苗業界の連携、そしてみなさんの応援がなによりも必要です。もしその活動に力を貸していただけるのであれば、下のボタンを一押しいただくか、記事をシェアしていただけるといずれ園芸界を大きく動かしていく力になると信じておりますし、これからの活動の励みになります。人気ブログランキング
2017.12.17
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今回は私の気に入っているプロジェクトの一つであるポターズフィールド・パークを紹介しようと思います。ポターズフィールドはロンドンのテムズ川の南岸、ロンドン市庁舎に隣接した公共庭園です。ロンドンブリッジの跳ね橋も付近にあり観光、経済、政治的に重要な位置にあります。この地にはかつてオランダから宗教的な迫害を受けた陶工(Potters)が多く移住していたためこのような名前が付いています。スコットランドのランドスケープアーキテクト Gross Max のデザインを基に以前の記事でも少し紹介した ピート・ウードルフが植栽をデザインを手がけました。ポターズフィールド・トラストという非営利組織が維持管理を行っています。敷地のサイズは52m x 120m。北から西側にかけて高木が立ち並び、朝から昼にかけて日を浴びる日向と木の根元の半日陰から構成されています。ピート・ウードルフのデザインの真骨頂は彼の卓越した植物の形態変化の理解にあります。もともとオランダで種苗業を営んでいた彼は、特別なデザイン教育を受けたわけではありませんが、植物一個一個の生態をつぶさに観察し、植物の構造をライフサイクルを通して理解を深めました。彼が突如出現するまでは、ガートルード・ジェキルのデザイン手法のように植栽を絵画に見立てカラーコンビネーションを考えてデザインする手法が主でした。しかし彼は芽吹きから開花そして種子をつけ枯れるまでの変化する形態を考慮しながら、時間とともに変化する植栽の造形的な変化をデザインするという離れ業を以て植栽計画を行っています。その結果が一枚目の写真と二枚目の写真に現れています。同じ場所を6月と8月に撮影したものですが、視覚的に見て全く別の表情を体現しています。夏の時点ではサルビアやセスレリアが空間を支配していますが晩夏にはオレガノやへレニウムといった植物へと主体がダイナミックに移り変わっています。視覚的には目立たなくなりましたがサルビアやセスレリアも生きて存在し続けています。植え替えを行わずに一年通して豊かな表情を見せてくれるのが彼のデザインなのです。一時期のみ良く見える「見頃」のある庭園ではなく、一年を通して高いパフォーマンスを維持していてすべての植物が共存しています。植物毎のライフサイクルを理解し、与えられた環境での最良のコンビネーションを導き出すために長年試行錯誤を続けた彼ならではのデザインと言えます。彼から学ぶべきことはとても多く、彼のプランティング・デザインに対する情熱は70歳とは思えないすさまじいものがあります。私の尊敬するデザイナーの一人です。人気ブログランキング
2017.12.17
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ドイツのブレーメン近郊にあるナーセリーにプロジェクトに使う樹木の選定に訪れています。先日日曜から雪が降り積もっていていい感じにクリスマス感が出ています。このナーセリーには何千本もの木がサイズごとに整理されて植わっており、すべてのフィールドが街全体に広がっています。フィールド間の移動は車で行います。現地スタッフの方は樹木の種類とフィールドの位置を熟知しており、効率良く案内していただいたおかげで限られた時間内で多くの木を選定することができました。冬のこの時期は落葉樹の葉が落ちているため、木の骨格を見ることができます。樹形や枝ぶりもほぼ均一になっており、微妙な違いを見つつ一番良いものを選定しました。
2017.12.13
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最初のプラン作成から何度かの見直しを経ていよいよ実際に植え込んでいく作業へと移ります。デザイナーの仕事はここまでで、ここから仕事の中心はガーデナーへと移っていきます。4月の写真です。気温が少しずつ上がってきて苗が育ち始めました。サルビア・カラドンナはすでに咲き始めています。6月下旬、エキナセア・パラドクサが咲いています。エキナセアの原種というだけあって、成長が早いです。隣のエキナセア・グリーンジュエルはゆっくりと株を充実させてきています。7月上旬、アガスターシェ・ブラックアダーとペロフスキア・アトリプリキフォリアが咲いています。ペロフスキアの明るい紫とアガスターシェの濃い紫の微妙なコントラストを生みながら、繊細なテクスチャーの花穂同士を組み合わせることで統一感を出す狙いがあります。こちらも7月下旬。エキナセア背後に咲いているのはバーベナ・ボナリエンシスで、背丈は1.2mくらいですが枝葉が細く透視性が高いため圧迫感なく風景に溶け込んでいます。花期も長く丈夫な優良種です。エキナセアのピンクとは抜群のコンビネーションだと思います。8月になるとエキノップス・ブルーグローが咲きます。球型の青花を多く咲かせています。植えたものの中にはうまく育たなかったものもありましたが、多くは環境に適合してしっかり育ってきたと思います。今年の冬にもう一度プランや土づくりを見直して、また来年に向けて準備を進めているところです。以上が今年一年の取り組みですが、少しでも皆様の参考になれば幸いです。今回の植物:アガスターシェ ‘ブラックアダー’ロシアンセージ ‘リトルスパイヤー’エキノプス‘ブルーグロー’バーベナ ボナリエンシス エキナセア ‘グリーンジュエル’人気ブログランキング
2017.12.10
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前回はイメージボードからプランティング・パレットの作成までをこれまた素早く見ていきました。絵画で言うところの、絵の具をそろえるところまで来たわけです。今回は絵の具を使って実際に絵を描いてゆく作業です。ではカンバスとなる敷地を見ていきましょう。敷地は南北に約28m、北端が東西に約17m、南端が約7mの幅を持っています。今回デザインしているのは上図のサンガーデンです。グーグルアースを使って測量しただけなので正確な寸法やレイアウトは分かりませんが、これで十分だと思います。ここに、既存の植物や庭石などを描き込んでいきます。Cはカレックス、Pはロシアンセージ、Phはフォロミウム、Laはラベンダー、Roはローズマリーです。黒斜線は庭石でその他にバラやサルスベリが植わっています。Xが付いているものは移植するバラたちです。これで準備は整いました。ここでプランティング・パレットに上がっていた植物を幾つか紹介しましょう。全体の構造を決めるのに最も重要なのが、「カラマグロスティス・カールフォースター」です。直立性が高く形が整っていて夏から秋にかけて黄金色の穂をたくさん立ち上げます。1.5mほどの高さになり、ウィンターガーデンの素材にもなるので長期間楽しむことができます。次に「ペニセタム・ルブラム」です。銅色の葉から赤色の穂を多く立ち上げます。庭にアクセントを加えるのに適していて、意外性のある選手です。装飾的な形状のため、様々な多年草と組み合わせることができます。「サルビア・カラドンナ」紫色の花穂を長期間に渡って立ち上げます。すっきりした形状とコンパクトな大きさで様々なタイプの庭で活躍してくれます。密度は4/m2で計算していて全体で5m2ほど植えるので、20本使います。「アキレア・テラコッタ」黄色からオレンジ色の花を傘状に立ち上げるコンパクトな品種です。上記「サルビア・カラドンナ」の紫とのコントラストは多用され、特に美しい組み合わせの一つです。鋸歯状の葉が地表近くを覆いますが、それほどボリュームはないので他の枝葉の茂る植物と組み合わせるのに適しています。密度は4/m2で計算していて植える面積は2m2なので、8本使います。高さ、色など様々な条件を考慮して配置を考えますが。基本的な順序は以下のようになります。ストラクチャー・プラントを配置する。常緑種、低木、高性種やグラスなど。多年草を配置する。一年草を配置する。球根を配置する。球根はすでに植え付け時期を過ぎているため今回は1と2のみですが、こうしてできたのが下図です。いろいろと書き込みがあり見づらいですが、カラマグロスティスやペニセタムを分散配置することで、植栽に高さを生み、その間を多年草で埋めていきます。植物の密度は1m2あたり4本で計算しています。(密度計算は植栽の完成度を左右する非常に重要な事項なので後々触れたいと思います。)この時点では平面図は確定していませんでしたが、次回から実際にどのような植栽になったのか見ていきたいと思います。サルビア ネモローサ ‘カラドンナ’アキレア ‘テラコッタ’パープルファウンテングラス人気ブログランキング
2017.12.09
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前回はイメージボードの作成までを手短に書きましたが、今日はイメージ昨日作ったイメージボードからプランティング・パレットを作成するまでの手順について書きたいと思います。まずは昨日のボードにあったプロジェクトですが、西アイルランドにあるウェスト・コークです。また別記事で取り上げたいと思いますが、Piet Oudolfのデザインで自然植生からインスピレーションを得てオーナメンタル・グラスや宿根草を用いながらデザインされています。色彩の設定まず色彩構成を見ていきましょう。手前には白色花があり中央付近に紫の花穂が見えます。その他ピンクやマゼンタ、オレンジ系統などがミックスされ、黄金色のグラスも散見されます。この中では紫とマゼンタが目を引きますし相性が良いのがわかります。今回はこの二つを基本に据えつつ、局所的に黄色系を混ぜていく方向でデザインしていくことにしました。基本色は三色ほどに抑えると統一性が出しやすいように思います。レイアウトこの画像一枚で見る限りはブロック・プランティングで構成されています。プランティングレイアウトの基本型もまた別記事で取り上げたいと思いますが、ブロック・プランティングその名の通り、単一種を数本の塊にして配置する手法です。同一品種の群生により視覚的なインパクトが最も高いレイアウトですが、一方で季節による変化をつけるのが難しく、また環境不適合種を選んでしまった場合全滅しやすいなどの欠点もあります。古くから用いられる配置法ではありますがハイリスク・ハイリターンの攻めのレイアウトと言えるでしょう。品種の分析ここからが一番のキモになります。色や配置は見た目からすぐに判断がつくと思いますが、品種の分析はある程度の知識と下調べが必要になってきます。まず中央の一群から見ていきましょう。紫色の花穂を立ち上げているのは「アガスターシェ・ブルーフォーチュン」です。大型のヒソップで美しく丈夫な品種で、花期も長くウィンターガーデンの素材として用いることもできます。その右隣にあるのは「ユーフォルビア・ファイアグロー」です。ユーフォルビアの中では珍しくオレンジ色の花を夏に咲かせる品種で落葉種です。その上部には多くの人がご存知かと思いますが「エキナセア・パーピュレア」が咲き始めています。その左にはピンクの果穂を立ち上げている「スタキス・ヒューメロ」が見えます。枝葉が密でフロント・ボーダーに適しています。ところどころに見える背の高いグラスは「スティパ・ギガンテア」です。2mほどの高さ見まで帆を立ち上げる大型種であり、単体でインパクトがあります。大型でありながら葉の部分は小さくまとまっているので、透視性が高く扱いやすい品種です。ここでは5種類にとどめますが、多くの品種をリストアップし、そこからコンセプトに合うように品種の絞り込みや入れ替えを行っていきます。こうして出来上がったのが下のプランティング・パレットです。次回はパレットをもとに実際にプランを作る過程を紹介していきます。エキナセア ‘ファタル アトラクション’アガスターシェ ブラックアダー 宿根草スタキス モニエリ人気ブログランキング
2017.12.08
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こんにちは。シードヘッドです。冬の現在、地球温暖化とはいえども寒風に吹かれている方も多いのではないかと存じます。2017年も終わりに近づく中で皆さんも今年の思い出を振り返り、各々ゆく年くる年のストーリーが出来上がってきている頃ではないでしょうか。そういうわけで今回は、今年一年とある辺鄙な田舎ので行なわれた植栽デザインの取り組みを振り返ってみようと思います。ちょうど去年の今頃、ランドスケープ・アーキテクトとして働き始めて一年が経過しました。実務で幾つかのプランティング・デザインに携わる機会があり、また一年を通して訪れた様々なプロジェクトから刺激を受けて、仕事の外でプランティング・デザインを実践に移していきたいと考えていました。とはいうものの、働き始めたばかりの若輩者ですからお金もなければ土地もない。誰かガーデニングが好きで土地がある人いたっけか?と考えていたところ、実家には土地がありガーデニング好きの人が住んでるな!ということですぐ親と交渉。「すごい庭にしたるで」と。「そんなうまくいくかいな。まあやってみ。」かなり懐疑心に満ちていましたが、「まあ見てろや。」という感じでスタートしました。論より証拠。信頼とは積み重ねるものですから、プライベートではあってもまずはいい仕事をするのみですね。敷地条件の整理植物は生き物なので環境が整っていなければ生きていくことはできません。したがって、植栽計画をするときは環境条件を査定する必要があります。日照南向き斜面で特に日照を遮るものはなく1日6時間以上のは日光を受けるので日向向きの植物を起用することになります。土壌土質はロームで傾斜地のため水はけが良く乾燥しやすく痩せている。気候関東地方で夏は30℃を超え、冬は氷点下になることもある。微気候サルスベリの木と2mほどのフォロミウム、日本庭園だった名残の庭石があるため局所的に半日陰になる。また、樹木や低木付近は水分が不足しやすい。以上を踏まえた上で、作りたい空間のイメージを固めていきます。デザイン・コンセプト環境条件を理解したところでコンセプトを固めていきます。ここでデザイン方向性をしっかり決めて、植物を選ぶときの選定基準にします。空間的な統一性を生むためにも非常に重要なプロセスです。具体的にすることはイメージボードを作成になります。今まで訪れた庭園を参照したりネットや書籍からインスピレーションを探していきます。環境条件の類似するプロジェクトを参考にすると良いと思います。これが実際のイメージボードです。15から20枚近くのイメージの中から最終的には4枚のイメージまで絞り込みました。色彩や季節の移り変わりなど、この中に多くの情報が凝縮されています。次回ではイメージボードから実際のデザインへ発展させていくプロセスについて書いていきたいと思います。人気ブログランキング
2017.12.07
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