植栽に造形的な美しさを加える上で欠かせないのがシードヘッド (Seed head) です。
花々の生み出す魅力的な色彩や瑞々しい緑に目が惹かれますが、花期を終え種を付けつつある植物も自然な植栽美を庭にもたらしてくれます。
成長する植物の柔らかいテクスチャーとは対照的に、シードヘッドには特有の硬さがあります。
この硬さが庭全体の印象を引き締める役割を果たします。
柔らかいものの中に硬くて造形的な要素が含まれていると、植栽にアクセントをを加えることができるのです。
アリウムはシードヘッドの美しい植物の代表格です。
直線に伸びた茎の先から放射状に伸びた花柄には幾何学的な美しさがあり目を引きます。
アリウム・グローブマスターなどの背が高い品種は植栽の中心部に配置されていても周囲の植物の間から顔を出すため長期間にわたり存在感を示してくれます。
アリウム・クリストフィなどの背が低くて大きな花をつけるものも魅力があります。
スケルトンの球体は彫刻的な美しさを持っていて、植栽の中にいくつか球体のシードヘッドを潜ませておくと視覚的な効果は抜群です。

アガスターシェもまた魅力的なシードヘッドを持つ植物の一つです。
大きな花穂が成熟するといくつもの穂状シードヘッドへと変化します。
アリウムの球形とは対照的な垂直に伸びる花穂群は自然な印象を与えます。
グラスの穂とも相性が良く、カラマグロスティス・ブラキトリカなどの形態の似たもの同士を組み合わせると効果的です。
フロミスは独特の形態の花茎をもち造形的に美しい品種です。
垂直に伸びる花茎には横長球形の花托が連続して付いており、花後に花托の部分がそのまま残りタワー状の形態を維持します。
植栽全体の中に何本かの個体を群生させることで独特の形態が際立ち、秋から冬にかけての ウィンター・シルエット
として存在感を示します。
インパクトの強さにかけて言えばグローブ・アーティチョークの右に出るものはありません。
高性で密度の低い大きな葉を持ち、茎の頂上部にこぶし大からそれ以上の大きな花を咲かせます。
全体的にギザギザした粗いテクスチャーの植物で、植栽の中もしくは背後にあっても存在感を示し続けます。
こうしたシードヘッドの美しい品種を植栽の中に効果的に取り込んでいくとよりナチュラルな風景を作り出せるだけではなく、秋から冬にかけて長期間にわたって庭を楽しむために欠かせません。
今回の植物:
フロミス ルッセリアナ
構造物を生かす植栽 2018.01.20
ウィンター・シルエット 2018.01.14