
今回はイギリスのランドスケープ・プロフェッショナルの仕組みを解説したいと思います。
ランドスケープ・コンサルタント業界の中枢はランドスケープ・インスティチュート(以下LI)です。LIはランドスケープに関する教育慈善団体として設立されランドスケープの推進保全活動を行ってきました。LIは長年の功績を認められ1997年にローヤル・チャーター(王室認可)を取得しランドスケープに関する職能団体と認められました。
王室認可を得たことでLIにはランドスケープ関連の問題や政策に対する発言権が与えらました。そのため会員のステータスと質を守るためにLIは会員資格を取得するまでのプロセスを厳格に定めています。
基本的な過程は以下のようになります。
1. ランドスケープ学位を取得 (3年)
2. 実務訓練 (1-2年)
3. ランドスケープの修士号を取得 (1年)
4. チャーターシップの取得 (通常2年以上)
この流れに沿って通常7-8年間かけてランドスケープ・コンサルタントの資格を得ることができます。もし学部で他の学位を取得していた場合は、1年間のコンバージョンコースと1年間の修士課程を修了することで1と2のプロセスに替えることができます。
それでは各プロセスを簡潔に説明したいと思います。

1. ランドスケープ学位の取得
高校を卒業しランドスケープ関連の職業を生業としていこうと考えるのであれば、大学でランドスケープ学科を専攻します。大学はLI公認プログラムを有する大学を選択します。大学の教育はプロフェッショナルの養成を目的としているので実務に沿ったプログラムが設定されています。そのため大学に通う3年間で実務に必要な技術や知識、能力を身につけることができます。
2. 実務訓練 (Year Out)
学位取得後に最低1年間の実務経験を積むことが修士課程へ進学するための条件になっています。人によっては1年以上の経験を積む人もいます。
3. ランドスケープの修士号を取得
実務経験を経て修士課程へと進学します。修士プログラムは大まかにランドスケープデザイン、プランニング、メンテナンスの方向性に分かれており、自分のやりたい分野に応じて授業を選択し単位を取得できます。修士設計に重きが置かれており、約半年間かけて行われ全単位の半分を占めます。
4. チャーターシップの取得
修士課程を修了するとP2C (Pathway to Chartershipの略)と呼ばれるチャーターシップ取得課程に登録することができます。P2Cとは実務経験を積みながらLIの定めたシラバスに則りプロとして必要な知識と判断力を養っていく学習課程のことです。学習内容には倫理、法律、環境規制、業務管理、施工管理、開発許可申請法が含まれ、それぞれの分野の学習進度は会社内のメンターによって査定され進捗状況に応じてポイントが付与されます。それと同時に実務記録を提出し外部のスーパバイザーからアドバイスを受けます。チャーターシップの受験資格を得るにはメンターからの推薦とスーパバイザーからの承認が必要です。承認後は年に2度行われる口頭試問形式の試験を受験します。合格者にはCMLI (Chartered Member of the Landscape Institute)と言われる会員資格が与えられます。CMLIのステータスはイギリス国内だけでなく国際的にも認知されています。
ランドスケープ・アーキテクトはこれらすべてのプロセスをすべて修了することで初めて真のプロフェッショナルとして認められると同時に、長いキャリアのスタート地点に立ったと言えます。
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