今回は夏にガーデナーが取材をしてきた軽井沢のムーゼの森にあるピクチャレスク・ガーデンを紹介したいと思います。ムーゼの森は軽井沢絵本の森美術館とエルツおもちゃ博物館・軽井沢、ピクチャレスク・ガーデンからなる文化施設で、ホーティカルチャリストのポール・スミザーが植栽デザインを手掛けました。

ピクチャレスク・ガーデンは軽井沢に見られる自然からインスピレーションを得て、もともと敷地に自生していた植物を生かしながら植栽計画が作成されました。

ピクチャレスク・ガーデンのアプローチには背丈の低いホスタ・フォーチュネアイ (Hosta fortune) やリリオペ・ムスカリ・バリエガータ (Liriope muscari 'Variegata') が前方に植えられておりルドベキア・ゴールドストラム (Rudbeckia fulgida var. sullivantii 'Goldsturm') が中間層、高性のユーパトリウム・アトロパーピュレウム (Eupatorium purpureum ‘Atropurpureum’) とパトリニア・ビロサ (Patrinia villosa) が後方に植えられておりボリュームのある半日陰ボーダーに仕上がっています。

日陰に強いデスチャンプシア・セスピトーサ (Deschampsia cespitosa) も植えられておりグラスやデイジー系の草原を思わせるような植物からホスタなどの日陰の植生へと移り変わっていくような植栽となっています。

ピクチャレスク・ガーデンの中は緑が溢れる空間になっています。細く曲がりくねった道の両側にはシダ植物のドライオプテリス・クラシリゾマ (Dryopteris crassirhizoma) やミスカンサス・シネンシス (Miscanthus sinensis) が植えられており所々にユーパトリウム・チネンス (Eupatorium chinense) が見えます。

全体的に緑のインパクトが強い植栽構成になっていて、自生している植物を多用しているため、植栽デザインの現場ではあまり馴染みのない植物もあります。しかし、パトリニアなどはユーパトリウムの近似種なので植栽デザインでよく使われる植物のコンビネーションを自生植物の近似種で代用ながらデザインしていったようにも感じられます。

ナチュラルな風景を評価するコメントがある一方で、自生植物を使う手法ゆえに雑草ばかり生えているという評価をされることもあるようですが、自生している植物を使ってその土地独特の植栽を作り上げる取り組みはとても面白いもので、デザインの幅を広げていける可能性があるものだと感じます。
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