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野村證券長堀さんの掲題の講演に出席してきました。
長堀さんは、かなりこの分野に詳しく、しかも情熱的で、仕事内容が好きで興味を持ち続けてるんだなあ、という感じでして、非常に好感が持てました。
いろいろと投資のヒントがあったのですが、特に最近のアルゴリズムの説明のあたりが面白かったです。
たとえば、こんなアルゴつぶしのHFT(ハイフリークエントトレード)業者がいるそうです。
その1
1日かけて、銘柄Aを10万株買いたい→3分ごとに1000株ずつ買い指値をするアルゴを採用
→それを知っていて、HFT業者のアルゴ潰しアルゴが、そのアルゴがいくら買ってそれが市場にどれだけのインパクトを与えるかを瞬時に計算する。たとえばそれが3%上昇するということであれば、瞬時にちょっと上の売り指値を食って、3%上昇位置に平然と売り指値を並べる。
その2
機関投資家等しか利用できない証券会社が保有しているダークプール(プロのみの取引所外取引)に対して、たとえば日経225銘柄を最小単位売ってみる。(気配値で?といったような。。。)
そうすると、たとえば30銘柄程度はすぐに約定する。
約定した30銘柄は1ティック上で証券取引所で買って、さらにそれをまた、ダークプールで売りで並べる。
そうすると、そのうちたとえば3銘柄のみがすぐに約定する。
ということはその3銘柄は今ダークプール内で相対的に今日の買いが強い株だと判断できる(ダークプールに出す機関投資家の注文は買いたいけど取引所の板が厚くなるのを避けるために使用するそこを逆に利用している)から、そこを取引所で買い上がって、売り待ちするアルゴ。
どうも、機関投資家は、VWAPでの成績で見て近視眼的には執行コストで損をしていないと判断するらしいのですが、これらのアルゴだと、VWAP自体が上がっているから損しているのもわかりにくいらしい。
でも個人投資家が圧倒的に有利だと再認識したのは、これは企業価値をほとんど見ずに、今の株価が適正価値という大前提を置いた取引であること、すなわち頭のいい人たちが情熱を注いで買いと売りの間に鞘があるからそこが適正価値からのアルファがあるんだとがんばっていて、ちょっとこっけいにも思えました。
もちろんファンドマネージャーが企業価値を判断して執行する人はその執行だけをプロとしてみるということなんでしょうけど、なんだかなあと。
長堀氏も、アメリカで分業が行き過ぎていてコンフリクトが生じていると紹介されていました。
要するに、思いっきり前提が間違った(その前提が正しくない場合がある)理論を使って精緻に積み上げていく執行システムによって、たとえば年間0.2%のコストが浮くと去年のデータからわかりました!的な営業はやっぱりなんか全体で見るとおかしな話だよなあと。
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