リアルタイム旅(と日常)日記

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2013年01月10日
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 食べ疲れを温泉で癒す。この極楽。

 アカスリ台でマグロになり、くるくると回転しながらゴシゴシと洗われる。それは例えれば・・・バリウム検査。発泡剤がないので苦しくはないが、命ぜられるままに真剣に右を向き、左を向く様は不思議で面白い。

 東莱温泉の泉一湯は公衆浴場と温泉ホテルを擁する鄙びた宿である。公衆浴場は地元の定期温泉券!を持つおばちゃんたちの娯楽場かつ社交場だ。マイ温泉セットがロッカーの上に。きっと洗い場もマイシートがあるのだろう。キョロキョロもせず洗い場に向かう。風呂上がりは食い入るように韓国ドラマを見つめる。ある家庭ドロドロドラマ?の最終回では、急転直上のハッピーエンドにおばちゃんたち拍手の嵐。意味も分からず拍手の一員となる。

 ちなみにこのホテル宿泊者はこちらの公衆浴場が無料。言うまでもなく滞在中には朝な夕なに温泉でカロリーを消費する。

 もう一つの東莱温泉名物はカルククスという手打ちうどん。駅前にカルククス通りがあり、何軒ものカルククス屋が並ぶ。いりこダシが効いていて、素通りできない鼻をくすぐる通りだ。中でもいつも客足が途絶えない1件がある。モチモチとコシがある打ち立てのうどんに、いりこたっぷりのだし汁。付け合わせのたくあんの甘しょっぱい味が恐ろしいくらいにこのうどんと合う。日本ではすでにたくあんなど食べる機会がないが、韓国の粉ものとたくあんはベストカップルだ。

 ここのチャジャンミョンがまた!見た目のドス黒さからは想像もできないコクと甘み。食べ物に対してチャレンジャーな自分をほめてやりたいのは、こうした美味しいものに出会える時だ。

 夜は遅ればせながらの屋台フードde大宴会。郷愁そそる東莱温泉泉一温泉前には、子供たちがハフハフとほおばる駄菓子屋のような屋台がある。ド繁華街南浦洞の半額以下のお手頃価格だ。

 温泉最後の夜に相応しく、おでんをある種類全部大人買い。甘辛餅のトッポギ、甘い黒糖入りの揚げ焼き餅、と屋台フードをすべて買う。なぜか、デザートにはアイス。お供は生マッコリボトル2本。シュワシュワとした爽やかな発泡生マッコリはこれら屋台フードと素晴らしく合う。

 うけけけけ。

 完全なる酔っぱらい、誕生。

9日目

 遠い目。

 この温泉ともお別れか・・・朝風呂に涙がにじむ。

 泣いている場合じゃないわ!今日はパジョンを食べるのよ!

 東莱ハルメパジョンは東莱式のトロトロパジョンが食べられる今や唯一の店、らしい。分厚くて、超トロトロに焼き上がったパジョンは、葉ネギの今まで知らなかった美味しさを引き出してくれる。

 こんかいは、ポリパブ(麦飯ビピンパ)をお供に迎える。生の野草チックないかにも身体によさそう!な葉っぱと、色々な麦をプチプチと炊き上げたご飯をしっかり混ぜ混ぜする。プチプチとさくさく。ちょっとした野菜の苦みがかえって美味しい。

 きのうの大宴会のアルコールもまだ消化できていないが、ここのトンドン酒も外すわけにはいかない。ひょうたんのヒシャクで掬う、見目も美しいこの爽やかな酒は、パジョンやポリパブの旨さをいっそう引き立ててくれる。

 今夜は韓国ドラマ好き同行者のたっての願いでサウナ泊まり。なにもサウナでごろ寝しなくても・・・10回は止めたが、無駄だった。

 「サウナでごろ寝してゆで卵食べたい」

 そうかあ?私は東莱温泉を1泊増やしたいのに・・・そんな言葉にならない心の叫び。

10日目

 とか言いつつ、サウナのごろ寝も楽しかった。若者向けの繁華街に位置する西面。夜9寺にはガラガラで倒産の危機すら覚えたが、朝起きてみるとあらビックリ!

 睡眠室に入りきらない人々が、廊下にまで転がっている。儒教の韓国、女性の安全のためか、女性用睡眠室はドアもついて広々確保されている。しかし男性は・・・さすが男子徴兵制。野営場のようだ。金曜夜。夜遊びで終電終バスを逃した圧倒的多数の若い男性が、贈答用明太子のようにキレイに並んでる。さすが、軍隊教育の規律!もぐもぐとゆで卵とバナナ牛乳をほおばりながら、のんきな観光客は、今日の昼ご飯を考えるのであった。

 今日のランチは西面のランチ激戦区通り!までは決めていた。

 お手頃な値段で、メインのおかず+ご飯とスープ+おまけの小さなおかず、パンチャンがたくさん並ぶ。要は、メインのおかずを何にするか、である。

 この店はゆで豚バラ。この店は新しくできたばかりでおしゃれげ。

 しかし、サバ大根の写真にやられた。

 ぷっくり丸丸と脂ののったサバを無造作に筒切りに。大根は芯まで赤く唐辛子味噌色に染まっている。サバの身をほぐすと、ほくっと現れる真っ白な身が斬新だ。タレは赤いが辛みはあまりない。あるのはサバの旨味と、コク。サバってそんなに好きな魚ではなかったが、このタレを受け止めて輝くには、やはりこのくらいクセのある脂がいいのだろう。

 大根も、これは何なのだ。瑞々しく、とろけるように柔らかい。なのに、全く型くずれしていない。面取りなど丁寧な仕事がしてあるという訳ではない。サバと同じく、無造作に、大きく切られている。箸で切るまでしっかりした大根が、口に入れると初めてとろける。上質なガナッシュチョコで作ったトリュフのようではないか。

 ところ変わって富平市場。来たかったのだ。

 なぜなら、サウナでゴロゴロしている時。大型テレビのバラエティニュース(?日本でも夕方6時くらいにやっているあの辺の)で、「美味しいもの訪問!」のようなロケが。釜山だったのである。

 「おお~釜山じゃん!」サウナに集う面々のどよめき。寝っ転がっていたのが、起きあがって見る。ソウルのテレビに俺たちの地元出ちゃったよ的な?お兄さん。

 そこが富平市場。おかず通り。

 さっそく行ってみた。確かに。商店街のおかず横町を4つくらい合わせた規模で食べ物がひしめいている。大袋のおでん種が飛ぶように売れている。

 さすがに1kgはありそうなおでん種には手が出ない。もう一つの名物、ぜんざいにしよう。

 小豆の粒がありありと残ったぜんざい。上野にあった名店、福助の福助あずきを思い出す。「おかゆ」と名が付いているだけに、甘みは少な目で、各自好みで三温糖をさらに振りかけるようになっている。焼き餅ではなく、コロコロとサイコロ状の柔らかいきな粉餅が乗っているのも目に可愛らしい。


 11日目

 いよいよ最終日だ。長々と滞在していたつもりだが、楽しい日々は過ぎるのも速い。

 なぜか質問されること(心配されること?)の多かった天候について。よくやった晴れ女。12日間よく晴れた。2回、夜降った雨も、午前中早めにあがり晴れ間がのぞく。気温は、なにせ東京では薄暗いうちに出勤して、とっぷり暮れてからの帰宅。日中歩く釜山の方がずっと温かい。太陽光の素晴らしさだ。

 最終日の食事は、プルコギあり焼き魚ありの韓定食。特にここ、クンチプは、おかずが多く、甘めで家庭的な味わい。海苔が箱入りでドドンとあるところが嬉しいポイント。海苔巻きご飯、懐かしくて美味しいものだ。特に目立って美味しい、というより「田舎の正月の本家に行った」らこうなのだろう。クンチプという名前も、そんな意味らしい。いい名前だ。

 最終日の宿は地の利をメインで選んでいる。空港に向かうリムジンバス停留所に徒歩1分、かつ、大型スーパーも近い。唯一の欠点は、シャワーしかないこと。

 そんな不便も今回解消。海水温泉を近くに発見したのだ!

 リアルタイム旅日記は、今回「持ち帰り」と「出前」も覚えた!

 経験値がアップした!

 近くの中華料理屋でジャージャー麺をホテルの部屋まで出前してもらう。韓国ドラマを見ながら、冷蔵庫を開け。生マッコリとともにオンドルに座り込んで食べる。

 チェゴ!!!




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最終更新日  2013年01月10日 17時06分07秒
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