青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2024.02.12
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カテゴリ: 美味しいもの
知る人ぞ知るというか
昔気質の人しか知る人が少なくなった
東京の名ホテルのひとつ
(私的には東京トップ3ホテル。
選ぶポイントはホテルのスタッフ。
豪華なホテルは沢山ありますが、
ホテルに一番大切なのはそこではないんですよね。)
山の上ホテルが
改修のために長期休業することになりました。

数十年前から既に老朽化が激しかったのですが、
昭和初中期の東京の良さ;
穏やかさ、静けさ、華やかさ、
日本的細やかな心配りと、西洋文化の明るさ、軽やかさ、
そして重厚感という異なる物が
全て詰まってお客様をおもてなししていた、
だから皆に愛されて敬われていたホテルだったと思います。

って、私、泊まったことないんです。
子供の頃からよく耳にするホテルだったんですけど
(ウィーン少年合唱団もしばらくは定宿にしていました)
私のような一般人にはちょっとハードルが高くて、
喫茶や天ぷら山の上をたま~に利用する程度でした。

私は関東圏に住んでいるので
都内に泊まる必要がなかったこともありますが、
それでも母といくつかのホテルは泊まりに行きたいなと
思いつつ、休みが取れると遠方への旅行を優先し、
結局泊まりませんでした。

その代わり、食事には何度か行きました。

山の上ホテル同様、天ぷら山の上も
知る人ぞ知る、というか
昔気質の人に愛されている名店で、
現在は都内各所に支店があり
そちらでも食事したことがあるのですが、
本店の雰囲気がやはり一番でした。

急な坂を上がり、深い緑の木立にかこまれた
静かな山の上ホテルの車寄せで、
立派な制服のドアマンに出迎えられて
ギシギシする年季の入ったセピア色のロビーを通り過ぎ
天ぷら山の上の小さなのれんをくぐりにぬけると
そこは一転して和の世界。
明るい木目の日本建築の広々としたお店で、
壁一面の古い食材用冷蔵庫(圧巻)を背景に
天ぷらの揚がる音と
キリッとしたの調理着の職人さんの所作が美しく
とても静かな良い時間が過ごせました。

天ぷらは奇をてらったところがどこにもない
まっとうな正統派のごく普通の天ぷらなのが
そこがとても良かった。

素材や揚げ方や味は一流中の一流です。
からっとさっぱり揚がっていて
丁度良い食べやすい小ぶりなサイズで
中は柔らかくてさっと食べられます。

お店の空気も爽やかで気持ちが良い。
天井も高かった気がします。

お給仕の方も静かで気配りがきいて
穏やかでとても良い。

ご飯もお漬物もあさりの赤だしだったのか
ちょっと覚えていませんがとても美味しかった。
お漬物は浅漬けでしたが逸品でした。

飾り気がなくて、さっぱりしていて
でも中身は一級品で、静かで品が良く
他の何物にも惑わされず、すっとした姿で自分を持つ
とても古き良き東京らしさ、日本らしさが
出ている天ぷらでした。

その姿は丘の上に静かに立つ、山の上ホテルそのものでも
ありました。

いつか営業を再開されたら
泊まりに行けたり、食事に行けたら良いなあと思います。
ここの朝食は是非食べてみたかったんですよね。
古き良き正統派のアメリカンスタイルの朝食だったと
思われます。

再開を楽しみに。楽しみが出来るって嬉しいですね。



上下:山の上ホテルと天ぷら山の上(天ぷら近藤)が
わかる方にはお宝的な本だと思います。





画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2024.02.20 22:38:22
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