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序章 ものすごく小さくて大きな世界 序章 から 第1章 、 第2章 にかけては、わからないところはむろんあるがそういうところは適当に読み飛ばせば結構おもしろく読めたのだが、 3章、4章 はかなり怪しい。というよりほとんどわかっていない。 5章 になるとまたいくらかわかったような気になる、というところか。
第1章 宇宙は何でできているか
第2章 究極の素粒子を探せ!
第3章 「4つの力の謎を解く-重力、電磁気力
第4章 湯川理論から小林・益川理論へ-強い力、弱い力
第5章 暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの謎
東京タワーの高さを物理学でよく使う表現で表すと、およそ3X10の2乗メートル(実際は、10の右上に累乗の小さな2が乗っかっている表記の仕方)。スカイツリーは、6X10の2乗メートル。富士山は、桁数が1つ上がり10の3乗になる。
地球の直径は12000キロメートルで、メートルに直すと桁数は10の7乗。地球の公転軌道は富士山の1万倍のさらに1万倍、10の11乗のオーダー。太陽系は 「天の川銀河」 の片隅にあるが、この銀河は地球の軌道の約10億倍、10の20乗のオーダー。天の川銀河が他の銀河と一緒に構成する 「銀河団」 は天の川銀河の1000倍程度、10の23乗。
現時点で観測できる宇宙のサイズは1つの銀河団のさらに1万倍、10の27乗ということになる。 宇宙の10の27乗と素粒子の10の-35乗の間の途方もないスケールの隔たり。これが私たちの世界の 「幅」 だということになる。これをつなげるのが 「ビッグバン」 宇宙論。
では、反対に素粒子はどれほどの大きさなのか。
「素粒子」 とは文字通り物質の「素」になる粒子。かつては原子がそう考えられていた。ちなみに直径10センチの りんご を原子に分けると10の26乗ぐらいになるそう。 りんご 1個の大きさと原子1個の大きさは、天の川銀河と地球の軌道の大きさの比と同じくらい。
原子1個の直径は10の-10乗メートル。それが原子核と電子に分割されることがわかり、原子の直径は、電子が回る軌道の直径であることがわかる。原子核の直径は電子の軌道よりずっと小さく10の-15乗。
しかしさらに原子核が陽子と中性子、中間子といった内部構造をもつことがわかり、それらもいくつかの粒子によって形成されていることがわかる。それが 「クォーク」 と呼ばれ、現時点では素粒子と考えられている。大きさはどんなに大きく見積もっても10の-19乗、おそらく10の-35乗くらいだとも言われる。
「宇宙は誕生直後から膨張を始め、現在の大きさになった」 という説。
・望遠鏡は宇宙のどこまで見られるのか。スペックを上げていけば宇宙の 「果て」 まで見られるのかというとそうではない。それは技術的な問題ではない。約130億光年先の銀河が限界。なぜか。130億光年先の星を見るということは、130億年前の星を見るということになる。宇宙の誕生は今から137億年前と推定されるが、誕生から2億年ほどの宇宙はまだ星ができていない状況。そこには光というものがない。ばらばらの原子と 暗黒物質 だけ。だから望遠鏡では見られない。
・太陽内部では、水素が核融合反応を起こしてヘリウムに変換され、膨大なエネルギーを生み出しているが、45億年ほど先に水素を使い果たした太陽はヘリウムを燃やし始める。その時に太陽は地球を呑み込む膨張しているはずだが、もしかしたらその前に天の川銀河がアンドロメダ銀河と衝突しているかもしれない。
・ 「クォーク」 は ジェイムス・ジョイス の 『フィネガンズ・ウェイク』 の中に出てくる 「鳥の鳴き声」 から採られた名前。
・素粒子には、 「排他原理」 の働かない、同じ場所にいくらでも詰め込める性格をもつものもある。
・デンマーク出身の ボーア らが唱えた、量子力学における 「コペンハーゲン解釈」 は、観察者が 「見る」 まで、ある粒子の位置は決められないというもので、当初は アインシュタイン や シュレーディンガー も異を唱えたが、現在は物理学のスタンダードな考え方になった。
・量子電子力学では荷電粒子同士の 「光子の交換」 で説明する際に 「ファインマンズ・ダイアグラム」 で図示されるが、図では、 「反粒子」 は時間を逆行することになる。これはちょうど ノーラン の 『テネット』 を観て間もない折りだったので結構おもしろがれた。
・ 暗黒物質 がもしなかったら、そもそも太陽系や銀河系自体が存在せず、つまり私たちも存在していないはずである。
・ 物質 と 反物質 が出会うと互いに消滅する。なぜ現在、宇宙に反物質がなく物質しかないのは、最初の段階で物質が若干だけ多かったからで、その差は計算すると、10億分の2。でもなぜこの差がついたのかは、まだわかっていない。言ってみれば私たちが宇宙に存在する理由が物理的にはまだわかっていないということである。
・ 宇宙の終わり について。もし膨張が止まったら、その後収縮が始まり、やがて潰れる。これを 「ビッグクランチ」 という。ただこれは宇宙の膨張が減速するという仮定の基に考えられていた。実際は先述の通り、膨張は加速している。膨張速度が無限大に達した時には 「ビッグリップ」(「rip」は引き裂く」の意) が起きる。銀河系も星もばらばらになって分子や原子になり、さらにそれらも素粒子になる。
・私たちの身体は超新星爆発の星くずでできている。 中途半端な紹介になってしまった。よくわからなかった 第3章、第4章 についてはほとんど触れられなかった。ということで、本書は、文系の私にはわからないところも随分多かったが、読んでいる間はずっとわくわくしていた。妙な 「高揚感」 みたいなものがあった。
追記
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