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2023.01.28
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100days100bookcovers no88 88日目  ​
​​ チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ「半分のぼった黄色い太陽」(くぼたのぞみ訳 河出書房新社) ​KOBAYASIさん​ が、 ​岸本佐知子​ の翻訳した ​ルシア・ベルリン​ の作品集 ​『掃除婦のための手引書』​ を紹介してくれてから一ヵ月も経ってしまいました。いつものことながら遅くなりました。今回の言い訳は、学期末の仕事と家族(同居も別居も)も自分も体調を崩したりして、なかなか、手を付けられなかったということです。すみません。ただ、この文章を書こうと心の中に留めておくことが、つい怠けがちな私を立ち直らせてくれています。みなさんお付き合いくださり、ありがとうございます。 
KIOBAYASIさん 岸本佐知子 のツイッターをチェックされているんですね。そういえば、 ショーン・タン の絵本展の紹介もしてくれていましたね。 岸本氏 はたくさん仕事されていて、 ルシア・ベルリン にしても、 ショーン・タン にしても、英語圏の人気をよく知っておられる旬の翻訳者なんでしょうか。
 私が 岸本氏 を知ったのは、車の運転中に偶然聞いていたラジオ番組からでした。10年くらいたちますか。 NHK 「トーキング ウイズ 松尾堂」 に、作家の 西加奈子 と翻訳家の 岸本氏 が登板されて、本の魅力を語っていました。道は渋滞していたのですが、おかげで本好き人の話にすっかり聞き入ってしまいました。そのときに取り上げられた中の一冊をその後すぐに読みました。印象に残っていていつか誰かと話したいなと思っていました。実はずっと 岸本氏 の推薦だと思っていたのですが、今回この二人の名前と本のタイトルを並べてググってみたら、ちゃんとその番組の日付から、本のタイトルも上がっていたから、びっくりしました。季節や場所は覚えていますが、何年だったかは覚えていません。10年ほど前かなと思っていたら、8年前の 2014年1月12日 日曜日 でした。日付までわかってしまった。PCはやっぱりすごい。紹介していたのは 西加奈子氏 でした。でも、 岸本佐知子 の対談で話題になったという縁でやっぱりこの本にします。
​『半分のぼった黄色い太陽』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ くぼたのぞみ訳 河出書房新社​
​ 著者 アディーチェ は、 最年少のオレンジ賞 (イギリスの女性文学賞。現在はスポンサーが複数となり、名称も「女性小説賞」となっています。ちなみに、このあと、最年少はさらに更新されたらしいです。) 受賞者 として有名になったらしくて、受賞後3年ほどで、日本語翻訳も出版されています。よくご存じかもせれませんが、一応紹介します。​
 1977年、ナイジェリア生まれ。大学町スッカで育つ。イボ族の出身。ナイジェリア大学で医学と薬学を学び始めるが、19歳で奨学金をえて渡米。大学で政治学とコミュニケーション学を専攻、クリエイティブ・ライティングコースでも学び、次々と作品を発表。2003年にO・ヘンリー賞受賞。その後さまざまな文学賞を受賞し、2007年に『半分のぼった黄色い太陽』でオレンジ賞受賞、ベストセラーとなる。ナイジェリアと米国を往復しながら新作を発表している。​
​ ​​ 「半分のぼった黄色い太陽」 というのは、3年だけあった ​「ビアフラ国」 の国旗​ です。 骨が浮かび上がるほど痩せているのにお腹だけ膨らんだ 「ビアフラの子」 の写真は、かつて新聞に載っていました。目を離すことができず、今も網膜に焼き付いています。あのころ、栄養失調を 「ビアフラの子」みたい という常套句で言われたのをよく耳にしました。自分と同じ年ごろのはずなのに、もっとずっと小さくてやせている子の写真を見て、激しいショックを受け恐ろしく思いました。しかし、その後も ビアフラ で何が起きていたのか知らなかったし、知ろうともしなかったことに気がつきました。これは偶然の采配。読むべき本に出逢ったと思いました。(ただ、これはノンフィクションではないので、そのつもりを忘れないように気を付けました)​​
​​ それで、 ナイジェリア ってどんな国なのか、 ビアフラ国 はいつできて、なぜ3年しか持たなかったのか。まずは Wikipedia をざっと見てみました。​​
ナイジェリア連邦共和国 
・人口 2億1140万人(2022年現在) 世界第7位。
・他民族国家 500を超えるエスニック・グループ。 多いのは、ハウサ人、イボ人、ヨルバ人。
・宗教 キリスト教、イスラム教、伝統宗教。
・名目GDP 5000ドル アフリカ最大 世界第20位 大多数の国民は貧困状態。
・石油 生産量世界12位 輸出量世界8位 原油収入に依存した経済構造。
・ガス 埋蔵量世界10位程度だが、インフラ未整備で利用できていない。
・独立 1960年10月1日 イギリスより独
ビアフラ共和国 (1967年5月30日―1970年1月15日) 
 イボ人を主体とした政権・国家。人口1,350万人、面積は77,306km²(1967年)だった。ナイジェリアからの分離・独立のために戦争が起きる。ナイジェリア内戦とも呼ぶ。ビアフラが包囲され食料・物資の供給が遮断されたため、飢餓が国際的な問題となった。
​ ​​この ビアフラ戦争 を背景にした小説なので、内戦の混乱、腐敗、飢餓、といった状況はもちろん大変なのですが、登場人物たちに戦争に巻き込まれてかわいそうという思いは持てない小説でした。すごい、あっぱれ、なるほど、そうなのか、などと意外な感想を持ちました。著者は、(戦争に巻き込まれて気の毒、かわいそう)といった固定観念の先立つ読み方を拒否しようとしています。語り手もひとりではなく、3人にして、多様な見方を提供しています。( ​著者​ 『シングルストーリーの危険性』 という講演を行っていて、動画をネットでも見ることができます。)​​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​  最初の語り手 13歳 の田舎出身の利発な 少年ウグウ 大学教師オデニボのハウスボーイ で、解雇されないように家事全般から語学や途中でやめた小学校レベルの勉強も頑張って身につけようとしています。 オデニボ は独立間もないナイジェリアの将来に自信と希望を持つ数学教師で、日々教師仲間を自宅に招いては政治の話をしたり、テニスを楽しんだりしている民主的理想的教師。主人公らしいのは、 オデニボの恋人オランナ オランナ は富裕な政商の娘だが、 オデニボ に恋をしてロンドン留学をやめて、彼と暮らそうとしています。この 3人 だけでも、話す言葉が違います。 ウグウ イボ語 だが、英語を話すことに憧れ、一生懸命学びます。 オデニボ は、 ウグウ には 「英語のスライドする音の混じったイボ語、しょっちゅう英語を話す人のイボ語、ラジオから聞こえてくるような歯切れのいい、正確な英語」 を話します。 オランナ の英語は 「もっとやわらかな英語、完璧な英語」 です。
 こんなふうに、 ウグウ は初めて出会った オデニボ の周囲の人たちの言葉や話ぶりから、語彙の意味は理解できなくても、その人の出身部族や性向や相性を感受している。ちょっとしたことですが、言葉によって、少年が世界の広さを感じているようすが想像されました。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

​​​​​​​​​​  3人目 語り手 はハンサムで気弱なジャーナリスト、 リチャード 。彼はジャーナリストと言ってもたいした仕事はしていません。 ナイジェリアのイボ=ウグウ遺跡 の美しさに惹かれて、それをテーマに創作できればいいなと思って ナイジェリア にいるパトロンのような女性のもとに身を寄せています。その彼がひと目で恋に落ちたのが オランナの双子の姉 カイネネ カイネネ は美しい オランナ とは見た目も性向も全く似ていません。 カイネネ オランナ とは違い、時には父の片腕となったり、あるいは独立してビジネスの世界に生きて忙しく飛び回っています。​​​​​​​​​​
​​ この 2組の恋人たち のスリリングなラブストーリーと、 ウグウ の成長と、戦争が前になったり、背景になったりしながら、 ​3人の語り手​ が語る体裁になっています。​​
​​​ ストーリーは紹介しませんが、一つだけ種明かししますね。
​「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」​
​  という言葉が何度も出てきます。 ビアフラ戦争 を内側から見た文章です。中身は リチャード が書いていた文章ですが、最終的には別の人がこの文章を書き上げたようです。よかったら、読んでみてください。​​​
​ 初めて読んだ ​現代アフリカ文学​ でした。 ​ナイジェリア​ はそのうち ​人口が世界第3位​ になる大国だそうですね。この本を読んでからは、サハラ地域だけではなく ナイジェリア のことも気にかけています。石油の発見とビアフラの独立が同じころで、グッドニュースかと思いきや、なかなかそうはいかないものなのですね。​
 SIMAKUMAさん  待ちくたびれさせてすみません。あとをよろしくお願いいたします。 2022・07・30・E・DEFUTI

​​​​​​​ ​追記2024・05・16 ​
 投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録  ​ (1日目~10日目) ​​  (11日目~20日目)  ​​​ (21日目~30日目) ​  ​​​ (31日目~40日目) (41日目~50日目) ​​ (51日目~60日目) ​​ ​​ (61日目~70日目) ​​ ​(71日目~80日目)​ (81日目~90日目)​  というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと 備忘録 が開きます。


​  追記

 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​ ​​​
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最終更新日  2024.05.22 14:07:32
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